ベラトール 6.14 ニューヨーク:堀口恭司、コールドウェルに連勝しベラトールとの2冠達成。RENA、裸絞めで1R一本負け
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Bellator(ベラトール)222
2019年6月14日(金/現地時間)米国ニューヨーク州:マジソン・スクエア・ガーデン
レポート:井原芳徳
第13試合(メインカード) ベラトール・バンタム級タイトルマッチ 5分5R
×ダリオン・コールドウェル(米国/アライアンスMMA/王者)
○堀口恭司(アメリカン・トップ・チーム/挑戦者・RIZIN王者、元UFCフライ級(56.7kg)3位、元修斗バンタム級(60kg)世界王者)
判定0-3 (47-48/46-49/46-49)
※堀口が王者に
昨年大晦日のRIZINでのRIZINバンタム級初代王座決定戦で戦った両者が再戦。前回は堀口が3Rフロントチョークで一本勝ちしている。当初の両団体の取り決め通り、今回はコールドウェルのホームでの再戦が組まれた。
1R、長身のコールドウェルがサウスポーに構え、左ミドル、ハイを連続で放って堀口を下がらせた後、タックルを仕掛けて、金網際で倒す。堀口は金網を背にして座って押さえ込まれる状況が続く。前回はリングで、今回はケージ。前回堀口がギロチンで一本勝ちしたのと同じシチュエーションになるが、当然コールドウェルはよく対策しており、密着しつつ時折上体を上げながらパウンドと肘を当てる。終盤、コールドウェルがグローブをつかんでいると堀口がレフェリーに指摘すると、レフェリーはコールドウェルに注意し、ブレイクがかかる。残り30秒弱で、少し堀口がパンチを当てるが、目立った展開は無く終える。コールドウェルがポイントを先取する。
Wasn't easy, but @TheWolfMMA scores that takedown in round two.
Watch the #Bellator222 main card with @DAZN_USA in the 🇺🇸 and @SkySports in the 🇬🇧. pic.twitter.com/9MYvYYN0i8
— Bellator MMA (@BellatorMMA) 2019年6月15日
2R、しばらくスタンドのお見合いが続き、2分過ぎにコールドウェルが再びタックルで倒し、またも金網際で上をキープする。堀口は必死に立とうとするが、コールドウェルは立たせない。残り30秒で膠着ブレイクがかかり、堀口が右ボディストレートを当てると、少しコールドウェルが顔をしかめる。
このラウンドはコールドウェルが長時間主導権を握っていたが、正味なところ上になっていただけのため、パンチを効果的に当てていた堀口がポイントを取っても不思議ではない。米国のテレビ中継では元レフェリーのビッグ・ジョン・マッカーシー氏が堀口にポイントをつけていた。JMOC(日本MMA審判機構)の公式サイトの1月の記事でも「効果的な打撃/グラップリング」が同等で無い限り、積極性やコントロールは考慮されないという、米国ユニファイド(統一)ルールの最新の記述が紹介されており、現状ならありうる判断だろう。記者採点も堀口。
This third round is!
The belt is on the line and neither of these two men are going down without a fight!#Bellator222 pic.twitter.com/gTFEwjPZxt
— Bellator MMA (@BellatorMMA) 2019年6月15日
3R、コールドウェルはタックルを仕掛けるが、堀口が切って、がぶった状態を続けると、コールドウェルは耐えきれず下になる。コールドウェルは少し疲れが見えてきており、流れが変わる。堀口がパウンドを落とすと、スペースができ、コールドウェルが立ってタックルを仕掛ける。だがこれも堀口が切って、上から押さえ込むと、パウンドを連打し、攻勢を印象づける。終盤、コールドウェルが脱出し、最後は上になるが、目立った攻撃は返せない。堀口がポイントを取る。
4R、コールドウェルが左ミドルを当てると、跳ね返ったコールドウェルはスリップし、すぐタックルを仕掛ける。堀口はギロチンで迎撃するが、極まりは浅く、コールドウェルが外し、またも金網際でトップをキープする。膠着状態が続くと、場内からはブーイングが飛ぶ。3分半でブレイクがかかる。コールドウェルは低空タックルを仕掛けるが、堀口は切り、右のパンチを当てる。最後、堀口が押し込んだ状態を続け、コカしたところで終える。記者採点はギロチンでチャンスを作った堀口。
5Rも序盤からコールドウェルが金網際でトップをキープする。3分過ぎ、堀口がようやく立つが、コールドウェルは足元に食らいついて倒そうとする。堀口は切りながら鉄槌と肘を連続で当てるが、コールドウェルは上をキープする。堀口はおそらく途中もらったパウンドか肘で右目の下から出血する。このラウンドも割れそうだが、正味の攻撃を出していた堀口につけた。
@Kyoji1012 is victorious once again and is the new Bellator bantamweight champ via unanimous decision at #Bellator222.
Our main card continues on @DAZN_USA (🇺🇸) and @SkySports (🇬🇧). pic.twitter.com/nUybwW8Cwm
— Bellator MMA (@BellatorMMA) 2019年6月15日
記者採点の合計は46-49で堀口。ジャッジは47-48/46-49/46-49で、堀口の正味の攻撃を3者ともきっちり評価し、堀口の勝利となった。堀口は日本人初のベラトール王者、第7代ベラトール・バンタム級世界王者となり、RIZINとの2冠を達成した。堀口は雄たけびをあげて喜んだが、勝利者インタビューでは「つまんない試合で申し訳ないです」とまずは観客に謝罪した。さらに試合を振り返り「最初から飛ばさず、最終ラウンドに勝負しようと思っていました」と戦略を明かした。最後はベラトールのベルトを腰につけ、RIZINのベルトを肩にかけ、榊原信行RIZIN代表と記念撮影した
第6試合(プレリミナリーファイト) 女子112ポンド(50.8kg)契約 5分3R
×RENA(シーザージム/シュートボクシング女子世界フライ級(51kg)王者)
○リンジー・ヴァンザント[Lindsey VanZandt](米国)
1R 4’04” 裸絞め
RENAの海外での試合は09年3月のK-1韓国大会以来約10年ぶり。以前からRENAは米国進出に意欲的で、その希望がかなったが、厳しい現実に直面することになる。
対戦相手のヴァンザントはTapologyのデータによるとMMA 5勝1敗の25歳。身長157cm。地元ニューヨークの選手で、KOTCやインヴィクタを経て、今年2月にベラトールに初参戦し、2R KO勝ちしている。アトム級(105ポンド/47.6kg)の選手のため、体格面ではRENAが優位だ。
1R、パンチが交錯し、RENAが左の前蹴りを放った直後、ヴァンサントがタックルを仕掛け、一瞬倒すが、すぐRENAが立つ。ヴァンサントはケージの中を広く使い、圧力をかけるRENAを右に回ってかわし続けながら、時折右ストレート、右ミドルを当てれば、すぐ離れる。それでもRENAはじわじわ金網際まで詰め、パンチからテンカオにつなぐが、すぐヴァンサントがタックルを仕掛けて倒し、金網に押し付ける。RENAは数十秒で立つが、すぐさまヴァンサントは背後からしがみついて引っ張って倒し、そのままバックマウントを奪い、両足をガッチリと絡めて捕獲すると、裸絞めを極めて、タップしないRENAを絞め落とした。
なお、フジテレビ(関東ローカル)は6月26日(水)深夜26:50~27:50に「FUJIYAMA FIGHT CLUB SP ~格闘技新時代 NYの陣~」と題し、堀口とRENAの試合と舞台裏映像を放送する。