ムエタイ 4.14 ルンピニースタジアム:志朗、タイ人の逆転の飛び膝蹴りで沈む。連勝3でストップ
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スック・ムエタイ・TKO・ギャットペット・スーパーファイト
2018年4月14日(土) タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
記事提供:早田寛(Photo & Text Hiroshi Soda)
第3試合 123ポンド契約 3分5R
×シロー・ペットギャトペット [志朗](KICK REVOLUTION/ISKAムエタイ世界バンタム級王者)
○ジャオスアヤイ・ソーデッチャパン(タイ)
3R TKO (飛び膝蹴り)
タイ地上波9チャンネルで生中継される人気テレビマッチに、3連勝中の志朗が登場。対戦相手のジャオスアヤイはテレビマッチの常連選手であり、勝つ試合の半数以上がKO勝ちという強者だ。だが志朗も「強打があり後半戦に強い選手」として知られており、試合前レートも志朗有利11-8と出ており、志朗の勝利に期待するファンも多かった。
1Rから志朗は右ローキックを連射。ジャオスアヤイはジャブからのミドルキックを蹴ろうとするが、ジャブを打っている段階で志朗の重い右ローを多数食らい、自身の攻撃に繋げられない。ジャオスアヤイが前に出るファイタータイプなだけに、志朗のローキックがカウンターでジャオスアヤイの左足に直角に食い込む。ローが効いている事は仕草に出てしまうもので、志朗のローキックをうっかり手で避けようとする動きを見せたほどだった。
2Rも志朗は右ローから詰めて行く。志朗の右ローのタイミングが良く、そこからの右ストレートやボディへのパンチも脅威となっていた。終盤、ジャオスアヤイは足が効いてきてきいるのか、苦し紛れにも見える飛び膝蹴りを放った。もちろんこの飛び膝は当たるはずもなく、志朗のローキック攻撃が続いていく。志朗のヒット数が多いため、場内賭け率も志朗有利5-2と差が開いてゆく。志朗の勝利に賭けているギャンブラーが多い証拠といえた。
3R、ジャオスアヤイは足が効いているにも関わらず前に出てくる。後がないと悟ったのだろう。左右のミドル、そしてKO勝ちも多い左フックを振ってくる。志朗はしっかりとガードし右のローを蹴り込む。このラウンドからのジャオスアヤイの攻撃はスピードも手数もあったが、大きなヒットは無く賭け率は志朗有利のままだ。
志朗はこのままジャオスアヤイの攻撃をカットしローを当てていれば、判定試合だったとしても、志朗の勝利パターンが仕上がる段階だった。だがジャオスアヤイはこのラウンドで全てを出し切るかのような勢いで前進。右ハイキックを放つと、これは志朗がしっかりとカットするが、次の瞬間に飛び膝蹴りを繰り出し、志朗は尻もちをつくように倒れる。何があったのか、スリップなのか?目を疑うほどの一瞬の出来事だったが、ジャオスアヤイの膝が志朗の顔面にクリーンヒットしていたのだ。この時点で志朗の勝利に賭けていたギャンブラーが多かったため、場内は騒然とし荒れ狂うような熱気となる。
カウント8で試合再開。両者は肘の相打ちに突入。志朗はこれまでも不利な状況からの逆転KO勝利が多かったが、ジャオスアヤイは再度飛び膝を当て2度目のダウン奪取。この時点でレフェリーは試合を止めた。
結果は志朗の衝撃的な3ラウンドTKO負けとなってしまう。この試合に臨むまで3連勝中であり、ジャオスアヤイに勝てばルンピニーのランキング入りも濃厚だっただけに、このTKO負けは残念でならない。5月20日にはホーストカップ(名古屋国際会議場)で自身が保持するISKA世界バンタム級防衛戦が決まっているだけに、早く気持ちを切り替えていかないといけないだろう。
志朗よりファンへ試合後の声が届いている。
「日本からの沢山の応援ありがとうございました。今回負けてしまいタイでの連勝記録は途絶えてしまいましたが、今回の敗戦を糧にして5月の試合では強くなった姿を見せれるように努力します。5月20日名古屋での試合も応援よろしくお願いします。」