K-1 WORLD GP 11.24 横浜アリーナ:武尊、村越優汰に判定勝ち「オリンピックイヤーに実現させたい」。江川優生、3連続1R KO勝ちでフェザー級王者に
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
“K-1冬のビッグマッチ 第1弾 横浜”「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~よこはまつり~」
2019年11月24日(日) 横浜アリーナ
レポート&写真:井原芳徳 中継:AbemaTV
K-1 WORLD GP 第3代フェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者)
×ブランドン・スペイン[Brandon Spain](オーストラリア/スペインズ・ムエタイジム/ISKAムエタイ豪州ライト級王者)
判定3-0 (30-2/29-28/29-28)
現体制のK-1初の横浜アリーナ大会が行われ、主催者発表で「1万2千人(超満員)」の観衆を集めた。今回は村越優汰が返上したフェザー級王座を争うトーナメントが行われた。卜部兄弟の兄・弘嵩は3月のさいたま大会で村越の王座に挑戦し敗れている。対するスペインは20歳で戦績30戦25勝(14KO)5敗。
1R、スペインが圧力をかけ続け、右ストレート、左ミドルの応酬でも、威力で上回る。だが中盤過ぎ、弘嵩がロープを背負った状態で不意打ちの左ハイを当て、ダウンを奪う。
2R、スペインはダメージを引きずっておらず、ロープに詰め続け、右ローをコツコツと当て、少し効かせる。弘嵩も左ミドルを随所で返し、はっきり差はつけさせない。3Rは右ローのダメージの影響もあってか、スペインの右ストレートでひるみ、攻め込まれる状態が続くが、耐えきり点差を守り判定勝ちした。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
×安保璃紅(team ALL-WIN/元K-1 KRUSH Fightスーパー・フェザー級(60kg)王者)
○ジャオスアヤイ・アユタヤファイトジム[Jawsuayai Ayothaya Fight Gym](タイ/アユタヤ・ファイトジム/タイBBTVフェザー級8位)
1R 1’14” KO (左フック)
安保兄弟の弟・璃紅は昨年12月に朝久泰央に判定負けし、足の手術で長期療養し、階級を下げて復帰する。ジャオスアヤイは初来日の18歳で戦績97戦62勝(18KO)33敗2分。ムエタイの聖地・ルンピニーで活躍しつつ、KOが求められるテレビマッチを主戦場とし、昨年4月には志朗に3R飛び膝でTKO勝ちしている。
1R、璃紅が開始すぐから圧力をかけて、ボディ狙いの膝とパンチを当てる。だがジャオスアヤイは耐えて回り、右ローを強打する。璃紅の圧力をかわし続けると、志朗を沈めた左の飛び膝を当てて璃紅をふらつかせると、左フックでダウンを奪う。璃紅は立ち上がろうとするが10カウントに間に合わず、ジャオアヤスイがほぼノーダメージで初戦を突破した。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○江川優生(POWER OF DREAM/K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王者)
×ホルヘ・バレラ(スペイン/ジーザス・カベーロ・チーム/K-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメント2018 3位)
1R 1’49” KO (左ボディフック)
江川は昨年6月の第2代K-1フェザー級王座決定トーナメントのリザーブファイトに登場し、大滝裕太をKO。その後も覇家斗を下し、1月には西京春馬からKRUSH王座を奪い、6月の初防衛戦ではTETSUを1Rで沈め絶好調だ。対するバレラは昨年のフェザー級王座決定トーナメントで小澤海斗をKOし、準決勝で村越に敗れたが、右ストレートでダウンを先取した。今年3月には芦澤竜誠をKOしたが、6月の両国では西京にKO負けしている。
1R、バレラが圧力をかけてくるが、江川は落ち着いて距離を取りつつ、ハイキックを空振りさせてからパンチを当てたりと、コンビネーションが冴える。そして少しずつパンチを当てていると、左ボディが効き目を発揮。バレラの表情が変わると、圧力を強め、左ボディを当て続け、最後はコーナーに詰めて左ボディをクリーンヒット。バレラはうずくまったまま立ち上がれず、江川のKO勝ちとなった。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王者、K-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメント2018 2位)
