RIZIN 7.28 さいたまスーパーアリーナ:朝倉未来、矢地祐介を打撃で追い詰め判定勝ち。打倒堀口戦線は石渡伸太郎&扇久保博正が勝利
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RIZIN.17
2019年7月28日(日)さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳 中継:フジテレビ(関東ローカル 8/3(土)26:00~27:30)
第12試合 70kg契約(ライト級相当)(肘有り) 5分3R
×矢地祐介(KRAZY BEE/元修斗環太平洋フェザー級(65kg)王者、PXCフェザー級(65.8kg)王者/69.9kg)
○朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 65-70kg級&60-65kg級王者/69.85kg)
判定0-3 (田澤=朝倉/松宮=朝倉/大藪=朝倉)
矢地は16年末のRIZIN参戦から5連勝の快進撃を続けたが、昨年8月の名古屋のルイス・グスタボ戦と大晦日のジョニー・ケース戦と2連敗。今回、階級が本来下の未来との試合が組まれたことで、背水の陣で試合に臨む。
朝倉兄弟の兄・未来は対照的に、矢地の連敗の始まった昨年8月のRIZINで初参戦以降4連勝。日沖発、リオン武といったフェザー級のベテランを粉砕し、4月の横浜大会では矢地に勝っているグスタボに判定勝ちし、試合を重ねるごとに評価を高めている。
今大会は堀口恭司、那須川天心、浅倉カンナ、RENAといった、近年のRIZINを盛り上げた主力が不在。その影響もあって、フジテレビでの生中継が無いが(※フジの関東ローカルで8/3(土)26時より放送)、矢地も未来も自身のYoutubeチャンネルを駆使して挑発合戦を繰り広げて盛り上げたのも、非常に今の時代らしい展開といえよう。なお、観衆は16,930人(主催者発表で満員)を集めた。
未来は階級を上げての戦いだが、見た目ではさほど体格差は感じない。1Rは終始スタンドの打撃戦。両者サウスポーに構え、未来が右フックから左ボディなどのパンチ主体で、矢地は距離を取ってロー主体。終盤、未来が圧を強め、右フックを少し当てるが、まだ矢地に大きなダメージは無い。
2R、矢地はグラウンド戦で展開を変えようとしたか?タックルを仕掛けるが、未来は切る。離れると、未来は左のローをスネ狙いのカーフキックも織り交ぜて当て続け、右フックも強振し、じわじわ追い詰める。中盤、未来の右フックの後、矢地がタックルから組み付くが、これも未来は耐え、押し込んで突き放す。最後、矢地が未来の蹴り足をつかんで倒そうとした際、未来がロープをつかんだため、矢地が抗議し、ジェイソン・ハーゾグ・レフェリーが注意する。減点とはならない。
3R、矢地は2R同様にタックルを繰り返すが、未来は切り続け、場内はどよめく。こうなると流れは未来で、またも左ローを効かせ、少し矢地がぐらつく。矢地はそれでもタックルに行き、足をかけて倒そうとするが、逆に未来が潰して上になる。スタンドに戻り、お互い決定打は出ないまま残り30秒とアナウンスされると、2人とも足を止めてパンチを振るい合い、場内は大歓声で包まれる。未来は手を振って挑発しつつ、ゴング直前に左ストレートでダウンさせ、勝ち誇って試合を終える。
記者採点は未来。ジャッジ3者も未来で、未来の判定勝ちとなった。未来は「色々ありましたけど、矢地君と俺がリスクを取ったから盛り上がったので、煽り(VTR)でKRAZY BEEを馬鹿にしましたけど、リスペクトしているので、出稽古でまた教えてください。喋るより拳合わせれば伝わると思います。年末、ベラトールと対抗戦やるんだっけ?矢地君、一緒に戦って日本盛り上げましょう」と、試合が終わってノーサイド宣言をすると共に、共闘を呼び掛けた。
第11試合 61kg契約(バンタム級相当)(肘有り) 5分3R
○石渡伸太郎(CAVE/元パンクラス・バンタム級(61.2kg)王者/61.0kg)
