Krush 3.10 後楽園ホール:西京春馬、村越優汰との延長戦制し-58kg王座初防衛。島野浩太朗、山本直樹を1R KOし-60kg王座挑戦権
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Krush.86
2018年3月10日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント Krush -58kgタイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者/58.0kg)
×村越優汰(湘南格闘クラブ/挑戦者、元RISEバンタム級(-55kg)王者/58.2kg→58.0kg)
3R 判定0-1 (芹沢29-30/朝武30-30/長瀬29-29)
4R 判定2-1 (芹沢10-9/朝武10-9/長瀬9-10)
※西京が初防衛
西京兄弟の兄・春馬は10月に小澤海斗を下し王座を獲得。12月のK-1では昨年のK-1甲子園優勝者の椿原龍矢にリベンジを許し「正直、ちょっと格闘技ナメてた部分があって、負けていい勉強になった」と反省し、「応援してくれる人をガッカリさせたので、やっぱり西京春馬強いなってところを次の試合で見せたいです」と話していた。
対する村越はRISE時代に那須川天心に2度敗れているが、16年9月の2戦目では5R判定まで持ち込み健闘した。ここ2年でも一刀、小笠原瑛作、工藤政英、駿太といった王座獲得経験者に勝利し、那須川に敗れた以外は7戦とも勝利している。K-1フェザー級王座を新たな目標に定め、12月のK-1初戦では芦澤竜誠に得意の左ミドル、三日月、テンカオを効かせ判定勝ちし、さっそくKrush初参戦で王座挑戦というチャンスが用意された。
1R、両者サウスポーに構え、右のロー主体の攻防。パンチの打ち合いもスピードがある。終盤、村越が右ローを当てた後、西京が左のインローを返す場面が少し繰り返されるようになるが、まだ村越は崩れず、差はほとんどない。
2Rも蹴り主体の攻防で、村越はオーソドックスにスイッチしつつ変化を持たせる。西京はサウスポー一本ながら、ステップで距離を取って細かく回り、左右のローを巧みに駆使する。お互いほとんど崩れないまま最終Rへ。
3Rも均衡状態が続くが、村越の蹴りの後に西京が蹴りを返す場面が再び目立つように。終盤、西京はパンチのヒットを増やすが、大差の無いまま終了。ジャッジは2者がドローとし、延長に突入する。
延長Rもお互い蹴り主体で一歩も譲らない状況が続いたが、時間が経つに連れ、村越の右ミドルが目立つように。だが西京もパンチの比重を上げ、随所でクリーンヒットとまではいかないが当てる。終了間際、村越の右ミドルで西京は少し体が曲がるが、すぐ戻ってパンチを返し終了。このラウンドも接戦となり、ジャッジが割れたが、2者が西京のパンチを評価し、西京の勝利となった。
辛うじて初防衛に成功した西京は「村越選手は今までやってきた中で一番強敵なので、いっぱい練習してきました。満足していないですけど、次はK-1のベルトを狙います」と宣言した。
舞台裏で西京は「僕は強い相手にはあんまり負けないんで、気を引き締めて戦えました。本戦の2R・3Rは取ったと思ったんですけど、延長の嫌な予感がしたので、集中していました。延長はどっこいどっこいでした。三日月蹴りをもらって多少息が止まって、これか、と思いました」と試合を振り返った。
第8試合 セミファイナル Krush -65kg次期挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×中村広輝(赤雲會/64.8kg)
○FUMIYA(ポゴナ・クラブジム/64.7kg)
3R 1’01” KO (バックハンドブロー)
中澤純が保持する王座を目指す、4選手参加のトーナメントが開幕。5月17日の後楽園大会で決勝が行われる。
1R、FUMIYAが開始すぐから前に出てバックスピンキックを当てて先手を取り、左ボディ、左右のローを当て続け主導権を握る。中村のパンチは空を切り続けたが、終盤の打ち合いで返しの左フックを当てダウンを奪取。FUMIYAはフラフラで、最後も中村が右フックでダウン気味に倒すが、ゴング後とみなされダウンとはならない。
2R、FUMIYAは息を吹き返し、左ボディ、右ローのヒットを増やし挽回。だが中村も中盤過ぎ、右フックでFUMIYAをぐらつかせる。お互い激しく打ち合い、死闘に突入するが、終了間際、FUMIYAがバックハンドブローの奇襲に成功しダウンを奪取。ポイントを五分に戻し、場内は大歓声に包まれる。
