修斗 5.13 カルッツかわさき:斎藤裕、リオン武に判定勝ち。猿田洋祐、ストロー級王座初防衛。平川智也、齊藤曜を1R KOしバンタム級はさらに混沌
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
サステイン主催 プロフェッショナル修斗公式戦
2018年5月13日(日) 神奈川・カルッツかわさき
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント 66.2kg契約 5分3R
○斎藤 裕(パラエストラ小岩/フェザー級(65.8kg)世界王者/66.1kg)
×リオン武(ライジングサン/元フェザー級(旧称ライト級=65kg)世界王者/66.0kg)
判定3-0 (福田30-29/片岡29-28/松根29-28)
斎藤は3月の後楽園大会でURCC MMAフィリピン・バンタム級王者のドレックス・ザンボアンガに3R KO勝ちしてから2か月間隔での試合。昨年4月には宇野薫を相手に王座初防衛していたが、今回も修斗の一時代をけん引した選手との試合が組まれた。
リオンは現在斎藤が持つ王座を2度戴冠。DREAMでは宮田和幸、宇野、高谷裕之ともしのぎを削った。11~14年には高谷、大沢ケンジ、矢地祐介、ISAOら相手に5連敗。最近は2連勝だが、14年~16年は年に1試合ずつと試合ペースが落ちており、16年9月の内村洋次郎戦で勝って以来1年半ぶりの試合となる。
1R、スタンドでのお見合いが続き、中盤に斎藤がタックルを仕掛けて押し込む。リオンが差し返して足を引っ掛けて倒すが、すぐ斎藤は立ち上がり、再び押し込んでから両脇を差して、引き倒してハーフガードに。トップに移り、最後は肩パンチを当てて終える。記者採点は10-10(マストなら10-9で斎藤)。
2R、斎藤が左ミドルを当て、すぐ右ストレートも当て、タックルで押し込み膠着ブレイク。だが再度押し込むと、足を掛けてテイクダウンを奪い、金網付近でハーフガードの状態を1分近くキープする。リオンは脱出するが再び斎藤が押し込む。リオンが足を掛けて倒すが、すぐ斎藤は立って、押し込みながら膝蹴りを連打し、終盤にもテイクダウンを狙い、押し込んでからパンチを振るって終える。記者採点は10-9で斎藤。
3Rも斎藤が押し込む状況が続いたが、膝蹴りを連打していると、リオンは足を引っ掛けて倒して上に。だが斎藤が30秒程で脱出し、金網に押し込む状況が続く。膠着ブレイク後も押し込まれたリオンは、終了間際に腰投げやバックを取りかける動きで沸かせたが、追い詰めきれず終了する。記者採点は10-10(マストならリオン)。合計30-29で斎藤。ジャッジ3者も同じような傾向で斎藤を支持した。
マイクを持った斎藤は「初めての川崎大会にたくさんのご来場、ありがとうございます。リオン選手が強くて、思ったように行かなかったです。今年、大きいチャンスがあれば国内でも国外でも挑みたいです」とアピールした。
第7試合 修斗世界ストロー級チャンピオンシップ 5分5R
○猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/王者/52.1kg)
×村田一着(NEW GROUND/世界1位/52.2kg)
3R 0’45” KO (右フック→グラウンドパンチ)
※猿田が初防衛
猿田は昨年10月の舞浜大会での王座決定戦で澤田龍人に4R KO勝ちし王者に。3度目の挑戦でベルト奪取に成功すると、2階級制覇を新たな目標に掲げ、1月大会ではフライ級世界ランカーの清水清隆に判定勝ち。今回はストロー級に戻っての初防衛戦だ。対する村田は1月大会で猿丸ジュンジを1R KOし挑戦権を獲得。00年にプロ修斗デビューし、45歳で王座挑戦にたどり着いたが、終始王者に押されることに。
1R、村田が右ローを放つと、猿田は足をつかんで抱えて倒して、中央付近でハーフでガッチリ押さえ込み、時折パウンドを当てる。中盤にサイドを奪い、背後や上になった状態に移りながらもパウンドを当て続け、村田を苦しめる。記者採点は10-8で猿田。
2Rも同じように村田の蹴り足を猿田がすくって序盤から上に。金網際でトップキープして時折パウンドを当てる。3分半過ぎに膠着ブレイクがかかるが、猿田が圧力をかけ、左フックを当てる場面も。記者採点は10-9で猿田。
3R、村田が序盤から右ミドルを放つと、猿田は蹴り足を左手でつかんでから、今度は倒さず、右フックをヒット。倒れた村田の上になると、パウンドと鉄槌を連打し、最後は福田レフェリーがストップした。
