DEEP 10.22 後楽園ホール:武田光司、大原樹里との再戦は無念の負傷判定勝ち。芦田崇宏・小見川道大・住村竜市朗が勝利
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skyticket Presents DEEP 92 IMPACT
2019年10月22日(火/祝)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント DEEPライト級タイトルマッチ 5分3R
○武田光司(BRAVE/王者/70.3kg)
×大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ/挑戦者/69.95kg)
2R 2’07” テクニカル判定3-0 (松宮20-18/植松20-18/福田19-19/豊永19-19/田澤20-18)
※武田が初防衛
天皇陛下の即位礼正殿の儀が行われたこの日、DEEPは後楽園ホールで昼に女子のDEEP JEWELS、夜に男子のDEEPの2部制で大会を開催した。
武田は埼玉栄高校時代にレスリングのフリーとグレコローマンの84kg級で5冠を達成。専修大学卒業後、17年8月にMMAデビューし、昨年10月のDEEPで北岡悟に判定勝ちし、8戦8勝(2KO/2一本)でDEEPライト級王座を奪取した。4月のRIZINでRIZINに初参戦し、ダミアン・ブラウンに判定負けして以来の試合となる。
対する大原は09年のDEEPフューチャーキングトーナメントで優勝し、約10年間、大半の試合をDEEPで行って来た。昨年8月に武田に判定負けしたが、その後5試合は3勝1敗1分で、長倉立尚、濱村健にも勝利している。
1R、序盤から武田が押し込み、タックルでのテイクダウンを狙い続ける。レスリング技術を存分に駆使し、反り投げで倒し、サイドを奪う。大原が立つと、再び抱え上げて豪快に倒し、場内を沸かせる。これも大原が脱出し、右のミドル、前蹴りを連打し反撃する。だが終盤は武田が押し込み、テイクダウンを狙い続け、すぐに流れを引き戻す。
2Rも武田が押し込み、抱え上げて倒そうとする展開が繰り返されるが、大原は耐える。中盤、武田が金網に押し込み、膝を放つとローブローとなり一時中断する。大原は亀になってうずくまったまま動けず、試合続行不可能となり、ここまでの内容で判定が行われた。DEEPのタイトルマッチは5名のジャッジが判定し、3者が武田を支持し、武田の勝利となったが、武田は頭を下げて謝った。
武田は「メインイベントを務めさせていただいたにも関わらず、こういう結果になってすみませんでした。できれば大原選手とやらせてもらえればと思います」と話した。バックステージでも「ダミアン戦は1週間前に椎間板ヘルニアで動けなくなって負けてしまって、今回はこんな試合をしてしまって申し訳ないです。今日の試合内容含め、自分を見つめなおし、一から作り直さないといけないです」と反省した。佐伯繁DEEP代表も「早いうちに再戦を組みます」と話した。
第9試合 フェザー級 5分3R
○芦田崇宏(BRAVE/元王者)
×長倉立尚(フリー)
判定3-0 (和田29-28/松宮29-28/福田29-28)
長倉は学生時代にラグビーで活躍し、立命館大時代に関西大学Aリーグで活躍。いつも入場時にハカを踊るが、ラグビーのワールドカップ日本大会が開催中のため、場内はいつも以上に盛り上がる。
1R、サウスポーで長身の芦田が圧力をかけ、左の蹴りを上中下に打ち分け、左ストレートも時折当てて主導権を維持する。
2R、長倉は開始から圧力をかけ、パンチを振り回しながら距離を詰めて、最初のタックルでテイクダウンに成功し、金網際でトップをキープする。時折パウンドを当てるが、攻めあぐねていると、残り30秒に芦田がリバースして上になり、パウンドをお返しする。大半の時間の主導権を握った長倉がポイントを取り、五分とする。
