K-1 9.24 さいたまスーパーアリーナ:武尊、1R KO勝ち「皇治の地元でぶっ潰します」。皇治、スタウロスに辛勝。芦澤竜誠、小澤海斗との因縁対決制す。シナ・カリミアンが初代クルーザー級王者に
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K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~初代クルーザー級王座決定トーナメント~
2018年9月24日(月/祝) さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
スーパーファイト
第11試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○皇治(TEAM ONE/ISKA K-1ルール世界ライト級王者/59.9kg)
×スタウロス・エグザコスティディス(ギリシャ/ナソス/メジロジム/60.0kg)
4R 判定2-1 (豊永10-9/岡田9-10/太田10-9)
3R 判定1-0 (豊永30-29/岡田30-30/太田30-30)
皇治は3か月前のカード発表会見からスタウロスを「キューピー」と揶揄。地元大阪での12月8日のK-1での武尊戦の実現に向けて今回は強さを示したいところだったが、苦戦を強いられる。
1R、スタウロスが皇治に対しパンチを連打し、やや優位だが、皇治も右フック、右ローを随所で返し、まだ大きな差はつけさせない。記者採点は10-10。
2Rもスタウロスが左ボディ、右フック等のパンチを手数多く当てて優勢だが、皇治も右ローを当て続け、打ち合いでパンチを返す場面もあり、なんとか持ちこたえる。記者採点は10-10。皇治が一発当てる度に場内の皇治ファンのバットを叩く音が響くため、ジャッジに与えた影響が気になるところ。
3Rもスタウロスがパンチのヒット数で上回るが、皇治も右フックやストレートを時折返す。だがスタウロスは勢いが落ちず、最後まで若干優位で終える。記者採点は9-10でスタウロス。合計29-30でスタウロス。
ジャッジは1者が皇治につけたが、2者はドローとし延長へ。さすがのスタウロスも疲れが見え、3Rまでほどの手数が出なくなる。皇治とほぼ同じぐらいの手数だが、その中で皇治は左ハイといった大技も絡めて見栄えを良くする。終盤にはスタウロスはマウスピースを吐き出す。記者採点は10-9で皇治。僅差のためジャッジは割れたが、皇治がなんとか勝利をものにした。
皇治は「今日は魔裟斗さんと一緒に盛り上げはったKIDさんへのリスペクトもあって、入場曲を使わせてもらいました。(9月30日のRIZINで対戦する)天心、堀口、いいんちゃう? 12月、俺はタケポンとこっちで盛り上げよう。タケポンは今頃後ろで怯えてると思うから、あんまり言わんようにするけど、俺はリスペクトするから相手に色々言います。スタウロスにも感謝しています。効いちゃった。12月終わったら、天心、堀口、相手にしたってええで」と、タブーも恐れずアピールし、観客の拍手を浴びた。
第13試合 セミファイナル スーパー・フェザー級(60kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GP王者/60.0kg)
×ダニエル・ピュータス[Daniel Puertas Gallardo](スペイン/Ultimatum Fight School/ISKA K-1ルール世界スーパーフェザー級(59kg)王者、ISKAオリエンタルルール世界ライトウェルター級(65kg)王者、W5欧州ウェルター級(65kg)王者/59.8kg)
1R 2’09” KO (右フック)
武尊は3月21日のK’FESTA.1のスーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝して以来の試合。昨年末に続き、6月には米国で練習し、かつてK-1にも上がったドゥエイン・ラドウィック、UFCバンタム級王者のTJ・ディラショー、リョート・マチダからも技術を吸収。「新しいものをプラスしつつ、空手に原点回帰した姿も見せたい」と話していた。
対戦予定だったルカ・クルソビン(イタリア)が肩の負傷により欠場。代役となったピュータスは戦績38戦32勝(16KO)6敗の25歳。身長は武尊より5cm大きい173cm。15年にISKA K-1ルール世界王座、今年に入りISKAオリエンタルルール世界王座を獲得している。今年5月には中国のクンルンファイトの61.5kgトーナメントに参戦。中国人4人、外国勢4人の構図で、大雅、クリスチャン・スペトゥク、セクサン・ソーマイと共に外国勢として参戦。一回戦は中国の選手に判定勝ちし、外国勢でただ一人準決勝に進んだが、優勝者のワン・ウェンフェンに判定負けしている。