完勝で防衛した猿田は「防衛戦で結構プレッシャーがあったんですけど、村田選手も強い選手とわかっていたので、フィニッシュできて良かったです。昨日AbemaTV(で放送)のONE Championshipでの内藤のび太選手も凄いチャンピオンですけど、修斗にも凄いチャンピオンがいることを覚えていてください」と、AbemaTVの生中継も意識してアピールした。
第6試合 バンタム級 5分3R
○根津優太(&MOSH/元環太平洋王者/61.1kg)※和術慧舟會東京道場から所属変更
×魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS/世界4位、環太平洋4位/61.0kg)
判定2-1 (松根28-30/横山30-28/松村30-29)
根津は07年に修斗でプロデビューし、11年には堀口恭司に1R KO負けしたが、その後もコンスタントに試合を重ね、14年3月、過去1勝1敗の小野島恒太に判定勝ちして環太平洋王者となり、同年9月に石橋佳大を2R KOし初防衛。15年5月のラージャ・シッペン戦で判定勝ちした後は韓国のROAD FCに参戦したが、1勝の後は3敗1分と苦戦。試合は昨年11月以来約半年ぶり。36歳で古巣に帰還した。
1R、魚井がサウスポーに構え、オーソドックスの根津に対し、フェイントを絡めながら距離を詰め、左のオーバーハンドフックを放ち続ける。根津はステップやスウェーでかわし続け、右のミドルを当て続けていたが、終盤になると少しずつ魚井のフックが当たり出し、少し根津がバランスを崩す。だが最後は根津がタックルで倒して上になって終了する。記者採点は10-10(マストならヒットの多い魚井)。
2Rも同様の構図だが、魚井はパンチが減って左インローが増え、根津は右ローのヒットを増やす。お互い一歩も引かない状況が続く。記者採点は10-10(マストならヒットの多い根津)。
3R、少し魚井のローが効いたてきたか?根津のステップがぎこちなくなり、魚井がパンチで詰める場面が目立つように。クリーンヒットにはならないが好印象となる。だが中盤過ぎ、根津はタックルでテイクダウンを奪い、バックを奪う。すると魚井は脱出するが、押し込まれる状況が続き、打撃戦で巻き返せず終了。記者採点は10-10(マストなら組みの展開で優位だった根津)。合計は30-30でドロー。各ラウンド僅差のため、ジャッジは割れたが、2者が根津を支持し勝利となった。
根津は「3年ぶりですけど、いつも応援してくれる人が変わらずうれしいです。泣きそうです。今日は勝ちに行ったんですけど、まだまだ(上に)行けます。明日の活力になれる選手になれればいいです」とアピールした。
第5試合 バンタム級 5分3R
×齊藤 曜(トイカツ道場/世界3位、環太平洋2位/61.1kg)
○平川智也(マスタージャパン/環太平洋10位/61.0kg)
1R 2’31” KO (パンチ連打)
パンクラス、DEEPで活躍した“Theギロチン”こと齊藤は、1月の後楽園で5年ぶりに修斗に参戦。ノンタイトル戦でバンタム級世界王者・佐藤将光を金網際でのグラウンドワークで翻弄して判定勝ちし、王座に一気に近づいた。
対する平川は16年11月、高橋遼伍との環太平洋フェザー級(旧ライト級)王座決定戦で敗れた後、五味隆典率いるラスカルジムからマスタージャパンに移籍。昨年11月の復帰戦からバンタム級に階級を落とし、松下祐介に判定勝ち。2月の新宿大会のメインでは海老原洋輔に開始早々バックマウントを奪われたが、スタンドに戻すと、海老原のタックルに膝蹴りを合わせて形勢逆転し、1R KO勝ちを果たしている。
齊藤は佐藤とのベルトを賭けての再戦を熱望しているが、その前に足場を固めるために気を抜けない一戦。平川にとってはバンタム級でも上位戦線に食い込む大きなチャンスが巡って来た。
1R、齊藤が前に詰めて組もうとするが、平川は金網の中を回ってかわし続ける。1分過ぎ、豊永レフェリーが両者にアグレッシブに動くよう注意する。それでも同じ状況が続くと、今度は平川のみ注意される。場内からも笑いが起きたほどだが、平川のセコンドからは「作戦変えない」という声が飛び、変わらず平川が回り続ける。すると突如、平川が上体を揺するフェイントをかけながら逆に前に出ると、右フックをヒット。齊藤をひるませると、一気に金網に詰めてパンチラッシュを仕掛け、齊藤が半分背中を向けて腰が沈んだところでレフェリーがストップした。意識の飛んだ齊藤はレフェリーにタックルを仕掛けるような状態だった。
