ベラトール 12.29 さいたまスーパーアリーナ(第2部):矢地祐介、上迫博仁に逆転TKO勝ちし連敗3でストップ。浅倉カンナ快勝。平本蓮、復帰戦は1R KO勝ち
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BELLATOR JAPAN(第2部)
2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
第14試合 RIZIN MMAルール(肘有り) 71kg契約(ライト級相当) 5分3R
○矢地祐介(KRAZY BEE/元修斗環太平洋フェザー級(65kg)王者、PXCフェザー級(65.8kg)王者)
×上迫博仁(和術慧舟會HEARTS/元DEEPフェザー級(65.8kg)王者)
3R 4’33” TKO (レフェリーストップ:左サッカーボールキック)
ベラトール初の日本大会は2部構成で、第1部(別記事参照)はヒョードル対ランペイジ・ジャクソンをメインイベントとした、米国での生中継を意識したラインナップだった。一方、その後にスタートした第2部は全てRIZINルールの試合で、日本の選手の試合が主体となり、試合紹介VTRもRIZIN制作のもので、試合場が金網という意外は実質RIZINと言っていい大会となった。
第2部を締めくくったメインイベント相当の試合は、ライト級日本人対決。矢地は昨年8月のルイス・グスタボ戦以降、ジョニー・ケース戦、7月の朝倉未来戦まで3連敗中。上迫は10月の大阪大会のRIZINライト級GP一回戦でグスタボに1R TKO負けしている。
1Rは終始スタンド。サウスポーの矢地が序盤は左ハイを当てるが、次第に上迫がプレッシャーをかけるようになる。だがなかなか矢地を捕まえきれず、終盤、矢地のパンチで上迫が右まぶたを切り出血する。
2R開始前に上迫にドクターチェックが入る。開始後もスタンドが続き、矢地が左ストレート、ハイを的確に当て、やや優位に進める。だが中盤過ぎ、上迫の右ストレートが当たると、一瞬矢地の動きが止まり、さらに右ストレートを連続で当てると、矢地はダウンする。上迫はサッカーボールキックを当ててから上になり、パウンドを落とす。矢地はしがみついてピンチをしのぐ。
3Rもスタンド勝負が続き、両者とも一歩も譲らぬ消耗戦に。お互い当てるもものなかなか均衡は崩れなかったが、中盤過ぎ、矢地のパンチで上迫の右まぶたから再び出血が見え始める。すると終盤、矢地が左フックを当ててからの右フックで上迫をダウンさせると、すぐさま上迫のお株を奪うような左のサッカーボールをクリーンヒットすると、レフェリーがストップした。
大喜びの矢地はマイクを持つと「どうも、ヤッチ君です」と、久々に決めフレーズを叫び「負け続きましたけど、チームメイト、ファン、スポンサーの皆さんが懲りずに応援してくれて、やっと勝ててうれしいです」と喜びを語った。なお、リングサイド席で観戦していた矢地の恋人で女優の川口春奈さんも再三中継と場内ビジョンに映され、試合後には涙を流して喜んでいた。
第13試合 RIZIN MMAルール(肘有り) 女子スーパーアトム級(49kg契約) 5分3R
○浅倉カンナ(パラエストラ松戸/元RIZIN王者)
×ジェイミー・ヒンショー[Jayme Hinshaw](米国/フィットNHB/KOTCアトム級王者)
3R 3’33” アームロック
浅倉は8月の名古屋大会でアリーシャ・ザペテラに判定勝ちして以来の試合。対するヒンショーは89年10月16日生まれの30歳。15年にMMAデビュー。浅倉に判定負けしているメリッサ・カラジャニスと2度対戦し、いずれも裸絞めで一本勝ちしている。TapologyのデータによるとMMA 4勝3敗で現在3連勝中だ。
1R、浅倉はサウスポー、ヒンショーはオーソドックスに構え、蹴りの攻防の後、浅倉が低空タックルで倒して、金網際で上になる。ヒンショーは下から腕十字を狙い、蹴り上げも仕掛けてくるが、浅倉は対処すると、パウンドを落とし、サイドポジションを取る。終盤はマウント、バックマウントと移り、裸絞めを狙い続ける。
