RIZIN 10.12 エディオンアリーナ大阪:朝倉海、佐々木憂流迦を秒殺し大晦日の堀口恭司との再戦決定。ハム・ソヒ、山本美憂を粉砕し浜崎朱加の王座挑戦。ライト級GPは海外勢がベスト4に
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RIZIN.19
2019年10月12日(土) エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第1競技場
レポート:井原芳徳 写真提供:(C) RIZIN FF
第12試合 61kg契約(バンタム級相当)(肘有り) 5分3R
○朝倉 海(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 55-60kg級王者)
×佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイト・チーム/元修斗環太平洋バンタム級(60kg)王者、元UFCフライ級(56.7kg)15位)
1R 0’54” TKO (ドクターストップ:パンチによる顔面の負傷)
朝倉兄弟の弟・海(かい)は8月の名古屋大会でRIZIN&ベラトール・バンタム級王者・堀口恭司を68秒でKOする波乱を起こした。憂流迦は7月のさいたま大会で石渡伸太郎にノースサウスチョークで一本負けして以来の試合となる。4月のさいたま大会で海と戦う予定だったが、憂流迦の病気で試合が流れていた。海は堀口とベルトを賭けて大晦日に再戦することが内定しているが、RIZIN側がフジテレビ中継の目玉カードの編成に苦戦し、人気急上昇の海の試合が組まれることになり、憂流迦も2つ返事で承諾したという(カード決定時の会見の記事はこちら)。
1R、長身の憂流迦がサウスポーに構えて圧をかけ、左ミドルを放つが、海はかわしてロープに詰め、左右のフックを連続でクリーンヒットする。憂流迦が前のめりでダウンすると、海が上からパウンド、横からの膝蹴りを当て、サッカーボールキック等も絡めて攻め続ける。憂流迦は下から足を伸ばして海のラッシュをしのぐが、口から血を出しており、頬も腫れている。ドクターチェックが入るとストップがかかった。憂流迦の試合後のツイートによると「顎2箇所骨折で歯も吹っ飛びました」とのことだ。
圧勝の海は「勝てましたけど大振りになってしまったのが反省点です。憂流迦選手は寝技が得意なので、打撃で勝負しようと思いました」と試合を振り返った。試合後、リングサイドで試合を観ていた堀口がリングイン。海は「誕生日おめでとうございます。この試合が僕からの誕生日プレゼントです。大晦日、ベルト賭けてもう一回勝負しましょう」と呼びかけた。すると堀口はRIZINのチャンピオンベルトを海に渡し「1回負けてるからベルトなんていらないよ。次、取りに行くから見てて」「挑戦者のつもりで行きます」と回答した。その後、RIZINの榊原信行CEOがリングに上がり、両者に改めて対戦意志を確認し、大晦日に正式にタイトルマッチで再戦させることを発表した。
第11試合 女子49kg契約(スーパーアトム級相当) 5分3R
○ハム・ソヒ(韓国/チームMAD/ROAD FC女子アトム級(47.6kg)王者、元DEEP JEWELSフェザー級(48kg)王者)
×山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE 22)
2R 4’42” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
UFCでも活躍した韓国女子MMA界のエース、ソヒは7月のさいたま大会でRIZINに初参戦し、前澤智に1R TKO勝ち。試合後、美憂との対戦を希望し、美憂も承諾していた。美憂は石岡沙織、アンディ・ウィン、長野美香、浅倉カンナに4連勝中。ソヒ×美憂の勝者が大晦日に浜崎朱加の持つRIZIN女子スーパーアトム級王座に挑戦する予定だ。
1R、両者サウスポーに構え、ソヒが圧力をかけ、美憂が左回りで距離を取り続ける。1分過ぎ、美憂が片足タックルを仕掛けて倒す。ソヒはロープを背にし、1分ほどでスタンドに戻す。中盤、美憂の2度目のタックルはソヒが簡単に切る。3度目のタックルもソヒがロープを背に座る状態になり、膠着すると豊永レフェリーがブレイクする。残り1分はソヒがスタンド状態を維持し、左ストレートと右ミドルと右膝を当てる。
