パンクラス 3.17 新木場スタジオコースト:ハファエル・シウバ、瀧澤謙太に1Rで圧勝。上迫博仁、逆転勝ち。堀江圭功が1R KO勝ち。翔兵・田中路教も勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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skyticket presents PANCRASE 303
2019年3月17日(日)東京・新木場スタジオコースト
レポート&写真:井原芳徳
◆本戦
第9試合 メインイベント パンクラス・バンタム級暫定タイトルマッチ 5分5R
○ハファエル・シウバ(ブラジル/アストラ・ファイト・チーム/暫定王者)
×瀧澤謙太(リバーサルジム東京スタンドアウト/1位)
1R 3’22” 裸絞め
※シウバが初防衛
バンタム級では石渡伸太郎が11年12月3日に第2代王者となってから、17年5月のハファエル戦まで5度防衛している。その後、石渡はRIZINのバンタム級トーナメントに参戦。大晦日の堀口恭司戦まで計4試合戦い、現在は前から痛めていた首の療養中だ。その間、昨年5月大会では当時1位の上田将勝と2位のハファエルの間で暫定王座が争われ、ハファエルが判定勝ち。石渡は引き続き休養することから、ハファエルが瀧澤を相手に暫定王座の初防衛戦を行った。
瀧澤は15年からパンクラスに参戦し、パンクラス戦績8勝3敗。17年8月のDEEPとの対抗戦では北田俊亮にTKO勝ちした。続く11月のアレッシャンドリ・シルニ戦ではTKO負けしたが、18年は3月のハルク大城戦、7月のTSUNE戦でいずれもTKO勝ちしている。次第にランキングが上がり、王座挑戦にたどり着いたが、実力差は明白だった。
- 瀧澤謙太
1R、瀧澤が飛び蹴りを放ったタイミングで、ハファエルがタックルを仕掛けてテイクダウンに成功。金網際でハーフ、マウントを行き来し、パウンドを時折り当て、肩固めなどを狙い続け主導権を維持する。瀧澤が立とうとしてブリッジしたり、ニンジャチョークを狙おうとしても難なく対処し、パウンドも当てて痛めつけると、最後は背中を向けさせ、裸絞めを極めてタップアウト。下馬評通りハファエルが完勝した。
第8試合 セミファイナル ライト級 5分3R
×サドゥロエフ・ソリホン(タジキスタン/パンクラチオン・ハバロフスク/2位)
○上迫博仁(チームクラウド/和術慧舟會HEARTS/6位、元DEEPフェザー級王者)
2R 0’16” TKO (レフェリーストップ:右ローキック)
サドゥロエフはロシア・パンクラチオン協会が昨年11月大会に送り込み、ライト級2位のアキラを右のバック肘でKOし、大きなインパクトを残した。
上迫は一昨年末にDEEP王座から陥落し、昨年からパンクラスに主戦場を移し、初戦は計量前の脱水症状で欠場という失態を犯したものの、10月にライト級に階級アップしての初戦では冨樫健一郎を得意の打撃で追い詰めTKO勝ちした。久米鷹介の持つベルト取りを目指す上で、サドゥロエフは避けて通れない相手だ。
1R、開始間もなく、サドゥロエフの右フックが炸裂し、左フックで上迫がダウン。サドゥロエフがパウンドラッシュで仕留めにかかるが、上迫が膝立ちの状態でサッカーボールキックを当てる反則を犯し、試合が一時中断する。上迫はダメージが大きく、その後もサドゥロエフがパンチラッシュで攻め続ける。上迫はフラつきながらも耐え続けると、最後は金網際で上になり、パウンドを肘を当て挽回する。
1R最後は上迫にも勝機が見えてはいたものの、2R開始すぐ、意外な結末に。上迫が右ローをサドゥロエフのスネに当てると、これ一発でサドゥロエフがダウンして倒れ、そのまま動けなくなり、レフェリーがストップ。大逆転勝ちを果たした上迫は「ライト級チャンピオン、俺は狙っていますよ」とアピールした。なお、パンクラスからの情報によると、サドゥロエフは試合前に胸骨を痛めており、1R終盤の攻防と、2R最初の上迫のローが胸に響き、戦闘不能になったという。
第7試合 フェザー級 5分3R
○堀江圭功(ALLIANCE/5位、2017年ネオブラッドトーナメント同級優勝&MVP)
×田中半蔵(FUN’S/6位)
1R 1’41” KO (右フック→グラウンドパンチ)
堀江は11月大会で滝田J太郎に1R TKO勝ちして以来の試合。田中は昨年は2試合連続で試合が直前に消滅し、10月大会のカイル・アグオン戦は判定2-1で惜敗したが、最後までわからない接戦を繰り広げ、好印象を残していた。
