パンクラス 12.9 新木場スタジオコースト:上田将竜、小川徹をKOし仙三のフライ級王座挑戦熱望。中原由貴、14カ月ぶりパンクラスで快勝。手塚裕之、村山暁洋を圧倒
skyticket presents PANCRASE 302
2018年12月9日(日)新木場スタジオコースト
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
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レポート:井原芳徳
【メインカード】
第14試合 メインイベント ウェルター級 5分3R
○手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/2位)
×村山暁洋(GUTSMAN/4位、元王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
1R、手塚が中央から圧力をかけ、左フック、左ミドルを振るう。村山のカウンターに対して慎重ではあるが、手塚が着実に左のフック、ボディ、ローを当て続けて主導権を維持する。
2Rも手塚が左のフック、ボディ、ローを当て続け優勢をキープする。終盤には右ローも増やす。村山も左ジャブを当て、終了間際にタックルに行くが、簡単に切られてしまう。
3Rも手塚が圧力をかけ続け、蹴りとパンチを当て攻勢をキープし、着実にダメージを与える。クリーンヒットにはつながらなかったが、危なげなく試合を運び、フルマークの判定勝ちで完勝した。
第13試合 セミファイナル フライ級 5分3R
○上田将竜(緒方道場/3位)
×小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A/4位)
2R 3’51” KO (右ハイキック)
両者は昨年8月に対戦したが、上田が判定2-1で勝利と、接戦になっていた。今回は完全決着が期待される一戦であり、ベルトを狙う上でも大事な試合となる。
1R、小川がサウスポーで圧力をかけるが、上田が胴タックルを仕掛け、金網に押し込む。両脇を差し、振り回してテイクダウンを狙う。終盤、小川のパンチのタイミングで、上田がタックルを仕掛けるが、失敗してそのまま倒れて下になる。上田は足を登らせ、三角を狙うが、小川は抱えて振り落とす。ジャッジ3名とも主導権を握る時間の長かった上田を支持する。
2Rも上田が金網を背負いながらタックルを狙い続けるが、小川は切る。小川はじわじわ圧力を強め、左ローをコツコツとヒットし、左ハイ、左ストレートも放つ。上田は胴タックルに失敗して突き放される。だが、また小川が圧力をかけてきたところで、上田が右ハイを放つと、一瞬ガードの下がった小川にクリーンヒットする。小川は真後ろに倒れ、すぐさまレフェリーがストップした。
上田はこれで4連勝。マイクを持った上田は「この試合決まって、怖くて怖くて。でも5月に娘が生まれて、その子に努力する親父の姿を見せたくて、一生懸命頑張りました。小川選手がありがとうございました」と涙声で話した。さらに「一つ言いたいことがあります。福岡出身で、プロ格闘家になって、東京に呼ばれる選手になることが夢でした。その機会をパンクラスがかなえてくれました。今の僕の夢は、パンクラスでチャンピオンベルトを巻きたいです。酒井社長、次はタイトルマッチをやらせてください」と、仙三の持つ王座挑戦を熱望した。
第12試合 女子フライ級 5分3R
×鈴木万李弥(志村道場)
○シッジ・ホシャ[Sidy Rocha](ブラジル/ホシャ・トップチーム)
2R 2’38” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
両者パンクラス初参戦。1R、体格で勝るホシャが圧力をかけてくると、鈴木が左ジャブでダウンを奪うが、ホシャがタックルで防御し、すぐさま上に。バックマウントを奪い、体を伸ばして裸絞めを狙い、パウンドと鉄槌を連打する。鈴木は寝技で防戦一方になってしまう。いったん立ってもすぐにグラウンドに戻され、ホシャはマウント、バックマウント、サイドと動いて、パウンドと肘を当て続けて圧倒する。
2R、鈴木は鼻血を出しながらも、ローとパンチを当てるが、連打で詰めに行ったところでホシャがタックルでテイクダウンを奪う。寝技ができない鈴木に対し、ホシャはハーフ、マウントと移り、パウンドを連打する。鈴木が動けなくなると、レフェリーがストップした。
第11試合 フェザー級 5分3R
○中原由貴(マッハ道場/元2位)
×中村晃司(パンクラス大阪稲垣組)
