パンクラス 4.15 新木場スタジオコースト:砂辺光久、室伏シンヤとのシーソーゲーム制しストロー級王座防衛。松嶋こよみ、ISAOに反則負け。北岡悟「夏にフジテレビで会いましょう」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
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skyticket presents PANCRASE 295
2018年4月15日(日) 新木場スタジオコースト
レポート&写真:井原芳徳
本戦
第7試合 メインイベント パンクラス・ストロー級タイトルマッチ 5分5R
○砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE/王者)
×室伏シンヤ(SUBMIT MMA/1位、元修斗世界王者)
2R 4’11” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※砂辺が2度目の防衛
砂辺は16年12月に北方大地に2Rチョークで一本勝ちし初防衛して以来のパンクラス登場。昨年はRIZIN参戦を志願し、大晦日の大会に出場できたものの、1階級上のキックルールという不利な戦いとなり、藤田大和にトーナメント初戦でKOされた。
対する室伏は14年に修斗で世界フライ級(現在のストロー級)王者となり、内藤のび太との初防衛戦で敗れた後、15年11月からパンクラスに参戦。2戦目に北方大地に敗れた以外は3勝し、昨年8月の王座挑戦者決定戦で小塚誠司に判定勝ちし、8か月を経て、ようやく王座挑戦の機会が訪れた。砂辺は室伏のことを修斗王者時代から意識し、調印式でも「過去最高の相手」と評し気合十分。砂辺39歳、室伏35歳の両者の熟練の技と、年齢を感じさせないシャープな動きのぶつかり合いが見ものだ。
1R、両者右ロー主体で、砂辺は中央から圧力をかけ、左ジャブも駆使して少し優位だったが、中盤、室伏がスイッチしながら詰めて右の三日月を当てると、パンチも当たるように。室伏は右ロー、ミドルのヒットを増やし、終盤にも詰めてパンチを連打する。その後、砂辺がタックルでテイクダウンに成功しトップキープし終了するが、スタンドでの悪印象をぬぐえず、ジャッジ3者とも室伏を支持する。記者採点も9-10で室伏。
2R、室伏が右ロー、右フック、右ハイを当て続けると、少し砂辺はローをもらった左足を引きずるように。室伏がコーナーに詰める場面も目立つようになり、逆に砂辺が前に出て詰めようとすれば室伏はケージを大きく使って回ってかわし、自在に戦うようになってきた。
だが室伏はノーモーション気味で左フックを当てると流れを変え、室伏の苦し紛れのタックルを潰して押し込む。回復した室伏が押し返し、腰投げを放つと、砂辺が立ち上がろうとしたところで室伏がギロチンチョークを仕掛ける。再び流れが変わったが、砂辺はそのまま抱え上げつつ、室伏の顔を左手で押し付けるようにして、背中からマットに叩きつける。室伏は意識が飛んだか?寝ころんで無防備の状態で砂辺の鉄槌の連打を浴びたところで福田レフェリーがストップした。
見事な再逆転勝ちで王座防衛に成功した砂辺は「1R見てもらった通り、ストロー級の最強の挑戦者でした。静岡から室伏選手の応援で140人が来たそうで、ずっと声出されて凄く嫌でした」と、室伏に愛憎半々で敬意を示し、「なんとかパンクラスに対する愛情で跳ね除けられました」「格闘技は儚くて、生きたくても生きられない人がいます。(練習仲間だった故人の)宮下トモヤと大晦日に(勝つと)約束したんですけど、できなくて、今回は一緒にベルトを勝ち取れて、報告できました」「格闘技もチームスポーツなんですよ。今日も沖縄からも応援に来てくれましたし、曹竜也選手も同じ沖縄ですし、北海道から(早坂優瑠の応援で)来ている人もいます。格闘技を熱くして、パンクラスを熱くして、全国を熱くしたいです。そのためにはスポンサー、応援してくれる人が大事です。格闘技、パンクラスをこれからもよろしくお願いします。パンクラス王に俺はなる!」と熱くアピールした。
第6試合 セミファイナル パンクラス・フェザー級暫定王座決定戦 5分5R
