RIZIN 4.21 横浜アリーナ:那須川天心、パッキャオ推薦選手をKO。堀口恭司、1R KO勝ちし6月ベラトール王座戦へ。RENA、寝技進化見せ再起戦勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム
中野駅徒歩9分。本場のムエタイ、教えます。まずは見学・体験を!
RIZIN.15
2019年4月21日(日)横浜アリーナ
レポート&写真:井原芳徳
第11試合 キックルール(肘無し・つかみ1回) 59kg契約 3分3R
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級(57.15kg)王者、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級(55kg)王者/58.95kg)
×フリッツ・ビアグタン[Fritz Biagtan](フィリピン/WBCムエタイ・フィリピン・フェザー級(57.15kg)王者、元URCC(MMA)ストロー級(52.2kg)王者/57.45kg)
3R 1’24” TKO (レフェリーストップ:ボディへの左膝蹴り)
天心は3月10日のRISEでの-58kgトーナメント一回戦でフェデリコ・ローマに3R KO勝ちしてから6週間隔での試合だ。
対するビアグタンはプロボクシング6階級制覇王者・マニー・パッキャオ推薦の23歳。8歳からムエタイを習い、今年3月にはWBCムエタイ・フィリピン・フェザー級王座を獲得している。MMA 5戦4勝1敗で、フィリピンのMMA大会・URCCでストロー級王座を獲得しているが、昨年8月に同王座を失っている。プロボクシングも昨年3月に1試合経験しTKO勝ちしている。
試合前にはパッキャオがWOWOWのボクシング中継のテーマ曲で入場し、解説席につく。1R、天心はサウスポーに構え、右ジャブを多用し、左ストレート、左ミドル、右の関節蹴りなどを当てる。まだビアグタンは持ちこたえており、時折スピードのある右ハイを放ち、天心を脅かす。記者採点イーブン。
2Rに入ると、天心は右ジャブを振りつつも、左ストレートのヒットを増やし、やや優勢に。だがビアグタンも打ち合いで右のパンチを当て、天心のパンチや左ミドルをもらってもひるまず、最後は左ハイキックをスウェーしてニヤリと笑う余裕も見せる。
3Rも天心が左ハイを当ててもビアグタンは耐えていたが、天心が今度は左ボディを当てると、ビアグタンの表情が曇る。すると天心はパンチラッシュを仕掛け、左膝蹴りを効かせてダウンを奪取。再びパンチ連打からの左膝蹴りでビアグタンをダウンさせると、豊永レフェリーがストップした。日本のアニメ好きのビアグタンは前日計量でドラゴンボールのかめはめ波ポーズを見せていたが、KO勝ちが宣告されると、天心はお返しとばかりにかめはめ波ポーズを出した。
プレゼンターのパッキャオと握手した天心は「RIZINに帰ってきました。フィリピンの選手と初めて戦ったんですけど、タフで勇敢で、見習うことありました。ありがとうございました。パッキャオ選手の前で少し緊張したんですけど、KOを見せることができてうれしいです。力み過ぎたんで、いいパフォーマンスが出せなかったんですけど、一生懸命やって、こういう形になってよかったです。今、格闘技が盛り上がっていて、RIZINって素晴らしい舞台だと思います。基本MMAの大会ですが、自分にはキックもMMAもボクシング挑戦させてもらって、こういう舞台は世界に無いと思います。RIZINと格闘技をもっと盛り上げたいです。自分のホームリングのRISEの7月21日のエディオンアリーナ大阪大会でのトーナメント準決勝でスアキム選手と戦うんで、応援に来てください。この後、メインの試合も楽しんでください。僕も重量級に負けない試合ができたと思います」とアピールした。
第10試合 60kg契約(肘有り) 5分3R
○堀口恭司(アメリカン・トップチーム/RIZINバンタム級(61kg)王者、元UFCフライ級(56.7kg)3位/59.65kg)
×ベン・ウィン[グエン/ヌグエン/ニューウェン/Ben Nguyen](米国/インテグレイテッドMMA/元UFCフライ級8位/59.85kg)
1R 2’53” KO (右フック)
