パンクラス 4.14 新木場スタジオコースト:久米鷹介、トム・サントス圧倒し2度目の防衛。端貴代は完敗。北方大地&アグオンが王座挑戦権
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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2019年4月14日(日) 東京・新木場スタジオコースト
レポート:井原芳徳
◆本戦
第11試合 メインイベント パンクラス・ライト級タイトルマッチ 5分5R
○久米鷹介(ALIVE/王者/70.3kg)
×トム・サントス(ブラジル/チーム・ブラジリアン・タイ/5位、HEAT王者/69.8kg)
3R 1’08” 三角絞め
※久米が2度目の防衛
久米は昨年7月のノンタイトル戦で2R TKO負けした相手であるアントン・クイバネンとベルトを賭けて再戦する予定だったが、左上腕二頭筋断裂で欠場し、サントスが代わって王座に挑戦した。サントスは昨年前半にパンクラスに参戦して2戦し、井上雄策と冨樫健一郎にTKO勝ち。昨年7月のRIZINではダロン・クルックシャンクにTKO負けし、今年3月2日のHEATでのタイトルマッチで、オク・レユン(韓国)に5R判定勝ちしHEAT王座を獲得している。
1R、久米が前後に細かく出入りするステップから右ストレートを当て、そこからすぐテイクダウンし、30秒ほどで早速トップポジションを奪う。久米はガッチリ押さえながら右のパウンドをヒットし続ける。ワンサイドの展開のため、ジャッジ2名は10-8とつける。
2Rも30秒足らずで久米がトップポジションを奪い、キープしてパウンドを細かく当て続ける。このラウンドも2名のジャッジが10-8とつける。
3R、開始すぐに久米が右フックを当ててサントスをダウンさせる。久米はそのままハーフガードで押さえ、パウンドと肘を連打して追い詰める。久米が肩固めを狙いながらマウントポジポジション奪うと、そこから三角絞めを極めてフィニッシュし、完勝で2度目の防衛に成功した。
第10試合 パンクラス女子フライ級初代王座決定戦 5分5R
×端 貴代(和術慧舟會AKZA/1位、元DEEP JEWELSバンタム級王者、元スマックガール・ミドル級(58kg)王者/56.05kg)
○シッジ・ホッシャ(ブラジル/ホッシャ・トップチーム/3位/56.4kg)
判定0-3 (山崎45-50/太田45-50/荒牧45-50)
端は3本目のベルトを狙う戦い。パンクラスには昨年2月に初参戦し、バーバラ・アシオリーに2R裸絞めで一本勝ちしている。対するホッシャは昨年12月大会でパンクラスに初参戦し、ストライカーの鈴木万李弥を寝技で圧倒し2Rにパウンドアウトしている。端もホッシャも両者とも1977年生まれで共通。異例の40代同士のタイトルマッチとなった。
1R、開始すぐからホッシャが圧力をかけ、随所で右ストレートをヒット。終了間際にはホッシャが端を抱え上げてテイクダウンを奪う。
2Rも端がホッシャの圧力に押され続ける展開になるが、中盤、端が右ストレートでダウンさせてチャンスを作る。しかしホッシャは組み付いて休み、離れればホッシャが圧力をかけ続け主導権を維持する。
3R以降もホッシャが圧力をかけ続け、パンチを随所で当てて主導権をキープする。5R、中盤にようやく端がテイクダウンを奪いかけるが、ホッシャはすぐ返して上に。端は下から足を登らせようとするが、ホッシャは体を密着させて登らせず、1分ほどでスタンドに戻す。最後まで端が前に出て勝負をあきらめないが、反撃の糸口は見いだせず終了。ホッシャが全ラウンドのポイントを取り判定勝ちし、端の3冠を阻んだ。
第9試合 パンクラス・ストロー級王座挑戦者決定戦 5分3R
○北方大地(パンラス大阪稲垣組/1位/52.55kg)
×曹 竜也(闘心/4位/52.85kg)
判定3-0 (山崎30-27/太田30-27/荒牧30-27)
北方と曹は13年11月に対戦した時は引き分けている。北方は16年12月に王者・砂辺光久に挑戦し一本負けして以降、八田亮、ダニエル・パックマン、井島裕彰相手に3連勝し、八田と井島には一本勝ちしている。曹も14年12月のTENKAICHI沖縄大会で砂辺に判定負けした過去があり、その試合含めパンクラスで7試合も勝てない時期があったが、17年12月の荻窪祐輔戦以降は早坂優瑠、井島に勝利し3連勝と好調だ。