2R、ソヒは右ジャブを増やし、圧力を強めて距離を縮める。ソヒが左ストレートを当てると、その直後に美憂がタックルを仕掛けるが、ロープの外に出てしまいブレイクがかかる。すると美憂は、おそらくパンチをもらって右耳の根本をカットし出血しており、ドクターチェックが入る。再開後、美憂はストップを危惧してか、すぐにタックルを仕掛けて勝負を急ぐが、ソヒは倒れず突き放す。美憂はそれでも果敢にタックル仕掛けるが、美憂がロープを背に耐え、左手で鉄槌を美憂の切れた右耳を狙って当てる。離れてもすぐ美憂は片足タックルを仕掛けるが、ソヒはサッカーボールキックで迎撃する。流れは完全にソヒだ。残り1分、美憂がしつこくタックルに行くが、ソヒは切って右手で左右の側頭部に交互にパウンドを当て続けていると、美憂の動きが止まったところでレフェリーがストップした。
勝利者インタビューでソヒは「今日の試合はうれしいけどなんか寂しいです」と日本語で話し、続けて韓国語で「試合をしてうれしい気持ちもあり、悲しい気持ちにもなりました」と話した。続けて王者・浜崎がリングインし「ハムちゃん強いなって思いました。過去2回戦って勝っているんですけど、3度目もしっかり極めて勝たせてもらいたいと思います」と話せば、ソヒは「私は2回負けているのに、3回目の試合の機会を与えてくれて本当にありがとうございます」と謙虚に話した。
第10試合 女子51kg契約(フライ級相当)(肘有り) 5分3R
○RENA(シーザージム/シュートボクシング世界女子フライ級(51kg)王者)
×アレキサンドラ・アルヴァーレ[Alexandra Alvare](スペイン/チーム・インペリアルMMA)
1R 0’20” KO (パンチ連打)
RENAは6月のベラトール・ニューヨーク大会に参戦したが、リンジー・ヴァンザントに1R裸絞めで一本負け。地元大阪での再起戦が組まれた。元々、ショーナ・ラムとの試合が組まれていたが、ラムが練習中に脳震盪を起こしドクターストップがかかり、アルヴァーレが代役となった。アルヴァーレは初来日。MMAはプロ3戦3敗の35歳。前日計量でRENAは50.7kg、アルヴァーレは49.8kgで、アルヴァーレは軽めだ。
1R、スタンドの打撃戦で、RENAが左ジャブを突きながらじわじわ圧力をかけ、ロープに詰められたアルヴァーレが顔をそむけながら右フックを振るうと、RENAがかわして右ストレートをヒットする。一発でアルヴァーレがひるんで後退すると、RENAが追いかけ、左の前蹴りとパンチを連打する。アルヴァーレがコーナーを背にして倒れたところでハーゾグ・レフェリーがストップ。レベルの違いは歴然で、RENAは無傷で完勝した。
勝利者インタビューでRENAは「対戦相手が1週間前に変わりましたけど、対戦相手があってこそできることなので、アレキサンドラ選手に感謝しています。私はストライカーなので、打撃を活かした戦いがしたかったので、勝てて良かったです。今もこれからも台風がひどいことになると思います。でも日本人は強いんです。みんなで支え合って、私たちのファイトで、怖い思いを払拭してもらえたらうれしいです」と話した。
第9試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント1回戦 5分3R
○ジョニー・ケース(米国/MMAラボ)
×ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/REALスーパーライト級(74.2kg)王者)
1R 1’15” TKO (レフェリーストップ:右サッカーボールキック)
ケースはUFCで4連勝した実績もあり、RIZINでは矢地祐介、北岡悟を圧倒し勝利。サトシはブラジリアン柔術の世界選手権を3度制し、RIZINでは北岡と廣田瑞人を打撃で粉砕し、MMA 9戦全勝。ケース戦は「優勝候補対決」との呼び声も高い好カードだったが、打撃スキルの差が出る結果に。
1R、ケースが開始すぐから圧力をかけ、寝技勝負に行きたいサトシがタックルを仕掛けてグラウンドに引き込み、下から腕十字、オモプラッタを仕掛けるが、ケースは脱出する。スタンドでパンチが交錯した後、サトシがタックルで組もうとするが、ケースが下がりながら右アッパーをヒット。サトシがひるんで後ろに倒れると、ケースが右のサッカーボールキックを当てたところでジェイソン・ハーゾグ・レフェリーがストップした。サトシは倒れた直後、顔を押さえており、その直前のバッティングのダメージがあったかのようにも見えたが、当たりは浅く、レフェリーはパンチと蹴りの有効打と判断し、ケースのTKO勝ちとなった。
第8試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント1回戦 5分3R
○パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(ブラジル/ピットブル・ブラザーズ/ベラトール推薦)
×川尻達也(T-BLOOD/元修斗世界ライト級(70kg)王者)
1R 1’09” TKO (レフェリーストップ:左飛び膝蹴り→グラウンドパンチ)
フレイレは11年からベラトールに上がり、ベラトールだけで14勝。16年6月のマイケル・チャンドラーとのライト級王座決定戦では敗れたが、以降は5連勝中で、UFCで活躍したジョシュ・トムソン、ベンソン・ヘンダーソンも含まれる。
対する川尻は出場メンバー唯一の70年代生まれで現在41歳。RIZINの前身であるPRIDEとDREAMでもライト級GPに出場しており、「これ以上のチャレンジはファイター人生でもう無い」と位置づけ、出場したことのないベラトールのトップ選手との戦いに「燃えますね」と話す。入場テーマ曲にはDREAMのテーマ曲だったロビー・ウィリアムズの「Let Me Entertain You」を使う。
1R、川尻は最初から距離を詰めて圧をかけ、タックルを仕掛け、グラウンド勝負を狙うが、体格で勝るフレイレは軽々と逃げる。フレイレは左ミドル、左フックを強打して川尻をひるませる。するとフレイレが助走無しで高く飛び、右の飛び膝蹴りを川尻の顔面にヒットする。川尻はフレイレの足をつかみながら後ろに倒れると、フレイレが上からパウンドを連打したところで豊永レフェリーがストップ。フレイレの圧勝に終わった。
第7試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント1回戦 5分3R
○ルイス・グスタボ(ブラジル/エヴォルサオ・タイ)
×上迫博仁(和術慧舟會HEARTS/元DEEPフェザー級(65.8kg)王者)
1R 3’55” TKO (ドクターストップ:右ストレートによる左まぶたのカット)
シュートボクセ出身のグスタボはRIZINで矢地祐介をKOし、朝倉未来には判定負け。上迫はDEEP、パンクラスで活躍後、8月の名古屋大会でRIZINに初参戦し、イーブス・ランドゥーに2R TKO勝ち。矢地・北岡・未来がGPへの出場を断念や辞退した中で、上迫にチャンスが巡って来たが、グスタボの壁は高かった。
1R、スタンドの打撃戦で、グスタボが左ジャブをフェイントにしつつ、右ストレートのヒットを少しずつ増やす。中盤、上迫の右ローが当たり出したが、ローを嫌ったグスタボがじわじわ距離を詰めると、上迫の右のパンチのカウンターでグスタボが右フックをクリーンヒットする。上迫がひるむと、グスタボはパンチラッシュと膝で追い詰める。上迫はタックルを仕掛けてコーナーに押し込むが、左まぶたから出血している。両者が離れるとハーゾグ・レフェリーがドクターチェックを要請し、ストップがかかった。
第6試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント1回戦 5分3R
○トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン/オリオン・ファイト・クラブ)
×ダミアン・ブラウン(オーストラリア/ザ・ガレージ/チーム・コンプトン)
1R 4’14” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ムサエフはRIZINで大尊伸光とダロン・クルックシャンクを下したハードハンチャー。ブラウンは元UFCファイターで、RIZINではクルックシャンクと武田光司を下している。
1R、ブラウンが圧力をかけ、ムサエフはサウスポーでステップして回りながら、左ミドルを当てる。ムサエフはスイッチも繰り返し、的を絞らせない。パンチの打ち合いでもムサエフが的確に当てる。中盤以降はムサエフの左ミドルとローでブラウンの体が度々流れる。すると終盤、ムサエフの左ハイがヒット。ガードの上からだったが、足のダメージも溜まっていたブラウンはふらつく。ムサエフがパンチラッシュでブラウンを下がらせて倒し、パウンドを落としたところで、顔面から出血しているブラウンを見たレフェリーがストップ。ムサエフの圧勝だった。
ライト級GP一回戦は全て1R決着で、サトシ含め日本勢は全滅に。4試合が終わると、大晦日のさいたまスーパーアリーナ大会での準決勝と決勝の組み合わせ抽選会が行われた。試合をした順にクジを引き、第1試合・トフィック・ムサエフ vs. ジョニー・ケース、第2試合・ルイス・グスタボ vs. パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレに決まった。