3R、FUMIYAは左ミドルの連打で先手を取ると、ダメージの残る中村から右フックでまたもダウンを奪取。中村は何とか立ち上がるが、目は虚ろ。それでも朝武レフェリーは続行し、中村は果敢にパンチの打ち合いに応じて再逆転を狙い、右フックを当てたが、FUMIYAがバックハンドブローをクリーンヒット。中村がダウンすると、すぐさまレフェリーがストップした。波乱の展開に、しばらく場内のどよめきが止まず、中村が担架で運ばれると拍手が起こり、中村も拳を上げて応えた。
第7試合 Krush -65kg次期挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○篠原悠人(DURGA/65.0kg)
×細越貴己(K-1ジムEBISU/65.0kg)
判定3-0 (豊永30-27/長瀬30-27/30-27)
1R、前に出る細越に対し、篠原が回って距離を取りつつ、やや積極的にパンチを当てるが、中盤から細越も少しずつパンチを返すように。まだ大差は無い状態だが、左ジャブをもらった細越は鼻血を出し少し印象は悪い。
2Rも篠原が左フックをクリーンヒットする場面があるが、細越も細かくパンチを返し、左の膝を効かせ、少し篠原が苦しそうな表情を浮かべる場面も。ジャッジ3者とも篠原を支持しているが、まだ細越にも挽回の余地がある。
3Rは篠原がパンチの手数を上げるが、細越も左ミドル、膝を返す。篠原は少し苦しそうな顔を見せたが、終盤にかけてパンチの手数を再び上げ、細越の顔面を鼻血で染め終了。結果的にフルマークの判定勝ちだったが、ダウンやKOに持ち込めなかったせいか、本人に笑顔は無かった。決勝のFUMIYA戦は再戦で、前回は篠原がKO勝ちしている。
第6試合 Krush -60kg次期挑戦者決定戦 3分3R(延長1R)
○島野浩太朗(菅原道場/MA日本スーパーフェザー級王者/60.0kg)
×山本直樹(優弥道場/60.0kg)
1R 1’53” KO (3ダウン:左フック)
1R開始すぐから、島野が距離を詰め、パンチとローを積極的に出して先手。山本優弥の弟・直樹は後手に回ってしまうが、飛び膝をヒット。島野の腰が一瞬落ちたが、直樹が前に出てくると、島野は下がりながらも右フックをクリーンヒットしダウンを奪う。直樹は立ち上がるがダメージが大きく、島野がパンチラッシュでダウンを再び奪い、最後も左フックでマットに沈めた。
島野は「7年前からKrushに上がって、ずっとKrushのチャンピオンベルトが欲しくて、(今日は)全力でぶつかっていきました。あと1つでこのチャンピオンベルトにたどり着きます。最高に仕上げて、ぶっ壊して、絶対にこのチャンピオンベルトを取ってやります」と宣言。
リングサイド席で観戦していた郷州もリングに上がると「島野選手、勝利おめでとうございます。僕は2年前のK-1初参戦で島野選手との試合組まれていましたが無くなり(※-60kg日本トーナメントのリザーブファイトで対戦予定だったが、大沢文也の欠場で島野が本戦に繰り上がっていた)、去年は島野選手の代打で敗者復活トーナメント(※-60kg次期挑戦者決定トーナメント)に出場しましたので、島野選手と何かと縁があります。やっと対戦できると思うとうれしいですが、試合で勝つのは私です。勝って防衛したいです。その前に3月21日にK-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントがあります。次に後楽園ホールに戻って来る時には、K-1王者として帰って来ます」とアピールした。
第5試合 -58kg Fight 3分3R(延長1R)
×佐野天馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/58.0kg)
○芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス/元INNOVATIONフェザー級王者/58.0kg)
判定0-2 (三浦28-30/芹沢29-29/伊藤28-29)
1R、佐野が圧力をかけ、回って距離を取る芦澤に序盤から左右のローを効かせる。芦澤は少し足を引きずるような動きを見せる場面もあったが、終盤には逆にローを返し、動きも増え、ダメージを感じさせないように。
2R、芦澤は距離を詰めてローを打たせず、左ジャブを増やしつつ手の回転を上げ、左ミドルや膝も絡め、少しずつ攻勢に。終盤には佐野が鼻血を出し苦しそうになる。
3Rも芦澤が膝蹴りも絡めつつパンチを何発も当てて、佐野を苦しめる。佐野も時折ハイを当てるが、芦澤の勢いは止まらず終了。進退を賭け今回の試合に臨んだ芦澤は、判定勝ちを告げられると、雄たけびを上げて大喜びした。
