ONE Championship 12.7 クアラルンプール:修斗世界王者・猿田洋祐、初戦で元ONE王者を撃破。V.V Mei、7か月ぶりの試合で判定勝ち。パンクラス王者・新村優貴は1Rで散る
ONE: DESTINY OF CHAMPIONS
2018年12月7日(金) マレーシア・クアラルンプール:アクシアタアリーナ(プトラ・インドア・スタジアム)
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レポート:井原芳徳 photos by ONE Championship
今大会で予定されていた竹中大地(パラエストラ和泉/元修斗元環太平洋バンタム級(61.2kg)王者)vs. ケビン・チュン[Kevin Chung](米国)は、チュンの計量オーバーにより中止となった。竹中は9月の上海大会のローマン・アルバレス戦でも、相手が計量前に体調を崩し、試合が中止となっていた。
第6試合 ストロー級(56.7kg) 5分3R
○猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/修斗ストロー級世界王者)
×アレックス・シウバ(ブラジル/EVOLVE MMA/元ONEストロー級(56.7kg)王者)
判定3-0
猿田は1987年7月8日生まれの31歳。2009年に修斗で新人王を獲得し、神酒龍一、扇久保博正といった実力者ともしのぎを削った。15年2月のGRANDSLAMでは、現在ONEのストロー級トップ戦線で活躍する鈴木隼人に判定勝ちしている。昨年10月、澤田龍人にKO勝ちし修斗でタイトルを獲得。今年5月には村田一着にKO勝ちし王座を防衛した。最近は1階級上のフライ級でも戦い、7月の修斗では田丸匠のバックスピンキックで右まぶたを切られTKO負けを喫し、連続無敗が8でストップしたものの、それまでの展開では田丸から度々テイクダウンを奪って苦しめた。
対するアレックス・シウバは、昨年12月に内藤のび太に判定勝ちし、のび太のONE王座の2度目の防衛を阻止し、のび太のデビュー以来の連勝12でストップした選手。今年5月のダイレクトリマッチではのび太が判定勝ちし、王座を奪還しているが、度々足関節技を狙ってのび太を脅かしており、猿田は新村同様、ONE初戦から難関となる。
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1R、アレックスがパンチを振り回しながら組み付いてきたが、猿田は切って金網に押してから突き放す。アレックスはサウスポーにも時折スイッチし、片足タックルを仕掛けるが、これも猿田は切ると、左脇で差しながらテイクダウンに成功する。猿田はトップポジションを奪い、パウンドを時折り当てる。アレックスが立っても、猿田は脇を差しながら押し込み、ボディに膝蹴りを当てる。残り1分を切ると離れ、終了間際にも片足タックルをトライし、積極性を印象づける。
2R、猿田が右フックを放ったところで、アレックスが片足タックルを仕掛けてくるが、猿田は切り、金網を背にして防御する。アレックスはしぶとく組み付いてテイクダウンを狙うが、猿田は左脇を差しながら倒して上になり、頭に膝を当ててからスタンドに戻す。アレックスはそれでも何度も組み付いてくるが、猿田は突き放し続ける。終盤にはがぶりの状態から頭に膝を連打して好印象を残す。
3Rもアレックスがタックルを狙って前に出て来るが、猿田は左のジャブのフェイントから足元へタックルを仕掛けてテイクダウンを奪う。アレックスは下から腕十字や足関を狙ってくるが、猿田は防御してハーフガードで押さえる。中盤過ぎ、スタンドに戻るが、猿田が左フックをヒットする。猿田がアレックスのタックルを切ると、アレックスは引き込みに移行し、下からの勝負に賭ける。しかし猿田は上からしっかり防御し、時折鉄槌をヒット。残り30秒、スタンドに戻ると、猿田はまたもタックルでテイクダウンに成功する。終了間際にアレックスが腕十字を仕掛けるが時間切れに。ジャッジ3者も打撃とテイクダウンでアレックスを圧倒した猿田を支持し、猿田がONE初陣で大きな1勝をもぎ取った。
第3試合 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