○アーサー・メイヤー[Arthur Meyer](フランス/シンパトン・プーケット)
2R 1’59” TKO (タオル投入)
西京兄弟の兄・春馬は昨年のフェザー級王座決定トーナメントで朝久裕貴、芦澤を下すも、決勝では足をつってしまい村越に無念のTKO負け。1月に江川にKRUSH王座を奪われ、プロ初の連敗を喫したが、6月の両国でバレラをKOしている。初来日のメイヤーは28歳でタイのプーケットを拠点とし、ルンピニーにも出場し、戦績63戦43勝(19KO)19敗1分。昨年2月にパリでの試合ではMOMOTAROを首相撲でを追い詰め判定勝ちしている。
1R、両者サウスポーで、メイヤーはタイ人セコンドのタイ語のアドバイスを聞きながら、左ローを当て続ける。終盤、少しひるむ場面もあった春馬だが、メイヤーの左ローに右フックを巧く合わせ、アゴに当ててダウンを奪う。
2R、メイヤーはダウンのダメージは小さく、ほぼ互角に戻り、左ローを当て続ける。すると中盤過ぎ、春馬が右ローを放った直後、突如倒れ、右足の痛みを訴える。ダウンが宣告されカウントが進むと、セコンドがタオルを投入。去年のトーナメント決勝同様、無念の結末となった。なお、大会後の病院での診断の結果、スネを骨折していたことが判明した。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×TETSU(月心会チーム侍)
○斗麗(WIZARDキックボクシングジム)
判定0-3 (26-29/26-29/26-29)
TETSUは19歳、斗麗(とうま)は17歳と、10代同士のリザーブファイト。TETSUは6月に江川のKRUSH王座に挑戦するが1R KO負けしている。斗麗は昨年末のデビューから3戦3勝(1KO)。
両者とも蹴りとパンチを積極的に出すも、均衡状態が続くが、2R終了間際、斗麗の右の飛び膝がTETSUのアゴを打ち抜き、ダウンを奪うことに成功する。
3Rも序盤から斗麗がコーナーに詰めてのパンチと膝の連打でダウンを奪う。後の無いTETSUだったが、パンチの打ち合いで左フックを返し続けると攻勢に。斗麗はクリンチを繰り返し、その都度レフェリーに注意され、減点1を科されるが、注意で試合が寸断された影響もあってか、TETSUはダウンを奪い返せず。TETSUが必死の反撃で盛り上げたが、斗麗が耐えきり勝利した。
第10試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者)
○ジャオスアヤイ・アユタヤファイトジム[Jawsuayai Ayothaya Fight Gym](タイ/アユタヤ・ファイトジム/タイBBTVフェザー級8位)
4R 判定0-3 (西村9-10/山崎9-10-/梅木9-10)
3R 判定1-0 (西村27-27/山崎28-27/梅木27-27)
1R、ジャオアヤスイが右ローを中盤から増やすと、一回戦で足にダメージを負っている弘嵩が後退する。ジャオアヤスイは二段式の左の飛び膝を当ててから、右ストレートでダウンを奪う。だが弘嵩は、打ち下ろすような右フックでダウンを奪い返し、場内を沸かせる。
2R、ジャオアヤスイが右ロー、左ミドルのヒットを増やし、やや優勢。中盤、弘嵩も右ストレートを返し、少しひるませるが、手数差は縮めることができない。記者採点はジャオアヤスイ。
3Rもジャオアヤスイが右ロー、膝、左ミドル等を多く当て続けるが、弘嵩はひるまず、随所で右ストレートを返し、終了間際にはしっかりパンチのヒットを増やし悪印象を埋める。記者採点はイーブン。合計27-28でジャオスアヤイ。ジャッジは2者がイーブンとし、延長へ。
延長R、ジャオスアヤイはロープを背負いながらも、着実に左右のミドル、ローを当て続ける。弘嵩も左ミドル、右ストレートを返すが、攻撃数で差をつけられ終了。ジャッジ3者とも順当にジャオスアヤイを支持し、弘嵩は決勝進出を阻まれた。
第11試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○江川優生(POWER OF DREAM/K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王者)
×アーサー・メイヤー[Arthur Meyer](フランス/シンパトン・プーケット)
1R 2’52” KO (右バックスピンキック)
1R、江川が開始すぐから詰め、左ボディ主体で攻めて先手を取る。メイヤーは耐えるが、江川は前に出続け、コーナーに詰めての胴廻し回転蹴りでひるませる。その後も江川はボディに固執せず、サウスポーのメイヤーにインローも当てて、じわじわと削る。終盤。メイヤーがバックスピンキックを出すと、江川がお返しとばかりにバックスピンキックを放つと、これがクリーンヒット。メイヤーは立ち上がれず、江川がほぼ無傷で決勝進出を果たした。