×松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜/1位)
○ISAO(NEVER QUIT/3位、元ライト級王者)
1R 4’34” 反則
※ISAOが暫定王者に
フェザー級では昨年3月12日に田村一聖を下したナザレノ・マレガリエが王者となったが、防衛期限の1年を超える。パンクラスによるとマレガリエは夏には試合ができるというが、層の厚いフェザー級ランキングを考慮し、暫定王座戦を組んだ。2位の中原由貴は練習への専念を理由に暫定王座戦を辞退したという。
松嶋は25歳。昨年パンクラスで内村洋次郎、粕谷優介、カイル・アグオン相手に3戦とも判定勝ち。16年12月のマルロン・サンドロ戦で1R TKO負けしたが、ISAOはサンドロに勝ったことがある。29歳のISAOは昨年、マルコ・ブルシッチと粕谷に勝利し、アグオンには敗れている。
松嶋は昨年、AACCから北岡悟代表のパンクラスイズム横浜に移籍し、前フライ級王者のマモルにも打撃を習うようになった。ISAOも昨年、坂口道場から安藤晃司代表のNEVER QUITに移籍。練習環境を変えてグレードアップした点で共通し、好ファイトを展開したが、両者とも無念の結末に。
松嶋のセコンドには試合を終えたばかりの北岡もつく。1R、サウスポーのISAOに、松嶋が右のインローを当ててから、タックルを仕掛けて倒すが、ISAOは下から腕十字を狙い、松嶋は防御してスタンドに戻す。松嶋は立ち上がり際に左膝蹴りをISAOの顔面に当て、離れても右のロー、ミドルを当て、若干優勢だが、ISAOも左ボディ、組んでの左膝を返して渡り合う。ISAOはテイクダウンを奪うとすぐマウントを奪い、パウンドラッシュするが、バックマウントになったところで松嶋は振り落とし、スタンドに戻す。
緊張感あふれるテクニカルな好勝負となるが、ここから波乱の展開に。接近戦で松嶋の頭がISAOに当たり、しばらくインターバル。再開後、松嶋が構えをスイッチしながらタックルを仕掛けてテイクダウンを奪うが、ISAOが金網を背にして片膝立ちの、まだグラウンド状態の時に、松嶋が膝蹴りをISAOの顔面に当てる反則を犯し、再び試合が中断する。ISAOは左まぶたを腫らし、骨折の疑いがあるためドクターストップ。ISAOは反則勝ちという形になり、涙を浮かべながら退場した。
第5試合 ライト級 5分3R
○北岡 悟(ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜/DEEPライト級王者)
×タラス・サパ [Taras Sapa](ウクライナ/スウォーム・ストリート・ファイターズ)
1R 4’44” ヒールホールド
北岡は16年10月のパンクラスでレオナルド・マフラをクロスヒールホールドで65秒で仕留めると、RIZIN参戦を熱望。同年12月29日のRIZINに上がり、ダロン・クルックシャンクとの打撃戦の末に得意のギロチンチョークで仕留めた。だが去年は7月の矢地祐介戦、12月の75kg契約でのストラッサー起一戦と連敗を喫している。
対するサパは1992年4月2日生まれの26歳。MMA 13勝(3KO/7一本)3敗。地元ウクライナの大会で活躍後、15年1月にロシアの大手プロモーターACBのポーランド大会に出場し、ロシアの選手に敗れる。以降は中国の武林風で中国の選手に2試合とも1R一本勝ちしたほか、ポーランドのローカル大会で1勝している。シャードッグのデータを見ると、腕十字、ギロチン、肩固め、バックチョークで一本を取っているが、グラウンドテクニックで北岡が格の違いを示す。
1R、北岡がじわじわと詰め、サパが右フックを放ったタイミングでタックルを仕掛けて、金網際で上に。ハーフで固め、セコンドの八隅孝平と会話しながら攻め所を探る。そして1分を切り、上体を反らしてパウンドを当てた後、残り30秒に足関へ。最初はサパも反応して対処しかけたが、北岡が仕切り直してヒールを極めると、サパはタップした。