○V.V Mei[山口芽生](RIKI GYM/和術慧舟會GODS/HybridFighter/Team Teppen)
×ジョマリー・トーレス[Jomary Torres](フィリピン)
判定3-0
Meiは5月のシンガポール大会でONE女子アトム級王者のアンジェラ・リーに挑戦し、判定負けに終わって以来の試合。最近ではONEへの出場権を争うAbemaTV「格闘代理戦争」の女子MMA編で、唯一人の女性コーチ役としても登場し、注目度をアップしてのONE復帰となる。今回の相手、トーレスはMMA 4勝1敗、ONE 3勝1敗の選手。9月のジャカルタ大会でプリシラ・ガオールに判定負けしている。
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1R、Meiが開始すぐからプレッシャーをかけていたが、リーチで勝るトーレスが少しずつ右ストレート、右ローを当て、圧力をかけ返す。Meiがトーレスの蹴り足をすくうと、金網に押し込み、胴タックルで倒すことに成功する。トーレスはMeiの寝技に対応できず、Meiがサイド、バックと動いて、膝も当てつつコントロールを続ける。Meiはがぶりの状態から頭に膝を連打してから、サイドをキープする。アームロックを狙い、膝と鉄槌も当てるが、トーレスは耐える。
2Rはスタンドで均衡状態が続く。少しずつMeiがパンチのヒットを増やすと、残り40秒にタックルでテイクダウンに成功する。ハーフで押さえたままラウンドを終える。
3Rもスタンドの展開が続くが、中盤時点でMeiがタックルでテイクダウンに成功する。Meiは上からパウンドを時折落として主導権を維持する。ハーフ、マウント、サイドと移行し、膝と鉄槌を当てて追い詰める。フィニッシュはできなかったが、差を見せつけて判定勝ちした。
第7試合 ミドル級(93kg) 5分3R
×新村優貴(TEAM CLIMB/パンクラス・ミドル級王者)
○ヴィタリー・ビグダシュ[Vitaly Bigdash](ロシア/元ONEミドル級(93kg)王者)
1R 4’25” 後三角絞め
新村は1982年11月17日生まれの36歳。2004年に全日本キックでプロデビューし、09年にはK-1 WORLD GPの予選トーナメントにも出場。11年からMMAに転向し、DEEP、HEAT等を経て、15年からパンクラスに参戦している。16年10月のミドル級王座決定戦ではロッキー川村にKO負けしたが、17年11月の再戦で川村をKO。キック時代を通じてプロで初のタイトル獲得を果たした。試合は8月5日のパンクラスで林源平に勝利して以来となる。現在3連勝中だ。
対するビグダシュは1984年7月25日生まれの34歳。ロシアの大会等で7連勝後、2015年からONEに参戦。初戦がONEミドル級王座決定戦となり、イゴール・シヴィリとの乱打戦を制し2R TKO勝ち。17年1月の初防衛戦でアウン・ラ・エヌサンに判定勝ちしたが、6月のエヌサンの地元ヤンゴンでの再戦では判定負けした。今年5月のレアンドロ・アタイジ戦では3R TKO負けし2連敗中だが、ONE初戦の新村にとって手強い相手だ。
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1R、新村が右ローを当てるが、再び右ローを放つと、ビグダシュは片足タックルを仕掛け、10秒足らずでテイクダウンに成功する。新村は金網を背にしながら立とうとするが、ビグダシュは再び倒してハーフガードに。ビグダシュはいったん立ってからパウンドをヒットする。新村が顔をそむけると、ビグダシュはバックに回り込み、後三角絞めを極めてタップを奪った。
メインイベント ムエタイルール フェザー級(70.3kg) 3分3R
○ヨードセングライ・IWEフェアテックス(タイ)
×Luis Regis(オーストラリア)
1R 2’08” KO
ムエタイルール フェザー級(70.3kg) 3分3R
○ペットモラコット・ペッテンディアカデミー
×リアム・ハリソン
2R 1’15” KO
ムエタイルール フライ級(61.2kg) 3分3R
○パンパヤック・ジットムアンノン
×ルイ・ボテーリョ
判定3-0