Krush 6.30 後楽園ホール:島野浩太朗がスーパー・フェザー級、金子晃大がバンタム級新王者に。松下えみは女子アトム級王座初防衛
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Krush.89
2018年6月30日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 トリプルメイン(3) Krushスーパー・フェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×郷州征宜(K-1ジム総本部チームペガサス/王者/60.0kg)※初防衛戦
○島野浩太朗(菅原道場/挑戦者/60.0kg)
判定0-3 (梅木28-29/山根29-30/岡田28-30)
郷州は昨年10月に安保璃紅に勝利して王座獲得。RISEで小宮山工介、REBELSで町田光相手にタイトル戦を経験したが、いずれも敗れており、悲願のタイトル奪取となった。3月のK-1でのK-1同級王座決定トーナメントでは準決勝で武尊にKO負けしており、今回は再起戦だ。
島野は3月のKrushでの挑戦者決定戦で山本直樹を1R KO。14年11月に卜部弘嵩と同王座を争って以来、約3年7カ月ぶりのタイトルマッチだ。
1R、郷州はいつものように前に詰めて来るが、島野は回ってかわしつつ、度々左ボディを当てる。それでも郷州は前に出続けて右ストレート等のパンチをヒット。お互いほとんど蹴らず、パンチの打ち合いを繰り広げ、やや郷州が押し気味。しかしおそらくバッティングで鼻と左目尻から出血し、少しジャッジに対する印象が悪そうだ。記者採点は10-10。
2R、郷州が前に出続け、右フックだけでなく左右のテンカオも絡め追い詰める。終盤には右ローも連打して島野を追い詰めるが、島野が左フックを当てると、郷州はぐらつく。両者パンチの打ち合いで、終了間際に左フックをもらった郷州がスリップするが、ダウンとはみなされない。記者採点は9-10で島野。
3Rも郷州が前に出て、右フック、右テンカオを当て続け優勢。島野はパンチを返すが、郷州の前進は止まらない。終盤に島野はまたもクリーンヒットを増やし、場内はさらにヒートアップ。しかし郷州は2Rのようにひるまず、パンチを返し続ける。記者採点は10-9で郷州。合計29-29でドロー。ジャッジは3者とも島野を支持し、島野が悲願の王座奪取を果たした。
島野は「菅原会長が毎日、朝から一緒に過ごして練習してくれました。ありがとうございます。今のままじゃ島野に勝てると思っている選手がいると思います。またこのリングで壊し合って、リングに立っていたいです」とアピールした。
第8試合 トリプルメイン(2) Krushバンタム級(53kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/王者/53.0kg)※初防衛戦
○金子晃大(K-1ジム・シルバーウルフ/挑戦者/53.0kg)
4R 判定0-3 (岡田8-10/山根8-10/豊永8-10)
3R 判定1-1 (岡田29-28/山根28-29/豊永29-29)
※金子が王者に
軍司は昨年9月に隆聖との王座決定戦で勝利。その後はK-1のスーパーファイトに連続出場し、いずれも勝利を収めている。対する金子はプロ戦績5戦5勝(3KO)。昨年11月の出貝泰佑との挑戦者決定戦に勝利した。
1R、金子が積極的にパンチを振るい、中盤過ぎから素早い左ボディ、右フックをクリーンヒットする場面が目立ち始める。ゆったり目のスタートの軍司も、これで火が付き、左ボディ、右フックをお返しする。金子についても不思議ではないが、記者採点は10-10。
2Rも金子が途中まで積極的にパンチを当て若干優勢。軍司はボディにもらうと口が開き苦しそう。金子は右ロー、右テンカオも絡める。だが終盤に差し掛かると、またも軍司は手数を上げ、打ち合いでパンチを顔面とボディにお返し。はっきりした差をつけさせない。記者採点は10-10。
3Rも金子が手数で上回る状況が続き、軍司は体力が落ち、反撃がなかなかできない。金子は右のテンカオ、右ミドルも絡めて軍司を削る。終盤になると打ち合いとなるが、着実に当てるのは金子のほう。右フックの連打で終盤は軍司をふらつかせる。記者採点は9-10で金子。合計29-30で金子。ジャッジは三者三様で延長に突入する。