マイクを持った平川は「KOするまで皆さんに『何やってんだ』って思われていたでしょうけど、これがずっとチームで練っていた作戦です。齊藤選手に勝っちゃったんで、ランキング上位に一気に食い込むことになると思います。バンタム級が訳わかんない状態になったと思うんですが、僕が頭一つ抜けたんで、チャンピオンロードを突き進みます。パンフレットの最後のページにあるフィットネスショップの水道橋店で働いているんで来てください」とアピールした。
この後、7月15日の後楽園大会への出場が決まった世界王者・佐藤将光がケージイン。「さっきの試合で相手が決まると思っていたんですが、また混戦状態になりましたけど、バンタム級には今、面白い選手が集まっています。前回、不甲斐ない試合したので、修斗チャンピオンということで、誰が相手でも必ず面白い試合します。会場に足を運んで応援お願いします」と話した。
第4試合 バンタム級 5分3R
×論田愛空隆(心技館/世界6位、環太平洋3位/61.2kg)
○岡田 遼(パラエストラ千葉/世界7位、環太平洋6位/61.1kg)
1R 2’48” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、論田がパンチを狙って圧力をかけるが、詰めて来たタイミングで岡田がタックルを仕掛けてテイクダウン。金網際で立とうとする論田にしがみつき続け、背後から制しつつ顔面にパンチを当てると、論田は腰が落ち、岡田がパウンドを連打してフィニッシュした。
マイクを持った岡田は「昨日ジムの先輩の内藤のび太さんが(ONEストロー級チャンピオンシップで激戦の末に勝利し)エラいことをしてくれたので勉強になりました。パラエストラ千葉ネットワーク第三弾・藤子系ファイター岡田(出木杉)亮です。バンタム級の層の厚いランカーを2試合連続で1Rで仕留めたので、(昨年10月の舞浜大会の前に)僕のせいで流れた祖根寿麻戦をもう一度組んでもらいたいです」とアピールした。
第3試合 MOBSTYLESpresentsインフィニティリーグ2018ストロー級 5分2R
×箕輪ひろば(総合格闘技道場STF/世界5位/勝ち点3/52.2kg)
○楳沢智治(AACC×SPIDER/勝ち点0→2/52.2kg)
判定0-2 (片岡19-20/鈴野19-19/松村19-20)
42歳のベテラン・楳沢と19歳の新鋭・箕輪の23歳差対決。1R、楳沢が箕輪の右のテンカオのタイミングでタックルを仕掛けて倒すと、バックに素早く回ってチョークを狙いチャンス。箕輪が脱出した後も、楳沢がしつこくタックルを仕掛けるが、終盤、箕輪が切ると、逆にバックを奪い返し、チョークを狙って試合を終える。記者採点は10-10。
2Rは楳沢が金網際でのレスリングの展開で、立とうとする箕輪を何度もグラウンドに引き戻し、最後はバックからチョークを狙い続け終了。記者採点は9-10で楳沢。合計19-20で楳沢。ジャッジ2者も楳沢を支持し、勝ち点2を獲得した。
第2試合 ストロー級 5分2R
○猿丸ジュンジ(修斗GYM東京/世界4位/52.2kg)
×永井美自戒(総合格闘技道場コブラ会/52.1kg)
判定3-0 (20-18/20-17/20-17)
村田に敗れ王座挑戦を逃した猿丸が再起戦。1R、度々永井を金網に押し込み、5度ほど倒して上になる。立たれても押し込んで倒す展開を繰り返し主導権を維持する。記者採点10-9で猿丸。
2R、永井もパンチを返して少し巻き返したものの、終盤、バックハンドブローを空振りした後にバランスを崩して猿丸が上になってパウンド。スタンドに戻ってからも猿丸が右のフックでぐらつかせる等、最終的には差をつけ判定勝ちした。
第1試合 フェザー級 5分2R
○齋藤 翼(FIGHT FARM/総合格闘技津田沼道場/65.8kg)
×村津孝徳(ライジングサン/65.5kg)
判定3-0 (20-18/20-19/20-19)
オープニングファイト第2試合 バンタム級 5分2R
×榎本 明(リバーサルジム東京スタンドアウト/61.0kg)
○倉本一真(修斗GYM東京/61.1kg)
判定0-3 (18-20/17-20/17-20)
オープニングファイト第1試合 フライ級 5分2R
○代輔(秋本道場Jungle Junction/56.5kg)
×大竹 陽(SHOOTO GYM K’z FACTORY/56.4kg)
判定3-0 (20-1720-17/20-18)