K-1 WORLD GP 12.28 名古屋ドルフィンズアリーナ：安保瑠輝也、ゲーオとの再戦も辛勝。武居由樹、ラジャのランカーに勝利も苦戦。KANAが初代女子フライ級王者に

“K-1冬のビッグマッチ 第2弾 名古屋”「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ～初代女子フライ級王座決定トーナメント＆スーパー・ライト級タイトルマッチ～」
2019年12月28日(土) ドルフィンズアリーナ（愛知県体育館）

レポート：井原芳徳
　　
　　
第15試合　K-1 WORLD GPスーパー・ライト級（65kg）タイトルマッチ　3分3R（延長1R）
○安保瑠輝也（team ALL-WIN／王者）
×ゲーオ・ウィラサクレック（タイ／ウィラサクレック・フェアテックスジム／挑戦者）
4R 判定3-0 (西村10-9/豊永10-9/梅木10-9)
3R 判定0-1 (西村29-29/豊永28-29/梅木29-29)
※安保が初防衛

　これまでKrushが毎年夏に開催されてきた名古屋で、K-1 JAPAN GROUP体制下のK-1が初開催された。メインイベントで激突する安保兄弟の兄・瑠輝也と、タイの強豪・ゲーオは、6月の両国大会の王座戦で対戦し、王者ゲーオに挑戦者の瑠輝也が延長判定勝ちしている。だがゲーオと陣営が裁定に不満を示し、瑠輝也もその場で再戦を承諾。年が明ける前にリターンマッチが用意された。

6月の両国での試合直後の安保瑠輝也（右）とゲーオ・ウィラサクレック（中央）

　1R、瑠輝也はサウスポーのゲーオに、序盤から積極的に右ミドルを当てる。ゲーオが次第に距離とタイミングをつかみ、左ロー、左ミドルを返すようになると、瑠輝也はサウスポーにスイッチする。ゲーオは動じる様子を見せず、瑠輝也をロープに詰め、左ミドル、左ストレートを当てると、瑠輝也はオーソドックスに戻す。終盤もゲーオが左膝、左ローをヒット。瑠輝也は随所で回転系の蹴り技を放つが、ゲーオはかわし続ける。記者採点はイーブンとしたが、ゲーオは早くもペースを握っている感がある。
　2R、ゲーオが瑠輝也を押して下がらせてから、左のテンカオを当てると、少し瑠輝也は苦しそうな表情を見せる。瑠輝也はまたもスイッチしてサウスポーになるが、ゲーオはパンチの連打から左膝につなげ、左の飛び膝も絡める。瑠輝也はオーソドックスに戻すが、流れは変わらず、ゲーオが左膝、ミドルを随所で当てて好印象を残す。記者採点はゲーオ。
　3Rもゲーオが左テンカオ、左ストレート、左ミドルを序盤から当て続けて攻勢を維持する。攻撃を返せない瑠輝也は焦りと疲れの入り混じった表情を浮かべるように。ゲーオは攻勢だが、終盤、クリンチが増え、芹沢レフェリーから注意される。瑠輝也は終盤、パンチを必死に振るい、少し当てるが、ゲーオは耐えきり終える。記者採点はゲーオ。合計28-30でゲーオ。ジャッジは1者のみゲーオを支持し、今回も延長に突入する。

　延長R、ゲーオは瑠輝也をロープに詰め、左ミドル、左テンカオを当ててから組み付く動きを繰り返す。序盤と中盤にレフェリーがゲーオに注意する。終盤、瑠輝也はスイッチし、パンチを放つが、うまく当てられない。最後、ゲーオは左ロー、ミドルを随所で当て続け、瑠輝也の反撃を封じて終了する。記者採点は攻撃数で差をつけたゲーオ。ジャッジ3者とも時間稼ぎと体力維持のためにクリンチを繰り返すゲーオを、減点1相当の評価にした模様で、瑠輝也を支持し、瑠輝也の勝利となった。
　だが前回と同じような試合展開にしてしまった瑠輝也の表情は晴れず。ベルトを巻いてマイクを持つと「すいません。自分も周りも望んでいた結果ではないです。まだまだ弱いんで。K-1の顔になると言ったんですけど、まだできないんで、自分を鍛えなおし、最高の状態に持って行けるようにします。すいません」と観客に謝り続けた。
　　
　　
第14試合　K-1 WORLD GP初代女子フライ級（52kg）王座決定トーナメント決勝　3分3R（延長1R）
○KANA（K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ／K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者）
×ヨセフィン・ノットソン（スウェーデン／アライアンス・トレーニング・センター／IFMA世界女子フライ級王者）
4R 判定2-1 (西村10-9/梅木9-10/山崎10-9)
3R 判定1-0 (西村29-28/山崎29-29/梅木29-29)
※KANAが王者に