1R、武尊は左の前蹴りをボディに当てるが、ピュータスの体にワセリンが塗られていると指摘し、梅木レフェリーが拭くように注意する。再開後、ピュータスはムエタイ式の構えとリズムで圧力をかけてくるが、武尊は距離を取りながら左ミドル等を返し続けると、左インローと左の前蹴りを当てて下に意識を向けさせてからの右フックでダウンを奪う。ピュータスは立ち上がったがダメージが大きく、武尊が詰めて左右のフックをガードの上からでもお構いなしに連打し、右フックで再び倒れたところでレフェリーがストップした。
武尊は「3月のトーナメント3試合から3か月待たせましたけど、見ての通り、めっちゃ強くなって帰って来たので、もっとぶっ倒して 日本の格闘技、世界の格闘技、僕が盛り上げます。今、格闘技が凄い盛り上がってきているし、K-1でも若い選手が育ってきています。今日も大阪のうるさい奴(皇治)がゴチャゴチャ言っていましたけど、盛り上がっているのはいいことなんで。皇治(との対戦)、関西の方が期待してくれていると思うけど、中途半端な勝ち方して、俺の名前はともかく、他の名前出してんじゃねえよ。あんな戦いじゃ、決まるかわかんないけど、決まったら皇治の地元でぶっ潰します。格闘技、盛り上がっていますけど、K-1が最高のリングと証明するんで、これからもK-1を観に来てください」とアピールした。
◆武尊「前回はトーナメントに急きょ変わって、十分に体作りができなかったんですけど、今回はアメリカにも練習に行って、じっくり体作りができました。まだ減量がほぼ無いので、この階級で伸びしろがあると感じました。自分が楽しみです。
(ワセリンを指摘した時の状況について)相手は体がデカくて、3R使って勝てればいいかなと思っていました。3Rに行くと体格差が出て辛くなるので、前蹴りで止めるのが作戦だったんですけど、蹴った時に流れて、凄く滑ったんで指摘しました。今までなら滑っても試合中に止めることなかったんですけど、相手のデカさにナーバスになっていましたね。
(ダウンを奪ったパンチについて)パンチもガードの上からは効かないなって思いました。蹴った時の感触が、圧で返されて、蹴りが効かない感じに思ったので、蹴りのフェイントを入れてから右のパンチを入れることにしたらダウンを取れました。その後は向こうも打ち返して来て、パワーがあったんですけど、冷静になれて、カウンターを狙いました。ピュータス選手対策で練習していた右のカウンターがうまく入った感じです。
(皇治のアピールについて)今日の試合内容であんだけ大口叩かれても困りますね。でも、スタウロスに勝ったんで、皇治選手も普段からK-1盛り上げようと思って色々言ってくれるし、熱狂的なファンも多いし、試合をすれば盛り上がると思います。あとは決まればって感じです。でも一番(戦いたい理由)は、うるさいんで黙らせたいのがあります。最近は僕に対してリスペクト感を出してきて、いい人感を出し初めているのがムカつきますね(苦笑)」
第12試合 スーパー・バンタム級(55kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GP王者/54.9kg)
×アクラム・ハミディ [Akram Hamidi](フランス/チーム・ヴァレンテ/WMF欧州スーパーバンタム級王者/55.0kg)
1R 1’42” KO (左ストレート)
武尊同様、武居も3月以来の試合。対するハミディは99年1月4日生まれの19歳だが、27戦24勝(13KO)2敗1分と経験豊富だ。
1R、サウスポーの武居に対し、ハミディが圧力をかけて右の蹴りを放ってくるが来るが、武居はかわしながら左ロー、ミドルをヒット。右ジャブも当ててじわじわ流れを引き寄せると、右アッパー、左ストレートを連打。ダウンしたハミディは立ち上がれず、武居のKO勝ちとなった。
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×小澤海斗(K-1 GYM EBISU FREE HAWK/元Krushフェザー級王者/57.4kg)
○芦澤竜誠(K-1ジム総本部チームペガサス/元INNOVATIONフェザー級王者/57.5kg)
判定0-3 (豊永27-30/山崎27-30/西村27-30)