4Rも金子が右のテンカオを絡め若干優勢な状態が続く。パンチの打ち合いで軍司も当てるが、金子は引かない。1分半過ぎ、金子のテンカオがローブローとなり、約2分のインターバル後再開。金子がパンチ、右テンカオで優勢な状態が続くが、軍司は左ハイをクリーンヒットすると、金子は右まぶたをカットし出血する。すると金子はさらに闘志に火が付き、右ストレートを連続で軍司にヒット。軍司も耐え、場内は大歓声に包まれるが、金子が右ストレートを当て続けるとついに軍司がダウン。結局これが決め手となり、金子が延長判定勝ちで新王者となった。
初のベルトを巻いた金子は「僕は6戦目で、軍司君、キャリアがあったんですけど、トレーナーや先輩に恵まれて取ったベルトです。軍司は55kgでも強い選手だったので、今回はすげえ本気出しました(場内笑)。強かった選手に勝って凄いベルトだと思うので、防衛してこのベルトの価値をさらに高めたいです。僕のことをこれを機に覚えて下さい」とアピールした。
第7試合 トリプルメイン(1) Krush女子アトム級(45kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○松下えみ(T-KIX GYM/王者、J-GIRLSピン級(45.36kg)王者/44.9kg)
×443(NEXT LEVEL渋谷/挑戦者、KOSピン級王者、J-GIRLSピン級4位/44.7kg)
判定2-0 (山根29-29/梅木30-28/芹沢30-28)
※松下が初防衛
松下は昨年12月大会まで行われた初代王座決定トーナメントを制して王座を獲得。443は初代王座決定トーナメント準決勝で敗れたものの、1月大会で元NJKEミネルヴァ王者のC-ZUKAを1RKOで下し、王座挑戦のチャンスを手に入れた。
1R、443が圧力をかけ、松下が回って距離を取る構図の中で、お互いにミドル、パンチを当てる。少し松下のヒット数と、連打をまとめる場面が上回るが、まだはっきりした差は無い。記者採点は10-10。
2Rは松下が圧力をかけるようになり、随所で右ミドルを強打。ロープ、コーナーに詰め、攻め込む場面が増える。ヒット自体は少ないが攻勢をうまく印象付ける。記者採点は10-9で松下。
3Rも同様で、松下が馬力差を発揮し、詰めてパンチ、ミドルを当て続ける。記者採点は10-9で松下。合計30-28で松下。ジャッジ2者が順当に松下を支持し、松下が判定勝ちで初防衛を果たした。
松下は「初防衛戦でプレッシャーもかなりあって緊張しましたがホッとしています。練習していたことが出なくて悔しいですけど、チャンピオンの責務を果たして練習を重ねます。昨夜(女子フライ級王者の)KANA選手から応援メッセージをいただいてパワーになりました」と話した。
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○安保璃紅(team ALL-WIN/元王者/59.8kg)※TRY HARD GYMから所属変更
×覇家斗(K-1ジム・ウルフ/59.8kg)
判定3-0 (岡田30-29/太田30-28/西村30-29)
安保兄弟の弟・璃紅は昨年10月に郷州に判定1-2で惜敗し、初防衛に失敗。プロ9戦目で初黒星を喫した。その後、2月に所属先のTRY HARD GYMとK-1 JAPAN GROUPの契約トラブルが明らかに。TRY HARD勢が他団体に戦場を移す中、K-1の頂点を目指す安保兄弟は揃って同ジムを離れ、故郷の兵庫の隣の大阪にジムを作った。対する覇家斗は3月のK-1のプレリミナリーファイトで闘士を1R KOして以来の試合だ。
1R、圧力をかける璃紅に対し、覇彌斗は細かく前手のフェイントやステップを駆使して距離を取りながら、着実に右ローをヒット。璃紅は中盤過ぎにパンチの連打で覇彌斗を追い詰めるが、打ち合いで覇彌斗も左フックを返してぐらつかせ、大差はつけさせない。記者採点は10-10。
2Rも璃紅が圧力をかけるが、覇彌斗は細かく動いて的を絞らせず。中盤過ぎから璃紅が手数を上げ、バックハンドブローを当てるが、覇彌斗も同じ攻撃を返す。終盤に覇彌斗は右ボディストレート、左ミドルを効かせ、少し好印象。大差は無く記者採点は10-10。
