シュートボクシング 6.23 後楽園ホール:海人、2階級上の中島弘貴にKO勝ち。笠原弘希、内藤大樹との再延長制す。笠原友希、小笠原瑛作を肘で撃破
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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SHOOT BOXING 2019 act.3
2019年6月23日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 69kg契約 3分5R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/S-cup 65kg世界トーナメント2018優勝・SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット/元K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
4R 2’56” TKO (3ダウン:右飛び膝蹴り)
海人は4月大会でチャド・コリンズに判定負け。今回はK-1とKrushの2階級上の70kg戦線で活躍した中島との一戦が組まれた。中島はプロデビューはSBで、2007年10月の塚本拓生戦以来、12年ぶりのSB参戦。試合は18年1月のKrushでの神保克哉戦で判定負けして以来1年5か月ぶり。現在30歳だ。
契約体重は海人にとっては普段より4kg重い69kg。海人は68.45kg、中島は69.0kgで計量をクリアした。海人はインタビューで今回の試合を受けた経緯について「中島選手が相手だから、というのが一番大きいです。あと、僕は65.0kgでとどまって試合をするつもりもないので、僕がやりたい相手であれば70.0kgでも挑戦したいと思っていますし、他団体で活躍していた元チャンピオンとSBのリングでやれるというのは僕にとってもいい挑戦になります。上の階級の選手の圧力への対応力は、3人(ザカリア・ゾウガリー、チャムアトーン、コリンズ)へのリベンジのためにも必要なことでもありますし」と話していた。
1R、お互い右ロー、右ストレート等を当てるが、まだ慎重だ。階級下の海人だが、パワー負けはしていない印象だ。記者採点もジャッジ3者もイーブン。
2R、海人がスイッチを織り交ぜながら中島の前足に左右のローを集中する。最近MMAを中心に流行り始めているカーフキック(ふくらはぎに当てるローキック)も織り交ぜていると、早くも中島は足が流れ始める。記者採点は海人。ジャッジ3者とも海人につける。
3Rも海人が執拗に右ローをヒット。二段式の飛び膝も胸元に当て、攻勢を印象づける。終盤には重みのある右ローで中島をぐらつかせる。記者採点もジャッジ3者も海人。
4Rも海人が右ローを効かせ、中島を追い詰めると、ロープに詰めて、パンチを当ててから右の飛び膝で中島のアゴを打ち抜きダウンを奪う。中島は立ち上がるが表情は弱気で、さらに海人が右ローで2ダウン目を重ね、最後は右の飛び膝でマットに沈めた。
海人は「4月はチャド・コリンズ戦に負けて落ち込んだんですけど、SBファンのみなさんの応援のおかげでここに立つことができました。ありがとうございます。65kgにこだわらず、階級を上げて強豪にも挑戦しつつ、あの3人にもリベンジします」とアピールした。
バックステージで海人は「いつも肘で勝っていますけど、肘だけじゃないと見せられて良かったです。階級を上げたとしても、できればまずは67.5kg(ウェルター級)でやっていけたらと思いますね。やっぱりパンチは重く感じました。今日は下から崩す鉄壁な戦い方を出していきました」と話した。
第9試合 59kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
×内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本フェザー級1位、元SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者、RISE DoA -57kgトーナメント2017優勝)※ストライキングジムAresから所属変更
5R 判定2-0 (若林10-10/津山10-9/茂木10-9)
4R 判定1-1 (若林10-9/津山9-10/茂木10-10)
3R 判定0-0 (津山30-30/茂木30-30/若林30-30)
内藤は昨年11月にRISEで那須川天心に1R KO負けして以来の試合。笠原兄弟の兄・弘希は4月大会で小笠原裕典に判定勝ちしている。
1R、内藤が左右の前蹴りを距離取りとフェイントに絡めつつ、右のローを何発も当てて主導権を維持する。弘希はひるまないが、印象が良くない。記者採点はイーブン。
2Rも内藤が同じように執拗に右ローを当て、右ハイ、ミドルも絡めて主導権を維持する。弘希も時折ボディ狙いのパンチを返すが攻撃が少ない。記者採点は内藤につけたが、まだ弘希は大きく崩れないため、ポイントがつかなくても不思議ではない。
3R、弘希がようやくパンチのヒットを増やすが、内藤もローを随所で当て続け、終盤には投げも2度トライし、主導権を握らせない。記者採点はイーブンで、合計29-30。ジャッジ3者はやはりイーブンとし、延長に突入する。
4R、お互いパンチ主体の展開となり、やや弘希のヒット数と積極性が上回り、左ミドルも連打するが、内藤もパンチを返し、終盤には投げも仕掛け挽回する。記者採点はイーブン。ジャッジは三者三様で再延長へ。
5R、弘希が左ボディを連打したり、左膝も当て、やや積極的な攻めを展開。内藤は攻撃が減ってしまう。終盤には顔面狙いのパンチが交錯する場面も増え、やや弘希のヒットが上回る。記者採点は弘希。ジャッジは2者が弘希につけ、弘希の勝利となった。
第8試合 63kg契約 3分3R(無制限延長R)
○西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級(62.5kg)王者)
×増井侑輝(真樹ジムAICHI/MA日本ライト級4位)
判定3-0 (津山30-28/茂木30-28/若林30-27)
西岡は4月大会で不可思と対戦し、2Rに獲得したシュートポイント1で差をつけ判定勝ちしている。
