DEEP JEWELS 10.22 後楽園ホール:前澤智、富松恵美を返り討ちし初防衛。中井りん、緊急出場で一本勝ち
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skyticket Presents DEEP JEWELS 26
2019年10月22日(火/祝)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ 5分3R
○前澤 智(リバーサルジム立川ALPHA/王者/47.6kg)
×富松恵美(パラエストラ松戸/挑戦者、元ストロー級暫定王者/47.5kg)
判定5-0 (松宮30-27/福田29-28/五十嵐29-28/豊永30-27/田澤30-27)
※前澤が初防衛
天皇陛下の即位礼正殿の儀が行われたこの日、DEEPは後楽園ホールで昼に女子のDEEP JEWELS、夜に男子のDEEPの2部制大会を開催した。
前澤は昨年12月の新宿大会で黒部三奈に勝利し王座を獲得。3月の後楽園大会では浅倉カンナに判定負けし、7月のRIZINではハム・ソヒに1R TKO負けし連敗中だ。
富松は16年11月に前澤と対戦し、3R裸絞めで一本負けしている。今年に入ってからは、3月に青野ひかる、6月に古瀬美月に、いずれも一本勝ちし、王座挑戦につなげた。過去に暫定王者にはなっているが、正式な王座奪取には2回失敗している。
1R、スタンドでのお見合いが続き、富松が右ボディを当てると、前澤は詰め、金網際でお互い押し合う状態が続く。終盤、前澤が倒してバックを取るが、富松はその先の攻めを許さず、脱出して押し込む。ポイントは割れた模様だ。
2Rも金網際で押し合う展開が続き、前澤が足を掛けて倒すと、ハーフ、マウントと移行し、腕十字を狙う。極まらないと判断するとバックに回ってからトップに戻り、パウンドを落とし、攻勢を印象付ける。富松も下から腕十字をうかがうが、前澤は難なく対処する。
3R、富松はパンチの打ち合いに持ち込もうとするが、前澤は付き合わず押し込み、テイクダウンを狙う。富松は耐えるが、体力を消耗。富松は離れると足元へタックルを仕掛けるが、前澤は難なく切ると、金網際でバックを奪う。中盤以降はグラウンドでコントロールを続けて試合を終える。
DEEPのタイトルマッチはジャッジが5人で、全員が前澤を支持した。ベルトを巻くと、抱きしめるようにして涙を流した前澤は「富松選手は青森でデビューしたころからメインを張っていて、凄い選手だと思っていました。東京に出て一回試合した時は勝ったんですけど、自分の負けている選手に勝っていて、強いと思っていて、今回も勝てたのも、ジムのみんなや応援してくれる人達のおかげです。ありがとうございます」と話し、最後は「ずっと女子格闘技のファンでいてください」と観客にアピールした。
バックステージで前澤は「試合前に怪我もありましたけど、これで負けたら職業格闘家と名乗れないと思って必死でした」と試合中の心境を振り返り、寝技の展開で圧倒したことについては「最近は打撃で展開を作ることが多かったんですけど、連敗して(金原正徳)代表からも言われて、総合格闘技だから元々やっていた柔道の引き出しを使わおうと思って戦いました」と話した。
今後については「すぐ次は考えられないですけど、アトム級のベルトを持っている責任を活かす試合がきっと来るでしょうし。もし減量がうまく行ったら、ミクロ級(44kg)のベルトも取って、堀口(恭司)さんみたい2つ肩に掛けられたらいいんですけど、いかんせん食べるの好きなんで(笑)。代表と話して、どこが自分の墓場か向き合いたいです」と話した。
第8試合 セミファイナル 63kg契約 5分3R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級女王)
×ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット(タイ/Tarnthong Gym)
1R 3’20” 腕ひしぎ十字固め
KINGレイナが前日計量を2.3kgオーバーし、規定の2kg以上の超過のため失格となり、中井が緊急出場した。中井は前日夜に愛媛から上京し、62.8kgで計量をクリアしている。中井は6月大会のメインイベントで、ダイヤモンドローズと同門のゲオチャイと58kg契約で対戦し2R TKO勝ちしている。
なお、第5試合終了後、レイナがケージに上がり「体重超過で試合中止になり申し訳ありませんでした。一からしっかりやっていきます」と謝罪した。
1R、長身のダイヤモンドローズが右ミドル、前蹴りを放って来ると、中井は右ミドルをつかんで倒そうとするが、ダイヤモンドローズは耐える。引き続きダイヤモンドローズが蹴ってくると、中井は右ローをすくいながら右フックを当てて倒し、すぐさま動いてサイドを奪う。鉄槌を当ててダメージを与えつつ、腕十字を極め、最後は福田レフェリーがストップした。
中井はファンや関係者に感謝の言葉を述べた後「今、台風で被災されている方のお見舞い申し上げます。日本は一つです」とアピールし、最後は恒例のバック宙等で観客を楽しませた。大会後の表彰式では、スポンサーのドン・キホーテとskyticketからの特別賞をダブルで獲得している(skyticketの賞は永尾音波も獲得した)。
