シュートボクシング 4.27 後楽園ホール:海人、強豪コリンズの牙城崩せず。西岡蓮太、シュートポイント奪い不可思から白星
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
OGUNI-GYM(オグニジム)
池袋の名門ジムでキックボクシングを始めよう!一般/上級/キッズ/シニア/レディースクラス
SHOOT BOXING 2019 act.2
2019年4月27日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第11試合 メインイベント 66kg契約(肘有り) 3分5R(無制限延長R)
×海人(TEAM F.O.D/S-cup 65kg世界トーナメント2018優勝・SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
○チャド・コリンズ(オーストラリア/シッソーンピーノーン・プーケット/WKA豪州スーパーライト級王者、WBCムエタイ・クイーンズランド州同級王者)
判定0-3 (津山48-50/北尻48-49/若林48-50)
コリンズはタイを主戦場とし、RISEに参戦中のセクサンに2年前に判定勝ちし、パコーン、サックモンコンら強豪にも勝った実績がある23歳。海人が2月11日の後楽園大会で元ルンピニー認定スーパーライト級王者のポンシリ・ポー・シリポンに判定勝ちしたが、同じ日のKNOCK OUTでコリンズは右の縦肘で不可思からダウンを奪い、強烈な膝、右アッパーでも苦しめ判定勝ちしている。
1R、海人は右ロー主体にしつつ、ボディ狙いのパンチとミドル、右の縦肘、バックスピンキックも駆使する。コリンズはそれぞれの攻撃を返しつつ、伸びのある右ストレートを時折り当て、海人を脅かす。記者採点もジャッジもイーブン。
2R、コリンズはペースを上げ、左ジャブ、前蹴りを散らしつつ、左ミドル、右ストレート、右アッパーで海人を脅かす。海人も左ボディを当て、組めば右肘を返すが、コリンズはひるまない。記者採点もジャッジもイーブン。
3R、海人は序盤サウスポーに構えを変えるが、コリンズは問題とせず、左ミドルなどを当て続ける。海人は攻撃が減り、終盤、コーナーまで圧力をかけられると、コリンズの左ミドルの直後の右の縦肘で側頭部を切られ、ドクターチェックを受ける。ジャッジも記者採点もコリンズ。
4R、今度はコリンズが時折スイッチしつつ、左ミドル、左テンカオを随所で当て、主導権を維持する。海人も右ローを当てるが、連打とならず、コリンズはぐらつかない。大会後は足を引きずっていたが、コリンズのタフさが光る。記者採点コリンズ。
5R、コリンズは序盤から海人をコーナーに詰め、左右のボディを散らしつつ、顔面へのパンチを連打し、海人を追い詰める。海人も肘、パンチを返すがヒットは乏しく、最後はコリンズが組んで膝を海人の背中に当て終了。記者採点はコリンズ。合計47-50でコリンズ。ジャッジ3者もコリンズを支持し、コリンズの完勝に終わった。
コリンズは「序盤から相手の心を折って追い詰めるつもりだった」「ルール対策で柔術の道場でも練習していた」「海人のほうが不可思よりテクニックが上だった。不可思は動きが止まらずスタミナが豊富だった」「また日本に来たい。ルールは何でもいい」とコメントした。
第10試合 SHOOTBOXING vs. REBELS対抗戦 大将戦 スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級(62.5kg)王者)
×不可思(クロスポイント吉祥寺 REBELS/KING OF KNOCK OUTスーパーライト級(64kg)王者)
判定3-0 (津山30-29/茂木30-29/若林30-29)
4月20日のREBELSではSBとの対抗戦の第1弾2試合が行われ、スアレック・ルークカムイが深田一樹を、鈴木宙樹が上田一哉をKOし、REBELSが2勝している。今回はSBのリングに移り対抗戦4試合が行われた。5月26日のSB愛知大会でもSBのイモトとREBELSの鈴木千裕の一戦が組まれている。7試合の合計での勝敗も注目点だ。
不可思は海人と昨年4月1日のSB後楽園大会で対戦し、右肘打ちで額を切られTKO負けしている。だがその後、不可思はKING OF KNOCK OUTスーパーライト級王座決定トーナメントで優勝し、評価を高めた。
SB側が用意した4選手のうち3選手は現役SB日本王者で、まだ戴冠して間もない若手だが、ネームバリューで勝る選手たちとの試合は大きな飛躍のチャンスとなる。小笠原瑛作と対戦する植山征紀は前回2月大会のセミファイナルでINNOVATION王者の安本晴翔と好勝負の末に判定勝ちし、SB初のAbemaTV生中継で好印象を残した。昨年のS-cup準優勝者・UMAを迎え撃つ奥山貴大も、2月大会で元王者の坂本優起に判定勝ちしている成長株だ。