◆ムサエフ「さいたまで素晴らしい試合をします」
◆ケース「絶対世界一取るぞ」
◆グスタボ「優勝するために日本に来ました。応援してください」
◆フレイレ「国を背負って来ました。絶対に優勝します」
第5試合 77kg契約(ウェルター級相当) 5分3R
○中村K太郎(K太郎道場/元DEEPウェルター級(77.1kg)王者、SRCウェルター級GP 2010優勝)
×マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/REALウェルター級(77.1kg)王者)
1R 1’18” TKO (コーナーストップ:右ストレート)
K太郎は「裸十段」と呼ばれるほどの裸絞めの名手。15年からUFCに上がっていたが、今年4月のスルタン・アリエフ戦で敗れ4勝4敗となり、契約が終了していた。
マルコス・ヨシオ・ソウザはライト級GPに参戦しているホベルト・サトシ・ソウザの兄。2013年のワールドプロ柔術世界大会で優勝し、MMAは9戦8勝1無効試合で無敗。8月の名古屋大会でRIZINに初参戦の予定だったが、怪我で欠場していた。「マルキーニョス」との愛称でも知られる。マルコスもK太郎も84年生まれでRIZIN初登場。強豪グラップラー対決として注目されたが、試合はK太郎がMMAでの経験差を見せつけることに。
1R、マルコスがバックハンドブローを空振りしてスリップすると、K太郎はすぐ上になる。マルコスは柔術式で下から仕掛けたかった様子だが、K太郎は難なく対処。マルコスはすぐ立つと、K太郎が左ストレートをヒットする。マルコスは腰が落ち、右頬を切られる。K太郎はパウンドで追い詰める。またスタンドに戻ると、フラついているマルコスにK太郎が右ストレートをヒット。マルコスがK太郎に背中を向けながらダウンしたところで、マルコス陣営がストップを伝えるバトンをリングに投げ入れた。
K太郎は妻の杉山しずかと息子をリングに上げ記念撮影。マイクを持つと「K太郎なめんな。(Twitterの)予想で向こうが勝つみたいになってたけど。と、いうことで、RIZINに来ました。紹介VTRで、堀口選手の活躍に僕も近づきたいと言いましたが、僕もそういう選手になれる人間だと思います。(12月29日の)ベラトール対抗戦、やりたいです。お願いします」とアピールした。
第13試合 100kg契約(肘有り) 5分3R
○イリー・プロハースカ(チェコ/ジェットサームジム・ブルーノ)
×ファビオ・マルドナド[Fabio Maldonado](ブラジル/CTマルドナド/パコ・タイ)
1R 1’47” TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)
1R、スタンドでお互いジャブ等でフェイントをかけ、プロハースカが1分過ぎに右ストレートを当てると、マルドナドは下がる。プロハースカがコーナーに詰め、パンチをボディ、顔面に散らしてじわじわダメージを与える。そして左右のストレートを3連打し、マルドナドが前のめりでダウンすると、和田良覚レフェリーがストップした。マイクを持ったプロハースカは「大晦日に出たいです。ベラトールの選手であれ誰とでも戦います」とアピールした。
第4試合 キックボクシングルール(肘無し・つかんでの攻撃は1回) 62kg契約 3分3R
○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament 2019優勝、RISEライト級(63kg)王者)
×大雅(TRY HARD GYM/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者)
判定3-0 (28-25/28-25/28-25)
白鳥はRISE 9.16 幕張メッセ大会で梅野源治を1R KOして-61kg Tournamentを制してから1か月足らずの連戦となるが、梅野戦はダメージは無く圧勝していた。大雅は7月のRIZINさいたま大会で町田光に判定勝ちしている。2人とも同じ階級だが、白鳥のほうが17cmも身長が高い。
1R、両者サウスポーに構え、大雅は左フックを振るい、白鳥は距離を取って右インロー、ミドルを出す。1分過ぎ、大雅が距離を詰めて左フックを振るった直後、白鳥が左ストレートを当ててダウンを奪う。終盤、元プロボクサーの白鳥はボディ、顔面につなぐパンチの連打も決め、主導権を維持して終える。
