DEEP JEWELS 12.1 新宿フェイス:前澤智、黒部三奈からアトム級王座奪取し「大晦日、空いています」
DEEP JEWELS 22
2018年12月1日(土)新宿フェイス
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム中野
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レポート&写真:井原芳徳
第8試合 DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ(肘有り) 5分3R
×黒部三奈(マスタージャパン/王者/47.60kg)※2度目の防衛戦
○前澤 智(リバーサルジム 立川 ALPHA/挑戦者/47.45kg)
判定1-2 (福田28-29/田澤29-28/新美27-30)
※前澤が新王者に
黒部は3月大会でSARAMIに判定勝ちし初防衛。試合後、RIZIN参戦を熱望し、9月のRIZINで初参戦を果たしたが、同階級で日本人最強の浜崎朱加に敗れた。
前澤は9月のDEEP JEWELSのメインでパク・ジョンウンに判定勝ちした後、黒部の王座挑戦を希望していた。
黒部と前澤は13年3月、16年8月に対戦し、黒部が初対決は1R一本勝ち、2度目の対戦は判定勝ちしている。それ以降、前澤はSARAMIに2度敗れているが、それ以外の5試合は全て勝っている。
1R、スタンドの攻防で、序盤は前澤がパンチを当てて、黒部は少し鼻血を出す。だが次第に黒部もパンチを返し、ロープとコーナー際での攻防で黒部がクリンチしながら膝蹴りとアッパーを当て続けて攻勢に。
2Rも黒部が押し込みながら膝を連打していたが、膝を上げたタイミングで前澤がテイクダウンを奪う。バックを取りに行くが、黒部は脱出して立って押し込み、しつこく膝を当て続け挽回する。だが前澤は突き放すと、残り1分を切り、右のスーパーマンパンチをヒット。黒部はダウンするが、タックルでごまかし、最後は組み付いて終える。前澤が渾身の一撃でポイントを五分に戻したか。
3R、黒部が前に出るが、前澤はかわしつつ、時折脇を差して押し込む。だが黒部が膝を当て、離れての打撃戦では前澤がローを当てたタイミングで黒部が押し倒す場面が2度あり、前澤は少し印象を悪くしてしまう。しかし前澤は終盤、右のスーパーマンパンチを放った後、タックルで倒して背後に回り込み攻勢に。だが黒部も背後の前澤に左右の肘を放ち、必死で抵抗する。
記者採点は1R黒部、2R前澤、3Rは迷ったが前澤で、28-29で前澤。ジャッジは割れたが、前澤が2者の支持を得て悲願のベルト奪取を果たした。
マイクを持った前澤は「天国の父に、日本一になったことを伝えたいです。青森の母には後でLINEで伝えます。気持ちが負けそうになった時もあったんですけど、金原(正徳)代表やアルファのみんなが練習に付き合ってくれて、皆さんの力でここに立っていると思います。一生懸命生きていても辛いこともいっぱいあると思うんですけど、私が格闘技をすることで、少しでも皆さんの人生がプラスアルファの何か残せるような選手にこれからもなりたいです。12月10日、最高の誕生日が過ごせそうです。31歳です」と話し、最後に「あと、大晦日、空いています」と、リングサイドで観戦していた榊原信行RIZIN実行委員長にアピールした。
第7試合 65kg契約(フェザー級相当)(肘有り) 5分3R
○KINGレイナ(FIGHT CLUB 428/64.9kg)
×ジュディー・ルイス[Judith Ruis](ドイツ/Team Honeybadger/German Top Team/63.65kg)
判定3-0 (新美29-28/田澤29-28/植松30-27)
レイナは8月のRIZIN名古屋大会でケイトリン・ヤングと対戦し判定負けして以来の試合。前回同様にフェザー級相当の65kg契約での試合となる。対するルイスはシャードッグのデータでは7戦4勝(1KO/2一本)3敗。昨年6月にドイツで奈部ゆかりと対戦し判定負けしている。