6月17日のK-1のフェザー級王座決定トーナメントで小澤は一回戦でホルヘ・バレラに1R KO負け。芦澤はシルビュー・ヴィデズを1R KOし準決勝に進んだが、西京春馬に判定負けした。会見で乱闘、公開練習やTwitterで舌戦を繰り広げ、前人気の高いカードだ。
1R、芦澤が中盤に左ストレートを効かせ、打ち合いにもつれ込むと、小澤も左ストレートを返すが、芦澤が左の膝蹴りのパンチ連打で小澤をふらつかせる。小澤は奇襲のバックスピンキックを放つが、力が入らず倒れてしまい、梅木レフェリーはダウンを宣告する。小澤は鼻血を出しており、ダメージは隠せない。終盤にはクリンチでレフェリーが注意した後、少し小澤が集中力の切れたところで、芦澤が右のジャンピングハイを当ててダウンを重ねる。
2Rはお互い膝、ミドルを当てるが、クリーンヒットにはなかなかつながらない展開で五分に。小澤が前に出るが、芦澤は回って距離を取りながら攻撃を返し続ける。記者採点10-10。3Rも基本的に同じ構図で、小澤は前に出てバックスピンに持ち込むが、空振りが繰り返され終了。結局、1Rの2ダウンが決め手となり、芦澤の勝利となった。
マイクを持った芦澤はは「3R、逃げるみたいになったけど、俺、こんなもんじゃないんで。俺がヒール役になってK-1を盛り上げるから」とアピールした。
第7試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○安保瑠輝也(team ALL-WIN/62.3kg)
×林 健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーライト級王者/62.5kg)
3R 0’44” KO (左ストレート)
瑠輝也は春にTRY HARD GYMから独立し、6月にゴンナパーにKO負けして以来の試合。林もゴンナパーにKO負けした過去があり、兵庫出身同士な点も共通する。瑠輝也のセコンドには野杁正明がついている。
1R、林が序盤から瑠輝也をコーナーに詰め、左ボディ、右ストレートを当てて先手を取るが、瑠輝也は耐え続け、少しずつ攻撃を返し、左ストレートでぐらつかせ、三日月蹴り、飛び膝のラッシュで反撃。打ち合いでも少しずつ瑠輝也が優勢になる。記者採点10-10。
2Rも林が詰めてパンチを当て続けるが、瑠輝也は耐え、左ミドル、左膝等を返し続けてダメージを与え、左ストレートで林をぐらつかせ後退させる。終盤は林が挽回するが、中盤の攻勢で記者採点は10-9で瑠輝也。
3Rも林が詰めて来るが、瑠輝也が打ち合いで左ストレートを当て、林を下がらせると、左右のストレートを連打し、反対側のロープに詰めながら左ストレートをクリーンヒット。ダウンした林を見て、芹沢レフェリーはストップした。
瑠輝也は「勝つ姿を見せることができて良かったです。まだレベルが僕は低いんで、これからもっと頑張って、一流の選手を倒します」とアピールした。
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×郷州征宜(K-1ジム総本部チームペガサス/元Krush王者/60.0kg)
○スアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿ジム/REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元ラジャダムナン認定フェザー級7位/59.8kg)
判定0-3 (西村28-30/豊永28-30/太田28-30)
郷州は3月の王座決定トーナメント一回戦でデニス・ウォーシックに判定勝ちしたが、準決勝で武尊にKO負け。6月のKrushスーパー・フェザー級王座防衛戦では島野浩太朗に判定負けした。
スアレックは3月の王座決定トーナメントでK-1に初参戦したが、一回戦で小宮山工介の左ハイキックで1R KO負けしていた。6月のREEBLSではREBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王座の防衛戦を行い、杉本卓也を2R左フックでKOすると「もう1回K-1出たいです」とマイクアピールしていた。
1R、郷州が普段の試合では圧力をかけるケースが多いが、スアレックが圧力をかけ、コンビネーションの中で右のミドルやローをヒット。郷州は手数は劣るが、右フックをクリーンヒットする場面もあり、まだ大差はつけさせない。記者採点10-10。