1R、中盤から曹が押し込むが、北方は突き放す。終盤、サウスポーの曹に北方が右のオーバーハンドフックを当てる。終了間際にも突進してきた曹に北方が右フックを当ててダウンさせて好印象を残す。
2R、北方は序盤から左右のパンチを当てて曹を追い詰める。その後は曹が押し込む時間が続くが、テイクダウンには持ち込めない。最後にも北方が右フックを当てる。
3Rも北方が右フックを当てると、そこからテイクダウンに成功してハーフガードになる。北方はマウント、バックと移行し、裸絞めを狙う。
ここまで北方優位で続いたが、曹がここから底力を発揮する。中盤、曹は体をひねって脱出し、バックをすぐに取りに行く。曹は金網際で上になり、バックを取ろうとするが、今度は北方がそのタイミングで脱出し、バックを再び奪う。残り1分、再び曹は脱出し、サイドからマウントを狙うが、最後も北方が脱出し、パンチの打ち合いで終了する。
記者採点は優位なポジションを取り続けた北方。どちらも最後まで譲らない好勝負の末、北方が判定勝ちで王座挑戦権を獲得した。
第8試合 パンクラス・フェザー級王座挑戦者決定戦 5分3R
×中島太一(パラエストラ東京/2位/65.5kg)
○カイル・アグオン(米国/SPIKE 22/3位、元PXCバンタム級王者/65.75kg)
判定1-2 (山崎28-29/荒牧29-28/太田28-29)
中島はロシアのACBを経て昨年からパンクラスに復帰し、元王者の田村一聖に勝利。昨年12月大会で中原由貴と戦う予定だったが、左腕と首を負傷したため試合を辞退した。その状態でシンガポールのEVOLVE Fight Teamのトライアウトを受験し、不合格となっていた。
アグオンは暫定王者のISAOにも勝った実績があり、10月大会では田中半蔵に判定勝ちした。正王者のナザレノ・マレガリエは17年3月に田村を下して王座を獲得して以降、米国のPFLで3試合しており、パンクラスには出場していない。マレガリエが王座を返上すれば、暫定王者のISAOが正王者となり、中島×アグオンの勝者とのタイトルマッチになる。
1R、スタンドの展開が続く中で、アグオンがサウスポーからの左ストレートを随所で当て主導権を握るが、中島も右ストレートを当ててからタックルを仕掛け、テイクダウンを狙う。アグオンは抵抗し、ギロチンを狙いつつ押し返す場面もあるが、最終的に中島がアグオンを倒しかける状態で終える。記者採点は中島。ジャッジ2名が中島、1名がアグオンにつける。
2Rもアグオンが左ストレートで中島をひるませるが、中島がすぐタックルを仕掛け、押し込み続ける展開に。アグオンはテイクダウンを許さず、2分ほどして突き放す。打撃戦に戻り、アグオンが右ジャブ、右アッパーをヒット。最後、中島がテイクダウンを奪うがすぐ時間切れに。記者採点もジャッジも打撃で優位なアグオンにつける。
3R、スタンドの展開でお互いパンチを当て、中盤、中島がタックルで上になるが、アグオンは背中をつけず金網を使ってスタンドに戻す。それでも執拗に中島が組み付いて倒そうとしがみつき、時折アグオンは座った状態になるが、背中をつけた状態にはさせない。記者採点は組み技で主導権を握り続けた中島。合計29-28で中島。ジャッジは割れ、2者がアグオンを支持した。
第7試合 女子ストロー級 5分3R
○藤野恵実(FIGHT FARM/3位/52.55kg)
×クセニヤ・グーセヴァ(ロシア/マッティ・チーム/女子フライ級2位/52.05kg)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
藤野はその会見の3か月後の女子ストロー級王座決定戦でヴィヴィアニ・アロージョの打撃に苦しみ、まぶたを大きく腫らし、3R TKO負けを喫して以来の試合。グーセヴァは昨年7月大会で初来日し、ライカをサウスポーからの左ミドル、膝等の打撃で苦しめ判定勝ちしている。11月大会の鈴木万季弥戦が決まっていたが負傷欠場していた。フライ級2位だが、ストロー級に階級を下げて戦う。
1R、長身でサウスポーのグーセヴァに対し、藤野は慎重だったが、随所で左右のパンチを当て、終盤、頭を振って前に詰めながら右フックを当てつつ、金網に押し込む。明確な攻めは無いが主導権を握り、ポイントを先取する。
2Rも同じような展開となるが、グーセヴァもパンチのヒットを増やし、ポイントを取り返す。藤野は両まぶたが腫れてきた。
五分で迎えた3Rも、藤野が押し込み続け、膠着ブレイク。グーセヴァが左ハイを当てるが、もらいながらも藤野が足をつかんで倒して上になる。グーセヴァは下から三角絞めを狙うが、藤野は対処し、金網際でパウンドと肘をコツコツと当て、最後に優位を印象づけて接戦を制した。