　両者とも一回戦は3Rまで戦っての決勝戦。両者は過去2度戦い、3月のさいたまでの再戦ではノットソンが判定勝ちしている。3度目の対決は接戦となり、KANAが最後の粘りでベルトを引き寄せることに。

　1R、KANAが開始すぐから右ストレートを当て、少しノットソンの動きが止まるが、すぐ持ち直し、圧力をかけ続ける。ノットソンが前蹴り、膝を随所で当てるが、KANAはひるまず、終盤には右フックを連続で当てる。
　2R、ノットソンは圧力を強め、蹴りを積極的に放ち、途中からパンチをまとめる。KANAはクリーンヒットをもらわないが、守勢に回り、攻撃を返せなくなってしまう。終盤、ノットソンが右テンカオ、右前蹴りを当て、差をつけようとするが、終了間際にKANAが右フックでノットソンをのけぞらせて好印象を残す。
　3R、KANAは開始すぐに右の胴廻し回転蹴りの奇襲を仕掛ける。ノットソンがやや積極的だが、はっきり差がつかない状態が続く。終盤、頭を近づけてお互いパンチを振るうが、クリーンヒットに乏しいまま終わる。

　記者採点は3Rともイーブンで30-30。ジャッジ2者は29-29で延長に突入する。KANAは序盤、左右のローを連打。ノットソンは時折スイッチし、ローを嫌がっているようにも見える。KANAは右の顔面狙いの前蹴りもヒットする。とはいえ中盤はノットソンが前蹴り、膝を随所で返し、はっきりした差をつけさせない。だが終了間際、KANAは残りの体力を全て使うかのように、左右のパンチを振るい続ける。ヒット自体は少ないが、ノットソンは攻撃を返せなくなる。
　記者採点は10-9でKANA。ジャッジは割れたが2者がKANAを支持した。勝利が決まった瞬間。KANAは泣き崩れ　ノットソンもKANAに抱き着き勝利を称えた。

　KANAは「精神的に結構キツくて、自分がここで優勝しないと、来年名古屋大会ができないと思って、必死に戦いました」と話し、出場選手とチームメイトに感謝の言葉を述べ、「K-1の女子の舞台を、もっとたくさんの選手が目指して欲しいと思います。自分が覚悟を持ってK-1女子を育てます」と宣言した、最後は「K-1最高！」と武尊のように叫んだ。
　　
　　
第13試合　56kg契約　3分3R（延長1R）
○武居由樹（POWER OF DREAM／K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級（55kg）王者、同級世界最強決定トーナメント2019優勝）
×スリヤンレック・オーボートーガムピー［Suriyanlek OBT.Kamphee］（タイ／オーボートーガムピージム／ラジャダムナン認定フェザー級5位、ワンソンチャイ同級王者、元ルンピニー認定スーパーバンタム級4位）
判定3-0 (西村30-25/豊永30-24/山崎30-25)