2Rになると、スアレックがコーナーに詰め、アッパーも絡めたパンチのコンビネーションでの連打を決める場面が増える。離れれば左右のミドルと右ローも強打。郷州は終盤に少しパンチを返すが、巻き返すほどにはならない。記者採点9-10でスアレック。
3Rもスアレックがアッパーを絡めたパンチの連打、左右のミドルで優勢。郷州もコーナーに詰めてパンチの連打と膝を当てるが、スアレックはその分も同じように連打を返し続け、最後は郷州が下がってしまう。記者採点9-10でスアレック。合計28-30でスアレック。ジャッジ3者も同様で、スアレックがK-1初白星を飾った。
K-1 WORLD GP初代クルーザー級(90kg)王座決定トーナメント
1993年にスタートした四半世紀のK-1の歴史で、無差別級以外はずっと位置づけが定まらなかった70kgよりも上の領域。一気に20kgも飛ぶが、90kgのクルーザー級がようやく本格的にスタートする。欧米人が主体のGLORYや、UFCなどMMA界では70kgよりも上の階級のほうが充実し、K-1の原点であるフルコンタクト空手界のウエイト制では70~90kgまたは65kg~85kgの範囲で10kg刻みで階級分けがされている。ボクシングでもヘビー級の下が200ポンド(90.72kg)のクルーザー級だ。K-1でもクルーザー級を新設することで、他競技・海外からの新規参入の呼び水となり、今後の75kg・80kg・85kgの新設の道筋ができるだろう。
新顔の海外勢には前日公開計量でも日本勢との筋肉量の差にどよめきが起こったが、試合でも日本のファンに衝撃を与えることになる。
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×OD・KEN(ReBORN経堂/J-NETWORKヘビー級1位/89.5kg)
○シナ・カリミアン [Sina Karimian](イラン/ウィラサクレック・フェアテックス・イラン/アマチュアWKN・WKU・IKN・WKF・IFMA世界ヘビー級王者/90.0kg)
4R 0’39” KO (パンチ連打)
3R 判定0-1 (芹沢29-29/岡田29-30/伊藤29-29)
カリミアンの母国イランはプロ格闘技が禁止で、アマで130戦を経験。外国のプロのリングでは5戦5勝(4KO)。30歳・身長200cmで、蹴り技が得意だという。
1R、カリミアンは伸びのある右のストレート、左ミドルでODを脅かすが、ODは右フックを多用してヒットし、左ボディも効かせてカリミアンを苦しめる。記者採点10-9でOD。
2Rも若干OD優勢ではあるが、カリミアンも攻撃を切らさず、終盤には右フックでODをぐらつかせ、左ミドルも絡めての猛ラッシュで追い詰める。記者採点9-10でカリミアン。
3R、ODが右フックを効かせてカリミアンを追い詰めるが、カリミアンも負けじと力を振り絞り、ODをコーナーに詰めてパンチ、ミドルを当てて反撃。一進一退の展開に場内が沸く。記者採点10-10。
ジャッジは2者がドローとつけ延長へ。だがODは余力が無く、カリミアンが開始すぐパンチと前蹴りのラッシュでコーナーに詰めて倒す。ODは立つがダメージが大きく、西村レフェリーがストップした。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/89.5kg)
×ブライアン・ミクグラス [武来安/Brian McGrath](米国/上州松井ジム/J-NETWORK&WPMF日本ライトヘビー級(79.38kg)王者/87.4kg)
1R 2’37” KO (2ダウン:パンチ連打)
ミクグラスは大学で日本語を専攻し、日本に留学後は武来安のリングネームで15年からJ-NETを主戦場に活躍している。現在33歳。K-Jeeの先輩にあたる藤田智也にも2度勝利している。身長179cmは出場選手で最小で、K-1クルーザー級は増量しての戦いとなる。
1R、K-Jeeは開始すぐから積極的な攻めで先手。空振りも少なくないが、顔面とボディにパンチを連打し、ミドルも絡めてミクグラスを下がらせる。ミクグラスも攻撃を返すが後手に回り続けるとダメージが溜まり、K-Jeeがミクグラスをコーナーに詰めて右フックをクリーンヒットし、ミクグラスの動きが止まったところでレフェリーがダウンを宣告。最後は下がり続けるミクグラスに左ストレートを連打したところでレフェリーがストップした。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○杉本 仁(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/90.0kg)
