REBELS 2.18 後楽園ホール:梅野源治、ルンピニー王座挑戦も4R TKO負け
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REBELS.54
2018年2月18日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント ルンピニースタジアム認定ライト級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
○クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ [Kulabdum Sor. Jor. Piek-Uthai](タイ/6位、タイ国プロムエタイ協会王者/ 61.20kg)
×梅野源治(PHOENIX/5位、元ラジャダムナン王者、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者/61.20kg)
4R 0’55” TKO (左ストレート)
※クラップダムが王者に
梅野は昨年5月にタイでラジャダムナン同級王座防衛に失敗したが、9月のREBELSでスアレックとの再起戦で完勝し、11月のREBELSでルンピニー4位のインディートーンを左肘打ちで沈め、ルンピニーのランキング入りをしていた。
16年10月のREBELSでのラジャダムナン王座戦で梅野が下したヨードレックペットが、その後にルンピニーの王者となっていたが、6ヶ月以内の防衛義務を果たせないため返上。クラップダムとの王座決定戦が後楽園で行われることになった。梅野のルンピニー王座挑戦は15年4月のスーパーフェザー級タイトルマッチで王者のペットモラコットに判定負けして以来2度目。もし今回梅野が勝てば日本人初のルンピニー王者、ラジャダムナン&ルンピニーのムエタイ2大タイトル獲得者となる。
クラップダムは昨年11月のルンピニーでのムアンタイ戦の前まで12連勝8KO勝ちの快進撃を続けていたアグレッシブファイター。1月11日のカード発表会見で梅野は「やり辛いのが来たな」と警戒していたが、2月10日の公開練習では「クラップダムと戦う人はみんな下がるんですよ。僕は下がらないんで」「キツい練習をしていて、自信が湧いてきました」と語り、前日計量でも「明日ルンピニーのチャンピオンになるのは僕です。パンチで来るのはわかっているので、肘で倒します」と強気に語っていた。
試合前の紹介VTR冒頭には合気道の練習仲間の大和哲也、歌手のGACKTさんが梅野を応援するコメントを発表する。レフェリーはルンピニー日本支局のセンチャイ・トングライセーン代表が務め、ジャッジは2者はルンピニー派遣のタイ人、1者は日本側の秋谷益男氏が入る。両者入場後、ルンピニースタジアムの副代表の挨拶と通訳、両国国歌吹奏もあり、セレモニーが長かったためか、試合前のワイクルー(踊り)はクラップダムのほうが短時間で切り上げ、試合を待ちきれない様子だ。
1R、サウスポーのクラップダムに対し、梅野は序盤から積極的に右ミドル、ローを当てる。クラップダムは次第にブロックするようになり、蹴り足をつかんで左ボディを返すように。梅野は首相撲に持ち込むと、少しヒット数は上だが、クラップダムは崩れず。終盤にはクラップダムは左の奥足狙いのローキックを返し、少しだけ梅野をぐらつかせる。若干梅野優勢だが、まだ差をつけるのは難しい内容だ。
2Rに入ると両者ギアを上げ、クラップダムは左奥ロー、左ボディ、左肘を多用し、梅野は右ミドル、組んでの膝、右肘を当てる。終盤、クラップダムは崩しを成功させ、コーナーにつめて左フックと右肘を当て、好印象を残す。ポイントはクラップダムか。
3R、梅野は序盤から積極的に右ミドルを放ち、首相撲の状況から梅野が右ストレート、クラップダムが左肘を放つと、両者揃って倒れる。どちらもすぐ立ったためダウンにはならないが、梅野のほうが少しダメージを負った様子で、その後はクラップダムが前に出続けて左ストレートで度々梅野をのけぞらせ、組めば左膝を何発も突き刺し攻勢に。梅野は強気の表情を崩さないが、右ミドルは空振りが増え、鼻血を出し、苦しい展開だ。
4R、梅野は開始すぐから組みに行くが、クラップダムはコーナーを背にしてブレイクを誘う。すると梅野はまた前に出ようとするが、クラップダムは左ストレートを合わせ、梅野は腰から崩れるようにダウン。それでもなんとか立ち上がるが、コーナーに背中をつけて立った状態を保つのがやっとで、ダメージは大きい。そして再びクラップダムが左ストレートを当て、梅野がまたも腰から崩れ落ち、前のめりで倒れると、セコンドがタオルを投入。梅野の野望は完璧に砕かれた。
梅野はクラップダムがベルトを巻いた姿を眺め、抱き合った後、涙を流し四方に土下座し退場。控室でも落胆し続け涙は止まらず、「勝たなくちゃいけない試合だったのに申し訳ない。自分の力の無さに気付いた。相手より自分に負けた。プレッシャーを試合前から感じ過ぎて、自分を信じて戦えなかった」という内容を繰り返し話し続けた。