　武居は6月の両国大会でのスーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントで3試合ともKO勝ちし完全優勝して以来の試合。今回は1kg重い56kg契約で、1階級上のムエタイの現役ランカーを迎え撃つ。序盤は武居がらしさを発揮したが、仕留めきれずにいると苦戦を強いられることに。
　1R、武居はサウスポーから左ミドルを当てると、スリヤンレックは顔をしかめ、武居が詰めてパンチの連打をまとめてダウンを奪う。武居は再開後、左テンカオと左のパンチを連続で当て2ダウン目を奪う。
　武居の圧勝ムードだったが、パンチラッシュを仕掛けると、スリヤンレックが右フックをお返しして武居をひるませる。後半、武居はパンチの空振りが増えてしまい、スリヤンレックが随所で右インローを当てて挽回する。記者採点は10-7で武居。
　2R、スリヤンレックは前に出て、右インロー、右ミドルを当てて積極的に攻める。武居は左ボディと右フックを連続で当て、スリヤンレックがマットに手をつくが、梅木レフェリーは続行する。武居は再び左ボディを効かせるが、スリヤンレックは耐え、前に出てパンチを振るい続ける。終盤、武居は下がり続けてしまうが、スリヤンレックの右ミドルのカウンターで右フックを当て、またもダウンを奪う。スリヤンレックはダメージは小さく、終了間際にも右ミドルを連打しタフさを印象付ける。記者採点は10-8で武居。
　すると3R、スリヤンレックは鼻血だしながらも前に出続けパンチを振るう。武居は回ってかわし続けていると、ローのダメージの蓄積もあってか次第にスリップする場面が目立ち始める。するとスリヤンレックは右フック、右ストレート、右ローを随所で当て、武居を追い詰める。記者採点は9-10でスリヤンレック。合計29-25で武居。3Rは意外にも3者ともスリヤンレックにつけなかった。スコア上では武居の完勝だが、表情は晴れず、マイクアピールも無いまま退場。スリヤンレックは負けてもインパクトを残す試合となり、再戦の可能性もありそうだ。
　　
　　
第12試合　69kg契約　3分3R（延長1R）
○木村“フィリップ”ミノル（ブラジル／K-1ジム五反田チームキングス／K-1 KRUSH FIGHTウェルター級（67.5kg）王者）
×マーセル・アデイエミ［Marcel Adeyemi］（ナイジェリア／Team Tieu／WMC英国ウェルター級王者）
1R 1’18” KO (パンチ連打)

　木村は11月24日の横浜アリーナ大会でジョーダン・バルディノッチに2R左ボディフックでKO勝ちし、本人の希望通り名古屋大会でも試合が組まれた。アデイエミは96年5月29日生まれの23歳。戦績は33戦23勝(10KO)10敗。ナイジェリア出身でロンドン在住。

　1R、木村が最初から圧をかけ、ガードの上からでもお構いなしにパンチを連打する。アデイエミは耐え、蹴りを返したが、再び木村がロープに詰めて、ボディと顔面にパンチを連打する。最後は左フックで棒立ちにさせ、芹沢レフェリーがKOを宣告すると、アデイエミは前のめりで崩れ落ちた。

　木村は今年6戦全勝全てKO勝ち。マイクを持つと「面白かったですか？やっぱ僕はスター性が凄いですね。来年ベルト取りに行きます。名古屋、そしてK-1最高」とアピールした。
　　
　　
第11試合　ウェルター級（67.5kg）　3分3R（延長1R）
○野杁正明（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST／元K-1 WORLD GPスーパー・ライト級（65kg）王者）
×ハッサン・トイ［Hasan Toy］（トルコ／ARJ Trainingen／2016 WFCA -68kg ヨーロッパ王者）
判定2-0 (西村29-29/太田30-29/杉浦30-29)

　トイは戦績55戦 44勝(8KO) 11敗の25歳。1R、蹴りの応酬から始まるが、野杁が40秒過ぎに左ボディを当てると、早くも効き目を発揮する。トイは持ち直し、左ボディを返し、リーチを活かし、顔面狙いの右の前蹴りも当てる。終盤にも野杁が左ボディを強打するが、トイは耐える。
　2R、野杁はトイの左足を狙い、右ロー、ヴァレリーキック、膝蹴りをコツコツ当て続ける。トイは耐え、随所で左右のテンカオを返す。終盤、野杁はパンチをまとめるが、トイも膝、パンチを返し、タフさを印象付ける。
　3R、トイは顔面狙いの前蹴り、膝蹴りを当て、危険なムードを残す。野杁も右ロー、左ボディを時折当てるが、2Rよりも減る。それでも終盤、ロープに詰めてパンチを連打して攻勢を印象付けるが、トイはひるまず、終了間際には左ハイを返す。
　記者採点は1Rと2Rに野杁につけ30-28。ジャッジは2者が野杁を支持し、野杁が判定勝ちしたが、やや不満げだった。敗れたものの、トイは強さを印象付けた。
　　
　　
第10試合　スーパー・フェザー級（60kg）　3分3R（延長1R）
○大岩龍矢（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）
×スタウロス・エグザコスティディス（ギリシャ／ナソス/メジロジム）
判定3-0 (29-28/30-29/29-28)

