パンクラス 7.21 新木場スタジオコースト:北方大地、砂辺光久破りストロー級王者に「修斗のチャンピオン、ぶっ飛ばしたるわ」。ハファエル・シウバ、ピンチしのぎバンタム級王座防衛
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2019年7月21日(日) 新木場スタジオコースト
レポート:井原芳徳
◆本戦
第12試合 メインイベント パンクラス・ストロー級タイトルマッチ 5分5R
×砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/王者)※3度目の防衛戦
○北方大地(パンクラス大阪稲垣組/1位)
5R 0’38” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※北方が王者に
両者は16年12月に砂辺の初防衛戦で対戦し、砂辺が2Rに裸絞めで一本勝ちしている。昨年4月に砂辺は室伏シンヤに2R KO勝ちし、2度目の防衛を果たした。その後、9月のRIZINでDEEPストロー級王者の越智晴雄にKO負けして以来の試合となる。
北方は砂辺に敗れて以降、八田亮、ダニエル・パックマン、井島裕彰相手に3連勝し、4月大会での王座挑戦者決定戦で曹竜也に判定勝ちしている。
1R、お見合いが続き、砂辺はほとんどステップせず、北方が少し出入りしつつ時折左右のフックを振るう。途中からお互いローも当てるように。終了間際、北方が前に出て、ボディ打ちからの連打で左フックを当ててダウンを奪う。北方がポイントを先取する。
2Rもお見合いが続くが、随所で北方がパンチを当てる。終盤に砂辺が圧力をかけ、右ミドルとローを当て、やや優位に。僅差だが砂辺がポイントを取り返す。
3R、序盤から北方がタックルを仕掛け、抱え上げて倒し、オンブでバックを奪うと、砂辺が背後に倒して脱出する。金網際での差し合いが続き、中盤にも砂辺が抱え上げて上に。北方がハーフをキープする。ブレイクがかかり、またも北方がタックルを仕掛けると、砂辺はギロチンを仕掛けるが、北方は外して終える。北方がポイントを取り返す。
4R、中盤過ぎに砂辺が押し込んで倒すが、北方が首を抱えギロチンを仕掛ける。砂辺は手を隙間に入れて防御し続けるが、なかなか逃れられない。北方がポイント差を広げる。
5R、砂辺がじわじわ圧力をかけ、右のテンカオで襲い掛かるが、北方が右のフックで迎撃するとアゴに命中。ダウンした砂辺に北方がパウンドを連打してフィニッシュ。見事TKO勝ちで2年半越しのリベンジを果たし、初のベルトを奪取した。
北方は「今の率直な気持ちは、ありがとうございます。ただ、俺が今からチャンピオンです。次、ONE FCですかね?修斗のチャンピオン、ぶっ飛ばしたるわ」と、10月13日のONE両国大会の修斗との対抗戦に向け力強くアピールした。
なお、試合の2日後の23日、パンクラスは「殿堂」制度の制定と、砂辺の殿堂入りを発表している。
第11試合 セミファイナル パンクラス・バンタム級タイトルマッチ 5分5R
○ハファエル・シウバ(ブラジル/アストラ・ファイト・チーム/王者)
×金太郎(パンクラス大阪稲垣組/1位)
2R 1’54” TKO (レフェリーストップ:肩固め)
※シウバが2度目の防衛
ハファエルは3月大会での暫定タイトルマッチで瀧澤謙太に1R裸絞めで一本勝ちし、暫定王座の初防衛に成功。4月16日付のランキングで石渡伸太郎が同級のベルトを返上し、ハファエルが正王者に格上げとなった。
金太郎は4月14日の大会で同級1位のTSUNEを右ハイキックで1R KO。連勝を4に伸ばし、ランキング6位から1位に一気にアップし、今回のベルト初挑戦につなげた。
なお、今大会からパンクラスではタイトル戦、次期挑戦者決定戦はドラッグテストが行われる。ハファエルら海外勢の筋肉増強剤の使用を疑う声が選手・関係者などから多く上がるようになり、パンクラスもようやく対策に乗り出すことになった。検体は大会後、米国の検査会社に送付される。