第9試合 セミファイナル スーパーバンタム級 3分3R
△宮元啓介(橋本道場/WBCムエタイ・インターナショナル王者/55.10kg)
△小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/WBCムエタイ日本統一王者/55.30kg)
判定0-0 (山根29-29/和田29-29/センチャイ29-29)
セミファイナル以下2試合は橋本道場とクロスポイント吉祥寺の対抗戦の構図に。宮元は12月10日のKNOCK OUTで江幡塁に判定負けして以来の試合だ。裕典はKNOCK OUTでも活躍する小笠原瑛作の兄だ。
1R、長身の裕典がジャブ、前蹴りでフェイントをかけながら、ミドル、ローを度々当てて若干優勢ではあるが、宮元もローを返し、まだ大差をつけさせない。
2R、宮元が右ローを増やすと、裕典は少しバランスが悪くなり、首相撲に持ち込むが、宮元のほうが膝、肘をヒット。宮元は左ボディも絡めるが、だが裕典も右膝蹴り、右のボディストレート、左右のミドルを中盤以降はしっかり返し、大差はつけさせない。
3Rは首相撲主体の展開。かつてクロスポイントの炎出丸の首相撲地獄に苦しんだ宮元は、それをきっかけに首相撲を克服し、今回も膝を度々ヒットする。だが裕典も数では劣るが随所で膝を返し続け、このラウンドも大差をつけさせず終了。ジャッジも3者とも29-29とつけドローとなった。
第8試合 スーパーライト級 3分3R
△橋本 悟(橋本道場/ムエタイオープン王者/63.40kg)
△潘 隆成(クロスポイント吉祥寺/元WPMF日本王者/63.45kg)
判定1-0 (秋谷29-29/和田30-29/センチャイ29-29)
潘は昨年、スアレック、ゴンナパーとの激戦を経験し、前回11月大会で小川翔に判定勝ちし、今回連続出場。橋本は17年3月大会で吉田敢を1R KOして以来のREBELS登場だ。
1R、開始すぐから橋本が前に出てパンチを振るって来るが、潘は落ち着いて組み付いて膝を連打し、崩しも決め、離れれば左ジャブからの右ロー、ミドル等を当て主導権。だが橋本も随所でパンチを当て、まだ明確な差はつけさせない。
2R、潘が左ミドル、右ロー、組んでの膝蹴りで、ムエタイ的には優位に試合を進めているが、橋本も相変わらず前に出て顔面にパンチを叩き込んで場内を沸かせ、まだわからない状態だ。
3Rも同じ構図で、ムエタイを貫く潘に対し、橋本は果敢にパンチを振り回していると、残り1分、右フックがクリーンヒットし、潘はぐらつき、さらに畳みかけて攻勢に。このラウンドのポイントは取ったが、2Rまでの潘の攻撃も2者が評価しドロー。結局、両ジムの対抗戦は2試合とも引き分けとなった。5Rでの決着戦はいずれREBELSはもちろんKNOCK OUTで組まれても面白いだろう。
第7試合 スーパーバンタム級 3分3R
×炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORK王者/55.25kg)
○KING強介(ロイヤルキングス/MA日本バンタム級王者、元ホーストカップ日本同級王者/55.30kg)
判定0-3 (山根24-30/和田24-30/秋谷25-30)
炎出丸は11月大会で国崇に判定勝ちし、約2年ぶりの白星。KING強介はREBELS初参戦。最近はホーストカップ日本バンタム級王者として同大会を主戦場としてきたが、11月に鈴木真彦に判定負けし王座陥落していた。
強介はサポーターを右足首につけ、少しステップがぎこちないが、踏み込んでの左ボディを随所でヒット。炎出丸はステップを使いながら随所でミドル、ローを当てるが、まだ僅差だ。
2R、強介はパンチ、右ローの手数を上げ、中盤、右フックでダウンを奪取。これで勢いづき、終盤にも飛び蹴りで下がらせた後の右ストレートでダウンを重ねる。
3R、後が無い炎出丸もパンチの打ち合いに応じるが、強介の右フックがカウンターでクリーンヒットしまたもダウン。ダメージの溜まる炎出丸は、終了間際に右肘で強介の額を切り裂き、一矢報いたが、直後に終了のゴングが鳴り、強介の大差の判定勝ちとなった。
マイクを持った強介は「自分の息子が今日誕生日を迎えたので、みなさんもおめでとうと言ってもらえると助かります」と話し、観客と共に「おめでとう」と叫んだ。
第6試合 スーパーウェルター級 3分3R
○UMA(K&K BOXING CLUB/元REBELS 65kg級王者/69.40kg)
×小鉄(K-1ジム目黒TEAM TIGER/69.75kg)
判定3-0 (センチャイ30-28/山根30-28/秋谷30-28)