第18試合 決勝 3分3R(延長1R)
×ジャオスアヤイ・アユタヤファイトジム[Jawsuayai Ayothaya Fight Gym](タイ/アユタヤ・ファイトジム/タイBBTVフェザー級8位)
○江川優生(POWER OF DREAM/K-1 KRUSH FIGHTフェザー級王者)
1R 0’58” KO (パンチ連打)
※江川が優勝
江川は一回戦、準決勝と1Rで勝利し、ほぼダメージの無い状態で決勝へ。ジャオスアヤイは合計5R戦い消耗が激しい。試合はその差が如実に出ることに。
1R、開始すぐから江川が圧力をかけてロープに詰め、左右のボディを効かせ、右ローを当てると効き目を発揮し、止まったジャオスアヤイにパンチを連打しダウンを奪う。ジャオスアヤイは立つのがやっとの状態で、再び江川が右ローとパンチの連打でダウンを奪うと、ダメージが大きいと判断した様子の芹沢レフェリーがストップした(決勝は3ノックダウン制)。全試合1R KO勝ちで優勝の江川は「ここまで来れたのもPOWER OF DREAMの古川会長のおかげです」と感謝の言葉を述べた。
◆江川「初めての外国人との試合で戸惑ったんですけど勝てて良かったです。西京選手、卜部選手、安保選手が上がって来ると思ったので予想外でした。何かを狙ったわけじゃなく、意識せず出した攻撃が当たっただけですね。(今後について)K-1の顔になりたいです。武尊選手や武居選手のようなK-1の偉大なスターになりたいです」
本戦ワンマッチ
第17試合 スーパー・フェザー級(60kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GP王者)
×村越優汰(湘南格闘クラブ/元K-1 WORLD GPフェザー級(57.5kg)王者、元RISEバンタム級(55kg)王者)
判定2-0 (山崎30-29/岡田29-29/西村30-29)
武尊は3月のさいたま大会でヨーキッサダーをKOするも、右拳を負傷し、8ヵ月ぶりの試合。村越は打倒・武尊を目指して2年前からK-1に参戦。昨年6月の第2代フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、3月に卜部弘嵩を相手に初防衛に成功すると、武尊と同じ階級に上げるために王座を返上し、さっそく武尊との一戦が用意された。
1R、村越はいつも通りサウスポーに構えて距離を取って回り、詰めようとする武尊に、右ジャブ、右前蹴り、左右のミドルを的確に当て続け、近づかせない。武尊も終盤にかけて圧力を強め、右テンカオ、右フックを増やすが、まだ捕まえきれない。記者採点イーブン。
2R、村越が右ジャブからの左ボディをクリーンヒットすると、直後に左フックも当て、場内をどよめかせる。その後も武尊はしぶとく前に出続けていると、次第に右ストレートのヒットが増える。右ボディ、右テンカオも絡め、終了間際には右ストレートで村越をひるませる。記者採点はイーブン。
3Rも武尊は前に出続け、村越がボディから顔面へのパンチの連打を決めると、笑顔を浮かべ出す。村越が随所で左ストレート、顔面への前蹴り等を当てるが、武尊はしぶとく前に出続け、右ミドル、右膝、右ストレートをお返し。最後は圧力を強め、パンチのヒットを増やして少し村越をひるませる。記者採点は武尊。合計30-29で武尊。ジャッジ1者はイーブンとしたが、2者が武尊を支持し、武尊の判定勝ちとなった。敗れはしたが健闘した村越が退場すると、満員の観衆から暖かい拍手が起こった。
マイクを持った武尊は「デビューした時はK-1が無くて、何もないところから始まって、後楽園ホールとか新宿フェイスとか小さい会場でやりながら、ここまで来て、横浜アリーナにK-1として戻って来れてうれしいです。皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。
続けて「今日の試合、KOを楽しみにしてくれた皆さん、すみません。次も仕上げて、KO見せるんで、また見に来てください。来年、東京オリンピックが開催されるんですけど、オリンピックに負けないぐらいの格闘技の大会、やりましょう。みんなの望んでいる試合、来年、オリンピックイヤーに実現させたいと思うんで、ぜひ会場で応援お願いします。絶対勝って、僕について来てくれているみんなを裏切らないんで、僕がK-1最強証明するんで、来年も応援お願いします。絶対勝ちます。ありがとうございました。K-1最高!」とアピールした。
第16試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHT王者)
×ジョーダン・バルディノッチ[Jordan Valdinocci](イタリア/ファイト・ハウス・ペサロ/チーム・ファイト・パワー/WTKAイタリア71kg級王者)