　1R、お互いパンチ主体の攻防が続く。終盤、大岩の右のテンカオが炸裂すると、スタウロスが動きが止まり、大岩がパンチをまとめて攻勢を印象付ける。
　2R、中盤にスタウロスが左フックと右フックの連打で大岩をふらつかせるが、大岩も右フックを返してスタウロスをひるませ、スタウロスはマウスピースを吐き出す。終盤はスタウロスが右フックを当てるなどして巻き返し、一進一退の展開に。これでポイントは五分か。
　3R、回復した大岩が右フックで再びスタウロスを苦しめる。その後もパンチ主体で攻勢。大岩も疲労が大きく仕留めきれないが、反撃を許さず、このラウンドのポイントを取り判定勝ちした。セコンドについていた盟友の武尊も笑顔で大岩を称えた。
　　
　　
スペシャルエキシビションマッチ　3分1R
―武尊（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST／K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級（60kg）王者）
―江川優生（POWER OF DREAM／K-1 WORLD GPフェザー級（57.5kg）王者）
勝敗無し

　江川は11月の横アリ大会のフェザー級王座決定トーナメントで3連続KO勝ちし優勝。一気に注目度を高め、1階級上の武尊とのエキシが組まれた。
　両者スネ当てをつけているが、序盤からパワーとスピードのあるミドルを当てる。次第に素早いコンビネーションをお互い使い始め、江川のボディから顔面へのコンビをもらった武尊は笑顔を浮かべる。武尊が圧をかけ続けるが、江川はステップで距離を取る。残り1分、お互い連打をまとめ、武尊が胴廻し回転蹴りを出せば、江川も同じ攻撃を返して当てると、少し武尊のバランスが崩れ、場内がどよめく。最後は足を止めてのパンチを打ち合い、江川が右フックで武尊をのけぞらせ、見せ場を作って終了。場内は大きな拍手に包まれた。

　江川は「下がらずに打ち合うつもりでしたけど、プレッシャーが強くて、チャンピオン、さすがです。負けないよう、これからも努力して頑張ります」と謙虚にコメント。武尊は「新生K-1になってから初めて名古屋に来ることができてうれしいです。日本中、世界中にK-1を広められるよう、江川選手と頑張ります」「今年はこれで試合は終わりですけど、来年3月（22日・さいたまスーパーアリーナ）のK’FESTA、ここで宣言します。僕出場するんで。応援お願いします」「江川選手、ありがとうございます。パンチがエグい」と話した。
　　
　　
第9試合　スーパー・ライト級（65kg）　3分3R（延長1R）
×大和哲也（大和ジム／K-1 WORLD MAX 2010 -63kg日本トーナメント優勝、元WBCムエタイ世界スーパーライト級王者）
○不可思（クロスポイント吉祥寺／元KNOCK OUT・WPMF日本・REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元RISE・Bigbangライト級王者）
3R 0’34” KO (パンチ連打)

　今回の開催地・愛知が生んだトップ選手対決。1R、不可思は細かくフェイントをかけ、ボディブロー、ローキックも絡めつつ、顔面にもパンチを当てる。哲也は不可思のクリーンヒットをもらわないものの、攻撃が少ない。
　2R、哲也が前に出て来るが、パンチが交錯すると、不可思の左右のフックが命中する。それでも哲也は前に出続けるが、不可思はボディへのパンチと膝、ローを効かせ、じわじわ攻撃を増やし、右ストレート、右ハイでのけぞらせる。
　3R、開始すぐこそ哲也が前に出て左ボディを当てるが、不可思はすぐロープに詰めると、左アッパーを効かせ、右ストレートで棒立ちにさせ、左右のストレートを連打しダウンを奪う。哲也は10カウントまでに立つが、ふらついており、豊永レフェリーがストップした。