第4試合 -63kg Fight 3分3R(延長1R)
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/63.0kg)
×恭士郎(士魂村上塾/WMAF世界スーパーライト級王者、元Bigbang王者/63.0kg)
4R 判定3-0 (勝本10-9/伊藤10-9/芹沢10-9)
3R 判定1-1 (勝本30-29/伊藤29-29/芹沢29-30)
1R、恭士郎が圧力をかけ、大沢が回って距離を取る構図。恭士郎が右ロー主体で積極的に攻めるが、大沢は左ボディ、左インローを返し、差を付けさせない。
2R、恭士郎が大沢をコーナーに詰める時間が増え、恭士郎が左ボディ、右ロー等を当て、大沢は亀になってブロックするような構図が目立つ。大沢も終盤に左ボディ、ミドルを返すが、中盤までの印象が悪い。
3R、序盤こそ恭士郎が主導権を握っていたが、中盤から大沢も右アッパーを返すようになると流れが変わり、右のテンカオ、左のハイも絡め、手数が上がり挽回する。
ジャッジは三者三様となり延長へ。大沢は序盤から左の奥足狙いのローキックを度々当てて先手。その後も右アッパー、左ボディを当てる。恭士郎も左ボディを返すが、手数で劣り、大沢の判定勝ちとなった。
第3試合 -55kg Fight 3分3R(延長1R)
×椿原龍矢(月心会チーム侍/K-1甲子園’17 -55kg優勝/54.5kg)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/DEEP☆KICK -53kg級3位/54.8kg)
判定0-3 (長瀬26-30/勝本26-30/三浦26-30)
1R、玖村が圧力をかけ、椿原がステップで回り、お互い度々顔面とボディにパンチを打ち合い、終盤の打ち合いで玖村のクロスカウンターでの右フックが炸裂し、椿原はダウンを喫する。
2Rもパンチの打ち合いが随所で繰り広げられるが、椿原がミドル、ハイも絡め、少し全般のヒット数では上回る。だがポイントが付くかは微妙な差だ。
3Rも椿原が左ストレートで玖村の動きを止め、少し優位な流れだったが、玖村も右ミドル、右ストレートを随所で返し、椿原の反撃を封じる。そして終了間際に右フックを当てて再びダウンを奪い、点差を広げて判定勝ちした。
試合後、玖村は「椿原選手はチャンピオン2人(軍司泰斗と西京春馬)に勝っているんで、55kgのチャンピオンの寺戸(伸近)選手、ぜひやりましょう。挑戦したいんで逃げないでください」とアピールした。
第2試合 -63kg Fight 3分3R(延長1R)
×稲石竜弥(TEAM OJ/Bigbangライト級王者/63.0kg)
○“バズーカ”巧樹(菅原道場/63.0kg)
判定0-3 (28-30/29-30/28-29)
第1試合 -53kg Fight 3分3R(延長1R)
○隼也ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪/元WPMF日本バンタム級王者/52.7kg)
×小只直弥(K-1ジム総本部チームペガサス)
不戦勝
小只が脱水症状でドクターストップがかかり、隼也の不戦勝に。隼也は4月22日の後楽園大会で改めて試合が組まれることが発表された。私服姿でリングに上がると「悔しいですけど、次の4月大会に向けて集中します。同じ大会に出るゴンちゃん(※佐々木大蔵の王座に挑戦するゴンナパー)の応援もよろしくお願いします」と話した。なお、小只にはK-1 JAPAN GROUP公式試合(K-1/Krush/KHAOS)1年間出場停止の処分が科される。
プレリミナリーファイト第3試合 -60kg Fight 3分3R
×林 京平(JTクラブジム/59.8kg)
○川口拓真(K-1ジム総本部チームペガサス/60.0kg)
2R 1’22” KO (右ストレート)
プレリミナリーファイト第2試合 -58kg Fight 3分3R
○三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/57.9kg)
×足利和正(TEAM Aimhigh/57.8kg)※佐藤正和 改め
判定2-0 (30-29/29-29/29-28)
プレリミナリーファイト第1試合 -60kg Fight 3分3R
○谷中蒼空 [そら](ドージョー☆シャカリキ/新空手JAPAN CUP ’17 -67kg優勝&大会MVP/59.7kg)
×久保一馬(FIGHT CLUB 428/第19回K-1チャレンジAクラス-60kgトーナメント優勝/59.8kg)
判定3-0 (29-27/29-28/29-28)
※1R右ストレートで久保に1ダウン