2R 2’28” KO (3ダウン:左ボディフック)
木村は1年前にジョーダン・ピケオーに敗れた後、和島大海、魁成、クルーズ・ブリッグス、大泉翔をKOし今年4連勝。対するバルディノッチは初来日の27歳で戦績25戦20勝(7KO)4敗1分。
1R、バルティノッチはサウスポーからの左ロー、ミドルをヒット。木村は早くも内腿が赤くなるが、ダメージは小さく、時折ボディから顔面につなぐパンチの連打を当てる。だがまだバルティノッチもひるまない。
2R、サウスポーでリーチの長いパルティノッチに対し、木村は距離を詰めにくそうな状態が続くが、あきらめず圧をかけ続け、ボディブローを当て続けていると効き目を発揮し、ロープに詰めてのボディから顔面へのパンチの連打でダウンを奪取。その後も同じパターンで2ダウンを重ねKO勝ちした。
マイクを持った木村は「12月28日、K-1名古屋やるんで、そこに出ます。大晦日、色んな格闘技があって盛り上がる時期ですが、K-1ファイターとして誇りを持って、12月28日、名古屋にダイナマイトを落としたいと思います」と、かつての大晦日のK-1主催のDynamite!!を意識するコメントを残した。
第15試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム/K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
×近藤魁成(大成会館/K-1甲子園2018 2017 -65kg優勝)
2R 2’40” KO (3ダウン:パンチ連打)
ピケオーはここ1年、木村、野杁正明、神保克哉を下し、4年前の佐藤嘉洋戦から対日本勢11戦無敗。今大会でウェルター級王者・久保優太への挑戦が計画されていたが、久保が3月の試合で負った眼窩底骨折が完治していないといい、18歳の魁成との一戦が組まれた。
1R、圧力をかけるピケオーに対し、魁成は左の前蹴りで距離を取りながら、右ロー、右ストレートを着実にヒットし続ける。終盤には左右のストレート、左ボディもクリーンヒットし好印象を残す。記者採点は魁成。
2R、とはいえピケオーは正味の負ったダメージは小さく、魁成のスピードが少しずつ落ちてくるに連れ、ピケオーも少しずつパンチを当てて消耗させ、中盤、右ストレートでダウンを奪うことに成功する。魁成はダメージが大きく、再びピケオーが右ストレートでダウンを奪うと、最後はパンチの連打でマットに沈めた。
マイクを持ったピケオーは「魁成はいい選手でした。将来はもっといい選手になります。私はK-1のベルトを賭けた試合が早くしたいです」と話した。
第14試合 ライト級(62.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○林 健太(FLY SKY GYM/K-1 WORLD GP王者)※K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSGから所属変更
×金子大輝(K-1ジム大宮チームレオン/ラウェイAir KBZゴールデンベルト67kg級2017年王者)※Thut Ti Lethwei Clubから所属変更
2R 0’35” KO (右ストレート)
林は3月に卜部功也を下し王者に。8月の大阪でのデニス・デミルカプ戦はダウンを先取されるもKO勝ちした。金子は拳にバンテージのみを巻いて戦い、頭突きや肘打ちも許されるラウェイでの試合を重ねて来た選手。元々はMMAを戦っていた。
1R、金子がサウスポーに構え、最初から圧をかけ、左ストレートを主体に、左ミドルも当て続け、主導権を維持する。林は押される状態が続いたが、クリーンヒットは避け続け、随所で右ローを強打する。終盤、金子の左ストレートに林が右ストレートを合わせてダウンを奪い、一気に流れを変える。最後は林のパンチラッシュで、金子はゴング直後に倒れ、すぐコーナーに戻れない状態に。2Rもそのままの流れで、金子が右ストレートで2ダウンを重ねたところでレフェリーがKOを宣告した。
第13試合 61kg契約 3分3R(延長1R)
○皇治(TEAM ONE/ISKA K-1ルール世界ライト級王者)
×川原誠也(パンクラスイズム横浜/元パンクラス・バンタム級(61.2kg)1位)
2R 2’59” KO (パンチ連打)
川原はパンクラスで活躍も、6年前に25歳の若さで突然引退したが、皇治の出演した「有吉反省会」を見て対戦を熱望し現役復帰を決意したという。セコンドには北岡悟と、川原が復帰に向け住み込みで練習したウィラサクレック幕張勢がつく。皇治は8月の大阪での大岩龍矢戦後に年内休養を宣言していたが、オファーを受け前倒し復帰した。