UMAは階級を2つ上げての試合。Krushを主戦場とする小鉄は久々のムエタイルールでの試合。1R、小鉄は意外にも首相撲の膝蹴りを多用し驚かせるが、UMAは距離ができると、サウスポーからの飛び膝、左ハイといったトリッキーな技で小鉄を苦しめ、終盤にはパンチでスリップさせ攻勢に。
2R開始すぐ、小鉄は左まぶたの腫れ、UMAは左まぶたのカットでドクターチェックを受けるが、どちらも程度は浅く、再開する。小鉄は前に出てパンチと膝と肘を狙うが、UMAは下がりながらも左膝、左ハイを随所で当てて好印象を残す。パワー差も無さそうだ。
3R、UMAが休まず左ストレート、左膝、右前蹴り、左ハイなどを当て続け、気持ちが切れかけている小鉄を圧倒。文句無しの判定勝ちを果たした。
第5試合 ライト級 3分3R
×大谷翔司(スクランブル渋谷/61.05kg)
○雅 駿介(PHOENIX/61.20kg)
3R 0’52” TKO (レフェリーストップ:左肩の負傷)
1R、雅が左右のミドル、右ローで少し優勢だったが、大谷もパンチの連打をまとめ、右ローを返して挽回する。だが2Rは雅が左ミドルを連打する場面が目立ち出し、大谷は少し攻め込まれてしまっている印象。3R、雅が蹴りを増やし、大谷も防ごうと蹴りを返していると、大谷は突然膝から崩れ、悲痛の表情を浮かべ、レフェリーがストップ。大谷は左肩を痛めた模様で、痛みのあまり倒れながら地団駄を踏むほどで、担架で運ばれて退場した。
第4試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座決定リーグ戦 3分3R
○JIRO(創心會/52.10kg/勝ち点0→2)
×濱田 巧(team AKATSUKI/52.0kg/勝ち点0)
判定3-0 (秋谷29-28/センチャイ29-28/和田30-29)
今大会より4選手によるREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座決定リーグ戦がスタートする。4月27日の後楽園で2戦目、6月6日の後楽園で最終戦を予定。勝ち点はKO勝ち3点、判定勝ち2点、引分1点。蓮沼とJIROはREBELSを主戦場としてきた選手たち。老沼(おいぬま)と濱田はREBELS初登場で、10月のJ-NETWORK 2017 スーパーフライ級新人王トーナメント決勝で対戦し、老沼が延長判定2-1で勝利している。
1R、JIROが左ミドル等の蹴り、首相撲の膝の攻防で若干ながら好印象を残し、2Rもその流れが続いていたが、中盤過ぎ、濱田の左ボディが連続で当たると、JIROは少し苦しそうな表情を浮かべ、濱田は終盤にパンチの連打をまとめて印象を残す。
3R、両者パンチの打ち合いを繰り広げる場面もあり、濱田もパンチを当てるが、、JIROが左ミドル、組んでの膝、崩しと、技のバリエーションでは印象的。ジャッジもJIROのムエタイテクニックを見ており、JIROの判定勝ちとなった。
第3試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座決定リーグ戦 3分3R
○老沼隆斗(STRUGGLE/J-NETWORKスーパーフライ級新人王’17/51.95kg/勝ち点0→2)
×蓮沼拓矢(テッサイジム/52.05kg/勝ち点0)
判定3-0 (センチャイ30-28/山根30-28/秋谷30-28)
1R、老沼が少し遠い間合いから、伸びと重みのある右ミドルの打撃音を場内に響かせて、観客をどよめかせる。2Rからじわじわと蹴り数を上げて攻勢。3Rは右ミドルだけでなく、左ミドル、右前蹴りも立て続けにヒットして圧倒。判定勝ちに終わったが、幸先よいスタートを切った。今回の内容を見る限りは老沼が優勝候補だが、キャリアの浅い選手たちによる争いのため、他の選手たちが試合を通じて成長していくことも期待できる。
第2試合 フェザー級 3分3R
○千羽裕樹(スクランブル渋谷/56.95kg)
×原島 モルモット 佑治(テッサイジム/56.85kg)
判定2-1 (29-30/30-29/30-29)
第1試合 フェザー級 3分3R
○三浦 翔(クロスポイント大泉/57.0kg)
×津上勇二(ウィラサクレック・フェアテックス九州/57.0kg)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
オープニングファイト第2試合 58kg契約(肘無し) 3分3R
×梅津直輝(エスジム/57.75kg)
○鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺/58.0kg)
1R 2’07” TKO (ボディへの右膝蹴り)
オープニングファイト第1試合 72kg契約(肘無し) 3分3R
○吉田英司(クロスポイント吉祥寺/71.85kg)
×佐藤ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪/71.35kg)
3R 0’24” KO (パンチと膝蹴りの連打)