パンクラス 10.21 新木場スタジオコースト:佐藤天、ニュージーランド人選手との激闘制しTKO勝ち。高橋“Bancho”良明、復帰戦は逆転TKO勝ち
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2018年10月21日(日)新木場スタジオコースト
レポート&写真:久保与志
【メインカード】
第9試合 ウェルター級 5分3R
○佐藤 天(TRIBE TOKYO M.M.A/2位/77.4kg)
×マット・ベイル[Matt Vaile](ニュージーランド/Core MMA/XFCオーストラリア&Hex Fight Series王者/77.05kg)
2R 3’35” TKO(レフェリーストップ:左肘打ち→グラウンドパンチ)
1R、左ロングフックから左アウト、右インのローを蹴っていくベイルに対し、佐藤はベイルの大振りなパンチにシャープな左ストレートを合わせて脅かす。ベイルはローの数を増やし、そこから飛び膝蹴りも狙っていくが、佐藤は冷静に対処すると左ストレートをクリーンヒット。崩れ落ちるように尻餅をついてダウンを喫したベイル。佐藤は追撃の肘打ちを入れるが、ベイルは立ち上がるとダブルレッグでテイクダウンを奪って窮地を凌ぐ。ベイルはすぐに立とうとした佐藤のバックにつくと、チョークを狙いながら倒して再びグラウンドへ。しかしここも佐藤がすぐに立ち上がり、首相撲からの膝蹴りでベイルをケージ際に後退させ、左ストレート、肘打ちを叩き込んでベイルを追い込む。記者採点は10-8で佐藤。オープンスコアは3者10-9で佐藤につける。
2R、左アウトローを蹴ったベイルはサウスポーに変わった状態で左フックを強振。これが佐藤の顎を撃ち抜き、今度は佐藤が後方にダウンする。覆いかぶさって肘と鉄槌を連打するベイルに、佐藤はシングルレッグでしがみつくようにして懸命に耐える。亀の状態から肘を連打されるなど危うい場面もあった佐藤だが、何とか立ち上がると金網際から抜け出し、パンチで追ってきたベイルにカウンターで左肘をクリーンヒット。前のめりにダウンしたベイルはシングルレッグでしがみつくが、佐藤は側頭部に肘を落としつつベイルのクラッチを切り、立ち上がろうとしたベイルを逆にテイクダウン。最後はマウントから肘とパンチを連打してレフェリーストップを呼び込み、スリリングかつエキサイティングな激闘を勝ちきった。
タイトルマッチ敗北からの再起戦を見事に飾った佐藤は「前回タイトルマッチで負けて、今日もこんな試合だったんですけど、日本人も海外の強い選手に負けないぞっていうところを自分は見せたいと思います。自分は日本から、パンクラスから世界を、UFCを目指します」と、改めてUFCへの想いを表明した。
第8試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
○カイル・アグオン(米国/SPIKE 22/5位、元PXCバンタム級王者/65.8kg)
×田中半蔵(FUN’S/6位/65.05kg)
判定2-1 (29-28/28-29/29-28)
1R、サウスポーの両者、距離の探り合いからアグオンが先にテイクダウンをしかけ、田中をケージ際に押し込む。アグオンは細かいパンチを入れつつ田名に尻餅をつかせると、自らの足で田中の両足を固定して立ち上がらせない。アグオンのグラウンドコントロールに手を焼く田中だが、ケージを背にして立つと今度は田中が押し込む。記者採点は10-9でアグオン。オープンスコアも3者共にアグオンにつける。
2R、ハイキックを蹴るアグオンに、田中は飛び込んでの右フック。これでアグオンを下がらせると、パンチのフェイントからダブルレッグをしかける。田中はテイクダウンには至らないものの、ピッタリと頭をつけてアグオンを押し込み続け、アグオンが少し体勢を崩すとバックを伺う。アグオンがスイッチから腕を差し込んで正対すると離れてスタンドに展開に、アグオンが先にタックルをしかけるが、田中はこれを切ると、パンチで追いかけながらタックルでまた押し込む。記者採点は9-10で田中、オープンスコアも3者田中でトータルスコアはイーブンに。
3R、ワンツーからタックルをしかけるアグオン。田中が切って逆に金網に押し込むが、アグオンは身体を入れ替えてテイクダウンをしかける。互いに金網に押し付け合いながらケージレスリングが続くが明確なテイクダウンは奪えず、残り1分を切ったところで一旦離れる。田中は徹底してきたテイクダウン勝負に賭けてタックルに行くが、アグオンはこれを切ってケージに押し付けながら細かいパンチ。再び離れると距離を詰めて来た田中に右フックを当ててラウンドを終える。難しいラウンドだが、残り1分でタックルを潰して有効打を入れた攻撃を評価して記者採点は10-9アグオン、トータルスコアも29-28でアグオン。判定は2-1、スプリットにもつれ込む接戦はアグオンに軍配が上がった。