1R、川原は開始すぐ、ロープ、コーナーに皇治を詰めてノンストップのパンチラッシュを続けてダウンを奪う。川原は引き続きコーナーに詰めて、パンチ、膝を当て続ける。だが皇治は耐えて時折左ハイをお返し。猛攻を耐え続け、川原の動きが落ちてきたところで、右ハイを当てて効かせてからの右ストレートでダウンを奪い返し、これまでの劣勢を帳消しにする。
2R 両者一進一退のパンチの打ち合い。川原も打たれ強さを発揮したが、皇治が右ローを絡め出すと、効き目を発揮し、川原の動きが止まる。皇治が左ボディ、右テンカオも絡め、川原をコーナーに詰めてパンチを連打し、ダウンを奪取。最後はロープに詰めてパンチを当て続けたところで芹沢レフェリーがストップした。
皇治は「俺、男前やった?あんまり人褒めたくないけど、川原選手が男前過ぎましたね。俺はK-1を愛してます。それ以上にファンを愛してます。皇治軍団最高。K-1最高」とアピールした。
第12試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×ヤン・ジェグン(韓国/GMTジム/IKMFヘビー級王者、2016 KMK -80kgトーナメント優勝)
○愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangヘビー級王者)
1R 0’57” KO (右フック)
愛鷹は8月にシナ・カリミアンと対戦し、右のオーバーハンドフックでKO勝ちし、今回はカリミアンのクルーザー級ベルトが賭けられ再戦が組まれた。だがカリミアンが直前に負傷欠場し、ジェグンに相手が変更となった。ジェグンは17年5月のRISEでは清水賢吾を右ローで下がらせる場面も作ったが、3R右ストレートでKO負け。17年2月のBigibangでは元HEAT王者のプリンス・アリに判定負けしている。
1R、愛鷹は開始すぐからパンチラッシュを仕掛け、ジェグンも応じる。やや愛鷹が押し気味だったが、ジェグンは突如、右肘を脱臼した模様で、愛鷹の右フックを軽くもらった後に倒れると、そのまま立ち上がれず、愛鷹のKO勝ちとなった。
愛鷹は「2日前にも関わらず日本に来てくれたヤン選手ありがとうございました」「20代でK-1チャンピオンになる夢はかないそうにないですが、夢は見続けていれば新しい夢が生まれます。30歳でK-1チャンピオンになります」と宣言した。
第9試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○城戸康裕(谷山ジム/元K-1 KRUSH FIGHT王者)
×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
2R 2’29” KO (パンチ連打)
城戸は3月に久保のウェルター級王座に挑戦し敗れると、階級をスーパー・ウェルター級に戻し、8月にアントニオ・ゴメスをKO。神保は6月のKRUSHでピケオーに敗れて以来の試合となる。
1R、神保が中央から圧をかけ、城戸は序盤はオーソドックス、途中からサウスポーに変えつつ、回って距離を取る構図が続く。城戸が右の関節蹴りを多用するが、神保は動じない。
2Rも城戸はコーナーを背負い続け、静かな状態が続いたが、神保が右フックを放ったタイミングで左フックを当ててひるませる。そして中盤過ぎ、神保がパンチの連打で詰めて来て、城戸が半身でかわしつつ、右のバックハンドブローをヒットすると、不意を打たれた神保はダウン。城戸がダメージの残る神保に左右のストレートを連打し、2ダウン目を奪ったところで、梅木レフェリーがストップした。
勝利直後、神保を真似るようなヤンキー座りのポーズで観客を楽しませた城戸。マイクアピールでも最初は自作の紹介VTRの出来を観客に問い、緩いモードが続いたが、後半は一転シリアスムードに。城戸は「K-1はオリンピック競技になりうる団体だと思います。ですが現在、ドーピングチェックをやっていません。やっている奴がいるなって、競技生活が長いので、正直わかります。チェックしているUFCに行ってダメ(失格)になる選手もいます。K-1にはそういう選手がいてはいけないと思います。武尊ともよく話します。ドーピングチェックは一人で10万とかかかります。日本の立ち技界でやっているところはまだ無いですが、僕は来年からやって行きたいです。僕がスポンサーを見つけました。スポンサー各社の皆さん、正々堂々と戦いたいんで、協力お願いします。健全なK-1を戦いたいんです」とアピールした。
第8試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級&ライト級(62.5kg)王者)
×瑠久(K-1 GYM横浜infinity/K-1甲子園2017 -65kg準優勝)
1R 1’24” KO (3ダウン:左掛け蹴り)
山崎は昨年12月、安保瑠輝也にKO負けした後、頬骨の手術を経て8月の大阪大会で平山迅を下し戦列復帰。瑠久は3月に近藤魅成に敗れると、スーパー・ライト級に落とし、堀井翼、松岡翔大にに連勝しているが、キャリアで大きく上回る山崎の壁は高かった。
