修斗 8.1 後楽園ホール:黒部三奈、杉本恵をパンチで圧倒「修斗初代女王を抱きたい男の中の男たち、出てこいや」。安藤達也、環太平洋バンタム級王者に
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格闘技医学会
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サステイン主催「プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2020 Vol.5 Supported by ONE Championship」
2020年8月1日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
サステインは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3月29日の後楽園大会を中止し、5月31日の大会は後楽園から会場変更・非公開、無観客での開催に。7月12日のメルパルクホールOSAKA大会から観客を収容しての大会を再開した。今回の後楽園も観客を収容するが、東京都と会場の規定に沿い、収容人数を約3分の1に減らして行われた。
第5試合 メインイベント THINKS INTERNATIONAL Presents 修斗女子初代スーパーアトム級(50kg)王座決定トーナメント決勝戦 5分3R
○黒部三奈(マスタージャパン/元DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者/50.0kg)
×杉本 恵(AACC/Women’s SHOOTO -50kgインフィニティリーグ2019優勝/49.8kg)
判定3-0 (豊永30-27/福田30-27/田澤30-27)
※黒部が王者に
メインイベントはプロ修斗史上初の女子王座となる女子スーパーアトム級王座を決めるトーナメントの決勝戦。昨年11月に開幕し、コロナの影響で韓国のイ・イェジが準決勝に出場できなくなるアクシデントもあったが、下馬評通り決勝には黒部と杉本が残った。
黒部は現在43歳。ダイエット目的で32歳から格闘技を始め、39歳でDEEP JEWELSの王座を獲得。RIZINでは敗れたものの浜崎朱加戦も経験。ジムの先輩の弘中邦佳、松本光史ら同様、修斗王座を目指し、昨年から修斗に参戦し3連勝している。11月のトーナメント一回戦ではターニャ・アンゲラー、準決勝では杉本と同門の大島沙緒里戦を下した。
杉本は現在30歳、レスリングの全日本学生選手権2年連続準優勝等の実績を残したフィジカルエリート。MMAプロデビューは黒部と同時期だが、2戦の後、AACCの阿部裕幸代表との結婚、出産のため試合から遠ざかり、昨年1月から戦線復帰。昨年3月から修斗で開幕したインフィニティリーグでは3戦全勝で優勝し、今回のトーナメントの準決勝からのシード権を獲得し、5月の準決勝では中村未来を下した。
試合は打撃経験の差が如実に出る展開に。1R、開始すぐから黒部がガンガン前に出て、左右のストレート、フックを度々当てて優勢。杉本は真っすぐ下がって、当てられやすい状態になる場面が多い。杉本もパンチも返すが、黒部は前に出続ける。
2Rも基本的に同じ展開で、黒部が前に出続け、左ジャブ、右フックを度々ヒット。杉本はなかなか打開できない。3Rも同様に、黒部が度々左右のパンチをヒット。時折金網に押し込んでテイクダウンを狙い、終盤の杉本のタックルも切ってみせ、最後まで主導権を譲らず、フルマークの判定勝ちで修斗のベルトを奪取した。
黒部は「修斗初代女王、黒部三奈です。かっこいい勝ち方をしたかったけど、泥仕合になりました。私にとってはここが終着点ではありません。ここから上を目指して、43歳ですけど、まだまだできるんだと見せたいです」と宣言。最後は「修斗初代女王を抱きたい男の中の男たち、出てこいや」と、RIZINの高田延彦キャプテンの恒例のフレーズを引用し、恋人を募集し、観客を笑わせた。
第4試合 セミファイナル 修斗環太平洋バンタム級チャンピオン決定戦 5分3R
×田丸 匠(NASCER DO SOL/環太平洋1位、世界1位/61.1kg)
○安藤達也(フリー/環太平洋3位、世界6位/61.2kg)
1R 3’23” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※安藤が王者に
修斗世界バンタム級王者・佐藤将光が、ONE Championshipに参戦中で、防衛戦ができないため、5月31日の無観客大会で暫定王座決定戦が組まれ、岡田遼が倉本一真にKO勝ちした。修斗の規定により岡田が環太平洋王座を返上することになり、田丸と安藤の間で争われた。
田丸は昨年からフライ級に階級アップし、一條貴洋、魚井フルスイング、藤井伸樹を相手に3連勝。安藤は昨年9月の岡田遼との環太平洋王座戦がドローに終わっている。
1R、田丸がサウスポーの安藤に右の三日月蹴りを当て、組み付いて倒しかけるが、安藤はすり抜けて上になる。安藤は動いてバックマウントを狙い、田丸の首元に腕をかけるが、田丸は脱出してスタンドに戻す。
田丸が右ミドルを当て、前に出て来るが、安藤は金網を背にしながらも、左フックで迎撃してダウンを奪う。安藤はこのチャンスを逃さず、上から重みのあるパウンドを連打。田丸は下から足関節技を狙って打開を図るが、ダメージが大きく、力が入りきらない。最後は安藤がパウンドを当て続けたところで、レフェリーがストップした。
プロ初のベルトを巻いた安藤は「色々あったけど、たくさんの人が支えてくれて、ベルトを巻くことができました。たくさん遠回りして、もっと早くここに辿り着けると思っていました。時間がかかりましたが、ここに着けました」と、喜びを語った。
第3試合 フライ級 5分3R
×木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(和術慧舟會GODS/世界ストロー級7位)
○黒澤亮平(パラエストラ松戸/世界ストロー級8位、元世界同級王者)
1R 0’24” KO (右ストレート)
中止となった3月29日の後楽園大会で組まれていたカードが4か月を経て実施された。黒澤が開始間もなく、フェイントをかけつつ右ストレートをクリーンヒットし、一撃で木内をKO。マイクを持つと「凄く強くなっているので、次は箕輪(ひろば)チャンプにつながる試合、お願いします」とアピールした。
第2試合 インフィニティリーグ2020 バンタム級 5分2R
△石井逸人(TRIBE TOKYO M.M.A/世界8位、環太平洋9位/勝ち点2→3)
△小野島恒太(Combat Workout Diamonds/世界10位/勝ち点2→3)
判定0-0 (19-19/19-19/19-19)
1R、小野島が押し込み、抱え上げて倒すが、間もなく石井は立ち上がる。スタンドの攻防でお互い慎重で、終盤にも小野島が押し込んで終える。
2Rも小野島が押し込みを繰り返し、数度テイクダウンを奪う。すぐ立たれるが、主導権を維持。終了間際には右フックで石井をスリップさせる。記者採点は18-20で小野島。ジャッジは3者とも19-19でドローとなった。
第1試合 ウェルター級 5分2R
△宮路智之(パラエストラ松戸)
△飯田建夫(フリー)
判定0-0 (19-19/19-19/19-19)