×アンドレ・グロース [Aundre Groce](イギリス/ファイヤーウォーカージム/ISKA英国クルーザー級王者/90.0kg)
判定(芹沢30-28/山根29-28/鶴和30-28)
グロースは31戦23勝(11KO)8敗の20歳。その上の年齢の選手が24歳で、ダントツの最年少だ。身長190cm。母国英国、東欧を主戦場にしてきた。
1R、グロースが伸びのある左ジャブから右ローを当て、やや優勢だったが、杉本がグロースの右フックをかわしながらカウンターの右フックを当ててダウンを奪う。記者採点10-8で杉本。
2R、グロースは右ロー、左膝蹴り、左ジャブを随所でヒット。杉本も右フックを当てるが手数で少し劣る。記者採点10-10。
3R、杉本はそれでもグロースの前進に耐えつつ、細かくパンチを当て続けると、グロースは疲れが溜まり、グロースの少し集中力が切れたところで杉本が右フックをヒット。さらに右ハイも連打し、グロースを追い詰める。記者採点10-9で杉本。合計30-27で杉本。杉本が判定勝ちで初戦を突破した。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×上原 誠(士魂村上塾/元RISEヘビー級&ライトヘビー級(-90kg)王者/90.0kg)
○ブバッカ・エル・バクーリ[Boubaker El Bakouri](モロッコ/サイアムジム/89.8kg)
1R 1’05” KO (2ダウン:左ジャブ)
日本のエース・上原誠はK-1参戦後の苦戦を踏まえ、「負けたら自分に『戦力外』と伝える」と覚悟を決めてのトーナメント出場。今回に備え、重量級の選手の多いオランダのマイクスジムに出稽古していた。
なお、元々マシニッサ・ハマイリ(フランス)が一回戦の相手だったが、ビザ申請と入国手続きの不備が理由で欠場。大会20日前に発表された代役のエル・バクーリは24歳で戦績42戦34勝(18KO)8敗。身長189cm。
1R、上原はしばらく右ローを当て、じっくり攻めようといった様子だったが、エル・バクーリがじわじわ圧力をかけ、左ジャブストレートを連続でヒットすると、上原はあっけなくダウンを喫してしまう。既に意識がもうろうとしている様子で、立ち上がったものの、再びエル・バクーリが左ジャブを当てるとまたもダウン。上原が何もできないまま完敗に終わった。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○RUI(K-1ジム蒲田チームキングス/89.5kg)
×古田太一(ポルティファミリアジム/87.3kg)
3R 2’49” KO (2ダウン:左膝蹴り)
第9試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○シナ・カリミアン(イラン/ウィラサクレック・フェアテックス・イラン/アマチュアWKN・WKU・IKN・WKF・IFMA世界ヘビー級王者/90.0kg)
×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/89.5kg)
判定3-0 (岡田30-27/畑中30-28/山根30-27)
一回戦でカリミアンは3R以上、K-Jeeは1R以内戦っての準決勝。1R、開始間もなくからカリミアンはK-Jeeをロープに詰めてパンチラッシュ。K-Jeeは鼻血を出し苦しむが、中盤に左フックでぐらつかせ、ボディへのパンチも絡めて巻き返す。終盤は一進一退となり、どちらも消耗が激しい。記者採点は10-9でカミリアン。
2R、K-Jeeは消耗が激しく、カリミアンに詰められてパンチや膝蹴りをもらい続ける。カリミアンもとどめの一撃を刺す余力が無く、ダウンは奪えないが、K-Jeeは攻撃を返せない。記者採点10-9でカミリアン。3Rも同様にカリミアンがK-Jeeに何発もパンチと膝を叩き込んで圧倒し判定勝ちした。
第10試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×杉本 仁(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/90.0kg)
○ブバッカ・エル・バクーリ(モロッコ/サイアムジム/89.8kg)
2R 1’40” KO (2ダウン:右ストレート)
1R、開始すぐからエル・バクーリが杉本をコーナーに詰め、右ボディと右フックのラッシュでダウンを奪う。杉本はダメージを負うが、右フックを効かせると、ラッシュで挽回する。しかし終盤、エル・バクーリが上原を沈めた左ジャブを連打し、杉本をダウン寸前まで追い詰める。