試合開始すぐ、山崎は右フックを大振りして瑠久をロープにまで下がらせると、右フックを再び強振して当ててダウンを奪う。山崎はパンチと膝のラッシュで瑠久を圧倒し、掛け蹴りも絡め、右フックで押し倒すようにしてダウンを重ねる。最後は左の掛け蹴りを当てて3ダウン目を奪うと、場内は大歓声に包まれた。
山崎は「ゴールデンフィストこれで復活ということで。12月、安保選手とゲーオ選手がタイトルマッチをやりますけど、それに向けて準備しますんで、中村プロデューサーよろしくお願いします」とアピールした。
第7試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 KRUSH FIGHTライト級(62.5kg)王者)
×鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級王者)
判定3-0 (29-28/30-28/30-28)
佐々木は6月の両国で不可思との激闘の末TKO勝ち。鈴木は8月には左右田泰臣を下しKRUSH王座初防衛している。1R、鈴木がサウスポー、佐々木がオーソドックスに構え、ミドルとストレートの応酬。まだ均衡状態だ。
だが2R、佐々木が右のインロー、左右のテンカオも絡めると、右ミドルと合わせて効き目を発揮し、終盤、佐々木が右の顔面狙いの前蹴りも絡め、手数多く攻めて優位になる。
3R、鈴木は最初から前に出るが、佐々木は右ミドル、インロー、テンカオ、ストレートを随所で当てて、鈴木を苦しめる。終盤、鈴木もパンチの打ち合いで左フックを当てるが、佐々木が終了間際に右ストレートで鈴木の腰を落とさせ、主導権を譲らず終了し、見事判定勝ちと果たした。
第6試合 K-1 WORLD GPヘビー級タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○ロエル・マナート(オランダ/メジロジム・アムステルダム/王者)
×クリス・ブラッドフォード[Chris Bradford](オーストラリア/トップタイアー・ムエタイ/チーム・グレコ/挑戦者)
1R 2’19” KO (左フック)
※マナートが初防衛
90年代の名選手・アンドレ・マナートの息子・ロエルはは3月にブラッドフォードと防衛戦を予定していたが負傷欠場し、今大会で仕切り直しの一戦が組まれた。ブラッドフォードは90年代のK-1で活躍したサム・グレコの推薦選手で、K-1には初参戦。38戦24勝(9KO)14敗で42歳と高齢だ。
1R、開始すぐからロエルが左ジャブからの右ストレートを当て続けて主導権を握る。中盤過ぎに早くも効き目を発揮すると、ロエルは手数を上げ、下がるブラッドフォードに左フックの連打でダウンを奪うと、ブラッドフォードは立ち上がれず、ロエルがKO勝ちで初防衛に成功した。試合後は同じオランダ出身のスター、ピーター・アーツがKO賞を贈呈した。
プレリミナリーファイト
第5試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
△大岩翔大(湘南格闘クラブ)
△龍斗(K-1 GYM横浜infinity)
判定0-1 (29-30/29-29/29-29)
第4試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
×久保一馬(FIGHT CLUB 428)
○佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2017 -65kg優勝)
判定0-3 (27-29/27-29/27-29)
※1R右フックで久保に1ダウン
第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○多久田和馬(K-1 GYM横浜infinity/K-1甲子園2018 -55kg優勝)
×山脇魁斗(隆拳塾)
1R 1’09” KO (左ハイキック)
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×山浦力也(北斗会館浅科道場/K-1甲子園2018 -60kg優勝)
○岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)
※1R右ストレートで山浦に1ダウン
第1試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R
○EITO(HALEO TOP TEAM)
×石橋健太朗(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
1R 2’56” KO (3ダウン:パンチと膝の連打)