3Rも璃紅が一発パンチを当てれば、覇彌斗もパンチやミドルをお返しする状況が繰り返され、一進一退の状態。若干安保のヒットが多いため、ポイントを取っても不思議ではないが、覇彌斗も攻撃を返し続けたため判断が難しい。記者採点は10-10。合計30-30。ジャッジは3者とも璃紅を支持し、独立初戦を白星で飾った。
第5試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×亀本勇翔(K-1 GYM SAGAMI ONO KREST/54.9kg)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/55.0kg)
判定0-3 (鶴和27-30/岡田29-30/西村29-30)
1R、亀本がサウスポー、将史がオーソドックスに構え、序盤に将史がパンチの連打をまとめるが、亀本はブロック。中盤から亀本が左ミドル、インローのヒットを増やすと、将史も右ミドル、右インローをお返しし、スピーディーでテクニカルな蹴りの応酬で観客を魅了する。記者採点は10-10。
2Rも蹴りの応酬が続き、時折パンチの打ち合いにもなるが、どちらもかわし、クリーンヒットさせない。お互いスピードは落ちないが、なかなかはっきりした差もつけられない。記者採点は10-10。
3R、亀本が左ハイ、修平が右ミドル、パンチで印象を残すが、なかなか均衡は崩れず。残り30秒、亀本の左ローがローブローとなり中断。再開後、激しく打ち合うが、五分のまま終了。記者採点は10-10。合計30-30。ジャッジは3者とも将史を支持。合計のバラツキは大きいが、パンチが少なかった亀本に比べ、パンチが多かった将史の評価がおおむね高かったようだ。
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×小倉尚也(スクランブル渋谷/54.8kg)
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者/55.0kg)※K3Bから所属変更
判定0-2 (岡田29-29/山崎29-30/西村28-29)
玖村将史の兄・修平は96年9月4日生まれの21歳。戦績は14戦10勝(5KO)4敗。昨年6月にNJKFバンタム級王座決定戦で日下滉大に4R TKO勝ちし王座獲得。11月のNJKF大阪大会でNKBバンタム級王者・高橋亮に3R判定負けして以来の試合となる。弟と同じK-1ジム五反田に移籍しての初戦では、4月のKrushで大川一貴をKOした小倉尚也と対戦する。
1R、小倉が序盤から右ロー、左インローを積極的に当てるが、修平は手数では劣るものの右フック、左ミドルを時折り強打。小倉は鼻血を出し、苦しそうな表情を浮かべ、印象が悪い。記者採点は9-10で修平。
2R、修平が右ストレート、左ジャブ、右テンカオを正確に当て続け、終盤には右ハイやバックハンドブローもヒット。小倉も時折パンチを返し、ボディへの連打で印象を残すが、差を埋めるほどにはならない。記者採点は9-10で修平。
3R、小倉は前に詰めてボディ、顔面にパンチを連打し反撃。だが中盤からはヒットが減り、終盤は修平が左右のテンカオ、左ミドル、左ハイで巻き返す。記者採点は10-10。合計28-30で修平。ジャッジも2者が順当に修平を支持し、Krush初戦を白星で飾った。
第3試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×出貝泰佑(TEAM GYAKUSAN/元Bigbangスーパーバンタム級王者/52.9kg)
○隼也ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪/WPMF日本バンタム級王者/53.0kg)
4R 判定1-2 (芹沢9-10/豊永9-10/梅木10-9)
3R 判定0-1 (芹沢29-30/豊永29-29/梅木29-29)
1R、出貝が圧力をかけるが、なかなか攻撃につなげられず、隼也が左ミドルをうまく当てる。終盤には右フックで少し出貝をぐらつかせチャンスを作るが、出貝も右フックを返す。記者採点は10-10。