×佐々木憂流迦(フリー/元修斗環太平洋バンタム級(60kg)王者、元UFCフライ級(56.7kg)15位/61.0kg)
2R 3’58” ノースサウスチョーク
堀口恭司が王座に君臨するバンタム級では、堀口の王座挑戦者候補を査定する2試合が組まれた。
石渡は17年末のRIZINバンタム級GPで大晦日の決勝まで進み、堀口との4年半ぶりの試合で敗れて以来、1年半ぶりの試合となる。石渡がバンタム級王座に君臨しているパンクラスが、今年に入ってONE Championshipと提携したが、石渡はRIZINに上がり続ける道を選び、パンクラスのベルトを返上した。
対する憂流迦はUFCで活躍後、大晦日にRIZINに初参戦し、マネル・ケイプに判定勝ちして以来の試合。4月の朝倉海戦が決まったが、内臓疾患で欠場していた。14年2月、石渡がパンクラス王座の2度目の防衛を果たした後、憂流迦がリングに上がり「俺の喧嘩を買ってください」と石渡を挑発した過去もあり、5年半が経過し、ようやく2人の対戦が実現する。
1R、スタンドの打撃戦の後、石渡が左のスーパーマンパンチから組み付いて倒す。しばらく膠着すると、石渡は立ってサッカーボールキックを放つが、空振りすると、その隙に憂流迦が立ち、タックルで倒して上になり、そのまま終える。
2R、先に憂流迦が上になるが、石渡は立ち、両脇を差して倒して上に。打撃戦が続くと、石渡がじわじわ詰め、一旦右フックを空振りしてロープまで下がらせてから、再び右フックを振ると命中し、憂流迦をダウンさせる。石渡はがぶりの状態で頭に膝を連打し、追い詰めてから、首元に腕を差し込み、不意打ちのノースサウスチョークを極めてタップを奪った。
勝った石渡は「ブランクの影響が出て大振りでしたね」と苦笑し「(憂流迦・元谷・扇久保とセットで)“四天王”とかいう不名誉な名前がつけられていますけど、何が四天王だ。トップにいる奴には笑われているでしょう」と、堀口しか眼中に無いとばかりにコメント。直前の試合で勝った扇久保が、石渡対憂流迦の勝者との対戦を希望していたことをアナウンサーから聞くと「この2人、見分けつきますか?」と話して笑いを取り、「2人がやって、手を上げられている方が僕です」と、石渡らしい少しヒネった表現で勝利宣言した。
第10試合 61kg契約(バンタム級相当) 5分3R
×元谷友貴(フリー/元DEEPバンタム級(61.2kg)&フライ級(56.7kg)王者/60.75kg)
○扇久保博正(パラエストラ松戸/修斗世界フライ級(56.7kg)王者、元バンタム級(60kg)世界王者/60.8kg)
判定1-2 (大藪=元谷/松宮=扇久保/田澤=扇久保)
元谷は17年4月に堀口に敗れた後、DEEP含め5連勝していたが、3月のDEEPでビクター・ヘンリーに惜敗し、DEEP王座から陥落した。扇久保もちょうど1年前のRIZINでの堀口との再戦で敗れたが、5月の修斗の王座防衛戦では清水清隆に勝利している。以前から元谷戦を希望し、清水戦後、改めて「RIZINで元谷選手とやらせてください」とアピールし、その機会が訪れた。
1R、パンチが交錯した後、扇久保がタックルでテイクダウンを奪う。扇久保がハーフからサイドに移ると、元谷は立つが、扇久保は抱え上げて倒し、バックを奪う。これも元谷は脱出して立つが、すぐ扇久保は組み付いて倒す。脱出した元谷が今度はバックを取るが、扇久保は終了間際に下に落として上になる。ハイレベルな寝技の展開に場内は沸く。
2R、元谷はその都度立つものの、扇久保が再三テイクダウンを奪ってトップをキープし主導権を維持する。スタンドの打撃戦でもお互い積極的に蹴りとパンチを出すが、動きが激しい展開のため、両者とも体力消耗が激しく、一発一発の重さとスピードは落ちてきた。
3Rも扇久保がテイクダウンを繰り返すが、元谷はスタンドに戻す度に、パンチをノンストップで打ち続け、連打を時折りまとめ、場内を沸かせる。扇久保も当て返す場面もあるが、上になってからはなかなか攻めが続かない。最後はそれでも肩固めを仕掛けて追い詰める。