　マイクを持った不可思は「お前ら見たか！来年、俺がK-1のベルト獲るんでよろしくお願いします」と吠える。続けて「ちょっと調子乗ってすみません」と謙虚になると「先輩の哲也さんと戦えて、勝つことができて、信じられないぐらいうれしいですけど、本当、哲也さん、ありがとうございました」と涙を流しながら話し、最後は「毎年1回、K-1を名古屋でやりましょう。これからも応援よろしくお願いします」とアピールした。
　　
　　
第8試合　クルーザー級（90kg）　3分3R（延長1R）
○加藤久輝（ALIVE／元HEAT総合ミドル級（83.9kg）王者、空道全日本体力別4連覇）
×K-Jee（K-1ジム福岡チームbeginning／K-1 KRUSH FIGHTクルーザー級王者）
2R 1’17” KO (3ダウン：左ストレート)

　1R、サウスポーの加藤が序盤から左ボディストレートをヒットし、左ロー、ハイ、ミドルを当て続け主導権。終盤には左ストレートでひるませる。
　すると2R、加藤はパンチの連打からの左ハイでダウンを奪う。さらに加藤は左ハイを当て続けてダウンを重ねる。止めてもいいダメージを負っているが、西村レフェリーは続行する。最後は加藤が左ストレートで3ダウン目を奪い試合を終わらせた。
　加藤は「KOボーナスがもらえるんで、倒しに行きました。早く家に帰って飲みたいです」と上機嫌に話し「90kgは力んでパンチ打たないと面白く無いんで仕事（＝KO）しました。さっき（クルーザー級王者の）ジナ・カリミアンに『元気か』と聞かれました。早く怪我治して、愛鷹（亮）選手と（再戦を）やって、勝ったほう、待ってます」と、次期挑戦者に名乗りをあげた。
　　
　　
第7試合　ライト級（62.5kg）　3分3R（延長1R）
―篠原悠人（DURGA／元K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級（65kg）王者）
―SEIYA（MAD MAX GYM）
中止 (SEIYAが計量1.95kgオーバー)
　　
　　
第6試合　スーパー・ライト級（65kg）　3分3R（延長1R）
×平山　迅（K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ）
○中野滉太（POWER OF DREAM）
3R 0’26” KO (左フック)

　1R、右ローの応酬があり、中盤から中野が左ミドルやバックスピンキックも織り交ぜ、終盤にはカーフキックも織り交ぜて、やや優位に。
　2R、平山が出て来るが、中野は左のジャブと左ミドルを打って距離を取る。中野は1Rよりは攻撃が減るが、平山より手数では上回る状態を維持する。
　すると3R、中野が右ミドルを当てた後、平山がパンチを振るって出て来たところで、カウンターの左フックをクリーンヒットしダウンを奪う。平山は立とうとするが動けず、中野のKO勝ちとなった。
　中野は「まだまだ先輩たちに負けないように、来年は自分の年に出来るように頑張ります」とアピールした。
　　
　　
第5試合　ウェルター級（67.5kg）　3分3R（延長1R）
×キム・ホソン［Kim Ho Sung］（韓国／雪峯ジム／IKMFウェルター級王者）
○海斗（ポゴナ・クラブジム）
1R 2’21” KO (左ストレート)

　1R、両者サウスポーに構え、ホソンがバックスピンキックや二段蹴りといったテコンドー系に技を立て続けに出してくるが、海斗が防御を続けると、隙を突いて右ストレートを当ててダウンを奪う。ホソンはダメージが大きく、海斗が再び左ストレートでダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。海斗は「次は有名な選手を当てて欲しい」とマイクアピールした。
　　
　　
第4試合　K-1 WORLD GP初代女子フライ級（52kg）王座決定トーナメント一回戦（2）　3分3R（延長1R）
○ヨセフィン・ノットソン（スウェーデン／アライアンス・トレーニング・センター／IFMA世界女子フライ級王者）
×メロニー・ヘウヘス（オランダ／マイクスジム／元K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者）
判定3-0 (30-28/30-28/30-29)