試合は新鋭・堀江の完勝に。1R、堀江は田中のタックルを切ると、スタンドで様子を伺うと、田中の右フックに合わせ、右のフックをクリーンヒット。これ一発でダウンさせると、堀江がバックからパウンドをまとめたところで梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った堀江は「これからもUFCのチャンピオンを目指して頑張って行きますので応援してください」とアピール。パンクラスがONE Championshipとパートナーシップを結んでも、我が道を行く姿勢を示した。
第6試合 フライ級 5分3R
○翔兵(升水組/3位)
×ライリー・ドゥトロ(米国/I&Iトレーニング・センター/元修斗世界1位・現10位、元PXC王者)
判定3-0 (大藪29-28/和田29-28/山崎29-28)
ドゥトロはMMA戦績15戦11勝(4KO/2一本)4敗。17年10月に修斗に初参戦し、後にRIZINで那須川天心とも戦う中村優作を2R右ストレートで粉砕。18年1月の修斗でも田丸匠を右ストレート主体のパンチで1Rで撃破した。7月にはUFCのデイナ・ホワイト代表が各地の未知の強豪を発掘するリアリティショーに登場したがTKO負けに終わり、UFC参戦の道が途絶えていた。翔兵は17年、春日井健士と若松佑弥相手に連敗したが、昨年は2月に小川徹、10月に秋葉太樹に判定勝ちし2連勝中だ。
1R、翔兵が時折スイッチしつつ、一気に詰めてワンツーの2発目でフックを随所でヒットし、離れて回り続ける。ドゥトロは左まぶたをカットして出血し、ドクターチェックを受ける。再開後、お互い手数は少ないものの、随所で翔兵がパンチを当てて好印象を残す。
2Rも翔兵がヒット&アウェーを徹底し主導権を維持する。ドゥトロも時折右ミドルを当てるが、流れは変えられない。
3Rも翔兵がヒット&アウェーを貫くが、中盤、サウスポーに構えたドゥトロの左ストレートが当たるように。だがその後は翔兵も逃げ切りモードに移り、終了間際にパンチをもらうが耐え終了。翔兵が作戦を完遂し、実績で勝るドゥトロを封じた。
第5試合 バンタム級 5分3R
○田中路教(チーム・アルファメール・ジャパン/元PXC王者)
×ウラジミール・レオンティブ[Vladimir Leontyev](ロシア/パンクラチオン・ハバロフスク)
判定3-0 (30-27/30-26/30-27)
両者ともパンクラス初参戦。田中は修斗、グアムのPXCで活躍後、14~17年にUFCに上がり5戦2勝3敗で2連敗した後に、UFCとの契約が切れた。17年10月のGRANDSLAMで、UFC契約解除後初の試合をホジェリオ・ボントリンと行い、3R裸絞めで一本勝ちして以来、約1年半ぶりの試合となる。UFC再出場を目指し、そのステップとして、また、ボントリンをGRANDSLAMに派遣した恩返しも兼ね、パンクラスに1試合のみ参戦する。レオンティブは97年12月30日生まれの21歳、MMA戦績2勝1敗。サドゥロエフと同門で揃っての参戦となる。
1R、序盤から田中がタックルでテイクダウンを奪うと、レオンティブは下からギロチンを仕掛ける。田中は落ち着いて対処して中盤に外すと、両足でレオンティブの左腕を挟んで捕まえる腹固めで制しながら、裸絞めを仕掛けて追い詰める。
2Rも田中がタックルで倒すと、レオンティブはまたもギロチンを仕掛けるが、これは簡単に外し、田中が金網際でマウントを奪い、バックから裸絞めを仕掛け、マウントと行き来しながらパウンドと肘でも痛めつけて圧倒する。ジャッジ1名は10-8とつける。
3Rも田中が序盤からテイクダウンを奪い、またも腹固めで捕まえる。脱出され、上を取られるが、攻めさせずスタンドに戻し、中盤過ぎには再びタックルで倒す。終盤は裸絞め、三角で追い詰め終了。田中は極めきれず周囲に頭を下げたものの、健在ぶりを十分見せつけ完勝した。
第4試合 フライ級 5分3R
×神酒龍一(CAVE/元パンクラス&修斗世界王者)
○秋葉大樹(総合格闘技道場reliable/6位)
判定1-2 (梅田28-29/和田29-28/大藪28-29)
- 秋葉太樹
神酒は17年3月大会でマモルに判定負けし、パンクラス・フライ級王座を失って以来2年ぶりに復帰する。秋葉は10月大会で翔兵に判定負けして以来の試合。
1R、秋葉が圧力をかけ、右ストレート、左ハイを時折当て好印象。神酒はまだダメージは少ないが、自分の攻撃にはなかなかつなげられない。
2Rも秋葉が神酒のタックルを切り、随所でパンチをまとめ主導権。だが終盤に神酒も左ハイを当て、大差はつけさせない。ジャッジは2者が秋葉、1者が神酒を支持する。
3R、中盤から神酒のパンチ、左ハイが当たり出すと、終盤には神酒がテイクダウンを奪い、バックマウントから裸絞めを狙い続け猛反撃する。ジャッジは割れたが、2Rまでジャッジ2者から支持された秋葉が逃げ切る形となった。
第3試合 フライ級 5分3R
○荻窪祐輔(K-PLACE/7位)
×中村龍之(ロータス世田谷/8位)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