記者採点は迷ったが扇久保。ジャッジは割れ、2者が扇久保を支持。扇久保は「榊原さん、次、石渡選手と憂流迦選手の勝ったほうとやらせてください」「日本のRIZINという舞台を盛り上げていくんで、堀口、天心だけじゃなく、僕たちも応援してください」とアピールした。
なお、この試合の前には堀口がリングインした。堀口は8月18日の名古屋ドルフィンズアリーナ大会での朝倉海戦を控えており「しっかりKO一本で勝ちたいです」と話した。
第9試合 93kg契約(ライトヘビー級相当)(肘有り) 5分3R
○イヴァン・シュトルコフ[Ivan Shtyrkov](ロシア/ARCHANGEL MICHAEL CLUB/93.0kg)
×キム・フン(韓国/チーム・ファイター/92.9kg)
2R 4’10” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
シュトルコフは2年前に石井慧にTKO勝ちしているMMA 16戦無敗の30歳。フンは38歳のベテランで、日本のMARS、パンクラスにも上がったことがある。
1R、シュトルコフが右フックを随所で当て、終盤はタックルで倒し、上をキープして主導権を維持する。2R、シュトルコフがタックルでテイクダウンを繰り返し、最後はバックマウントからパウンドを連打したところでレフェリーがストップ。シュトルコフが完勝した。
第8試合 キックルール(肘無し・つかみ攻撃1回) 62kg契約 3分3R
○大雅(TRY HARD GYM/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者、元K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級(55kg)王者/62.0kg)
×町田 光(橋本道場/WPMF世界スーパーフェザー級(58.97kg)王者、元WPMF日本・INNOVATION・MA日本同級王者、元REBELS 60kg級王者/61.7kg)
判定3-0 (和田30-27/福田30-27/豊永30-26)
大雅は4月のRIZINでタリソン・ゴメス・フェレイラにKO負けして以来の登場。町田はRIZIN初参戦。REBELS、KNOCK OUTでの活躍を経て、最近は6月23日のシュートボクシングでの村田聖明戦で、愛称にもなっている居合いポーズからのパンチや投げ技で見せ場を作り判定勝ち。強烈な個性は映像班の強いRIZINワールドでも活きることだろう。
1R、大雅はサウスポーに構え、町田が居合ポーズを出せば、大雅も腕をグルリと回し、居合ポーズに似た動きを見せ、観客を沸かせる。まだ大差は無いが、大雅のほうが右アッパー、右ボディ等を随所で当て、ヒット数では上回る。記者採点イーブン。
2R、大雅が前に出てくる町田をかわしながら、パンチを顔面とボディに時折当てて若干優勢。終盤、町田も組んでからやテンカオで右の膝をボディに当てるが、終了間際、大雅が左ストレートを当ててのけぞらせチャンスを作り、一進一退の展開に。記者採点は大雅につけるか迷ったが町田の膝も評価しイーブン。
3Rも大雅がパンチ、町田が膝という構図で、お互い積極的に攻めるも一歩も引かない展開が続く。だが終了間際、大雅が少しずつパンチのヒットを増やすと、左ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。記者採点は10-8で大雅。合計30-28で大雅。ジャッジ3者とも2Rまでにもポイントをつけており、大雅が判定勝ちした。
マイクを持った大雅は「久しぶりに勝てました。RIZINに出させてもらってから、いい試合できていなくて、今日の試合もダメダメだったんですけど、これからもRIZINファイターとして、RIZINを盛り上げられるよう頑張ります。僕の目指すところは変わらないので追いかけ続けます」と話し、改めて那須川天心戦を目標に掲げた。
第7試合 71kg契約(ライト級相当)(肘有り) 5分3R