1R、序盤からハファエルがタックルでテイクダウンを奪い、金網際でハーフで押さえ込む。ハファエルがパスを狙うと、金太郎は立ち上がるが、すぐハファエルは倒し、ハーフでパウンドを当ててから、バックをうかがう。金太郎がまたも脱出すると、ハファエルはタックルで倒そうとするが、金太郎は金網を背にしてがぶった状態のまま、横から右肘を連打し反撃する。さらに上からもパウンドラッシュで追い詰める。ハファエルは後頭部から出血し、下から組み付いて防戦一方だ。膠着ブレイクがかかるとハファエルにドクターチェックが入る。再開前、金太郎が後頭部に肘を当てていたことに対し、芹沢レフェリーからイエローカードが出される。再開後はお見合いのまま終わる。
2R、ハファエルは右ストレートを振ってからタックルで倒して上になり、マウントを奪いキープする。パウンドを当ててから肩固めを極めると、金太郎の動きが止まったところでレフェリーがストップ。最後は手堅くハファエルが勝利をもぎ取った。ハファエルは「危ない場面もありましたが、逆転できて良かったです」と話した。
第10試合 パンクラス・フライ級暫定王座決定戦 5分5R
○翔兵(升水組/1位)
×上田将竜(緒方道場/3位)
2R 4’50” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※翔兵が暫定王者に
王者の仙三は昨年2月に若松佑弥に5R TKO勝ちし同王座を初防衛。規定では1年以内に防衛戦を行わないといけないが、仙三は3月のONEの試合で怪我を負い、防衛戦の目途が立たないため、今回の暫定王座決定戦が組まれた。
翔兵も上田もネオブラッドトーナメント優勝経験者で、王座戦は今回が初めて。17年2月に対戦し、翔兵が判定勝ちしている。その後、翔兵は春日井健士と若松佑弥に連敗したが、昨年2月から小川徹、秋葉太樹、ライリー・ドゥトロに3連勝している。上田は翔兵に敗れた後、小川徹、安永有希、倉岡幸平に判定勝ち。前回判定2-1の接戦だった小川と昨年12月に再戦したが、右ハイキックで小川をKOしてインパクトを残していた。
1R、翔兵が構えを時折スイッチしつつ、プレッシャーをかけ、時折押し込む。お互い目立った攻撃は無いが、翔兵が押し込み続けたためポイントを先取する。
2Rも同じような構図が続き、中盤、翔兵の膝がローブローとなり一時中断する。再開後、上田がタックルを仕掛け押し込むが、翔兵が差し替えて押し込み返す。膠着ブレイクがかかると、一気に試合が動く。終盤、翔兵がサウスポーからオーソドックスにスイッチすると、組んできた上田に左フックを合わせ、上田をダウンさせると、上から鉄槌を連打し試合を終わらせた。
翔兵は「これからパンクラス・フライ級、僕が引っ張っていきます。仙三さん、俺とやりましょ。ベルトは2つはいらないから。引退試合、ここで待ってるよ」とアピールした。
第9試合 バンタム級 5分3R
×TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We/2位)
○アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル/ブルテリア・ボンサイ/7位)
3R 4’07” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、サウスポーのTSUNEがじわじわ前に出て、中盤にタックルで上になる。下になったヤマニハだが、脇を抱えてTSUNEに思うように動かせない。終盤、それでもTSUNEがパウンドを少し当てる。ジャッジも記者採点もTSUNE。
2R、ヤマニハは右ミドルを当てて距離を詰めてから、右ストレートを当ててTSUNEをダウンさせる。バックから制しつつ、パウンド、裸絞めでフィニッシュを狙う。TSUNEはギリギリで耐え、中盤はスタンドに戻し、すぐテイクダウンに成功して上になる。だがヤマニハは脱出し、バックを奪い、スタンドに一旦戻ってからも最後は倒して終える。ジャッジも記者採点もヤマニハ。
3R、消耗の激しいTSUNEに対し、ヤマニハが左ボディストレートを当ててからタックルで倒して上になるが、これもヤマニハが下から足を効かせて先の攻めを許さない。それでもTSUNEはハーフまで行くが、さらに動こうとしたところでヤマニハが脱出すると、背後から制しつつ、右のパウンドを連打すると、TSUNEの動きが止まり、レフェリーストップ。ヤマニハがベースの柔術と成長した打撃を巧みに駆使して勝利し、王座奪取に近づいた。また、3連敗からの脱出成功となり、試合後は娘を肩車で抱え共に勝利を喜んだ。
