ベラトール 12.29 さいたまスーパーアリーナ(第1部):ヒョードル、日本ラストファイトでランペイジを1R KO。RIZIN代表の渡辺華奈、対抗戦で勝利
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BELLATOR JAPAN(第1部)
2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
第6試合 メインイベント ユニファイドルール ヘビー級 5分3R
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/チーム・ヒョードル/元WAMMA・PRIDE・リングス・ヘビー級王者/109.08kg)
×クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国/ハンチントンビーチ・アルティメット・トレーニングセンター/元UFCライトヘビー級王者/120.20kg)
1R 2’44” KO (右ストレート)
米国のUFCに続く2番手のMMA大会、ベラトールがRIZINの協力を得て、日本で初の大会を行った。メインイベントはかつてのPRIDEで活躍したヒョードルとジャクソンの一戦が組まれた。大会は2部構成で、第1部は米国時間の28日土曜夜に生中継された。第1部のルールはユニファイドルール(UFC等同様の一般的なMMAルール)、試合場はケージを採用する。主催者発表で15,160人の観衆を集めた。(第2部の記事はこちら)
ヒョードルは1976年9月28日生まれの43歳。リングス、PRIDEで頂点に立ち、アフリクション、ストライクフォース、ベラトールといった米国の大会で活躍した。日本での試合は15年大晦日のRIZINのシング・心・ジャディブ戦以来4年ぶりで、試合は今年1月のベラトールのヘビー級トーナメント決勝でライアン・ベイダーに35秒KO負けして以来となる。ヒョードルはベラトールと新たに3試合の契約を結び、日本、ヨーロッパ、母国ロシアのモスクワで引退に向けてのツアーを行う。
ジャクソンは1978年6月20生まれの41歳。01年のPRIDEの桜庭和志戦で一気に知名度を上げ、ミドル級(93kg)でヴァンダレイ・シウバらとしのぎを削った。07年からUFCに参戦しチャック・リデルを破りライトヘビー級王座を獲得し1度防衛。13年からベラトールに参戦し、14年のライトヘビー級トーナメントでは決勝でキング・モーを破り優勝。試合は昨年9月、ヴァンダレイとの4度目の対決で2R TKO勝ちして以来となる。
試合はヒョードルの一方的な内容に。1R、ヒョードルはガードを下げ、フェイントを織り交ぜながら右ストレートを当てると、ブロックするジャクソンに連打をまとめる展開を繰り返す。ジャクソンはクリーンヒットこそ免れているものの、少しずつダメージが溜まっている様子。すると中盤、ヒョードルがノーモーションで右ストレートをクリーンヒットすると、ジャクソンがうつぶせでダウンして動けなくなり、すぐさまレフェリーがストップした。
ヒョードルは「私のキャリアは日本で始まり、これが日本では最後の試合です。日本でまた皆さんと勝利の喜びを分かち合えたことをうれしく思います。ありがとうございました」と話した。
第5試合 コー・メインイベント ユニファイドルール 160ポンド(72.5kg)契約 5分3R
○マイケル・チャンドラー(米国/ハードノックス365/元Bellatorライト級王者)
×シドニー・アウトロー[Sidney Outlaw](米国/アメリカン・トップチーム)
1R 2’59” KO (右ストレート)
チャンドラーはベラトールの主力選手の一人。元UFC王者のベンソン・ヘンダーソンの欠場により、戦績14勝3敗で9連勝中のアウトローに相手が変わった。1R、チャンドラーの方が小柄だが、アウトローから距離を取ってチャンスをうかがい、右ストレート一発でマットに沈めた
第4試合 ユニファイドルール 173ポンド(78.47kg)契約 5分3R
○マイケル・“ヴェノム”・ペイジ[Michael “Venom” Page](英国/ロンドン・シュートファイターズ)
×安西信昌(TEAM CLIMB/元パンクラス・ミドル級王者)
2R 0’23” KO (右ストレート)