対抗戦は1勝2敗で大将戦へ。1R、不可思が圧力をかけ続け、執拗に右ローを当て続けるが、西岡は随所でスピードのあるパンチを返し、まだ差をつけさせない。ジャッジ3者も記者もイーブン。
2Rも不可思のロー、西岡のパンチの構図が続く。中盤過ぎ、不可思が首相撲に持ち込むが、西岡が横に体をそらすと、背負い投げでシュートポイント1を獲得する。その後も不可思はローを当て続けると、ようやく効き目を発揮するが、ポイントになるにはあと少し足りない。記者採点は10-9で西岡。ジャッジ3者も西岡。
3R、不可思はロー、ハイ、首相撲からの膝も当て、打撃ではやや優位。だが首相撲になると、時折、西岡に崩されてしまう。西岡はパンチを時折当てるが、攻撃は少ない。不可思優位だが、決定打に欠け、記者採点はイーブン。合計30-29で西岡。結局、西岡がシュートポイント差で勝利を奪い、この日の対抗戦をイーブンとした。
第9試合 SHOOTBOXING vs. REBELS対抗戦 副将戦 55.5kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
×植山征紀(龍生塾ファントム道場/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺 REBELS/WPMF世界スーパーバンタム級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級(55kg)王者)
判定0-3 (若林29-30/津山29-30/茂木29-30)
以前からSB参戦を熱望していた瑛作は、REBELS勢でただ1人、SBの正装のロングスパッツ姿で、気合十分な様子だ。1R、瑛作がサウスポーからの左ミドル、ローを随所で当て続け、やや攻撃の数では上だが、植山も随所で右ストレート、右ローを返す。ジャッジ2名はイーブン、1名は瑛作を支持する。記者採点はイーブン。
2Rも瑛作ペースで、左ミドル、ローを当て続け、中盤以降は投げ狙いも増やし、優位に試合を運ぶ。植山は1Rのように攻撃が返せない。ジャッジ2名は瑛作を支持する。記者採点も瑛作。
3Rも瑛作が投げを狙い、左ローも効かせ、主導権をキープする。終盤、瑛作のバックハンドブローと植山の右フックが相打ちのような形になり、瑛作が尻餅をついたが、和田レフェリーは有効打と判断しない。記者採点はイーブンで、合計29-30。ジャッジ3者も同様で、瑛作が判定勝ちした。なお、シーザー武志・SB協会会長は、大会後の総括で、大将戦と副将戦については「延長でも良かったかな」と話しており、敗れた不可思、植山の健闘も評価していた。
第8試合 SHOOTBOXING vs. REBELS対抗戦 次鋒戦 58kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
○笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者)
×小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺 REBELS/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)
判定3-0 (平30-27/津山30-27/若林30-27)
1R、裕典はムエタイ式の構えと前蹴りのフェイントからロー、ミドル主体で、笠原は蹴りが多めながらもパンチも織り交ぜる。打撃は五分だが、終盤、笠原が背負い投げでシュートポイント1を奪う。
2R、裕典が膝蹴り、肘打ちを多用し、やや優位になるが、終盤、笠原が右フックのヒットを増やすと、終了間際に笠原が右フックでダウンを奪い、差を広げる。場内は大歓声に包まれる。
3R、裕典は逆転を狙い、積極的に膝、肘を振るうが、笠原は左ミドル、左右のストレートを随所で返し、裕典の反撃を封じ判定勝ち。笠原がSBに対抗戦初白星をもたらした。
第7試合 SHOOTBOXING vs. REBELS対抗戦 先鋒戦 67.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
×奥山貴大(ネックススポーツ/グラップリングシュートボクサーズ/SB日本ウェルター級(67.5kg)1位)
○UMA(K&K BOXING CLUB/team REBELS/S-cup 65kg世界トーナメント2018準優勝、元REBELS 65kg級王者)
判定0-2 (若林29-29/津山29-30/平28-30)