堀口は大晦日のRIZIN.14でのRIZINバンタム級初代王座決定戦でベラトール・バンタム級王者のダリオン・コールドウェルに3Rフロントチョークで勝利してから初の試合。対するウィンは15年5月から昨年12月までUFCに上がり、UFC 7戦4勝(1KO/2一本)3敗の戦績を残している。うち6試合は在住するオーストラリアかニュージーランドでの試合だった。昨年はジェシー・フォルミーガ、ウィルソン・ヘイスに2連敗し、UFCからリリースされたばかり。60kgに体重を上げてのRIZIN参戦となる。
1R、パンチが交錯した後、堀口が脇を刺して投げを狙うが、失敗してウィンがオンブになり、得意とする裸絞めを狙う。堀口はロープを背にしつつ振りほどくと、前進してくるウィンをかわしつつ、左フックを的確に当て続ける。ウィンも左ハイを当て、堀口は少し鼻血を少し出すが、左右のパンチを当て続けていると、ウィンはダメージが溜まり、腰が沈むように。堀口はこのチャンスを逃さずラッシュし、コーナーに詰めて右フックを連打したところでレフェリーがストップした。
場内は約3分で凝縮された好勝負に沸き上がり、堀口は中継で見ている人に向け「会場に見に来てください。生の音は違うでしょ」とアピール。その後、リングに榊原信行RIZIN実行委員長が上がり、ベラトール6月14日(現地時間)米国ニューヨーク・マジソンスクエアガーデン大会で、コールドウェルのベラトール王座を賭けてのタイトルマッチ&再戦が行われることが発表された。
第7試合 女子51kg契約(肘有り) 5分3R
○RENA(シーザージム/シュートボクシング世界女子フライ級(51kg)王者/50.9kg)
×サマンサ・ジャン・フランソワ[Samantha Jean-Francois](フランス/FURACAO/51.0kg)
判定3-0 (松宮=RENA/大藪=RENA/田澤=RENA)
RENAは昨年大晦日のRIZINでサマンサ・ジャン・フランソワと49kg契約で戦う予定だったが、前日計量前に過度の貧血と脱水症状で倒れ、病院に運ばれ、計量失格となっていた。フランソワは49kgジャストでクリアしていた。今回はRENAがシュートボクシング(SB)で戦っている時と同じ51kg契約で、あとは大晦日と同じ肘有り・5分3Rとなっている。
1R、フランソワが倒して上になるが、下からRENAがアームロックを仕掛けながら脱出する。スタンドに戻り、RENAが自ら首投げを狙って倒すが、一回転してフランソワがバックに回る形になり、バックマウントから裸絞めを狙い続け、RENAは防戦一方になってしまう。
2Rも序盤からフランソワが上になるが、RENAは下から腕十字を仕掛けてチャンスを作る。極まらなかったが、すぐRENAが上になる。今度はフランソワが腕十字を狙うと、RENAは難なく防御して立ち、ブレイクがかかる。フランソワがテイクダウンを狙うが、反転してRENAがそのまま上になるとマウントポジションに。RENAはパウンドを肘で痛めつけ、腕十字を仕掛けるが、まだ余力のあるフランソワは防御する。その後もRENAは下から腕十字をトライし続ける。
3R、RENAがパンチの連打でフランソワを追い詰めた後に上になり、足関を狙うが、フランソワも足関を狙い返す。RENAが立ち、猪木アリ状態になると、フランソワはシューズをはいたカカトでRENAの膝を蹴り、バランスを崩させていたが、ハーゾグレフェリーはブレイクをかける。終盤、RENAはまたも上になると、がぶりの状態からフランソワの頭に膝を当てるなどして攻勢を維持する。
文句なしの判定勝ちを果たしたRENAは「年末ガッカリさせたことを心よりお詫び申し上げます。このリングに戻って来れて本当にうれしいです。スカッと勝ちたかったけど、難しかったです。でもシュートボクサーながらもMMAファイターに近づけていますでしょうか?寝技で一本を取れる選手になれるようもっと練習します」と話し、「来週、後楽園ホールでシュートボクシングの大会があります。AbemaTVでの生中継で解説をしますので、私に会いに来てください」とアピールした後、最後は恒例の「1・2・3・シュート」の掛け声で元気に締めくくった。
第9試合 71kg契約(ライト級相当) 5分3R