第7試合 ライト級 5分3R
○高橋“Bancho”良明(パラエストラ八王子/元1位/70.3kg)
×ルシオ・アブレオ[Lucio Abreu](ブラジル/セハードMMA/70.7kg)
3R 0’23” TKO(レフェリーストップ:右肘打ちによる頭部のカット)
1R、サウスポーのアブレオは左ストレートから脇を差して高橋をケージに押し込む。アブレオはバックも伺いつつ、手で高橋の足をすくってテイクダウンを奪う。アブレオはバックに回ると四の字ロックでしっかりと高橋をコントロールしながら細かいパンチを入れていく。中々バックから抜け出せない高橋だが、残り1分のところで向き直ってトップを奪うと、上をキープし続けてラウンドを終える。記者採点は9-10、オープンスコアも3者共にアブレオ。
2R、高橋が右ストレートを放ち、アブレオが前蹴りから組みに行くが、高橋は正面から受け止めると逆に投げを決めてテイクダウンを奪う。トップからパンチを入れようとする高橋に、最初はホールドして距離を潰していたアブレオだが、高橋がスペースを作ろうと体を起こしたところですかさずオモプラッタをしかけてあおる。三角絞めも狙いつつ、高橋の右腕をオモプラッタで固定して細かいパンチと鉄槌を入れるアブレオ。高橋はこの体勢から抜け出すことが出来ず、細かい攻撃をもらう展開でラウンドを終えてしまう。記者採点は9-10、オープンスコアも3者9-10でアブレオ。
3R、2ポイント差をつけられ判定では苦しくなった高橋だが、開始すぐに距離を詰めて来たアブレウに右肘を強振。これでアブレオは髪の生え際のあたりを深くカットし、さらに高橋はバック肘も狙う。これをかわしてケージに押し込むアブレオだが、出血がひどくドクターチェックが入る。傷を見たドクターからすぐにストップがかかり、高橋が肘での一撃で2Rまでの劣勢を覆して逆転のTKO勝ちを収めた。
第6試合 フライ級 5分3R
○翔兵 (升水組/3位/57.15kg)
×秋葉太樹 (総合格闘技道場reliable/6位/57.0kg)
判定3-0 (29-28/29-28/30-27)
1Rはスイッチも交えながら飛び込んで距離を詰める翔兵に対し、秋葉がカウンターの左フックを狙う展開。秋葉はバックステップしての左フックで翔兵との距離を保ちながら、タイミングが合ったところで顔面、ボディへの膝蹴りをヒットさせる。翔兵はカウンターをもらって動きをとめずにしかけ続け、テイクダウン狙いもちらつかせながら飛び込んでいく。記者採点は9-10で秋葉、オープンスコアは2者が10-9で翔兵、1者が9-10で秋葉につける。
2Rも出入りを止めない翔兵のしかけに徐々に距離が詰まり始め、ショートレンジでの左フックが何発かヒットする。1Rはバックステップで距離を保っていた秋葉だが、ケージに詰まる場面も増え、至近距離での打ち合いは翔兵が手数で上回る。テイクダウンを狙うなどして打開を計る秋葉だが、翔兵はこれを切り、前に出てプレッシャーをかけ続ける。記者採点は10-9、オープンスコアも3者10-9で翔兵につける。
3R、ポイントで劣勢になった秋葉が右を振るって前に出て行くが、翔兵も左フックで迎え撃つ。翔兵の入り際に膝蹴りを合わせつつ、右フックの一発を狙う秋葉だが、翔兵の左フックをもらってバランスを崩す場面も。ショートレンジで打ち合う両者だがビッグヒットはなく、残り30秒を切ったところで翔兵がタックルで金網際に押し込み、細かいパンチを入れてタイムアップ。記者採点は10-9、トータルスコア29-28で翔兵。判定は29-28、29-28、30-27の3-0で翔兵が勝利した。
第5試合 REBELSルール(キックボクシング・肘無し・首相撲制限あり) 58kg契約 3分3R(延長1R)
×古谷野一樹(クロスポイント古賀/REBELS 57.5kg王者/57.9kg)
○栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/57.2kg)
判定0-2 (27-30/29-29/28-29)
パンクラスとREBELSが完全グループ化されて初のホーム・新木場コーストでの開催となった今大会では、ケージでのキックボクシングルールの試合も組まれた。
1R、立ち上がりからワンツーで前に出て行く古谷野に対し、栗秋はゆったりとしたリズムでかまえながら左フックをリターンし、右ロー、ハイを蹴っていく。ラウンドも中盤を過ぎたところで栗秋が左フックをヒットして古谷野の動きが止まると、怒涛の連打でラッシュをかけ、さらに飛び膝蹴りも見舞って爆発力をパンクラスファンにアピールする。記者採点は9-10で栗秋。
