REBELS 6.6 後楽園ホール:梅野源治、1階級上のルンピニーランカーに判定勝ち。クラップダムへのリベンジに向け「確信は無いけど自信につながりました」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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REBELS.56
2018年6月6日(水) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント ライト級 3分5R
○梅野源治(PHOENIX/元ラジャダムナン認定ライト級王者、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者/61.20kg)
×ピンペット・シットジャーディン [Pinphet Sitjadaeng](タイ/ルンピニー認定スーパーライト級6位/60.60kg)
判定2-0 (秋谷49-48/山根49-49/和田49-48)
梅野は2月のルンピニー認定ライト級王座決定戦でクラップダムにKO負けして以来の試合。今回は打倒クラップダムへの第一歩として、ルンピニーの1階級上のランカー、ピンペット対戦した。
1R、ピンペットはサウスポーに構え、左ミドルを当てると、梅野は体が押されるように流れ、ピンペットのパワフルさが伝わって来る。梅野は右ミドル主体で応戦。蹴り数では劣らないが、ピンペットは蹴りのカットが巧い。ピンペットがパンチの連打を放つと梅野が後退する場面も目立ち、少し印象が悪い。記者採点は9-10でピンペット。
2Rに入ると、梅野は距離感を修正したか?ピンペットの左ミドルをもらう場面が減り、逆に梅野が右ボディストレートを当てていると、ピンペットは少し嫌そうな表情を浮かべるように。すると梅野の右ミドル、右ローのヒットが増え、終盤にはピンペットに左ミドルを空振りさせてから梅野が右ローを当て、前蹴りで吹き飛ばす場面も。記者採点は10-9で梅野。
3Rになると、ピンペットもミドル、首相撲の膝・肘で挽回。梅野も同じように攻撃を返し続け、非常にレベルの高い攻防を繰り広げる。終盤には梅野がコーナーに詰めて右ボディストレートを当てて好印象を残すが、2Rほどはっきりした差が無く、記者採点は10-10。
4R、梅野は前に詰めてパンチ主体のファイトへ。ピンペットはロープを背負ってクリンチやスウェーでかわし続け、時折膝を当てる。日本なら確実に梅野のラウンドだが、タイならピンペットが取っている恐れもあるか?記者採点は10-10。梅野も試合直後の話で自己採点ではイーブンだったと評価していた。
5Rも同じように梅野はコーナーに詰めての攻めで、ピンペットもクリンチと膝で防いでいたが、少しずつ疲れが見えて来る。残り1分、梅野が左右のミドルをクリーンヒットし、ピンペットは少し嫌そうな顔を見せる。残り30秒、梅野はこのミドルで勝ちを確信したといい、リングの中を走り回って、タイ式で勝ち誇って終了。終了のゴングが鳴るとピンペットも肩を落とし負けを認めた様子。記者採点は10-9で梅野。合計49-48で梅野。ジャッジ2者が梅野を支持し、梅野の勝利となった。
梅野は「ピンペット選手は強豪で凄い不安があったんですけど、僕は世界一になる夢があるので、これからも強い選手から逃げません。これからも僕のことを応援してくれるとうれしいです」とマイクアピールした。
バックステージで梅野は「動きが硬かったですね。でもここから調子を上げて、クラップダム戦につなげていければと思います。タイの人たちも僕がサウスポーが苦手だとわかっているから、タイトルマッチでサウスポーを当てて来るんですよ。5年前にゲーオとやった頃はサウスポーに対して蹴れなかったけど、今は大分サウスポーに慣れたと思います。苦手は苦手ですけど、そこから逃げてもしょうがない。クラップダムとは年内にやりたいです。今日の試合を見て『まだクラップダムに勝てない』と思った人もいるでしょうけど『見てろよ』って。そんなにバカじゃないと試合で見せたいです」と力強く語った。
