パンクラス 9.27 新木場スタジオコースト:雑賀 ヤン坊 達也、林源平を右アッパーでKO。3連続1RKOでライト級暫定王者に。中島太一がISAOへの挑戦権獲得
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Owltech presents PANCRASE 318 -Beyond 317-
2020年9月27日(日)東京・新木場スタジオコースト(無観客開催)
レポート&写真:久保与志
パンクラスは前回の「PANCRASE 317」8月23日 新木場スタジオコースト大会を、大会当日の新型コロナウイルスの抗原検査で陽性の選手がいたことから開催直前に中止した。6日後、その選手のPCR検査は陰性で、感染の可能性が低かったことを発表したが、今回は万全を期すため、無観客で開催された。また試合体重に関しても、コロナの感染リスク軽減のため、通常の1階級上のリミットとなり、計量も前日ではなく当日に行われた。
第3部・メインカード
第7試合 パンクラス・ライト級暫定王座決定戦 5分5R
×林 源平(和術慧舟會Iggy Hands Gym/1位)
○雑賀 ヤン坊 達也(総合格闘技道場DOBUITA/2位)
1R 1’55” KO (右アッパー)
※雑賀が暫定王者に
3月8日の大会で予定されていた一戦が、コロナの影響で半年経ちようやく実現する。林は2013年のデビュー時からパンクラスに参戦。17~18年はDEEPの2試合含め4連敗と苦戦したが、昨年は阿部右京、冨樫健一郎に2連勝し、初のタイトル挑戦につなげた。雑賀は昨年からパンクラスに参戦し、小林裕とトム・サントスに1R KO勝ちし、3戦目で暫定王座戦のチャンスをつかんだ。なお、ライト級の正規王者のベルトは同じ日のRIZINで北岡悟に勝利した久米鷹介が保持している。
試合開始直後から両者激しく打ち合い、相打ち気味の左フックで林が雑賀をグラつかせると、さらに右ハイも狙う。その後も打ち合いを続けながら、林が両足タックルでテイクダウンを奪うが、雑賀もすぐに立ち上がる。距離を取り直した雑賀は打ち合いながらパンチから顔面へのヒザ蹴りにつなげる。
これで林をひるませると、前に出てきたところを右アッパーをかすめ、なおも前に出る林に再び右アッパーを一閃。この一発で林は前のめりに崩れ落ち、雑賀が鮮やかなKO勝利でベルトを腰に巻いた。
パンクラス参戦から3試合全て1R KOという驚異のレコードで暫定王者へと駆け上がった雑賀は「今日まですごい怖くて怖くて、怖い思いをしたのがやっと報われた」と安堵の表情を浮かべると、「今回は1Rで倒すことより5分5Rしっかり戦えるようにしっかりスタミナをつけて練習してきたんですけど、林選手の癖をボス(長岡弘樹)が指摘してくれて狙っていた」と試合を振り返った。
第6試合 パンクラス・フェザー級次期挑戦者決定戦 5分3R
○中島太一(ロータス世田谷/4位)
×堀江圭功(ALLIANCE/5位)
判定2-1 (大藪29-28/山崎28-29/荒牧29-28)
8月23日の大会で組まれていたカードがスライドして行われた。両選手とも2月大会に出場し、中島はセミファイナルでロシアのハードストライカー、ボリス・フェドロフに判定勝ち。堀江はメインイベントで、内村洋次郎に判定勝ち。昨年UFC参戦のチャンスを得ながらも完敗し、その後、カリフォルニアのチーム・オーヤマで約2か月半練習した成果を印象付けていた。
1R、お互いにローを飛ばしつつ距離を探り合う展開が続き、ラウンド中盤にさしかかったところで中島がタックルをしかける。テイクダウンにはつながなかったものの、離れ際に左フックを狙う中島。堀江は左右のロー、右ハイと蹴りで牽制しつつ、中島が詰めてくるとパンチを合わせる。
2Rに入ると、中島がプレッシャーを強めて積極的にテイクダウンを狙っていくが、堀江は上手く外してスタンドをキープし、左ジャブ、飛び込んでの左ボディをヒットさせる。中島は前進を続け、互いの右ストレートがスリリングに交錯する。中島は執拗にテイクダウンを狙い続けるが、堀江がそれを潰し続ける。
オープンスコアは1Rは3者共に堀江、2Rは2者=中島、1者が堀江と割れ、勝負の行方は3Rへ。堀江が左フックをヒットして中島に尻餅をつかせるも、中島はすぐにリカバリーして組みついていく。テイクダウンは防いでるが、明らかに堀江の呼吸が荒くなってくる。それでも打撃勝負になると飛び込んでの左ボディを当てるなどするが、中島はひるまずパンチから組み付いていき、ついにテイクダウンを奪う。堀江はすぐに立つが、その後も中島が組み付きからケージに押し込み続けタイムアップ。
記者採点は1R=堀江、2・3Rを中島につけて29-28で中島。判定は割れたが、前に出続けた中島がスプリットデシジョンで勝利。フェザー級王者ISAOへの挑戦権を獲得した。