×北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜/元DEEPライト級(70.3kg)&戦極ライト級(70kg)王者/70.85kg)
○ジョニー・ケース(米国/MMAラボ/70.75kg)
1R 終了時 TKO (コーナーストップ)
RIZINでは10月12日のエディオンアリーナ大阪大会と年末の大会でライト級GP(トーナメント)を開催する予定で、既にベラトール2階級制覇王者のパトリッキー・フレイレの出場が決まっている。今回はGP出場者査定試合として、矢地×未来含め、ライト級近辺で4試合が組まれた。
北岡は昨年大晦日のやれんのか!のメインで川尻達也に勝利し、ライト級GP出場が濃厚となったが、4月にホベルト・サトシ・ソウザに2R TKO負けし、GP参戦に黄信号が灯った。元UFCファイターのケースは昨年大晦日にRIZINに初参戦し、矢地祐介に2Rに右まぶたのカットによりTKO勝ちしている実力者。矢地に敗れている北岡にとって、名誉挽回のチャンスであり、絶対に負けられない戦いだ。
1R、北岡がタックルで倒そうとするが、ケースが切り、側頭部に肘を連打する。両者組んだまま立ち、ロープ際で北岡が倒そうとするが、ケースがロープの外に出していた足が引っかかり、倒すことができない。するとケースが体勢を立て直すと、組んだまま足を掛けて倒すことに成功する。ケースは上からパウンドを連打し、北岡をレフェリーストップ寸前まで追い詰める。北岡は耐えたものの、ゴング後は一人でコーナーに戻ることができず、インターバル後、陣営からストップがかかった。
第6試合 71kg契約(ライト級相当)(肘有り) 5分3R
○川尻達也(T-BLOOD/元修斗世界ライト級(70kg)王者/70.80kg)
×アリ・アブドゥルカリコフ[Ali Abdulkhalikov](ロシア/ゴールデンチーム/70.95kg)
判定3-0 (田澤=川尻/和田=川尻/大藪=川尻)
川尻は昨年大晦日に北岡に判定負けして以来の試合。アブドゥルカリコフはRIZIN初参戦でMMA 7戦全勝の25歳。
1R、アリがミドル、バックスピンキック等の蹴り技で川尻を脅かす。川尻はタックルを繰り返し、中盤過ぎにテイクダウンに成功する。川尻はハーフから肩固めを狙ってサイドを奪おうとし、立たれそうになってもアームロックを仕掛けながらグラウンドに戻す。
2R、アリの左ミドルをもらって少し苦しそうにした川尻だが、またもテイクダウンを奪うと、グラウンドで主導権を握る。川尻がギロチンを仕掛け、アリが外して上になるが、その先の攻防は乏しい。
3R、アリのバックハンドブローをもらい、口から出血している川尻だが、序盤からテイクダウンを奪うと、アームロック、肩固めでアリを追い詰める。最後はマウントパンチを当てて終える。判定の結果、グラウンドでチャンスを作り続けた川尻が勝利した。マイクを受け取った川尻は「アゴが痛いです」と話しつつ「連敗で自信が持てなかったけど、やっと勝てたぞ」と叫び、勝利を喜んだ。
第5試合 71kg契約(ライト級相当) 5分3R
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/REALスーパーライト級(74.2kg)王者/70.85kg)
×廣田瑞人(CAVE/元DEEP・SRC・CAGE FORCEライト級王者/70.95kg)
1R 3’05” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ホベルトは4月にRIZINに初参戦し、北岡悟に2R TKO勝ち。廣田は09年8月の戦極ライト級チャンピオンシップで北岡にTKO勝ちしたことがある。15年からUFCと契約していたが、昨年12月まで3連敗となり契約が切れ、RIZINに初登場する。