勝利者インタビューで38歳の藤野は「ババア、なめんな」と観客と共に唱和し、「この後、もっと強いババアが出て来るんで」と、端の試合観戦を呼びかけた。
第6試合 バンタム級 5分3R
×TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We/1位/61.3kg)
○金太郎(パンクラス大阪稲垣組/6位/61.55kg)
1R 3’11” KO (右ハイキック)
1R、両者サウスポーに構え、TSUNEが圧力をかけ、金太郎が距離を取って回る状況が続く。金太郎が左ローを強打するが、TSUNEはそのタイミングでタックルを仕掛け、金網際で上になる。金太郎は脱出すると金網に押し込み、膠着しブレイクする。今度は金太郎が圧力をかける側になると、左ストレートのフェイントからの伸びのある右ハイをクリーンヒット。TSUNEが真後ろにダウンし、すぐさまレフェリーがストップした。
金太郎はこれでランキング1位になるのが確実で、王者・石渡伸太郎、暫定王者・ハファエル・シウバも見えてきた。試合後のインタビューで金太郎は「昨日の夜、ホテルでこれ(右ハイ)狙おうという感じでした」と明かし「ONEかタイトルマッチ、やりたいと思います」と今後のターゲットを語った。
第5試合 ライト級 5分3R
×アキラ(MSC/&MOSH/4位/70.35kg)
○冨樫健一郎(パラエストラ広島/7位/70.3kg)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
1R、両者サウスポーに構え、蹴りはほぼ使わずパンチ狙いが続く。中盤、アキラが右フックを放ったタイミングで、冨樫が右のジャブに近いフックを合わせてダウンさせ上になる。冨樫がハーフガードで押さえ続け、終盤も立ったアキラを金網に押し込み、最後は倒して終える。
2Rもスタンドも攻防が続き、お互い決め手に欠けるが、冨樫が着実に右ジャブを当てていると、アキラは左まぶたを腫らすようになり、終了間際にドクターチェックが入る。
3Rも冨樫の右ジャブに手を焼くアキラだったが、終盤にかけて少しずつ右フックのヒットを増やす。残り1分、アキラが冨樫を押し込んでからマモル直伝の右肘を当てると、冨樫は左まぶたを切り出血する。だが冨樫は耐えきり、2ポイントを取らせず判定勝ちした。
第4試合 フェザー級 5分3R
○内村洋次郎(イングラム/10位/65.95kg)
×亀井晨佑[しんすけ](パラエストラ八王子/11位、2018年ネオブラッドトーナメント同級優勝/65.8kg)
判定3-0 (29-28/29-27/29-28)
1R、サウスポーの内村に、長身の亀井が伸びのある右ストレート、右膝を当てて、残り1分にはパンチの連打でダウンさせ、優位に試合を運ぶ。記者採点もジャッジも亀井。
だが2R10秒過ぎ、内村が左の蹴りを空振りさせて1度回った後、左のスーパーマンパンチをクリーンヒット。倒れた亀井に対し、内村がラッシュを仕掛け追い詰める。終盤にも亀井の右ストレートのカウンターで内村が左ストレートを当てて、再びダウンさせ、最後も左ハイでひるませ圧倒する。ジャッジ1名は10-8で内村につける。記者採点も10-8で内村。
3R、内村が少し慎重になると、亀井が右ストレートを連打で返し挽回。場内は沸きあがる。中盤、さすがに亀井が少し疲れが見えてくると、内村がタックルから押し込んで倒しパウンドを当てる。亀井も前転してから足関節技を狙うが、力が入りきらない。残り1分、スタンドの攻防で内村が左フックを当てるが、はっきり差をつけるほどにはならない。3R目は僅差だったが、ジャッジ3者とも後半以降を支配した内村を支持し、内村が死闘を制した。記者採点は3R内村で、合計29-27で内村。
第3試合 ライト級 5分3R
○粕谷優介(総合格闘技道場CROWN/70.5kg)
×菊入正行(NEVER QUIT/8位/70.3kg)
1R 1’01” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
粕谷は修斗、香港のLegend FC、UFCを経て、17年にパンクラスに参戦したが、松嶋こよみとISAOに連敗。怪我の治療も経て、階級を上げて16カ月ぶりに復帰した。相手はプロ4戦全勝の新鋭・菊入。1R、粕谷がサウスポーに構え、左ボディ、右ローを当て、左ミドルを当ててからバランスを崩させると、金網に押し込んで両足タックルから倒し、左右のパウンドを勢いよく連打しフィニッシュ。粕谷が圧倒して復帰戦を白星で飾ると、2人の子供と抱き合って涙を流した。