3R、芦田がパンチを連打すると、長倉がタックルを仕掛けて、またも金網際で上に。芦田のブリッジを長倉が潰し、バックも奪う。芦田も動きに合わせてアームロックを仕掛けるが、長倉も上に戻れば肩固めで反撃する。終盤、芦田が脱出すると、長倉がタックルでしがみつくが、芦田はボディにパウンドと肘を当て続け抵抗する。3Rは終盤の攻めが決め手になったか?ジャッジ3者とも芦田を支持し、芦田の勝利となった。
試合後の芦田は「僕の目標はケージじゃない。四角いリング(=RIZIN)です。大晦日、高山(善廣)さんとドン・フライより熱い試合するんで、オファーお願いします」とアピールした。芦田は3年前のリングスで、朝倉未来との試合が組まれかけたが、未来が拒否した過去がある。芦田は「オファーがあった当時から立場が逆転したことは自覚しています。彼のところまでしっかり追いつけるように頑張ります」と話した。さらに「(ホベルト)サトシが言ったように、UFC、ONEじゃなくRIZINです」と、RIZIN愛をアピールした。
第8試合 フェザー級 5分3R
○小見川道大(NEO JUDO ACADEMY)
×毛利昭彦(毛利道場)
3R 1’49” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
小見川は6月のDEEPで約3年半振りのMMAの試合で勝利し、現在43歳。対する毛利昭彦は44歳と、ベテラン同士の戦いとなる。
1R、小見川が開始すぐから組み付き、足を掛けて倒し、パウンドを落としつつマウント、バックマウント等で攻め続ける。
2R、小見川がパンチラッシュで毛利を苦しめてから倒して上に。だが攻めあぐねブレイクがかかる。小見川が引き続きパンチラッシュで追い詰めてから、再び上になってそのまま終わる。毛利は後頭部への肘が多く、レフェリーに注意を受ける。毛利は大量の鼻血を出し、左まぶたを腫らし、ドクターチェックを受ける。
3Rも小見川が前に出てパンチで攻め続け、毛利は回って防戦一方の状態が続くと、豊永レフェリーが試合をストップし、小見川の勝利となった。
マイクを持った小見川は「残りわずかになる戦いだと思います。皆さんの応援を胸に、できる限り戦って行こうと思います。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。バックステージでは今後について「ダラダラやる気は無いので、死に場所を探したい」「DEEを盛り上げるとか日本格闘技を盛り上げるとか無くて、自分が盛り上がれば勝手に周りが盛り上がると思っています。与えられたところで与えられた相手とできれば光栄です」とも話していた。
第7試合 ライトヘビー級 5分3R
○水野竜也(フリー/ミドル級王者)
×酒井リョウ(レンジャージム)
2R 3’41” 失格
1R、水野がサウスポーで圧力をかけ、左ストレート、左テンカオ等を当てて主導権を維持し、終盤にはタックルで倒しトップキープする。
2R、水野がテイクダウンを奪うと、酒井は金網を背に下になりながら、後頭部に再三パンチを当て、長瀬レフェリーに注意される。水野はじっくり動いてマウントを奪い、パウンド、肘を効かせてから、腕十字を狙う。酒井は脱出するが、立ち際にがぶりの状態で水野の頭に膝を当てる反則を犯したため、試合が中断する。水野はダメージが大きく、試合続行ができないため、酒井の反則負けとなった。
第6試合 ウェルター級(ノンタイトル戦) 5分3R
○住村竜市朗(TEAM ONE/王者)
×渡辺良知(JUNGLE GYM)
3R 2’30” 裸絞め
住村は昨年8月のRIZIN名古屋大会でストラッサー起一に1R肩固めで一本負けして以来14カ月ぶりの試合。セコンドには青木真也と皇治がつく。
1R、長身の住村が左手を細かく突きつつ、右ロー、左の三日月蹴りを随所でヒットし、終盤には左右のパンチも連続で当てて好印象を残す。
2R、渡辺も右ローを効かせて挽回するが、中盤、住村が上になると、バックに回り、裸絞めを度々仕掛けて渡辺を追い詰める。