1R 0’51” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
中原は昨年10月以来のパンクラス登場。1年以上経過したためランキングから外れたが、実力は上位クラスであることに変わりない。
1R、両者サウスポーに構え、中村のテーピングされた右足を狙って、中原が左ローをヒットし先手を取る。中原は圧力を強めて左フックを振るい、組んで左膝もヒットする。離れると、中原が前に出て、右のフェイントも絡めんがら左ストレートをヒットし、中村をダウンさせる。金網際まで吹き飛ばされた中村は、すぐ立ったが、逃げ続ける状況が続く。中原が右ストレートを当てて再び中村をダウンさせると、止まった中村にパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
中原はマイクを受け取ると、中島太一の代役で直前のオファーを受けた中村に感謝の言葉を述べ、「これで7連勝です。ランキングにはいなくて、この階級はチャンピオンが二人いるんですけど(王者・ナザレノ・マレガリエ、暫定王者・ISAO)、この階級のキングは僕だと思っているので、次は誰が戦ってくれるか気になっています。ちょっと生意気言ってすみません」とアピールした。
第10試合 女子フライ級 5分3R
○ライカ(RIGHT THING ACADEMY/ボクシング元OPBF東洋太平洋女子ライト級王者)
×エジナ・トラキナス[Edna Trakinas](ブラジル/ホシャ・トップチーム)
判定2-1 (高本28-29/大藪29-28/荒牧29-28)
1R、ムエタイベースのトラキナスが左ミドル、組んでの膝蹴りを当てるが、ライカは押し込み続ける。いったん離れた後も、再びライカが押し込むが、トラキナスは首を抱えて防御する。最後は離れてライカがパンチを振るが、当たらず終了する。ジャッジ3者とも打撃で優位だったトラキナスを支持する。
2Rは序盤からライカがテイクダウンに成功。トラキナスはギロチンを仕掛けるが極まりは浅い。スタンドに戻っても、再びライカがテイクダウンを奪いトップキープし、時折パウンドを当てる。終盤は立たれるが、ライカが押し込んだ状態で終える。ジャッジ3者ともライカを支持し、ポイントが五分になる。
3R、ライカはパンチを狙って前に出るが、トラキナスはかわし続ける。2分過ぎにトラキナスがパンチとミドルを連打するが、ライカはタックルでテイクダウンを奪う。トラキナスは下から足を登らせ、ライカはボディにパンチを連打し抵抗を続け、最後は抱えて叩きつける動きを繰り返す。ライカの打撃がどこまで有効とするか判断は分かれそうだ。
ジャッジもその評価の難しさを示すように割れたが、ライカがなんとか勝利を手にした。
第9試合 バンタム級 5分3R
○福島秀和(BLOWS/4位)
×林 大陽(CAVE/5位)
3R 0’53” 裸絞め
1R、サウスポーで長身の林が圧力をかけ、右ジャブを振りつつ、伸びのある左ストレートを放つ。中盤、福島の右インローがローブローになり、一時中断する。再開後、福島がタックルを仕掛けて倒そうとするが、林は首を抱えギロチンを狙いつつ防御してスタンドに戻す。林は左ストレートを当て、終盤に右ジャブでひるませ、林のタックルを切ってパンチを連打する。
2Rも林が打撃で優勢をキープするが、福島がコツコツ右のインローを当てていると、時折福島が圧力をかけ返す場面も出て来る。残り30秒、福島がタックルでテイクダウンを奪い、ハーフから鉄槌を連打し、ポイントを取り返す。
3R、福島がじわじわ圧力をかけると、林は左のミドルを放ってくるが、福島は蹴り足をつかんでタックルでテイクダウンを奪う。すぐハーフになると、林はブリッジで脱出しようとするが、福島はその動きに合わせてバックマウントを奪取し、すぐさま裸絞めを極めてタップを奪った。
第8試合 フライ級 5分3R
―中村龍之(ロータス世田谷/8位)
―鈴木千裕(P’s LAB吉祥寺/9位、2018年ネオブラッドトーナメント同級優勝)
中止
※鈴木千裕が59.95kgで計量終了、57.15kg契約に対して2.8kg超過の為、ルール上試合中止
第7試合 ストロー級 5分3R
×高島俊哉(リバーサルジム新宿Me,We/8位、2017年ネオブラッドトーナメント同級優勝)※フリーから所属変更
○野田遼介(ALLIANCE/11位、2018年ネオブラッドトーナメント同級優勝)
2R 0’55” タップアウト (グラウンドパンチ)