2Rもエル・バクーリが圧力をかけ、右ローを効かせた後、左右のボディ連打からの右アッパーでダウンを奪取。杉本は立ち上がるが後が無く、最後はエル・バクーリの右ストレートをもらってダウンを喫してしまい敗れてしまった。
第14試合 メインイベント 決勝戦 3分3R(延長1R)
○シナ・カリミアン(イラン/ウィラサクレック・フェアテックス・イラン/アマチュアWKN・WKU・IKN・WKF・IFMA世界ヘビー級王者/90.0kg)
×ブバッカ・エル・バクーリ(モロッコ/サイアムジム/89.8kg)
判定2-0 (西村29-28/芹沢28-28/山根29-28)
※カリミアンが優勝。K-1 WORLD GP初代クルーザー級王者に
1R、開始すぐからエル・バクーリがカリミアンをコーナーに詰め、右ストレート、左ボディ等を度々当てて主導権。連打とはならないが、カリミアンは防戦一方となる。記者採点9-10でエル・バクーリ。
2R、日本の窓口のウィラサクレック・ウォンパサー会長から檄が飛ぶと、息を吹き返したカリミアンは、序盤からパンチラッシュで先手。エル・バクーリもさすがに疲れが見え、後退するようになり、カリミアンが右のバックハンドブローでの奇襲に成功し、ダウンを奪取。終盤もパンチ連打で追い詰める。記者採点10-8でカリミアン。
3R、エル・バクーリも息を吹き返し、パンチのヒットを増やし挽回。カリミアンも返すが、押される時間が長く、終盤にはマウスピースを吐き出す。それでも最後はカリミアンも残りの力を振り絞ってパンチを連打し、エル・バクーリを下がらせて終了する。記者採点10-10。合計29-28でカリミアン。ジャッジ2者も同様で、カリミアンが勝利となり初代クルーザー級王者となった。
カリミアンは「K-1のプロモーターと日本に呼んでくれたM-ONEのウィラサクレック会長に感謝します。K-1のベルトは夢でした。ありがとうございます。もっと頑張ります」とアピールした。
プレリミナリーファイト
第5試合 ガスワンPresents K-1甲子園2018 ~高校生日本一決定トーナメント~ -65kg決勝戦 2分3R(延長1R)
○近藤魁成(大阪/西成高校・2年/昨年大会優勝/大成会館)
×大庭龍華(東京/練馬工業高校・1年/K-1ジム総本部)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
※2R右ボディフックで大庭に1ダウン
第4試合 ガスワンPresents K-1甲子園2018 ~高校生日本一決定トーナメント~ -60kg決勝戦 2分3R(延長1R)
○山浦力也(長野/佐久平総合技術高校・3年/K-1アマ全日本3連覇/北斗会館)
×清水隆誠(大阪/美原高校・3年/J-NETWORKスーパーフェザー級4位/烈拳會)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
第3試合 ガスワンPresents K-1甲子園2018 ~高校生日本一決定トーナメント~ -55kg決勝戦 2分3R(延長1R)
×笠見瑠伊(茨城/鹿島学園高校・2年/TEAM OJ)
○多久田和馬(神奈川/彦根高校・1年/K-1ジム横浜)
3R 0’33” KO (左飛び膝蹴り)
※2R顔面への左膝蹴りで笠見に1ダウン。
第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
○東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/62.5kg)
×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/62.3kg)
判定2-0 (山根28-28/西村29-28/鶴和30-27)
※3R左フックで瓦田に1ダウン
第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○小倉尚也(スクランブル渋谷/54.8kg)
×リョウタ(鷹虎ジム/55.0kg)
1R 0’38” KO (右ストレート)
当日開会式の後、9月18日に逝去した山本“KID”徳郁を追悼する黙とうが捧げられた。会場内には献花台が設置された。また、肺塞栓症、敗血症のために入院している第1回K-1グランプリ優勝者・ブランコ・シカティックへの募金箱が、グッズ売り場横に設置された。