第2試合 女子フライ級 5分3R
×ライカ(RIGHT THING ACADEMY/ボクシング元OPBF東洋太平洋女子ライト級王者/57.0kg)
○マイラ・カントゥアリア[Mayra Cantuaria](ブラジル/ニュー・レベル・アカデミー/57.05kg)
1R 3’17” 腕ひしぎ十字固め
長身のカントゥアリアがサウスポーに構え、開始すぐからパンチの連打で詰め、首相撲で膝を当てると、首投げで軽々と倒す。ハーフガードから肘を当ててマウント、バックマウントと動き、パウンドと肘でダメージを与えてから、腕十字を極めてタップを奪った。
第1試合 ウェルター級 3分3R
○高木健太(リバーサルジム川口REDIPS/5位/77.55kg)
×丸山数馬(TEAM LTDR/77.1kg)
1R 1’31” KO (左フック)
サウスポーの高木が右ジャブ、左ローを振って圧力をかけ、丸山は右回りで右ミドルを返す。お互い慎重に行きそうな雰囲気もあったが、中盤、丸山の右ミドルに高木が左フックをカウンターで合わせて、丸山が頭からマットに突っ込むようにうつぶせでダウンすると、和田レフェリーがすぐさまストップ。見事な一撃KOだった。
◆プレリミナリーファイト
第10試合 フライ級 3分3R
○有川直毅(K-PLACE)
×中嶋悠真(マッハ道場)
2R 2’04” 肩固め
第9試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 ウェルター級 3分3R
―廣野雄大(パンクラスイズム横浜)
―真王DATE(Team DATE)
中止
※廣野は計量3.9kgオーバーで失格。真王が6月30日の決勝に進出
第8試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 ウェルター級 3分3R
○渡邊雅祥(パラエストラ八王子)
×山下 剛(マッハ道場)
判定3-0 (29-27/30-27/30-27)
第7試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フェザー級 3分3R
×DARANI DATE(TEAM DATE)
○名田英平(総合格闘技道場コブラ会)
判定1-2 (28-29/29-28/28-29)
第6試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フェザー級 3分3R
○立成洋太(FIGHT FARM)
×塩津良介(パラエストラ広島)
2R 0’18” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第5試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フェザー級 3分3R
○鬼山斑猫(KRAZY BEE)
×岩本達彦(BLOWS)
3R 0’57” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第4試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 バンタム級 3分3R
○平岡将英(KRAZY BEE)
×高杉遼介(新潟イエローマンズ)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第3試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フライ級 3分3R
○下田洋介(和術慧舟會総本部)
×西村大輝(ALLIANCE)
判定2-1 (29-28/29-28/28-29)
第2試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 ストロー級 3分3R
○アラヤ(チームアラヤ)
×有村 桂(誠流会館)
判定3-0 (29-28/30-27/30-27)
第1試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 ストロー級 3分3R
×アベリュー(パンクラスイズム横浜)
○尾﨑龍紀(総合格闘技道場コブラ会)
判定0-3 (28-29/27-30/28-29)