1R、サウスポーの高島が回って距離を取りながらタックルで倒すが、野田はまもなく立ち上がる。高島は倒しながらバックを狙うが、野田が脱出してバックマウントを取る。しかし高島は脱出して、上になり鉄槌と肘を連打する。最後は野田が立って殴り返すが、当たりは浅く、ジャッジ3名とも高島にポイントをつける。
2R、開始すぐから野田は圧力をかけるが、高島は片足タックルで倒し、バックを取りに行く。だが野田は体をひねってバックを取り返すと、すぐさま強烈な左右のパウンドを的確に頭に連打。すると高島がタップし、野田の逆転勝利となった。(一般的にはTKOやKOという扱いの終わり方だが、パンクラスの公式記録では「タップアウト」という表記になる)
第6試合 フライ級 3分3R
○井上 学(C.A.C.C.スネークピットジャパン/元バンタム級王者、修斗世界フライ級7位)
×杉山廣平(SPLASH/ネオブラッドトーナメント2018同級準優勝)
判定2-1 (太田28-29/大藪29-28/荒牧29-28)
11月1日に40歳になった井上が、7年ぶりにパンクラスに登場し、健在ぶりを示すファイトを繰り広げる。1R、杉山が右ハイを当てるが、井上が蹴り足をつかんでタックルを仕掛けて押し込み続け、終盤は杉山ががぶって逃げる展開。2Rも同じパターンで井上がタックルを仕掛け、離されてもしつこくタックルを繰り返す。中盤にはバックを奪取し、上になって肩固めを狙う。3Rも井上がタックルでしぶとく食らいつき、杉山も鉄槌で抵抗するが、井上が倒し、終盤はバッグをキープ。打撃の評価でジャッジは割れたが、寝技で攻め込んだ井上を2者が支持した。
第5試合 ストロー級 3分3R
×前山哲兵(フリー/7位)
○宮澤雄大(K-PLACE)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第4試合 フェザー級 3分3R
○川那子祐輔(秋本道場Jungle Junction/元香港LEGEND FCフェザー級王者)
×DARANI DATE(Team DATE)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第3試合 フェザー級 3分3R
○杉山和史(TURNING POINT MMA/HF)
×冨田翔市(パラエストラ東大阪)
1R 2’53、TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第2試合 ストロー級 3分3R
○リトル(GUTSMAN)
×オ・ヒョプチャン[Oh Hyub Chan](韓国/コリアントップチーム)
1R 1’26” TKO (レフェリーストップ:スタンドの蹴り)
第1試合 REBELSルール 60kg契約 3分3R
○鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)
×宇野高弘(パラエストラ栃木)
1R 2’15” KO (飛び膝蹴り)
【プレリミナリーファイト】
第8試合 フライ級 3分3R
○猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)
×渡辺竜也(MAX GYM/RINGS)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第7試合 フライ級 3分3R
○赤池清志朗(香取道場)
×池田一歩(Brave Heart)
判定3-0 (29-28/30-27/30-27)
第6試合 バンタム級 3分3R
×後藤丈治(P’s LAB札幌)
○米山千隼(マルワジム横浜)
1R 1’40” 裸絞め
第5試合 バンタム級 3分3R
×大谷啓元(パンクラスイズム横浜)
○高瀬一平(マーシャルアーツクラブ中津川)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第4試合 バンタム級 3分3R
○工藤修久(禅道会 小金井道場)
×田代悠生(パラエストラ千葉)
2R 1’41” アームロック
第3試合 フェザー級 3分3R
×渡辺謙明(パラエストラ東京)
○鬼山斑猫(KRAZY BEE)
判定1-2 (28-29/28-29/29-28)
第2試合 フェザー級 3分3R
○櫻井裕康(NEVER QUIT)
×上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第1試合 REBELS-MUAYTHAIルール 53kg契約 3分3R
○JIRO(創心會)
×サイモン・シェ(Team KROSS×OVER/アカデミア・アーザ)
判定3-0 (29-28/30-28/30-28)