2Rも基本的に待ちの栗秋はカウンターで左フック、右ローを返しつつ、古谷野の前進が止まると右ハイも狙う。古谷野はボディも交えて圧力をかけ続け、栗秋が左ミドルからバックブローを狙うと、古谷野も顔面へのバックスピンキックで応戦する。記者採点は10-10のイーブン。
3R、栗秋は左フックから右ロー、さらに左ミドルとようやくペースを上げるが、古谷野が右ストレートをヒットさせると動きが止まり、ケージ際で激しい打ち合いに。両者パンチをヒットさせるも、バランスを崩しているのは栗秋の方か。記者採点は10-9で古谷野、トータルスコアは29-29でドロー。判定は1者が27-30と意外な大差をつけたものの、1者は29-29のドロー、残り1者は28-29をつけて0-2で栗秋が勝利した。
第4試合 ライト級 5分3R
×冨樫健一郎(パラエストラ広島/8位/69.9kg)
○上迫博仁(チームクラウド/和術慧舟會HEARTS/元DEEPフェザー級王者/70.45kg)
3R 3’46” TKO(レフェリーストップ:右ストレートによる頭部のカット)
1R、距離の探り合いから右のジャブを差し込んでいく富樫。上迫は飛び込んでの右フックで牽制しつつ、距離が開くとボディに右ミドル、三日月蹴りをヒットさせる。富樫は徹底して右を突き続け、上迫がパンチを返すとすかさず左ストレートをリターンする。記者採点は10-9で富樫、オープンスコアは3者共に9-10で上迫につける。
2R、腹への蹴りを集中させて削りにかかる上迫。富樫もパンチの距離になると何度か左ストレートを当て込むが、上迫の三日月蹴りが深く入り富樫の動きが鈍る。好機と見た上迫はさらに強烈なボディアッパーを叩き込むと、富樫はボディに意識がいって反応が遅れ、顔面へのパンチもヒットし始める。記者採点は9-10、オープンスコアも3者共に9-10で上迫。
3R、オープンスコアで2ポイント差をつけられた富樫だが、上迫は蹴りとパンチを上下に散らす多彩な攻めで攻勢をかけ続ける。上迫が前に出てくる富樫に右フックを当てて飛び膝蹴りを狙うと、右ストレートをクリーンヒットして富樫の額を切り裂く。これでドクターチェックが入り、試合はそのままレフェリーストップに。TKO勝ちでパンクラスデビューを飾った上迫は、計量前の脱水症状で欠場となった前回の試合を詫びつつライト級王座の奪取を宣言した。
第3試合 ウェルター級 3分3R
×奈良貴明(パンクラスイズム横浜/6位/77.0kg)
○中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy/77.45kg)
2R 2’50” 腕ひしぎ十字固め
第2試合 バンタム級 5分3R
×アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル/ブルテリア・ボンサイ/8位/61.35kg)
○金太郎(パンクラス大阪稲垣組/61.55kg)
3R 1’54” TKO(レフェリーストップ:左ストレート→グラウンドパンチ)
第1試合 フライ級 3分3R
×倉岡幸平(蒼天塾/57.15kg)
○和田教良(ZOOMER/56.8kg)
2R 0’14” TKO(レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
第1試合の前には山本”KID”徳郁の追悼テンカウントが鳴らされた。KRAZY BEE所属選手とマネージャーの服部竜真氏(写真)がケージの中に入った。
【プレリミナリーファイト】
第7試合 フェザー級 3分3R
○小島勝志(STYLE PLUS GYM)
×アング・シン[Ang Shin](台湾/NOVA UNIAO JAPAN)
2R 1’40” 裸絞め
第6試合 フェザー級 3分3R
○TAG(ERUPT)
×斎藤拓矢(ALLIANCE)
1R 2’52” KO (左フック)
第5試合 バンタム級 3分3R
○平田純一(DAMM FIGHT JAPAN)
×大谷啓元(パンクラスイズム横浜)
判定2-1
第4試合 フライ級 3分3R
×水谷健人(AACC)
○三澤陽平(ALLIANCE)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第3試合 フライ級 3分3R
×廣中克至(RBアカデミー)
○岡野竜己(KRAZY BEE)
2R 0’34” KO (スタンドの蹴り)
第2試合 フライ級 3分3R
○渋谷和樹(高本道場)
×立花恵介(スーパータイガージム田中塾)
3R 2’35” 膝十字固め
第1試合 ストロー級 3分3R
○御代川敏志(パラエストラ八王子)
×宮澤雄大(K-PLACE)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)