2R、スタンドの展開が続き、浅倉は中盤過ぎの3度目のタックルで倒して上になる。浅倉はハーフで押さえ、終盤にアームロックを仕掛けてから、腕十字に移行する。ヒンショーの腕を伸ばすものの、ポイントがズレてしまい極めきれない。
3R、浅倉は開始すぐのタックルでテイクダウンに成功する。サイド、マウントと動き、ヒンショーの顔に座る形で馬乗りになり、アームロックを仕掛ける。ヒンショーもしぶとく防御を続けたが、最後は浅倉が極め上げてタップを奪った。
浅倉は「煽りVは(那須川天心との破局をほのめかす内容で)1人の感じが出ていましたけど 会場でみんなが応援してくれて、一緒に最後喜ぶことができて、本当に幸せものだと思います」と話しながら涙を浮かべ、「来年も頑張るので応援お願いします」とアピールした。
第12試合 RIZIN MMAルール(肘有り) 53kg契約(ストロー級相当) 5分3R
×越智晴雄(パラエストラ愛媛/DEEPストロー級(52.2kg)王者)
○ジャレッド・ブルックス(米国/MASHファイト・チーム)
判定0-3 (高本=ブルックス/松宮=ブルックス/新美=ブルックス)
両者は8月の名古屋大会で対戦し、開始すぐのバッティングでノーコンテストとなっていた。1R、ブルックスが越智を肩から抱えて倒して上になり、越智の立ち際にオンブになり、裸絞めを狙い続ける。
2Rもブルックスが飛び膝からタックルに切り替えて倒すと、越智の立ち際に背後からしがみつき、裸絞めを狙い続ける。
3R、しばらくスタンドの展開が続き、中盤、ブルックスがタックルで倒す。またも立ち際にオンブを狙い、立ったまま背後から抱え、ジャーマンスープレックスで叩きつけ、金網に押し込む。すると越智はギロチンを仕掛け、やっとチャンスをつかむが、すぐ外されてしまう。その後もブルックスに組みで主導権を握られたまま終了。決着戦はブルックスの完勝に終わった。
第11試合 RIZIN キックルール 68kg契約 3分3R
○平本 蓮(K-RIVER・AXジム/K-1甲子園2014 -65kg優勝)※K-1ジム総本部チームペガサスから所属変更
×芦田崇宏(BRAVE/元DEEPフェザー級(65.7kg)王者)
1R 2’45” TKO (3ダウン:右ストレート)
平本は1998年6月27日生まれの21歳。K-1甲子園2014優勝、K-1ライト級王座決定トーナメント2017準優勝などの実績があり、K-1からは「新生K-1の申し子」とのキャッチコピーもつけられていた。18年3月のゲーオ戦でKO勝ち後、試合に出場せず、今年10月いっぱいでK-1との契約が終了し、新たな戦いの場を求めていた。
芦田はMMAの選手で、17年12月に上迫博仁を破りDEEPフェザー級王座を獲得。昨年10月に王座陥落したが、その後は2連勝で、10月の長倉立尚とのストライカー対決で勝利すると、RIZIN参戦を熱望していた。師匠の宮田和幸もRIZIN旗揚げ大会でキックボクサーの日菜太と対戦した過去がある。
1R、サウスポーの芦田に対し、平本が開始すぐから右のミドル、テンカオを当て続けて早くも主導権を握る。そして右ミドルの膝が芦田の左まぶたのあたりにクリーンヒットすると、芦田はひるみ、平本がパンチラッシュで追い詰め、左ストレートでダウンを奪う。芦田の右まぶたのドクターチェックが入り、再開後も流れは変わらず、平本が右ストレートで2ダウンを重ねてTKO勝ちした。
マイクを持った平本は「K-1から来ました平本蓮です」と第一声。続けて「僕の土俵にも関わらず勇気を持って戦ってくれた芦田選手い拍手をお願いします。お父さん、お母さん、本当にありがとう。試合できない期間があって、一生試合できないんじゃないかと思ったこともあって、そんな時に支えてくれたスポンサー、友達、家族に感謝したいです」と涙を見せながら述べ、最後は「これからRIZINの看板選手になるんで、応援してください」とアピールした。