1R、ホベルトが最初のタックルでテイクダウンに成功すると、ハーフまで行く。レフェリーからアクションの声がかかると、ホベルトは自ら立ち、ブレイクがかかる。するとホベルトは右ハイ、右ストレートを積極的に放ち、廣田を真っすぐ下がらせると、右フックをクリーンヒット。ダウンした廣田にパウンドを追撃したところでレフェリーがストップした。完勝のホベルトは日本語で「UFCじゃない、RIZINだよ」とRIZINのレベルの高さをアピールした。
第4試合 93kg契約(ライトヘビー級相当)(肘有り) 5分3R
○ジェイク・ヒューン(米国/ユニット27/92.85kg)
×ビタリー・シュメトフ(ロシア/USSRファイターズ/90.25kg)
3R 2’19” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる左まぶたのカット)
ヒューンはRIZINでイリー・プロハースカに敗れ、ロッキー・マルティネスに勝利している。シュメトフは06年にMARSで2戦し、日本で元K-1ファイターのニコラス・ペタスと1年間トレーニングを積んだ経験もある。現在34歳。RIZIN参戦を熱望するアピールをSNS等で続け、ようやく念願がかなった。
1R、スタンドの打撃戦が続き、お互い蹴りとパンチを積極的に出す。シュメトフは右ミドル、バックハンドブローのスピードが速く、観客がどよめく。中盤、ヒューンが蹴りを空振りした後にスリップし、シュメトフが上になろうとするが、ヒューンが潰して上に。スタンドに戻ると、ヒューンの左ミドルがクリーンヒットし、シュメトフはうずくまってしまう。スタンドに戻るが、ヒューンがパンチと膝を当て、優位を維持する。
2R、ヒューンの右ミドル、膝が効き目を発揮し、コーナーに詰めてラッシュを仕掛けるが、膝がローブローとなり、約5分中断する。ヒューンにはイエローカードが出される。再開後、ヒューンがタックルから抱え上げて倒して上に。ヒューンがサイドからアームロックを仕掛け、最後はマウントパンチで追い詰める。
3R、シュメトフがバックハンドブローからのハイキックで沸かせるが、直後にヒューンがタックルで簡単に倒してまたも上になる。ヒューンはマウントを奪い、左肘を当てると、シュメトフは左まぶたを切って大量に出血し、ドクターチェックが入りストップがかかった。
第3試合 女子49kg契約(スーパーアトム級相当)(肘有り) 5分3R
○ハム・ソヒ(韓国/チームMAD/ROAD FC女子アトム級(47.6kg)王者。元DEEP JEWELS同級王者/48.9kg)
×前澤 智(リバーサルジム立川ALPHA/DEEP JEWELSアトム級王者/48.75kg)
1R 3’14” TKO (レフェリーストップ:膝蹴りの連打)
両者ともRIZIN初参戦。ソヒは07年にDEEPでプロデビューし、日本で活躍。石岡沙織、長野美香らを下し、現RIZIN王者の浜崎朱加には2敗している。14年には韓国人女性として初めてUFCに参戦し、17年から韓国のROAD FCを主戦場としている。6月のRIZINで浜崎と2Rまで接戦を繰り広げたジン・ユ・フレイには、昨年12月のROAD FCの王座防衛戦で1R KO勝ちしている。
前澤は柔道、柔術をベースとし、12年にJEWELSでデビューし、昨年12月に黒部三奈を下しDEEP JEWELS王座を獲得した。3月には浅倉カンナに判定負けしている。
1R、サウスポーで圧力をかけるソヒに対し、前澤は前後左右上下に細かく体を動かして、的を絞らせず、ボディと顔面にパンチを散らす戦法を貫く。ソヒは時折パンチを当て、それでもなかなか打開できずにいたが、中盤、少し前澤の動きが落ちてきたところで、一気に試合が動く。ソヒがロープに前澤を押し飛ばすと、ボディに右ミドルをクリーンヒット。前澤はダウンすると、コーナーを背に座る形になり、ソヒが顔面に膝を連打する。前澤が防戦一方になり、レフェリーがストップした。
下馬評通り完勝のソヒは、マイクを持ち、日本語で「私、タイトルに挑戦したい気持ちも大きいですが、山本美憂選手と試合がしたいです」とアピール。リングサイドで見ていた美憂もリングに上がり「私もハム選手の試合を見ていて、いつか試合をしたいと思っていました。よろしくお願いします」と話し、対戦を承諾した。