大会後の総括で、佐伯繁DEEP代表は、中井が代役になった経緯について「中井選手は今回の大会に元々出たくて、ずっと練習をしていました。血液検査は6月にやって、1年の期限があるのでOKでした」と話し、レイナの今後については「一回、練習環境もゼロにしてやり直すべきだと思います」と話した。
前日夕方4時にオファーを受けた中井は、60kgぐらいだった体重を、逆に食べて増やした状態だったという。相手の情報も無いぶっつけ本番だったという中井は「急でしたけど、練習したことを出せばいいと(WILD宇佐美)館長には言われて、落ち着いて戦えました。でも内容は良く無かったです」とコメントした。
第7試合 フライ級 5分3R
○渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW)
×カン・ヒウン(韓国/ryeong promotion/kukje gym)
1R 1’48” 裸絞め
1R、開始すぐに渡辺がテイクダウンを奪うと、ハーフから肩固めを狙いつつサイドへ。肘を当て、ハーフに戻ってアームロックを仕掛けると、動いたヒウンのバックに回り、裸絞めを極めてタップを奪った。試合後のマイクでは「大晦日、試合したいなと思います」と、RIZIN大晦日連続出場を希望した。
第6試合 アトム級 5分3R
○アム・ザ・ロケット(タイ/Tarntong Gym/プーケット・トップ・チーム)
×ホン・ユンハ(韓国/フォン柔術ソンタン)
1R 1’37” 腕ひしぎ十字固め
8月のRIZINで浜崎朱加を裸絞めで追い詰める場面を作ったアムが、3月の後楽園の佐藤絵実戦(1R裸絞めで一本勝ち)に続き参戦した。
1R、ユンハが開始間もなくにテイクダウンを奪って上になる。だが金網を背にして寝た状態のアムは、両足を登らせ、腕十字を極めてタップを奪った。試合後のマイクでは、RIZIN再出場を希望した。
第5試合 フライ級 5分2R
○奈部ゆかり(HMC JAPAN/新宿リバーサルジムMe,We)
×ゲオチャイ・ザ・ロケット(タイ/Tarnthong Gym)
1R 3’15” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、ゲオチャイの右ストレートをもらいながらも、奈部はすぐタックルで組み付き、テイクダウンに成功する。奈部はスムーズにサイド、マウントと移行し、パウンドを当て続け、ゲオチャイが防戦一方になったところで豊永レフェリーがストップした。
試合後の奈部は練習仲間や元職場の同僚、そして台風の影響で北陸新幹線が一部不通になっているにも関わらず、電車を乗り継いで富山から応援に来た家族に感謝を述べた。
なお、この試合後、石岡沙織がケージに入り、怪我の治療に専念ししばらく休養することを表明した。さらに「この度の台風で被害に遭った皆さんにお見舞いを申し上げます。私の住んでいる長野も台風の被害に遭い、この中にも物資を送ってくださった方がいます。ありがとうございました」と話し、場内での募金活動への協力を観客に呼び掛けた。
第4試合 アトム級 5分2R
○パク・ジョンウン(韓国/TEAM STORONG WOLF)
×佐藤絵実(毛利道場)
1R 2’36” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
昨年6月に富松にも勝っているジョンウンが佐藤を圧倒。1R、開始すぐからジョンウンが両脇を差して倒し、ハーフから肩固めを仕掛ける。防御されると、固執せず、マウントポジションを取り、パウンドを落とし背中を向けさせる。裸絞めを狙うと、これもこだわらず、最後はパウンド連打でフィニッシュした。
第3試合 49kg契約 5分2R
×KAI(リバーサルジム立川ALPHA)
○古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)
判定1-2 (田澤19-19○/松宮○19-19/豊永19-19○)
1R、パンチの打ち合いと、KAIが金網に押し込む展開の繰り返しで、若干KAIのヒットが多いが、古瀬も当てており、KAIは鼻血を出している。
2R、古瀬がサウスポーからの左ハイを序盤からヒット。KAIは押し込みを繰り返すが、鼻血を大量に出す。離れれば古瀬が左右のハイ、前蹴りで好印象だ。ジャッジは割れたが、ダメージを与えた古瀬が2票を獲得した。
第2試合 49kg契約 5分2R
×川村虹花(仮面女子)
○永尾音波(AACC)
判定0-3 (19-19○/19-19○/19-19○)
1R、両者押し込む展開が繰り返され、終盤、永尾の左ハイで川村がダウンし、永尾がパンチラッシュで追い詰める。2R、スタンドの展開で、均衡が崩れなかったが、終盤、川村が押し込んだ際、膝がローブローとなり一時中断する。再開後、川村はすぐにタックルでテイクダウンを奪い、パウンドラッシュで追い詰める。川村がポイントを取り返したが、マスト判定で、フィニッシュに近づいた永尾が3票を獲得し勝利した。
第1試合 ミクロ級(44kg) 5分2R
○玉田育子(AACC)
×KOTORI(格闘空手勇拳会)
判定3-0 (20-17/20-18/20-18)
両Rとも玉田がグラウンドでKOTORIを圧倒。裸絞め、アームロックなどでも追い詰め完勝した。