×北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜/元DEEPライト級(70.3kg)&戦極ライト級(70kg)王者/70.8kg)
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/REALスーパーライト級(74.2kg)王者/70.6kg)
2R 3’56” TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)
北岡は大晦日のやれんのか!で川尻達也に判定勝ちし、今年後半に控えるRIZINライト級GP参戦に大きく前進したが、その前に強敵を迎え撃つことになった。
ホベルトはブラジリアン柔術世界選手権(ムンジアル)2017年黒帯ライト級準優勝の実績等のある29歳の日系ブラジル人。13年以降ほぼ年1試合ペースでMMAの試合をし、7戦7勝(1KO/6一本)、全て1R決着の好戦績を残している。REALスーパーライト級(74.2kg)王座を保持し、これまで全てREAL(海外ではArzaletの大会名)のみで戦い、外部の大会は初登場のため、MMA選手としての真価が試される。最近は桜庭和志の主宰するチーム対抗グラップリング大会・QUINTETにも参戦中で、今回はREALの推薦でRIZINに上がる。
1R、北岡がサウスポーからパンチの連打を当てると、ソウザは組み付いて押し込む。北岡は首を抱えて膝を当て、ギロチンを仕掛けながら倒すが、ソウザは体をひねって脱出する。ソウザは序盤の北岡のパンチで左まぶたを切り、ドクターチェックが入るが、傷は浅い。スタンドの展開が続き、お互いパンチを当てるが、リーチで勝るソウザの左ジャブのヒットが増えてくる。
2R、パンチの打ち合いでソウザが右ストレートを当てた後、北岡が上になるが、左まぶたのカットでドクターチェックが入る。スタンドで再開後、北岡が押し込んでから倒し、アキレス腱固めを仕掛けるが、ソウザはすぐ外して立つと、北岡のバックを取り、下に崩れながら腕十字を仕掛ける。北岡は一転ピンチとなるが、振り落として上になり、膠着ブレイクがかかる。だが北岡は顔面が血で染まり、やや視界がふさがったか?ソウザが左右のパンチを連続で当てて、北岡をふらつかせ、右ストレートでダウンさせる。ソウザがパウンドで追撃しかけたところで、北岡のダメージが大きいと見た高本レフェリーがストップした。
マイクを持ったソウザは日本語で「私の試合は極めがあると言ったけど、相手強いから難しいね」と話すと、涙を浮かべ言葉を詰まらせ「私の父親、PRIDE見てるから、RIZINは私の夢」と話し、「絶対、世界一になる」とアピールした。
第12試合 RIZINライトヘビー級(93kg)王座決定戦(肘有り) 5分3R
×キング・モー(米国/アメリカン・トップチーム/RIZINヘビー級GP’15優勝、元ストライクフォース王者/92.15kg)
○イリー・プロハースカ(チェコ/ジェットサーム・ジム・ブルーノ/93.0kg)
3R 3’02” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※プロハースカが王者に
モーとプロハースカは15年大晦日の100kgトーナメントの決勝で対戦し、モーが右フックでKO勝ちしている。その後もモーはベラトールで戦い続け、プロハースカはRIZINで経験を積み、RIZINが新たに設定する王座を賭けて再戦した。
試合はスタンドの展開が長く続き、お互いパンチを狙うが、慎重でなかなか目立った攻撃が出せない。2Rも同様だが、ややモーがカウンター狙いで消極的か。すると3R、少しずつプロハースカのパンチのヒットが増え、モーが後退を続けると、プロハースカがパンチの連打で倒したところでレフェリーがストップした。動きに精彩を欠いたモーは、大会後の会見で、大晦日のRIZINでの引退試合を希望した。
第8試合 93kg契約(ライトヘビー級相当)(肘有り) 5分3R
○カール・アルブレックソン(スウェーデン/パンクラスジム・スウェーデン/93.0kg)
×クリスティアーノ・フロリッチ[Christiano Frohlich](ブラジル/エボルサオ・タイ/92.25kg)
判定3-0
第6試合 68kg契約 5分3R
○朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 65-70kg級&60-65kg級王者/67.95kg)
×ルイス・グスタボ(ブラジル/エボルサオン・タイ/67.80kg)
判定3-0 (和田=朝倉/豊永=朝倉/大藪=朝倉)
朝倉兄弟の兄・未来は大晦日のやれんのか!でリオン武に3R膝蹴りでKO勝ち。グスタボは昨年8月のRIZIN名古屋大会で矢地祐介に2R KO勝ちして以来の参戦。その試合で拳を痛め、大晦日は参戦を回避していた。未来もグスタボもRIZINライト級GP参戦を目指しての戦いとなる。
1R、サウスポーの未来がストレートを放ったタイミングで、グスタボが右ハイを当て、さらに右ストレートも当ててひるませる。未来は組み付いて倒してしばらく休み、ブレイクがかかる。グスタボのパンチの指先が未来の右目に入り、ドクターチェックとインターバルを経て再開する。未来はテイクダウンを奪うと、グスタボは下からギロチンを仕掛けるが、ロープの外に体が出たためブレイクがかかる。未来も左ハイを当てるが、グスタボのダメージは小さい。
2Rも序盤から未来がテイクダウンを奪い上になる。スタンドに戻ると、お互い激しくパンチが交錯する中で、未来の左のミドルも当たり、左のテンカオを効かせると、グスタボがダウンし、場内は大歓声に包まれる。未来が上になると、グスタボはダメージを避けるようにロープの外に出て、松宮レフェリーから注意される。その後も未来がパンチと膝で主導権を維持する。
3R、未来は右に回ってグスタボの前進をかわしつつ、左ミドル、左ストレートを当て続け優位を維持する。グスタボもパンチの打ち合いで当て返し、場内を沸かせる。終盤、未来がタックルで倒すが、これもグスタボがロープの外に出てしまい、またも注意を受ける。最後はスタンドの打ち合いで終了。記者採点は2R中盤の左テンカオから流れをつかんだ未来。ジャッジ3者も同様で、未来が乱打戦を制した。
マイクを渡された未来は「前歯折れちゃったよ。今日の結果に言葉はいらないでしょう。みんなありがとう」とシンプルにアピール。観客からの喝采を浴びた。
第5試合 女子57kg契約(フライ級相当)(肘有り) 5分3R
○渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW/56.7kg)
×ヤスティナ・ハバ(ポーランド/スパルタカス・ジェシュフ/57.0kg)
判定3-0 (田澤=渡辺/大藪=渡辺/横山=渡辺)
ハバは大晦日に真珠・野沢オークレアに勝った選手。1R、スタンドで左ジャブを振りながらフェイントをかけつつ、右ストレートを的確に当てる。渡辺は打撃に対応できずにいたが、組み付いてテイクダウンを奪うと、サイドポジションを取り、マウントを狙いつつコツコツとパウンドを当て続ける。
2R、渡辺が序盤から倒すが、下になり、猪木アリ状態となりスタンドに戻る。ハバが右のフックを当て続けていると、渡辺は鼻血が増え、ドクターチェックを受ける。
3R、途中までハバのパンチをもらっていた渡辺だが、終盤は倒すと、背後から制しながらコツコツとパウンドを当て続ける。だが途切れ途切れで、はっきりダメージを与えるほどにはならない。RIZINの判定はダメージ、アグレッシブネス、イニシアチブの順番で評価するため、記者採点は渡辺をパンチで追い詰め鼻血を出させたハバとした。ジャッジは1Rと3Rにグラウンドで攻勢の時間の長かった渡辺を支持した。
第4試合 71kg契約(ライト級相当)(肘有り) 5分3R
○ダミアン・ブラウン(オーストラリア/ザ・ガーデン/チーム・コンプトン/70.55kg)
×武田光司(BRAVE/DEEPライト級王者/70.35kg)
判定3-0 (新美=ブラウン/和田=ブラウン/大藪=ブラウン)
ブラウンはUFCを経て大晦日のRIZIN.14でRIZINに初参戦し、ダロン・クルックシャンクにギロチンチョークで一本勝ちしている選手だ。武田はRIZIN.14での山本アーセン戦で有終の美を飾った宮田和幸の弟子。埼玉栄高校時代にレスリングのフリーとグレコローマンの84kg級で5冠を達成。専修大学卒業後、17年8月にMMAデビューし、昨年10月のDEEPで北岡悟に判定勝ちし、8戦8勝(2KO/2一本)でDEEPライト級王座を奪取した新鋭だ。