第8試合 フェザー級 5分3R
×中島太一(パラエストラ東京/3位)
○ユータ&ロック(秋本道場jungle junction/9位)
判定0-3 (太田27-30/大藪28-29/梅木28-29)
1R、ユータがテイクダウンを先取する、中島も反り投げ等で倒し続けるが、すぐユータは立つ。中盤以降は中島がペースを握る内容。ジャッジは割れ、記者採点は中島。
2Rもユータがテイクダウンを先取すると、中央付近でトップキープしてマウントを奪うが、パウンドは当てられない。スタンドに戻ってからも、ユータが倒し、グラウンドでコントロールする。ジャッジ3者も記者もユータ。
3Rは中島がテイクダウンを先取し、腕十字を狙うが、ユータは防御してスタンドに戻し、中盤にはテイクダウンを奪い上になり、コントロールを続ける。終盤、スタンドに戻るが、またもユータがテイクダウンを奪う。終了間際に中島がバックを取るが時間が短くすぐ終了。記者採点はユータ。28-29でユータ。ジャッジ3者ともユータを支持し、上位入りが確実となった。
第7試合 女子フライ級 5分3R
○ライカ(RIGHT THING ACADEMY)
×グレイシ・ファリア[Gleice Faria](ブラジル/ATSチーム)
1R 0’45” 裸絞め
ファリアは初来日の選手でムエタイをベースとする。序盤、ファリアがリーチ差を活かし、右のストレートを当てるが、ライカが左ストレート、右ボディの連打の後に左フックをクリーンヒットしてファリアをダウンさせると、うつぶせになったファリアの背後に回り込み、裸絞めを極めてタップを奪取。ライカがボクシングのベースを活かしつつ、最後はMMAファイターとしての成長も印象づけた。
第6試合 フライ級 5分3R
×荻窪祐輔(K-PLACE/6位)
○ボカン・マスンヤネ[Bokang Masunyane](南アフリカ/ファイト・フィット・ミリティア)
判定0-3 (太田27-30/梅木27-30/荒牧27-30)
マスンヤネは初来日の25歳の黒人選手。MMA 5勝全勝。身長155cmで愛称は「リトルジャイアント」。レスリングをベースし、高い身体能力を発揮して観客を驚かせる。
1R、マスンヤネはスイッチしながら圧力をかけ、組み付くと、脳天から打ち付けるバックドロップでマットに叩きつけ、立った荻窪に左ハイも当ててひるませる。グラウンドでコントロールを続け、またもジャーマンで頭からマットに落とす場面も。
2Rもマスンヤネが右ローを効かせてから、抱え上げてテイクダウンに成功する。中盤、荻窪が立つが、すぐマスンヤネが倒し、トップコントロールを続ける。倒してからのパウンド、サブミッションに持ち込むスキルはまだ発展途上だが、コントロール技術は高い。
3R、マスンヤネが側転蹴りを当て、抱え上げて倒し、パウンドをヒット。背後からしがみつきコントロールを続ける。最後までスタミナを切らさず動き続け、終盤にもバックドロップを2連続で決めて終了。終わった後もバック宙2連発で観客を楽しませ、文句無しの判定勝ちを果たした。今後、タイトル戦線やメジャー団体での活躍は確実だろう。
第5試合 フェザー級 5分3R
×林 大陽 (CAVE/バンタム6位)
○コンバ王子 (HMC JAPAN/元ハワイX-1王者)
3R 0’14” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、林がサウスポーから圧力をかけ続け、左ミドルなどを時折当てて主導権を握る。2Rも林が圧をかけ、左ストレートを当て、テイクダウンに成功する。中盤にスタンドに戻り、林が終盤、左ストレートを当てて押し込んでから倒すが、膝立ちのコンバの顔面に膝を入れてしまう反則を犯し、ブレイクがかかる。その後は目立った攻防は乏しく終了。
林が2Rもポイントを取るが、3R開始すぐに波乱が起こる。林がすぐ圧をかけるが、コンバも負けじと左右のストレートを連続で振るって前に出ると、下がった林に対し、ケージ中央付近で右フックをクリーンヒット。林がダウンし、コンバが追撃のパウンドを連打したところでレフェリーがストップ。コンバが見事逆転勝ちした。