ベラトールの人気選手で「MVP」の愛称で知られるペイジは初来日。MMA 16戦15勝(9KO)1敗。1R、長身のペイジがガードを下げて、飛び膝を放つと、安西はタックルで組み付くが、倒せず離れる。この展開が2度あり、終盤になると、ペイジのパンチが当たり出し、安西がひるむと、ペイジは下がりながらの飛び膝、回転系の蹴り技などで安西を翻弄し、変則のステップでも場内を沸かせる。2R、安西はダメージが大きく、それでも前に出てくるが、ペイジは右ストレートを合わせると、安西はダウンし、すぐさまレフェリーがストップした。
第3試合 ユニファイドルール RIZIN×ベラトール対抗戦 173.5ポンド(78.7kg)契約 5分3R
○ロレンズ・ラーキン[Lorenz Larkin](米国/ミレニアMMA/ベラトール代表)
×中村K太郎(K太郎道場/元DEEPウェルター級王者、SRCウェルター級GP 2010優勝/RIZIN代表)
判定3-0 (30-27/30-26/30-26)
ラーキンは前日公式計量で173.5ポンド(78.7kg)を記録し、ウェルター級(77.1kg)+1ポンド(450g)の規定体重を1.15kgオーバーしている。
1R、スタンドの打撃戦で、サウスポーの中村が左ミドルを当てるが、ラーキンが右ミドル、ハイ、ストレート、左ジャブを多く当て続け、主導権を握っている。
2R、序盤こそ中村がパンチをまとめる場面もあったが、以降は攻めきれず。神経戦となり、終盤にラーキンが左肘を当て、パンチをまとめ好印象を残す。
3R、ラーキンの右ストレートのヒットが増えると、中村は左まぶたから出血する。ラーキンは右ミドル、左膝蹴りも効かせ追い詰める。中村はタックルで打開を図るが、ラーキンは簡単に切る。最後は血だるまの中村に、ラーキンがパンチをコツコツ当て続けて終える。ラーキンは計量オーバーしたものの、3Rとも取り完勝した。
第2試合 ユニファイドルール RIZIN×ベラトール対抗戦 女子フライ級(56.7kg) 5分3R
×イララ・ジョアニ[Ilara Joanne](ブラジル/ピットブル・ブラザーズ/ベラトール代表)
○渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW/RIZIN代表)
3R 4’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、ジョアニが右ハイ、右ストレートを当て主導権を握る。渡辺は組み付いて投げ倒すが、ジョアニは下から三角絞めを仕掛ける。渡辺は脱出すると、サイドで押さえ、鉄槌を連打し、最後はバックを取って終えて、好印象を残す。記者採点は渡辺としたが、ジョアニについても不思議ではない。
2Rも渡辺がテイクダウンに成功するが、反転してしまい、ジョアニが金網際でトップをキープする。渡辺は金網に背中を長時間付け続けていたが、残り30秒にひっくり返すと、押さえつけてパウンドを連打し好印象を残す。記者採点は渡辺。
3Rも渡辺が序盤から投げ倒し、今度は上になる。ジョアニは腕十字を狙うが、渡辺は防御しながら時折パウンドを落とす。じっくりと動いてハーフ、マウントと移行すると、最後はパウンドを当て続けてフィニッシュした。
渡辺は「イララ選手、強かったので、勝ててほっとしています。RIZIN代表として、ファンのみなさんや他の選手の思いも背負っていたので、勝てて良かったです」と話した。
第1試合 ユニファイドルール RIZIN×ベラトール対抗戦 157.8ポンド(71.6kg)契約 5分3R
○ゴイチ・ヤマウチ[Goiti Yamauchi](ブラジル/ヤマウチ・チーム/ベラトール代表)
×ダロン・クルックシャンク(米国/ミシガン・トップ・チーム/RIZIN代表)
1R 3’11” 裸絞め
ヤマウチは前日公式計量で157.8ポンド(71.6kg)を記録し、ライト級(70.3kg)+1ポンド(450g)の規定体重をを0.85kgオーバーしている。試合は1R、蹴りの応酬の中で、ヤマウチが素早い右ミドルを当てた後、背後に回ってオンブになり、そのままグラウンドでバックマウントをキープする。クルックシャンクは対応できず、ヤマウチが得意とする裸絞めを極めてタップを奪い快勝した。
ベラトール 12.29 さいたまスーパーアリーナ(第2部):矢地祐介、上迫博仁に逆転TKO勝ちし連敗3でストップ。浅倉カンナ快勝。平本蓮、復帰戦は1R KO勝ち