1R、スタンドの攻防が続き、サウスポーの武田が攻撃を出せば、ブラウンが直後にパンチを返す展開が度々繰り返される。まだ武田は持ちこたえているものの、終盤には攻撃が自分から出せなくなり、中央で構えるブラウンが両手を上げて挑発する場面も。
2R、武田が序盤からタックルを仕掛けて倒し、ロープ伝いに動いて逃げようとするブラウンにしがみつき続ける。ブラウンは中盤に脱出すると、右アッパー、右フック、左ハイなどを当て続け、武田を圧倒する。武田はダメージが溜まってきている。
3R、ブラウンが中盤に右のスーパーマンパンチを当てて、武田をひるませると、その後もパンチ、ハイなどを当て続け攻勢をキープし、判定勝ちした。武田はRIZIN初戦は完敗に終わった。
第3試合 58kg契約(肘有り) 5分3R
○マネル・ケイプ(アンゴラ/アメリカン・キックボクシング・アカデミー・タイランド/57.85kg)
×伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/元ZSTフライ級(56.7kg)王者/57.85kg)
2R 3’59” TKO (レフェリーストップ:左ボディフック)
元ZSTフライ級王者の伊藤は10月のZSTで武田と同門の竿本樹生(現ZSTフライ級王者)に判定負けして以来の試合。ケイプも大晦日のRIZIN.14で佐々木憂流迦に判定負けしている。
1R、一度ケイプがタックルで倒すが、ほとんどはスタンドの展開で、お互いパンチ、右ローなどを当てる。少しサウスポーのケイプのヒットが多いが、まだはっきりした差は無い。
2R、ケイプの右アッパーが当たりだし、度々ロープ、コーナーに詰め、左フックなどを当て続け、伊藤を圧倒する。ケイプはシューズを履いている分、踏み込みも強くなっているようだ。頭にも膝を当て、最後は左ボディでダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
第2試合 女子57kg契約(フライ級相当)(肘有り) 5分3R
○村田夏南子(フリー/56.0kg)
×サライ・オロスコ[Saray Orozco](メキシコ/レキオンMMA/56.5kg)
2R 2’12” ヴォンフルーチョーク
真珠・野沢オークレアが足首靭帯損傷で欠場し(どちらの足かは不明)、代わって村田が緊急参戦した。1R、村田がパンチのフェイントから素早いを再三決め、グラウンドで肩固め、ギロチン、ニンジャチョークなどを狙い、立ち際に顔面を蹴り、攻勢を維持する。いつもより1階級上の試合だが、パワーでも勝っている。2R、村田が押し込んでから抱え上げて倒すと、首を抱えたままのオロスコに対し、ハーフガードでヴォンフルーチョーク(変形肩固め)を極めて絞め落とした。最初、決まり手はフロントチョークとアナウンスされたが、公式記録では肩固めとなっている。
第1試合 キックルール(肘無し・つかみ1回) 61kg契約 3分3R
×大雅(TRY HARD GYM/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者/61.0kg)
○タリソン・ゴメス・フェレイラ[Thalisson Gomes Ferreira](ブラジル/シュートボクセ・アカデミー/ブラジルSAIKYO GP 2018優勝/60.95kg)
2R 2’34” TKO (3ダウン:右フック)
大雅は3月10日のRISEの-61kgトーナメント一回戦でラジャダムナン王者のセクサンに判定負けしたが、40日間隔で次戦へ。対するフェレイラはブラジルのシュートボクセ所属で、同トーナメントにRIZIN推薦で参戦し、スアキムにKO負けしたが、2ダウンを先取しKO寸前まで追い込んだ選手だ。
1R、フェレイラが大振りのパンチ、蹴りを多用するが、次第に大雅がボディ狙いの左ストレート、ミドルを当てるようになり、終盤、フェレイラの右フックに合わせての左テンカオでダウンを奪う。
だが2R、スアキムを追い詰めたフェレイラの右の剛腕が火を噴き、序盤から右フックでダウンを奪って形勢逆転する。大雅のダメージは大きく、その後もフェレイラの猛攻が続き、右フックで2ダウンを重ね、見事逆転KO勝ちした。