2Rも大雅が左のスーパーマンパンチで飛び込むと、白鳥が右ストレートを合わせてダウンを奪う。終盤にも白鳥がパンチの連打の後、左膝蹴りを顔面にヒット。大雅はふらついてバックハンドブローを空振りしながら倒れてダウンを宣告される。
あと1ダウンで負ける窮地に陥った大雅だったが、パンチを振るい続けながら笑顔を浮かべ、気持ちが切り替わった様子。すると3R、大雅がフルスイングの左のオーバーハンドフックでダウンを奪い返す。ダメージの残る白鳥を、大雅はボディから顔面につなぐパンチで追い詰め、逆転を狙う。白鳥はクリンチ、左ミドル、飛び膝で迎撃し続け、なんとか耐えて試合終了。白鳥が点差を守り判定勝ちし、強さを印象付けたが、大雅も存在感を改めて示す好勝負となった。
勝った白鳥は「大雅選手に勝ったので、次は大晦日でどうですかね。RIZINならではのカードでもいいんで、強い選手、お願いします」とアピールした。
この試合の後には、白鳥の同門で、リングサイトで観戦していた那須川天心がリングイン。「今日はたくさん集まって下さりありがとうございます。白鳥君と大雅選手の試合、滅茶苦茶盛り上がったと思うんですけど、どうですか?今回出るはずだったんですけど(9月のRISEの志朗戦で)左拳を折ってしまいました。今のところ回復は順調で、グーパーできるようになったので、色んなものをため込んで大晦日に爆発します」と話した。
第3試合 キックボクシングルール(肘無し・つかんでの攻撃は1回) 77kg契約 3分3R
×HIROYA(TRY HARD GYM/元Krushスーパー・ライト級(65kg)王者)
○小西拓槙(フリー/ISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王者)
1R 1’20” KO (左飛び膝蹴り)
松倉信太郎の欠場で、ジム代表のHIROYAが緊急出場した。77kg契約はHIROYAの通常体重で、体格の壁は大きかった。1R、小西がサウスポーからの左ミドルを連打するが、HIROYAは右のインローと軸足払いで応戦する。だが1分足らずで左のハンチのの相打ちとなったところで、リーチで勝る小西の左ストレートがクリーンヒットし、HIROYAがダウンする。さらにHIROYAが左ジャブを放って頭が下がったところで、小西の左の飛び膝蹴りがクリーンヒットし、HIROYAが再びダウンしたところでレフェリーがストップした。勝った小西は試合後のマイクで、HIROYAへの感謝の言葉と、欠場した松倉を気遣うメッセージを述べた。HIROYAはすぐ意識を戻しており、直後の弟・大雅の試合のセコンドについていた。
第2試合 無差別級 5分3R
○シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島/107.40kg)
×キム・チャンヒ[Chang Hee Kim](韓国/GEEK GYM/163.25kg)
1R 1’09” アームロック
シビサイはRIZIN 2戦目。1R、シビサイが首相撲から膝を連打するが、チャンヒがロープに押し込む。するとシビサイはアームロックを仕掛けながら倒し、そのまま極めてタップを奪った。
シビサイは「どうしても勝ちたくて、仕事を辞めて練習し、やっとRIZINで勝てました。榊原代表、年末ぜひお願いします」とアピールした。
第1試合 キックボクシングルール(肘無し・つかんでの攻撃は1回) 56kg契約 3分3R
○植山征紀(龍生塾ファントム道場/シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
×梅井泰成(京都野口ジム/NJKFスーパーバンタム級(55.3kg)1位、DEEP☆KICK 55kg 2位)
判定3-0 (29-27/29-28/30-28)
6月のRIZIN神戸大会で勝利した植山が2度目のRIZIN参戦。梅井はRIZIN初参戦でサウスポー。1R、梅井は植山の圧力をかわしながら、左ミドルを随所でヒットし続け、左ハイ、左フックも絡め主導権。中盤、バックハンドブローを当てるが、肘が少し当たり、レフェリーから注意される。植山も右インローを当てるが、攻撃数では差を付けられる。記者採点は梅井。
2Rも似た構図が続く。梅井がパンチの打ち合いで右フックを当てる場面もあるが、植山はひるまない。植山のインローの影響か?少し梅井がふらつく場面も。記者採点イーブン。
3Rになってもなかなか均衡が崩れなかったが、少しずつ打ち合いで植山の右のパンチのヒットが目立つように。梅井は少し鼻血を出す。終了間際、梅井の左ハイのタイミングで植山が左ストレートを合わせダウンを奪取して2ポイント奪い、逆転判定勝ちした。記者採点は29-28で植山。