第4試合 ライト級 5分3R
△菊入正行(NEVER QUIT/8位)
△岸本泰昭(総合格闘技道場コブラ会/元GLADIATOR王者)
判定1-1 (太田29-28/梅木28-28/荒牧28-29)
1R、岸本が序盤からテイクダウンを奪うが、菊入はスタンドに戻し、中盤は押し込む。だが岸本がまたもテイクダウンを奪い、パウンドもヒットする。終盤は菊入も脱出して上になるが、長時間主導権を握った岸本がポイントを先取する。
2Rも岸本が序盤からテイクダウンに成功する。スタンドに戻り、菊入が岸本のテイクダウンをしのぐようになると、右ストレートが当たり出して挽回する。ジャッジは割れ、記者採点は菊入。
3Rも岸本のテイクダウン狙いをしのぎ続けると、菊入が右ストレートで中盤にダウンを奪う。その後もフラフラの岸本に菊入がパンチを当て続けて、終盤には右ストレートで棒立ちにさせる場面も。記者採点は10-8で菊入。合計29-27で菊入。ジャッジは2Rが割れた影響でドローとなった。
第3試合 フライ級 5分3R
×中村龍之 (ロータス世田谷/8位)
○NavE (Grand-Square/GLADIATOR王者)
3R 4’29” 裸絞め
1R、中村がオーソドックス、NavEがサウスポーに構え、蹴りの打ち合い。NavEが左ミドルのヒット数、押し込みで主導権を握る展開に。2Rは序盤からNavEがテイクダウンを奪い、金網際でハーフガードで押さえ込む。NavEはパウンドを落とし、隙間ができるとバックを奪い、裸絞めとマウンドからのパウンドで追い詰める。3Rも中盤にNavEがテイクダウンを奪い、金網際でオンブになると、そのままグラウンドに持ち込みバックをキープし、今度は終盤に裸絞めを極めて快勝した。
第2試合 ライト級 3分3R
○松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)
×平 信一(綱島柔術/ZST王者)
判定3-0 (太田30-27/大藪29-28/荒牧29-28)
1R、松岡が開始すぐ右フックを当ててダウンさせ、後半は金網際で長時間バックキープする。2Rも松岡が金網際でトップキープして主導権を維持する。3R、金網で平が長時間押し込み、終盤のスクランブルで松岡が上になりかける場面もあり、僅差の内容。結局2Rまでを取った松岡が判定勝ちした。
第1試合 ライト級 3分3R
×小林 裕(フリー)
○雑賀 ヤン坊 達也(総合格闘技道場DOBUITA)
1R 1’34” KO (スタンドパンチ)
雑賀(さいか)はパンクラス初参戦。サウスポーの小林の開始すぐのタックルを、雑賀が切って金網に押し込む。膠着ブレイク後、再び小林が組んできたのを突き放して右ストレートを当ててひるませると、下がった小林に右ストレートを再び当て、見事マットに沈めた。
◆プレリミナリーファイト
第5試合 第25回ネオブラッドトーナメント・フェザー級準決勝 3分3R
×鬼山斑猫 (KRAZY BEE)
○葛西和希 (マッハ道場)
判定1-2 (梅木29-28/大藪27-30/荒牧28-29)
第4試合 フェザー級 3分3R
×TAG(ERUPT)
○小森真誉(GRABAKA)
1R 1’47” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)
第3試合 バンタム級 3分3R
○後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A)
×平田純一(AACC×SPIDER)
1R 1’47” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)
第2試合 フライ級 3分3R
○西村大輝(ALLIANCE)
×中嶋悠真(マッハ道場)
判定2-1 (梅木28-29/大藪29-28/荒牧30-27)
第1試合 フライ級 3分3R
×廣中克至(RBアカデミー)
○聡-S DATE (Team DATE)
1R 2’22” KO (スタンド肘打ち)