だが梅野はバックステージに戻ると医務室に直行し、両足に包帯を巻いてからインタビューに応じていた。試合中に時折、足を気にしていたのは蜂窩織炎(ほうかしきえん)に感染していたのが理由だったと明かした。一時は引退を考え、ファンや仲間の支えもあり、再起戦にたどり着いたが、万全な体調では無く、不安はいっぱいあった。梅野はインタビュー終盤に「確信は無いけど自信につながりました。自分にお疲れ様と言いたいです」と話し、ここ数年メディアに見せたことの無いような柔和な笑顔を浮かべていたのが印象的だった。
ちなみに前夜にルンピニースタジアムで行われたクラップダムとムアンタイのプロムエタイ協会ライト級タイトルマッチは「凄い試合だったと聞いて負けられないなと思いましたけど、結果(ドロー)だけ胸にしまって映像は見ないようにしました。見ちゃうと(今日の試合で)火がついてガーッって行っちゃうので」と話していた。
第7試合 セミファイナル REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級タイトルマッチ 3分5R
○スアレック・ルークカムイ(タイ/スタージス新宿ジム/王者/63.15kg)
×杉本卓也(ウィラサクレック・フェアテックスジム/挑戦者、J-NETWORK王者/63.30kg)
2R 0’31” KO (左フック)
※スアレックが初防衛
スアレックは昨年11月のREBELSで鈴木真治に判定勝ちして獲得した王座の初防衛戦。3月21日のK-1でのスーパー・フェザー級王座決定トーナメントでは一回戦で小宮山工介に1R左ハイでKO負けしており、ホームリングから再起を図る。
杉本は昨年6月の同王座決定トーナメント一回戦で潘から右ストレートでダウンを奪い判定勝ち。昨年9月の同王座決定トーナメント準決勝で鈴木と対戦し、ダウンの応酬の末に判定2-0で惜敗していた。今年3月4日のJ-NETWORKでのJ-NETWORKスーパーライト級王座決定戦で増井侑輝に1R KO勝ち。今回は2本目のベルトを狙う戦いとなる。
1R、スアレックは開始間もなくから右ロー、左ミドル等を積極的にヒット。普通のタイ人なら1Rは様子見だが、スアレックは最初から全力だ。杉本が距離を詰めてパンチを振るって来るが、スアレックは組みながら縦肘を連打し後退させる。記者採点は10-9でスアレック。
2R、杉本は序盤からパンチの打ち合いに誘い込むことに成功し、何発か当てて少しスアレックを下がらせる。だがスアレックも打ち合いに応じ、少しずつ当て返して杉本にダメージを与えると、左フックをクリーンヒットし、杉本をマットに沈めた。
快勝のスアレックは日本語で「うれしいです。REBELSが一番です。もう1回K-1出たいです」とアピールした。K-1では1階級下だったが、この階級なら本領発揮。K-1でも-62.5kgのライト級が妥当なところだろう。
第6試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座決定リーグ戦 最終戦(王座決定戦) 3分3R
○老沼隆斗(STRUGGLE/J-NETWORKスーパーフライ級新人王’17/勝ち点4/52.10kg)
×JIRO(創心會/勝ち点4/52.15kg)
4R 判定2-1 (山根9-10/センチャイ10-9/和田10-9)
3R 判定0-1 (山根29-29/センチャイ28-29/和田29-29)
※老沼が王者に
4選手によるリーグ戦は、2月と4月の後楽園で判定勝ちし勝ち点2ずつを獲得した老沼とJIROによる優勝争いに。
1R、JIROは序盤からワンツーでの右ストレートを当てて老沼をぐらつかせる場面を作る。老沼はダメージは小さく、右ミドル、ローを返す。JIROは左ミドルを当て、蹴りで渡り合う。記者採点は10-10。
2Rに入ると、老沼は序盤から積極的に右ミドルを放ち、じわじわヒットを増やすと、左ミドル、右ローも目立ち始め、バックスピンキックにもつなげて攻勢を印象付ける。JIROも右ローを連打すると老沼は苦笑いするが、JIROは蹴り数が上がらない。記者採点は10-9で老沼。