3R、住村が序盤からタックルで倒して上に。早い段階からバックを奪うと、裸絞めを極めてタップを奪った。
住村は「RIZINで負けて、膝を手術して、1年2か月ぶりの試合ですけど、年末のRIZINに出させてもらいたいです。あの舞台に忘れ物があるんで応援お願いします」とアピールした。
第5試合 バンタム級 5分3R
×釜谷 真(TRI.H studio)
○昇侍(トイカツ道場/元パンクラス・ライト級王者)
3R 1’47” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
釜谷は昨年10月大会のバンタム級王座決定戦で元谷友貴に3R裸絞めで一本負け。今年4月の大阪大会では白川“Dark”陸斗に3R TKO勝ちしている。昇侍は今年3月にDEEPに6年ぶりに出場し、石司晃一に2R TKO負け。5月大会では水垣偉弥に判定負けしたものの接戦を繰り広げた。
1R、スタンドの展開が続き、中盤、釜谷がタックルでテイクダウンを奪う。昇侍は脱出するが、釜谷はグラウンドに戻し続ける。昇侍が逆に倒す場面もあるが、釜谷がギロチンで迎撃し、流れを作らせない。
2Rも釜谷がテイクダウンを繰り返すが、昇侍が経ち続けていると、釜谷は口を開いてしんどうな様子を見せ始め、昇侍が右ストレート、右ロー、右前蹴りのヒットを増やし優位に。
すると3R、昇侍は釜谷のタックルを切り、首相撲からの膝を効かせると、首相撲から崩して上になり、パウンドをヒット。最後は力尽きた釜谷にバックマウントからパウンドを連打したところで、釜谷陣営からストップを示す赤いバトンが投入された。
昇侍は「今日、勝つか勝たないかで今後の格闘技人生が大きく変わる試合でした。まだまだあきらめていません。DEEPのチャンピオンになるために、大きな舞台に立つために頑張ります」とアピールした。
第4試合 バンタム級 5分3R
×石司晃一(フリー)
○米山千隼(マルワジム横浜/パンクラス9位)
1R 4’24” TKO (レフェリーストップ:右膝蹴り)
米山はDEEP初参戦の23歳。17年10月からGRACHANで坂巻魁斗、中村謙作ら相手に4連勝後、昨年12月からパンクラスに上がり、後藤丈治、ジョーイ・ボーイ相手に連勝し6連勝中の新鋭だ。
1R、石司が圧力をかけて前に出続けるが、米山はかわし、組んでの顔面狙いの右膝、飛び膝を随所でヒットする。ラウンド終盤、右肘を当て、さらに右の膝を顔面に連打すると、顔面を切られた石司が血だるまになり、すぐさまレフェリーがストップした。
DEEP初戦でインパクトを残した米山は「趣味で格闘技を始めましたが、今はUFCに行きたいと思って格闘技やっています。UFCに行くまで負けません。誰でも強い選手とやりたいです。厳しいオファー待っています」とアピールした。
第3試合 バンタム級 5分2R
○CORO(K-Clann)
×清水俊一(総合格闘技宇留野道場)
判定3-0 (20-18/20-18/○19-19)
1R、COROがスタンドの打撃戦でパンチを的確に当てる。終盤、清水が蹴り足をつかんで倒すが、COROはスタンドに戻す。2R、COROが上から右の肘、パウンドを当て攻勢。清水は下から足関や腕十字を狙うがCOROは防御し続け終了。2RともCOROが取り判定勝ちした。
第2試合 フライ級 5分2R
○ランボー宏輔(パラエストラ千葉)
×島袋チカラ(CORE王子豊島)
1R 0’48 ” フロントチョーク
島袋がタックルを仕掛け、ランボーは倒されるが、カウンターのギロチンを極めタップを奪取。マイクを渡されると「エイドリーアン!」と、いつものようにランボーのキャラなのにロッキーのフレーズを叫んで喜びを表現した。
第1試合 ライト級 5分2R
×高塩竜司(KIBAマーシャルアーツクラブ)
○大木良太(KRAZY BEE)
1R 4’46” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)