1R、レイナは序盤から強化している打撃を出そうと、ミドル、ストレートを放ち圧力をかける。ルイスがローを出したところで、レイナはタックルを仕掛けテイクダウンを奪う。一旦立ってからパウンドを当て、トップポジションに戻る。ルイスが足関を狙うが、レイナは対処してトップをキープする。ブレイク後、レイナは右フックと右ローを当てる。2Rも序盤からレイナがテイクダウンを奪い主導権。ルイスの足関も防御し、時折鉄槌とパウンドも当てる。
3R、レイナが右フックを連打してから首投げで倒すが、少し疲れが見えてくると、ルイスが脱出してバックマウントを奪い、マウントとも行き来しながらパウンドを当ててレイナを追い詰める。残り1分はピンチを脱出するが、反撃に持ち込めないまま終了する。2Rまでのポイントを守り切る形で、かろうじてレイナが勝利をおさめた。
マイクを持ったレイナは「一人だけ一本勝ちしたかったんですけど、年末に返したいと思うので、榊原さん、今日は塩試合でしたけど…」とリングサイドの榊原氏に話かけたが、マイクを持っていた榊原氏は言葉を遮るように「しょっぱかったですねえ」と話し、場内は笑いが起こる。さらに榊原氏は「勝っても負けてももっと攻めて欲しかった。DEEPに出始めた頃はもっとギラギラしていた」とダメ出し。観客に「大晦日、見たいですか?」と問いかけると、意外にも「見たい」という声が多く、「聞かなきや良かったですね」と榊原氏は話したため、レイナは大晦日の構想外といった様子だった。
第6試合 アトム級(肘有り) 5分3R
○SARAMI(パンクラスイズム横浜/47.95kg)
×齋藤裕子(暁道場/47.80kg)
判定3-0 (福田30-27/植松30-27/田澤30-27)
SARAMIは3月の黒部とのタイトルマッチ、8月のアリーシャ・ガルシア戦と実力者相手に2連敗中。今回はグラップリングルールで長野美香に勝っている齋藤が相手だ。
1R、齋藤が右ハイを放つと、SARAMIが蹴り足をつかみながら倒して、セコンドの北岡悟に近い場所で上に。ハーフからパスを狙い続ける。スタンドに戻り、残り30秒ほどしかなかったが、パンチから再び倒し、腕十字も狙って果敢に攻める。
2R、しばらくスタンドが続くが、中盤にまたもSARAMIが上になり、ハーフからパウンド、肘を当て続け主導権を維持する。
3R、齋藤のタックルを潰してSARAMIがまたもハーフをキープ。中盤にブレイクがかかると、齋藤が投げを狙うが、これもSARAMIが潰してハーフに。パウンドと肘を当て続け、齋藤を完封した。
第5試合 ストロー級 5分2R
△長野美香(CORE王子豊島/51.85kg)
△ターニャ・ホフマン(ドイツ/A-Team/German Top Team/50.85kg)
判定0-1 (豊永18-20/福田19-19/田澤19-19)
長野と戦うターニャ・ホフマン16年8月大会で初来日し、第一 DATEに判定勝ちしている選手。シャードッグのデータベースには以降の試合データは無い。
1R、長野がタックルで倒すが、ホフマンが下からギロチンを仕掛けて長野を脅かす。長野は外すが、ホフマンは下から腕十字を仕掛ける。長野は外すが、パウンドの空振りが多い。膠着ブレイク後、またも長野が倒して上になるが、ホフマンはしつこく下から仕掛けを続け、長野に攻めさせない。
2Rもホフマンが下から三角絞めを狙いながら鉄槌を当てて主導権。ブレイク後、長野が上になるが、少し攻めあぐねるとブレイクがかかる。終盤、ホフマンが投げを仕掛けるが、長野は潰して上になり、最後は腕十字を狙うが時間切れ。ポイントを五分に戻す形となりドローに終わった。
第4試合 フライ級 5分2R
○奈部ゆかり(HMC JAPAN/56.45kg)
×高森惟舞(総合格闘技道場BURST/56.75kg)
判定3-0 (田澤20-18/福田20-18/豊永20-18)
