iSMOS 7.31 パンクラスイズム横浜:北岡悟、無観客自主興行でZST王者・小金翔と時間切れドロー。北岡「胸は張りたい」、小金「RIZINで再戦したい」
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2020年7月31日(金) 神奈川・パンクラスイズム横浜(無観客開催)
レポート:井原芳徳 写真:(C)iSMOS
北岡悟が横浜・関内で運営するジム、パンクラスイズム横浜を会場に使っての無観客MMA大会「iSMOS.1」を開催し、北岡自身も小金翔と対戦した。大会の模様はニコニコ生放送のニコニコプロレスチャンネルで生配信された。
北岡は昨年7月のRIZINでジョニー・ケースと対戦し、パウンドを浴び続けたダメージで、1R終了時にコーナーストップがかかりTKO負けして以来の試合。その前の4月の試合ではホベルト・サトシ・ソウザに2R TKO負けしており、2連敗のまま月日が経過した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、北岡が主戦場とするRIZINも、4月19日の横浜アリーナ大会が中止となっていた。
北岡は盟友・青木真也が出場した4月17日の無観客大会「Road to ONE:2nd」の翌日のツイートで「俺自身がこのまま7月にMMAの試合が出来ないのならば、パンクラスイズムで無観客大会開催して自分自身が試合したい。ネット中継?撮影してソフト化?何でもいいから試合したい」と記した。さらに「もし大会開催出来るなら近藤さんも試合したいと言ってくれた。俺と近藤さんのMMAの試合は対戦相手がいれば組める。これで2試合確実だ」と続けてツイート。その後、大会の準備を進め、6月1日に正式発表した。観客を入れないため、クラウンドファンディングで資金集めも行われ、目標の150万円の倍以上の328.1万円を集めた。新型コロナウイルスの感染対策で、出場選手のPCR検査がABEMA協力のもと7月27日に行われ、29日に全員陰性と判明している。
試合のルール詳細はこちらのPDFファイル参照。通常のユニファイドMMAルールとの主な違いは以下のとおり。・インターバル2分。・試合中の膠着状態に対しアクションコール、ブレイクは行わない。・判定無し。時間内に決着がつかなかった場合は引き分け。
第4試合 71kg契約 5分3R
△小金 翔(フリー/ZSTライト級王者)
△北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜/元DEEP&戦極ライト級王者)
時間切れ
iSMOS.1の全4試合はパンクラスイズム横浜勢が青コーナー側に並び、外部の選手と対戦する構図に。北岡と戦う小金は以前、北岡と練習していた32歳。17年からZSTに参戦し8戦7勝1分。ZST王者ではあるが、国内トップ勢との対戦経験は無い。北岡は最近5試合・2年間は18年大晦日の川尻達也戦以外4敗と苦戦している。今年2月4日で40歳に突入。北岡は「勝ってRIZINに戻りたい」と話しており、まだトップ戦線で戦えるか試される一戦となる。
1R、ゴングと同時に、長身の小金が飛び膝を放つが、北岡はかわし、そのまま金網に押し込む。小金は防御を続け、その状態のままラウンドが終わる。ブレイク無しルールらしさの出る展開に。押し付けられた小金の背中は真っ赤になっている。
2R、今度は北岡がパンチを振りながら詰める入り方だが、1R同様に北岡が押し込む展開に。北岡は小金の左足を抱え続け、中盤にようやく崩すと、両足で小金の左足を挟んでしがみつく。小金は尻をマットに付けそうになるが、ギリギリで耐えて立つ。北岡が小金の左足を抱えて押し込む状態に戻り、そのまま終了時間まで膠着が続く。
3R、小金がオーソドックスに切り替えるが、北岡は左ミドルを当ててから、またも小金の左足を抱えて押し込み、膠着状態が続く。3分半過ぎ、ようやく小金が脱出し、初めて押し込む側に切り替わるが、残り40秒、北岡が押し込む側に戻る。北岡が片足タックルを仕掛け、終了間際にようやく倒すことに成功するが、その先の攻めにつなぐ時間は無く、時間切れドローとなった。
試合後のインタビューで小金は「お世話してくれた人と試合できて、僕の人生、素晴らしい瞬間でした。でも、噛み合わなかったので、RIZINで再戦したいです」とアピールした。