2Rも同じような構図だが、隼也は鼻血を出し、少し苦しそうな表情。やや出貝が積極的だが、まだ大差は無い。記者採点は10-10。
3Rも同様で、お互い左ミドルを当てるが、均衡は崩れず。記者採点は10-10。合計30-30。
4Rも僅差だが、隼也がやや積極的で、左ミドル、左ハイで好印象を残す。記者採点はマストで9-10で隼也。ジャッジは割れたが、隼也が2票を獲得し、接戦を制した。
第2試合 ヘビー級 3分3R(延長1R)
○K-Jee(K-1ジムFUKUOKA/95.0kg)
×植村真弥(ウィラサクレック・フェアテックス幕張/WMC日本ヘビー級王者/100.0kg)
2R KO (右ローキック)
1R、初参戦の植村が開始すぐから圧力をかけ、右フック、右ローでK-Jeeを追い詰める。K-Jeeは少しずつ右ローを当て、効き目を発揮するが、植村はまだ耐え、パンチを当て続ける。記者採点は9-10で植村。
2R、植村は序盤からラッシュを仕掛けるが、K-Jeeは耐え、ワンツーからの右ローの連打を繰り返しダウンを奪取。最後は右テンカオも散りばめつつ、右ローでダウンを奪い、植村が立ち上がるが、10カウント以内にファイティングポーズを取らなかったため、西村レフェリーがストップした。
第1試合 スーパー・フェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
○西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI ONO KREST/K-1甲子園’16 -60kg優勝/59.9kg)
×横山 巧(リーブルロア/K-1甲子園’16 -60kg準優勝/59.8kg)
4R 判定2-1 (西村10-9/芹沢9-10/豊永10-9)
3R 判定0-0 (西村29-29/芹沢29-29/豊永29-29)
横山は3月のK-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントのリザーブファイトで大岩龍矢に判定2-0で敗れて以来の試合。2016年のK-1甲子園決勝で横山に勝っている佑馬は、4月22日のKrushでレオナ・ペタスに判定負けし、プロ4戦目で初黒星を喫した。
1R、右ローの応酬から始まるが、佑馬の右ローのほうが鋭く、次第に横山のローが減り、佑馬が蹴り続ける展開に。右回りで横山の前進をかわし、右ストレートや右ボディも絡める。記者採点は10-9で佑馬。
2R、横山は圧力を強めると、右フックを打ち合いで当て、少し佑馬をひるませ、パンチラッシュで好印象。その後も右ミドル、左フックでも好印象。佑馬はクールな表情を崩さないが、流れは悪い。記者採点は9-10で横山。
3Rも横山が圧力をかけ、佑馬は回る構図が続く。佑馬が左ジャブを連打するが、その先にはつながらず。横山もパンチの空振りが多く、お互い攻めあぐねる。記者採点10-10で合計29-29。ジャッジ3者も同じで延長に突入する。
4Rも横山が前に出て、佑馬はかわしながらも左ジャブや右ストレートを時折当てる。横山は終盤に圧力を上げてパンチの手数も増やし、好印象を残す。大差は無いが、記者採点はマストで9-10で横山。ジャッジ泣かせの展開で終わり、採点は割れたが、西京に軍配が上がった。
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
×眞暢(TEAM ONE LINK/64.7kg)
○蓮實 光 [はすみ ひかる](パラエストラ栃木/64.6kg)
1R 0’43” KO (左フック)
プレリミナリーファイト第2試合 バンタム級(53kg) 3分3R
○晃貴(K-1 GYM SAGAMI ONO KREST/53.0kg)
×桑田裕太(Ωmega/53.0kg)
判定2-0 (30-28/29-29/30-27)
プレリミナリーファイト第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R
×久保田悠俉(A-BLAZE×KICKGYM/52.8kg)
○橋本裕也(K-1ジム五反田チームキングス/第16回K-1アマチュア チャレンジAクラス-55kg優勝/52.6kg)
判定0-3 (26-30/26-29/27-30)
※2R久保田に2ダウン