1R、サウスポーの増井が右の前蹴りとジャブで距離とリズムを作りつつ、左ミドルを度々強打する。西岡も右インローを返し、パンチを振るうが、少し距離が遠い。
2R、増井が圧力をかけ、西岡をコーナー付近に詰めるが、増井が右のパンチを振るった直後、西岡が左フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。その後も西岡は随所でパンチを当てるが、増井も膝、ミドルを返して持ち直す。
3R、増井が圧力をかけ、西岡は回ってコーナーを背負う状況が多いが、随所で左右のフック、ストレート、ボディを当てる。増井も時折膝とパンチを当てるが、ほぼ五分のまま終了。西岡がダウン分の点差を守り切り判定勝ちした。
第7試合 56kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
○笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)1位)
×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/WPMF世界スーパーバンタム級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級(55kg)王者)
3R 0’46” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)
小笠原兄弟の弟・瑛作は4月大会でSBに初参戦し、SB日本スーパーバンタム級王者の植山征紀に判定勝ちし、2戦連続でのSB登場。8月18日のKNOCK OUTでのスーパーバンタム級王座決定トーナメントでの1日最大2試合を控えているが、SBの18歳の新鋭に足元をすくわれてしまう。
1R、お互いサウスポーに構え、友希が顔面狙いの左の前蹴りを当てる等、ややテンポ良く攻め、バックドロップでシュートポイント2を奪い、いきなり点差を広げる。だが瑛作は左ローを随所で当ててじわじわ反撃。終盤には友希の右肘のカウンターで右ストレートを当てて倒し、ダウンを奪ったかに見えたが、大村レフェリーはダウンと認めない。
2R、瑛作は左ローを効かせつつ、度々組み付いて前方に倒す。シュートポイントにはならないが、ペースをつかむことに。恐らくここでもつれた状況で、肘か膝が当たったか?友希は左目の下をカットし、2度のドクターチェックを受ける。
瑛作に流れが傾いたが、3R、序盤の打ち合いの展開で、瑛作の左ストレートのタイミングで、友希の左肘が炸裂。瑛作は額を深く切り、大量に出血する。最初のドクターチェックでストップがかかり、友希が逆転勝ちを果たした。
第6試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(無制限延長R)
×村田聖明(シーザージム/SB日本ライト級1位、元SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者)
○町田 光(橋本道場/WPMF世界スーパーフェザー級王者)
判定0-3 (津山28-30/若林28-30/大村27-30)
- 左が町田光。右が村田聖明
1R、町田が居合ポーズを見せれば、村田も居合ポーズをお返しし、場内を沸かせる一幕も。町田は居合ポーズを実際にフェイントに使いながらパンチを当て、顔面、ボディとの打ち分けも巧みだが、まだ村田も崩れない。
2R、町田に村田が組み付き、足を掛けて前方への投げを狙うが、町田はそのタイミングで背後に回り込むと、バックドロップで倒すことに成功し、2ポイントを獲得する。
3R、町田はボディ、顔面にパンチを度々当て、さらに投げを狙う。村田はしゃがんで防御する反則を繰り返し、平レフェリーからイエローカードをもらう(減点にはならない)。結局、シュートポイント分の差ではあるが、スコア差以上に総合力の差を見せつけるファイトで、町田がSB初戦を白星で飾った。
第5試合 63kg契約 3分3R(無制限延長R)
×上田一哉(シーザージム新小岩/SB日本スーパーフェザー級(60kg)1位)
○北井智大(チームドラゴン/RISEライト級(63kg)2位)
4R 2’53” KO (右フック)
3R 判定0-0 (北尻29-29/津山29-29/若林29-29)
1R、上田が右ローを序盤から積極的に当て、終盤には首相撲で捕まえ、膝を連打して圧倒する。長年K-1系のルールで戦ってきた北井は首相撲に対応できない。
だが2R、上田の首相撲からの展開をしがみついて防御し続けると、終盤には北井が右フックをきっかけにパンチのヒットを増やして挽回する。
3Rは上田の首相撲からのヒットが増え、盛り返すが、随所で北井もパンチを返し終了する。
ジャッジは3者ともイーブンで延長へ。上田が変わらず膝を当てていたが、北井は耐えると、右ストレートを当ててダウンを奪う。上田のダメージは大きく、再び北井が右フックで2ダウン目を奪った後、レフェリーがストップ。タフさに定評のある北井が、最後に底力を発揮して勝利をもぎ取った。
第4試合 ヘビー級 3分3R(無制限延長R)
×斐也(チームドラゴン)
○山田二世(台湾/IRON Boxing Gym)
判定0-3 (津山27-28/若林27-28/大村26-28)
※2R前方への投げで山田にシュートポイント1、フロントチョークで山田にキャッチ1。3R山田に前方への投げでシュートポイント1、ヘッドロックで山田にキャッチ1
第3試合 68.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○村田義光(シーザージム)
×鳥居 剛(夕月堂本舗)
2R 1’14” KO (右バックハンドブロー)
第2試合 女子66kg契約 3分3R(無制限延長R)
○未奈(秀晃道場/SB日本女子ライト級(63kg)1位)
×キム・ジュヒョン(韓国/Ace gym)
3R 2’46” KO (パンチ連打)
第1試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(無制限延長R)
○MISAKI(グラップリングシュートボクサーズ/SB日本女子1位、元J-GIRLS王者)
×パク・ユジン(韓国/MAX FC女子フライ級王者)
2R 1’57” KO (フロントチョーク)