北岡は「志の高い試合ではなかったですけど、僕の中ではやり切った思いがあるし、攻めたと思うし、胸は張りたいです。引分で結果は出ていないですけど、自分を褒めてあげたいです。To be continuedってことで。負けなかったので(iSMOSの)2はやりたいですね。全員にありがとうと言わないといけなくて。凄い状況を作ってしまったなって思っているんですけど。クラウンドファンディングもたくさんのご支援をいただいて。こんなこと自分がやれちゃうのもヤバいですよね。本当にたくさんの方々、ありがとうございました」と、少し目を潤ませながらコメントした。
最後、ケージの中に出場選手が勢揃いしたところで、改めて北岡はマイクを持ち、大会のスポンサーや小金を送り込んだZST等に感謝の言葉を述べた後、「明日からまた生きるぞ」と、パンクラス旗揚げメンバーの船木誠勝譲りの決めゼリフで大会を締めくくった。
なお、小金の再戦要求に関して、北岡は大会後のツイートで「絶対やらない!小金君は小金君で頑張って下さい!戦いは一期一会!!!!」と断固拒否している。
第3試合 78kg契約 5分3R
×餅 瓶太[もちびんた](和神会)
○近藤有己(パンクラスイズム横浜/元パンクラス・ミドル級・ライトヘビー級・無差別級王者)
1R 4’08” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
近藤は7月17日で45歳に。北岡とのパンクラス生え抜き新旧エース揃い踏みも珍しい。近藤と戦う餅も小金同様にZSTを主戦場とする。
1R、両者サウスポーに構え、近藤が開始すぐに右ジャブで餅を倒すが、すぐ餅は立つ。餅も左ストレートを当て挽回する場面もあったが、近藤もすぐ持ち直し、左右のローをコツコツ当て、プレッシャーをかけ続けると、餅は少し疲れが見え始める。終盤、近藤は右ストレートを当ててから組み倒すと、そのままマウントを奪い、すぐバックマウントを取ると、餅の体を伸ばしてパウンドを連打したところで、梅木レフェリーがストップした。
近藤は「餅選手、強くて、気が抜けなかったです。今までで最高の自分を出せました。皆さんのおかげで戦えています。これからも頑張ります」とコメントした。
第2試合 61kg契約 5分3R
×大井洋一(フリー/THE OUTSIDER 55-60kg級王者)
○矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)
1R 2’09” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
矢澤はMMAプロデビュー戦。キックボクシングがベースで、北岡と2カ月合宿しMMAの練習を重ねて来た。
1R、大井が圧力をかけるが、矢澤は回って距離を取ってかわし続け、ワンツーを時折繰り出し、大井に攻めさせない。すると中盤、矢澤は左ジャブのフェイントからの右ストレートをクリーンヒットし、見事一発で大井を沈めた。
矢澤は「北岡さんとの合宿が苦しくて、逃げ出そうかと思うほどでしたけど、勝てて良かったです」と涙ながらに語り、KO勝ちについては「練習でみんなにパンチで倒せないと言われていたので、ジムで鼻糞投げつけてやりたいです」と言い放った。
第1試合 73kg契約 5分3R
△友實竜也(ゼロ戦クラブ)
△木村裕斗(パンクラスイズム横浜/DEEPフューチャーキングトーナメント2019ウェルター級優勝)
時間切れ
今、北岡に教わる木村と、北岡に以前指導を受けていた岡山在住の友實(ともざね)の対戦。木村は今回がプロデビュー戦だ。
1R、友實が鋭い右ロー、ミドルを当て、木村のタックルを切る。その後はお互い押し込むが、テイクダウンにはなかなかつなげられない。
2R、経験で勝る友實が序盤からテイクダウンを重ね、中盤からは右ストレート、右ハイ、左ミドル、右テンカオ、右ローを当て追い詰める。
3R、木村の投げを潰し、友實が鉄槌を連打すると、木村は右まぶたをカットして出血し、ドクターチェックを受ける。再開後も友實がパウンドを連打しつつ、バックマウントを奪い、ギロチンでも追い詰める。中盤、木村は脱出し、金網に押し込むが、右まぶたの出血が再び激しくなりドクターチェック。再開後も友實が打撃で追い詰める。最後は木村が起死回生のアンクルホールドを狙うが、極めきれず時間切れとなった。