　両者とも対KANAで1勝1敗。1R、ノットソンが圧力をかけ、左ミドル、ハイを積極的に放ち、終盤にはパンチも織り交ぜて手数を増やす。ヘウヘスは攻撃が返せない。2Rもノットソンが休まず攻撃を当て続ける。ヘウヘスはダメージが溜まって来た様子だ。3Rもノットソンが手数多めで優位を維持し終了。ノットソンが完勝で決勝に進んだ。
　　
　　
第3試合　K-1 WORLD GP初代女子フライ級（52kg）王座決定トーナメント一回戦（1）　3分3R（延長1R）
○KANA（K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ／K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者）
×クリスティーナ・モラレス［Cristina Morales］（スペイン／チーム・ジーザス・カベーロ／ISKA女子世界-48kg級王者）
判定3-0 (29-27/30-27/29-27)

　モラレスはスペイン・コルドバ出身の26歳。戦績52戦46勝(8KO)6敗で、トーナメントの4人の中で一番経験が豊富だ。構えはオーソドックス。1R、前に出るモラエスに対し、KANAは距離を取りつつ、左右のローを当てていると、早くも効き目を発揮し、右フックでのけぞらせる。
　2R、序盤はモラレスも巻き返したが、KANAはしつこくローを当て続け、中盤にはコーナーに詰めてボディと顔面にパンチをまとめる。
　3R、モラレスも負けじと右膝、右ストレートを返す。KANAは耐えて前に出てて、ローを返すが、モラレスは攻撃を続ける。中盤にモラレスが右ストレートでKANAを倒すが、岡田レフェリーはスリップと判断する。その後もモラレスが攻め続けるが、KANAは耐え、終盤、左ボディを効かせてからの右フックでダウンを奪う。結局このダウンが決め手となり、KANAが勝利をもぎ取ったが、モラレスのタフさも光る一戦だった。
　　
　　
第2試合　K-1 WORLD GP初代女子フライ級（52kg）王座決定トーナメント リザーブファイト　3分3R（延長1R）
○壽美［ことみ］（NEXT LEVEL渋谷）
×真優［まひろ］（月心会チーム侍）
判定3-0 (30-29/30-28/30-29)

　両者アマチュアで2度対戦し1勝1敗。1R、壽美がサウスポー、真優がオーソドックスに構え、互いに蹴り主体の攻防。2R、真優のパンチが少し当たり出すが、クリンチも増える。3R、壽美が左ミドルからのパンチを多用し始める。真優は攻撃が減る。結局3Rの攻めが決め手となり、壽美が判定勝ちした。
　　
　　
第1試合　53kg契約　3分3R（延長1R）
○松本日向（K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ／K-1カレッジ2018 -55kg優勝）
×橋本実生（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）
4R 判定3-0 (鶴和10-9/島村10-9/西村10-9)
3R 判定2-0 (鶴和29-29/島村30-28/西村29-29)

　9月のKHAOSでは松本が延長判定勝ちし、接戦だったため、早くも再戦が組まれた。松本がオーソドックス、橋本がサウスポーに構え、時折両者足を止めてパンチを出し合うが、クリーンヒットにはなかなかつながらない。前に出る時間の長い松本が1者から支持されたが、今回も延長へ。松本が序盤から右ストレートを当てると、橋本は動きが落ち、松本が3者から支持し今回も勝利した。
　　
　　
◆プレリミナリーファイト

第5試合　スーパー・ライト級（65kg）　3分3R
×泰斗（韓国／LEOPARD GYM）
○松岡翔大（ISHITSUNA MMA）
1R 1’25” KO (右上段後ろ廻し蹴り)

第4試合　フェザー級（57.5kg）　3分3R
○新美貴士（名古屋JKファクトリー）
×髙橋直輝（若獅子会館）
判定3-0 (30-25/30-26/30-26)
※2R左ストレート、3Rパンチ連打で髙橋に各1だうん

第3試合　フェザー級（57.5kg）　3分3R
○倉崎昌史（GET OVER）
×秀樹（レンジャージム）
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

第2試合　スーパー・フェザー級（60kg）　3分3R
×斎藤祐斗（JK TRIBE）
○提髪和希（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）
2R 2’02” KO (右ストレート)

第1試合　53kg契約　3分3R
○池田幸司（ReBORN経堂）
×豊田優輝（B.W）
判定3-0 (29-28/29-28/30-28)
※3R右膝蹴りで豊田に1ダウン