北岡はマイクを持つと「RIZINで2連敗して帰って来て、悔しいです。でも僕はまだ何もあきらめていません。パンクラスでも一番になるし、RIZINでもトップ取ります。1年半前のパンクラスの試合では(フジテレビのRIZIN出場を希望するマイクアピールで)TOKYO MXさんにはご迷惑をかけました。その説は失礼しました。大好きなパンクラスを何回も生中継していただき感謝しています」と話したが、最後は「夏にフジテレビで会いましょう」と締めくくって、またもRIZIN参戦を希望し、観客を笑わせた。
第4試合 フェザー級 5分3R
×内村洋次郎(イングラム)
○牛久絢太郎(K-Clann)
判定1-2 (荒牧27-30/大藪29-28/松宮28-29)
1R、内村のスーパーマンパンチのタイミングで牛久が胴タックルを仕掛けて、あっさりと上に。トップからパウンドを時折当て、足関を仕掛けると失敗してスタンドに戻る。内村が左のミドル、ローを当てるが、ジャッジ3者は牛久を支持する。
2R、スタンドの蹴りの応酬の後、またも牛久がタックルでテイクダウン。だが内村がスタンドに戻すと、左ミドル、左ストレート等を当て続け、牛久は苦しい状況に。ジャッジは割れ、2者が内村、1者が牛久を支持する。
3R、牛久がまたもタックルを仕掛け、押し込んで足を掛けて上に。金網に押し込みながらトップキープし、内村が逃げようとするとオンブに。内村は振りほどいて最後は上になるが、反撃に持ち込めず終了する。判定は割れたが、順当に牛久が過半数の票を獲得し勝利した。
第3試合 ストロー級 5分3R
×早坂優瑠(CORE QUEST KUSHIRO/6位)
○曹 竜也(闘心)※FIGHT STYLEから所属変更
1R 2’07” ネックロック
早坂の片足タックルで倒れた曹だが、あまり抵抗せず倒れた印象で、リバーサルに成功してマウントポジションを華麗に奪うと、ネルソンの形のままネックロックを極めタップアウト。マイクを持つと「フライ級から階級を下げましたが、ベルト以上にやりたい相手がいるんで、最短で近づきます」と、同じ沖縄出身で元同門の先輩・砂辺光久との対戦を希望した。
第2試合 ライト級 3分3R
×草MAX(TEAM CLIMB)
○菊入正行(NEVER QUIT/10位)
3R 2’34” KO (右フック)
第1試合 ライト級 3分3R
○松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)
×深谷 誠(和術慧舟會HEARTS)
2R 1’10” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
プレリミナリーファイト
第7試合 フライ級 3分3R
×渡辺竜也(MAX GYM/RINGS)
○アンドレ・モレラ [Andre Morera](コスタリカ/アスレティック・アドバンス)
1R 2’04” TKO (レフェリーストップ:三角絞め)
第6試合 フェザー級 3分3R
○TAG(ERUPT)
×加藤泰貴(RODEO STYLE)
1R 2’47” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第5試合 2018年 第24回ネオブラッドトーナメント フェザー級 一回戦 3分3R
○齋籐拓矢(ALLIANCE)
×寿 太郎(力ジム)
1R 1’39” チョークスリーパー
第4試合 2018年 第24回ネオブラッドトーナメント フェザー級 一回戦 3分3R
×鬼山斑猫(KRAZY BEE)※PUREBREDから所属変更
○DARANI DATE(Team DATE)
2R 0’13” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第3試合 2018年 第24回ネオブラッドトーナメント バンタム級 一回戦 3分3R
○野村優眞(NEVER QUIT)
×北村侑麿(フリー)
判定2-1 (29-28/28-29/29-28)
第2試合 2018年 第24回ネオブラッドトーナメント バンタム級 一回戦 3分3R
○大橋悠一(P’s LAB大泉)
×田代悠生(パラエストラ千葉)※廣川懸三(ドラゴンテイルジム)から変更
1R 1’57” 腕ひしぎ十字固め
第1試合 2018年 第24回ネオブラッドトーナメント フライ級 一回戦 3分3R
○赤崎清志朗(香取道場)
×岡野竜己(KRAZY BEE)
3R 2’21” チョークスリーパー