奈部は9月のDEEP JEWELSではアミバに判定勝ち。藤井惠が指導するBURST所属の高森はDEEP JEWELS初参戦。9月23日の修斗後楽園大会ではセラに判定負けした。前回はバンタム級でセラのパワーに押され気味だったが、今回は1階級下のフライ級のため、本来の力が発揮できそうだ。奈部も高森も柔道がベースな点で共通する。
1R、コーナー際の差し合いが続く中で、奈部がテイクダウンに成功すると、バックマウントを奪い、腕十字を度々狙って、鉄槌も当てて主導権を維持する。
2R、高森も果敢に投げを狙うが、奈部が耐え、中盤にテイクダウンを奪うと、立とうとする高森にしぶとく背後から組み付き続け、終盤にはマウントも奪い、差を印象付け判定勝ちした。
第3試合 ストロー級 5分2R
×YUKO(BRAVE/51.70kg)※Yuko.S改め
○山口さゆり(和術慧舟會HEARTS/52.35kg)
判定0-3 (田澤18-20/植松18-20/豊永17-20)
1R、山口がミドルとストレートの連打をヒットし打撃で優勢。YUKOがタックルを繰り返すが、山口は切り続ける。
2RもYUKOがタックルを仕掛けるが、山口は潰して上になり鉄槌を落とし、マウントも時折奪って主導権を維持。終盤には腕十字も狙って追い詰め判定勝ちした。
第2試合 アトム級 5分2R
○川村虹花(仮面女子/48.05kg)
×宗田智美 (HIDE’S KICK/47.30kg)
判定3-0 (豊永20-18/新美20-18/植松20-18)
川村は前回9月大会でYUKOに敗れて以来の試合。1R、パンチで詰めて来た宗田に胴タックルを仕掛けてテイクダウン。一旦立たれてもすぐ倒してトップをキープする。宗田が下からギロチンを仕掛けてきたが、川村は対処して立ち上がると、押し込んで膝を当て、突き離せば右フックも当てて宗田を苦しめる。
2R、スタンドの差し合いの展開で、宗田が膝を当てていると、川村は少し苦し気な表情を浮かべる場面も。だが終盤にテイクダウンを奪うと、トップキープして鉄槌を当て優位を維持し、2Rもポイントを奪って判定勝ちした。
勝った川村はRIZINの榊原実行委員長に対し「オープニングアクトでも開場中でも休憩時間でもいつでも構いませんので、年末のRIZINに出させてください」とアピール。榊原氏は「レベルは別としても、ひたむきな思いが伝わりましたので、前向きに考えたいです」「DEEPの佐伯代表と相談して最終結論を出したいです」と回答し、出場がほぼ確実となった。
第1試合 53.5kg契約 5分2R
×ジェット・イズミ(M16ムエタイスタイル/52.95kg)
○赤林檎(フリー/53.20kg)
判定0-3 (新美18-20/植松18-20/豊永18-20)
赤林檎はDEEP JEWELS初参戦。8月のDEEP後楽園大会で渡辺華奈に1R腕十字で一本負けしたが、序盤は日本拳法仕込みの右ストレートで渡辺を苦しめた。昨年9月のAFC大阪大会で青野ひかると引き分けている。
1R、赤林檎が左ジャブと右ストレートを的確に当て続け優勢。終盤、右ミドルをつかんでジェットが上になるが、赤林檎は返して上になる。
2Rも赤林檎が打撃で優位をキープ。中盤、ジェットが倒して上に。手足の長い赤林檎にパウンドを封じられるが、パスガードに成功し、サイドをキープ。終盤はマウントを奪いに行くと脱出される。ジャッジ3者とも2Rも赤林檎を支持し、赤林檎の判定勝ちとなった。
【アマチュア】
第3試合 SP(セミプロ)ルール 68kg契約
×チェルシー(リバーサルジム立川ALPHA)
○上田真央(フリー)
判定0-3
第2試合 AAルール ストロー級 3分2R
△國保小枝(和術慧舟會船橋道場)
△ANJU(Team SOS/尾下塾)
判定0-1 (18-19/19-19/19-19)
第1試合 AAルール アトム級 3分2R
×MOE(総合格闘技道場BURST)
○湊 琴梨(禅道会)
判定0-2