第2試合 女子63kg契約(肘有り) 5分3R
×KINGレイナ(FIGHT CLUB 428/63.00kg)
○ステファニー・エッガー[Stephanie Egger](スイス/Buddy Gym/62.85kg)
判定0-3 (横山=エッガー/松宮=エッガー/大藪=エッガー)
最近のレイナは少しずつ体重を下げ、65kgあたりでの試合が主体だったが、今回は63kg契約に初挑戦。DEEP JEWELSでの経験を経て、約1年ぶりのRIZINで健在ぶりを示したいところ。エッガーはレイナ同じく柔道がベースで、MMA戦績は4戦3勝1敗。
1R、エッガーが右ロー、エッガーが右フックを振るった後、組み付き、テイクダウンを奪う。するとエッガーはすぐにバックマウントを奪い、裸絞めを狙ってチャンスを作る。レイナは対処してスタンドに戻すと、後半は打撃戦を続ける。お互いヒットは乏しい。
2Rもエッガーが中盤と終了間際にテイクダウンを奪い、バックマウントを奪い主導権。裸絞めを狙い続ける。スタンドに戻ればレイナも右フックを積極的に放つが、なかなかクリーンヒットにはならない。
3Rもエッガーがバックマウントから裸絞めを狙い攻勢。終盤、レイナはスタンドに戻すが、減量の影響も重なってかスタミナが切れ、パンチを振るうが威力に乏しく、反撃に持ち込めず終了。レイナの完敗に終わった。
第1試合 キックルール(肘無し・つかみ攻撃1回) 67kg契約 3分3R
×渡部太基(TEAM TEPPEN/RISEウェルター級(67.5kg)2位、元K-1 KRUSH FIGHTウェルター級(67kg)王者、元WPMF日本ウェルター級(66.7kg)王者/66.95kg)
○Hideki(ボリビア/RISE/team Gloria/RISEスーパーライト級(65kg)3位/66.80kg)
判定0-2 (田澤28-29/和田28-28/長瀬28-29)
両者ともRIZIN初参戦。渡部はKrush、WPMF日本タイトルを獲得し、昨年から那須川天心擁するTEAM TEPPENに移籍し、RISEを主戦場にしている。ケビン・ロスと対戦予定だったが、ロスの負傷欠場でHidekiに変わった。
Hidekiは17年1月のRISEで裕樹の持つRISEスーパーライト級王座に挑戦予定だったが、計量クリア後にインフルエンザを発症して欠場し、RISEから「プロとしての自己管理の不足」とされ、無期限のRISE公式戦出場停止処分を受けていた。その間は地元神戸の大会で戦い続け、今回はRISEの推薦でRIZINに登場する。
1R、サウスポーの渡部が圧力をかけ、左ミドルを当て続け、Hidekiは回り続ける状態だったが、残り1分、右ストレートをクリーンヒットして渡部をひるませると、パンチラッシュでスタンディングダウンを奪う。
だがHidekiが仕留めきれずにいると2Rに流れが変わる。渡部が左のローを当て続けていると、Hidekiはぐらつき、攻撃を返せず回り続けるだけになってしまう。
3Rも同じ構図で、Hidekiも時折パンチを返し、渡部がロー、ミドルを当て、積極性が上の状態のまま終了。とはいえはっきりした差はつけられず、3Rはジャッジ1者のみ渡部につけるに留まり、Hidekiが逃げ切るような形で判定勝ちした。
RIZINの榊原信行実行委員長は大会後の総括で、10.12大阪大会で開幕するライト級GPについて「朝倉未来はライト級GPに出てもらいます。フェザー級GPをやるつもりは無いので、ぜひ日本のライト級を代表して出て欲しいです。体格の問題はあると思いますけど、2カ月半ありますし、今日も無傷なので、できるじゃんって。毎晩のように口説きます」「ジョニー・ケースとホベルト・サトシ・ソウザは当確です。韓国のROAD FCの代表も来ていましたので、トップをキャスティングしてもらおうと思います。川尻は首の皮一枚でつながった状態です」と話した。また、ハム・ソヒと山本美憂の一戦については「10月にマッチアップします。浜崎の次期挑戦者決定戦です」と話している。