1R、サウスポーのUMAが左ミドル、左テンカオ、左ストレート主体で攻め、奥山は中盤まで投げを狙い、中盤以降は右フック、右ハイのヒットを増やす。ジャッジ2名はイーブン、記者採点もイーブンだが、若林ジャッジのみ奥山につける。
2R、UMAが左ミドル、左膝を当てていると、奥山は下がる時間が長くなる。だが奥山も右フック、右ハイを時折返していると、UMAはバッティングで左まぶたを切り、ドクターチェックが入る。ジャッジ2名はイーブン、1名はUMAにつける。記者採点はイーブン。
3R、UMAの出血は収まり、UMAが左のミドル、膝を当て続け、奥山は防戦一方に。記者採点はUMA。3Rの内容で差をつけ、UMAが先鋒戦を制した。
第6試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(無制限延長R)
○MIO(シーザージム/SB日本女子ミニマム級(48kg)王者)
×TOMOMI(グラップリングシュートボクサーズ)
判定3-0 (若林30-28/津山30-28/和田30-28)
TOMOMIは6戦4勝(2KO)1敗1分の37歳。1R、MIOが組んで投げを狙うが、TOMOMIも対処して投げを狙い返し、シュートボクサーとしての技量を印象づける。だがMIOが随所でパンチの連打をまとめ、打撃ではやや上だ。2R、打撃ではお互いせめあぐねるが、MIOが終盤、背負い投げでシュートポイント1を獲得して差をつける。3R、MIOはやや攻め疲れが見え、TOMOMIがシュートポイントかと迷うような投げを決める場面もあり挽回。MIOが勝ったが、TOMOMIの健闘も光った。
この試合後、2日後のKNOCK OUTベルサール高田馬場大会で小林愛三と対戦する昨年のGirls S-cup優勝者・イリアーナ・ヴァレンティーノがリングイン。ヴァレンティーノは「MIOは去年より強くなっています。7月のGirls S-cupにまた戻って来ます」とコメント。MIOは「イリアーナ選手がいるので成長が見せたかったんですがまだまだでした。次のGirls S-cupまでに成長してリベンジしたいです」と話した。
また、この試合の後の休憩明けには、RENAのシュートボクシング協会の「プレイング・マネージャー」就任が発表された。選手も続けつつ、企画の発案などで運営面でも大会をサポートしていくという。
第5試合 68kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
○宍戸大樹(シーザージム/元SB東洋太平洋ウェルター級(67.5kg)王者)
×喜入 衆(NEXT LEVEL渋谷/LPNJ(ルンピニー日本)ウェルター級王者)
1R 3’00” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)
両者蹴り主体で、宍戸が次第に蹴り数を上げ、バックスピンキックも出す。終了間際、やや集中力の落ちる状況で、宍戸が左の縦肘一発で喜入の額を切り裂く。喜入は左スネもカットし、まぶたと両方のドクターチェックが入り、額のカットでドクターストップがかかった。
第4試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○村田聖明(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)1位、元SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者)
×マサ佐藤(名護ムエタイスクール/中国英雄伝説64kg級アジア王者)
判定3-0 (津山29-28/北尻29-28/若林30-27)
- 村田聖明(左)
1Rも2Rも村田がボディ狙いのパンチと膝主体で佐藤を追い詰める。2R序盤、村田が投げを狙ったカウンターで、佐藤がギロチンを極め、シュートポイント1を獲得する。3Rは両者足を止めてのパンチ打ち合い主体で、佐藤も反撃するが、村田は返し続け、最後にバックハンドブローを当てて勝敗を決定づけた。
第3試合 女子63kg契約 3分3R(無制限延長R)
○未奈(秀晃道場/SB日本女子ライト級(63kg)1位)
×ハン・イェジン(韓国/TEAM MAX FC/Masan Team Star)
判定3-0 (30-27/30-26/30-26)
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原友希(シーザージム/SB日本スーバーバンタム級(55kg)1位)
×手塚翔太(GONG-GYM坂戸/SB日本フェザー級4位)
1R 1’19” KO (右フック)
第1試合 68kg契約 3分3R(最大延長2R)
○村田義光(シーザージム)
×SHINGO(LEOジム)
2R 1’00” KO (裸絞め)