荻窪は8月大会で秋葉に1R TKO負けして以来の試合。中村は12月大会での鈴木千裕戦が、鈴木の計量オーバーで中止となっていた。試合は8月の安永有希戦以来で、現在3連勝中だ。
1R、スタンドで右ロー、右ストレート主体の展開で、僅差だが、若干ヒット数の上回った中村がポイントを先取する。
2R、金網際のクリンチの展開で中村が膝、肘を当て、離れ際のタックルで倒し、優位に進めていたが、荻窪がリバースすると、バックから裸絞めを狙い、下になっても腕十字を仕掛けて追い詰める。3Rも序盤に中村が右ハイを当てる場面もあったが、中盤以降は荻窪がグラウンドでバックを奪うなど主導権を維持し、ポイントを重ねて判定勝ちした。
第2試合 女子バンタム級 3分3R
○東 陽子(和術慧舟會AKZA/1位)
×チョン・ソユン[Jung Seoyun](韓国/コリアン・トップチーム)
1R 2’14” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
東が序盤からテイクダウンを奪うと、金網際で押さえ続けて鉄槌を当て続け、無傷の完勝。試合後のマイクでは「次はベルトを賭けて戦わせてください。皆さんの力で自分も海外に行かせて下さい」とアピールした。
第1試合 ライト級 3分3R
×小林 裕(フリー)
○阿部右京(OOTA DOJO)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
◆プレリミナリーファイト
第10試合 バンタム級 3分3R
×井関 遼(GRABAKA)
○高城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第9試合 バンタム級 3分3R
○前田浩平(GRABAKA/2018年IMMAFオセアニア選手権優勝)
×平田純一(AACC×SPIDER)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第8試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 バンタム級 3分3R
×大谷啓元(パンクラスイズム横浜)
○上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
1R 2’31” 裸絞め
第7試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 バンタム級 3分3R
○永井佑虎(CAVE)
×廣川懸三(ドラゴンテイルジム)
1R 2’49” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第6試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 バンタム級 3分3R
○山本敦章(パラエストラ千葉)
×聖王DATE(TEAM DATE)
3R 0’36” 負傷判定3-0 (30-27/29-28/30-27)
第5試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フライ級 3分3R
○猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)
×岡野竜己(KRAZY BEE)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第4試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フライ級 3分3R
○三澤陽平(ALLIANCE)
×廣中克至(RBアカデミー)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第3試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フライ級 3分3R
○赤崎清志朗(香取道場)
×聡-S DATE(TEAM DATE)
判定3-0 (30-27/29-28/30-27)
第2試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 ストロー級 3分3R
○御代川敏志(パラエストラ八王子)
×立花恵介(スーパータイガージム田中塾)
判定2-1 (28-29/29-28/29-28)
第1試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 ストロー級 3分3R
○川端康太(ALLIANCE)
×平賀正孝(TEAM URESPA)
1R 1’17” KO (スラム)