第10試合 RIZIN MMAルール 58kg契約 5分3R
×中村優作(チーム・アルファメール・ジャパン/WSOF-GCフライ級(56.7kg)王者)
○神龍 誠(フリー/DEEPフライ級暫定王者)
判定0-3 (高本=神龍/松宮=神龍/新美=神龍)
中村は6月のRIZIN神戸大会でトップノイ・タイガームエタイに判定勝ちして以来の試合。神龍は6月のDEEPでの柴田“MONKEY”有哉とのフライ級暫定王者決定戦で勝利し、DEEP史上最年少となる18歳で王者となった。現在19歳。
神龍は中村に足関が無いと判断してか、レスリングを活かすためにシューズを履いている。1R、中村が飛び膝の奇襲を仕掛けるが、神龍はそこから組み付いて押し込み、しばらくして倒す。スタンドに戻るが、神龍が飛びついてギロチンを極めながら、グラウンドに引き込み極め続けチャンスを作る。
2R、神龍がパンチを振りながら頭から突っ込み、バッティングとなり一時中断。再開後、今度は神龍がローを蹴った後、かわした中村の右拳が神龍の股間に当たり一時中断する。再開後、打撃戦が続き、終盤に神龍が押し込んで倒し、上をキープする。
3R、神龍は再び飛びつきのギロチンを仕掛け、グラウンドに引き込んで絞め上げた後、リバースしてトップになる。結局最後までトップキープして終了する。記者採点は神龍。ギロチンでチャンスを作り続けた神龍が判定勝ちした。
第9試合 RIZIN MMAルール 女子49kg契約(スーパーアトム級相当) 5分3R
×アンディ・ウィン(米国/カラテ・マフィア)
○あい(KRAZY BEE)
判定1-2 (新美=あい/高本=ウィン/松宮=あい)
1R、あいが序盤からタックルで押し込み、テイクダウンを狙い続ける。いったん離れ右フックを当ててから押し込み、終盤には倒してトップキープする。
2R、あいはサウスポーに構え、スタンドでお見合いを続けるが、中盤から右ストレートを連続で当て、タックルから倒して上になる。ウィンが下から足を登らせるが、あいは防御し、パウンドを的確に当て、終了間際にはサイドを取る。
3R、スタンドでのお見合いが続くが、中盤にあいがタックルから押し込んで倒し、トップをキープする。最後はスタンドに戻り、互い攻撃は乏しく終了。記者採点はあい。あいが全局面で優位を維持し判定勝ちした。
第8試合 RIZIN MMAルール(肘有り) 77kg契約(ウェルター級相当) 5分3R
×住村竜市朗(TEAM ONE/DEEPウェルター級(77.1kg)王者)
○ジョン・タック[Jon Tuck](グアム/KRAZY BEE/SPIKE 22)
1R 3’46” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
1R、スタンドの攻防が続き、お互いなかなかヒットが出なかったが、中盤過ぎ、タックの右ストレートが炸裂すると、住村の腰が落ちる。タックが再び右ストレートを当てて、住村がダウンすると、すぐさま豊永レフェリーがストップした。
第7試合 RIZIN MMAルール(肘有り) 120kg契約(ヘビー級相当) 5分3R
○シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島/108.90kg)
×セルゲイ・シュメトフ[Sergey Shemetov](ロシア/USSRファイターズ/102.85kg)
1R 0’49” アキレス腱固め
シュメトフ兄弟の兄・セルゲイは4年ぶりの試合。1R、開始すぐからパンチを振るって詰めて来るが、シビサイはタックルで倒して上になり、パウンドを連打してから、アキレス腱固めを極めてタップを奪い完勝した。
ベラトール 12.29 さいたまスーパーアリーナ(第1部):ヒョードル、日本ラストファイトでランペイジを1R KO。RIZIN代表の渡辺華奈、対抗戦で勝利