第5試合 ウェルター級 5分3R
×高木健太(リバーサルジム川口REDIPS/5位)
○菊入正行(NEVER QUIT/6位)
判定0-3 (大藪28-29/山崎28-29/荒牧28-29)
1Rは共に慎重な立ち上がりで見合う場面が多く、決定打に欠ける展開でオープンスコアも高木に2票、菊入に1票と割れる。2Rに入ると、菊入が右の三日月蹴りや左ジャブなどリーチを活かした攻撃で主導権を握り始め、左ジャブをまともにもらった高木は右目が塞がる。距離が測れていない様子の高木は何度も菊入の右ストレートを被弾して苦しい状況に。
3Rも菊入の左ジャブ、右ストレートに反応できず。被弾してしまう高木だが、詰めてきた菊入に右フックをヒットさせてグラつかせる。菊入は距離を取り直すと、右ストレートのヒットを重ねていくがフィニッシュには至らず。リーチを活かした攻撃でペースを握り続けた菊入が判定勝ちを収めた。
第4試合 ストロー級 5分3R
×前山哲兵(フリー/8位)
○尾崎龍紀(総合格闘技道場コブラ会/9位、2019年ネオブラッドトーナメント同級優勝)
1R 4’52” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、頻繁にスイッチを繰り返す前山に対し、尾崎はサウスポーからカーフキックを入れていく。尾崎がカーフキックとジャブで距離を制し始めたかに見えたが、前山はダブルレッグからパワフルにケージ際まで押し込むと、強引に倒してテイクダウンを奪う。尾崎はトップキープは許しても有効打は与えず、立ち上がっての離れ際にヒザ蹴りをヒット。さらに左ストレート、右フックと前山を追い込み、再び顔面にヒザ蹴りを突き刺すと、前山はタックルでしがみつきながら崩れる。尾崎はチャンスを逃さず左右のパンチを連打してレフェリーストップを呼び込み、会心のTKO勝ちでランカー対決を制した。
第3試合 ライト級 5分3R
○葛西和希(マッハ道場)
×小川道的[どうてき](柔術兄弟/ALIVE伊勢支部)
判定3-0 (出口30-27/山崎30-27/荒牧30-27)
第2試合 フェザー級 5分3R
×小森真誉(GRABAKA)
○林 優作(ZOOMER/PFC王者)
判定0-3 (出口28-29/山崎28-29/荒牧28-29)
第1試合 ストロー級 5分3R
―リトル(GUTSMAN)
―永井美自戒(総合格闘技道場コブラ会)
中止
第2部・第26回ネオブラッドトーナメント
第7試合 ミドル級 決勝 5分3R
○荒井勇二(GUTSMAN)
×廣野雄大(パンクラスイズム横浜)
1R 4’30” TKO (タオル投入)
第6試合 ライト級 決勝 5分3R
×中田大貴(和術慧舟會HEARTS)
○狩野 優(TRIBE TOKYO M.M.A)
判定0-3
第5試合 フェザー級 2回戦 5分3R
○岩本達彦(BLOWS)
×齋藤拓矢(ALLIANCE)
1R 1’51” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)
第4試合 バンタム級 準決勝 5分3R
×宮島夢都希(KRAZY BEE)
○修我(総合格闘技スタジオSTYLE)
判定1-2 (28-29/28-29/29-28)
第3試合 バンタム級 2回戦 5分3R
○井村 塁(Nexusense)
×田中ハヤトスネ夫(ASH)
2R 2’31” 裸絞め
第2試合 フライ級 2回戦 5分3R
○梅川毒一郎(総合格闘技道場コブラ会)
×谷村愛翔(P’s LAB札幌)
3R 4’37” 裸絞め
第1試合 ストロー級 準決勝 5分3R
○谷村泰嘉(禅道会)
×大貴(BRAVE)
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)
第1部・プレリミナリー
第4試合 ミドル級 5分3R
○内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)
×村元佑成(ハイブリッドレスリング鹿児島)
1R 1’02” 裸絞め
第3試合 フェザー級 5分3R
○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)
×上田厚志(烏合會)
3R 0’57” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第2試合 バンタム級 5分3R
×工藤修久(禅道会 小金井道場)
○粥川吏稀[かゆかわ りき](マーシャルアーツクラブ中津川)
判定0-3 (25-29/26-28/25-29)
第1試合 フライ級 5分3R
○川北晏生(TRIBE TOKYO M.M.A)
×橋上壮馬(ZOOMER)
3R 3’20” 裸絞め