3R、JIROは挽回しようと序盤から圧力をかけ、左右のローを積極的に当てると、老沼は一瞬止まる場面が目立つようになり、攻撃も減る。それでも必死に右フックや右ミドルを返すが、終盤にはJIROの右ローをもらってスリップして印象を悪くする。記者採点は9-10でJIRO。合計29-29でJIRO。ジャッジも2者がドローとつけ、延長に突入する。
4R、両者とも序盤は少し攻めあぐねていたが、中盤からJIROの左右のミドル、ローのヒットが増える。だが老沼も負けじと左右のミドル、ローの蹴り数を増やして巻き返す。延長はマスト採点で、大接戦のまま終わったが、記者採点は10-9で終盤攻勢の老沼。ジャッジも割れ、2者が老沼を支持した。
両者とも勝敗が告げられると涙を流し、ベルトを巻いた老沼は家族・仲間らに感謝を述べ「これからもっと強くなってREBELSを引っ張っていけるような選手になるんで、山口(元気REBELS代表)さんこれからもよろしくお願いします」と話した。
第5試合 スーパーバンタム級 3分5R
○炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORK王者/55.30kg)
×森下翔平(M-BLOW KICKBOXING GYM/55.05kg)
判定3-0 (秋谷49-48/センチャイ49-48/和田49-48)
昨年9月大会で3R引き分けに終わった両者が5Rで再戦。1R、サウスポーの森下がハイペースで左ミドル、ローを当て続け優勢。2Rは炎出丸が時折首相撲で森下を捕まえて膝を当てて持ち直す。3Rは炎出丸が首相撲で何度も森下を捕まえて、右膝を突き刺すように森下の腹に叩き込んで好印象を残す。
4Rになると森下が疲れが見え、炎出丸の膝だけでなく右ミドルやストレートのヒットも増え、攻勢が明白に。5Rも炎出丸が右ミドルを強打し攻勢を維持し終了。
記者採点は1Rが森下、3R~5Rは炎出丸で、49-47で炎出丸。ジャッジ3者とも49-48で炎出丸とつけ、再戦で決着がついた。
第4試合 REBELSルール(肘無し・首相撲制限あり) 64kg契約 3分3R
△潘 隆成(クロスポイント吉祥寺/元WPMF日本スーパーライト級王者/63.90kg)
△久保政哉(PHOENIX/63.80kg)
判定0-0 (山根29-29/秋谷28-30/和田30-29)
開始前、潘がファウルカップの付け忘れで一時退場し、イエローカードが出される。1R、蹴り主体の攻防で、サウスポーの久保の左ミドルがやや目立つ展開に。潘も蹴りをある程度返しているため記者採点は10-10。
2Rも激しいミドル、ローの応酬が続き、潘が少し優勢となるが、まだはっきりした差は無く、記者採点は10-10。
3Rも蹴りの応酬が続き、久保は左ハイ、潘は右ミドル、終盤に左右のパンチを当て印象を残す。激戦はお互い一歩も譲らぬ内容で終わり、記者採点は10-10で合計30-30。ジャッジは三者三様でドローに終わると、久保は涙を浮かべた。
第3試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座決定リーグ戦 最終戦 3分3R
○蓮沼拓矢(テッサイジム/勝ち点0→3/52.10kg)
×濱田 巧(team AKATSUKI/勝ち点0/52.00kg)
2R 1’04” TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)
第2試合 フェザー級 3分3R
×浦林 幹(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKバンタム級王者/55.95kg)※フリーから所属変更
○千羽裕樹(スクランブル渋谷/57.00kg)
判定0-3 (センチャイ28-29/山根28-30/和田28-30)
第1試合 REBELSルール(肘無し・首相撲制限あり) 60kg契約 3分3R
×テレカ∞(NEXT LEVEL渋谷/59.85kg)※橋本亮汰 改め
○鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺/60.00kg)
判定0-2 (秋谷28-29/和田29-29/センチャイ28-30)