ONE Championship 10.13 両国国技館(1部):DJ、キンガドを圧倒。若松佑弥は辛勝。岡見勇信、連敗止める。平田樹は2連勝
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ONE Championship「ONE: CENTURY 世紀 第1部」
2019年10月13日(日) 両国国技館
レポート:井原芳徳 photos by ONE Championship 【→第2部の記事はこちら】
第11試合 メインイベント ONE MMA 女子アトム級(52.2kg)チャンピオンシップ 5分5R
○アンジェラ・リー(シンガポール/王者)
×ション・ジンナン(中国/挑戦者、ストロー級(56.7kg)王者)
5R 4’48” 腕ひしぎ十字固め
※リーが防衛
前回3月の両国ではストロー級王座を賭け争い、ジンナンが勝利。今回はアンジェラの本来のアトム級での戦いとなる。前回同様、今回も一進一退の好勝負に。
1R、開始すぐからジンナンが左右の伸びのあるパンチを随所で当てて先手を取る。アンジェラは時折組んで倒そうとするが、ジンナンは耐える。アンジェラは手数で劣るものの、右フックを当て、ジンナンは左まぶたを腫らす。
2Rもジンナンがパンチの手数で上回るが、3分半頃、アンジェラはパンチをもらった直後にタックルを仕掛け、テイクダウンに成功する。終盤、アンジェラがサイドで押さえながら膝を頭に当て、反撃を印象付ける。
3R、1分半過ぎにアンジェラが腰投げでテイクダウンに成功し、袈裟固めで押さえる。両足でジンナンの左腕を挟みながらパウンドを落とし、ジンナンがもがけば、バックマウントを奪う。アンジェラは金網を背にバックキープして裸絞めを狙う。残り20秒に極めそうになるがジンナンは防御する。完全にアンジェラペースだ。
4R、ジンナンが右ストレートでアンジェラをひるませるが、アンジェラはすぐ立つ。スタンドの攻防が続き、両者少し動きが落ち、明確な攻めはなかなか出せない。
5Rもスタンドの打撃戦。お互い消耗は激しいが、ジンナンが中盤、右ストレートを連続で当てると、アンジェラがひるみ、ジンナンが上から鉄槌を連打する。ピンチに陥ったアンジェラは脱出し、背後から抱え上げて倒す。スープレックスの状態で、ONEでは反則技だが試合は続行する。アンジェラはバックマウントを奪い、左腕をつかんで極めを狙い続ける。終盤はアンジェラがバックからパウンドで痛めつけると、裸絞めを極めて、終了間際にタップを奪った。
第10試合 コー・メインイベント ONE MMA フライ級(61.2kg)GP 決勝 5分3R
○デメトリアス・ジョンソン(米国/元UFC王者)
×ダニー・キンガド(フィリピン)
判定3-0
※ジョンソンが優勝
DJことジョンソンが寝技でキンガドを圧倒する試合に。DJとUFCで戦った堀口恭司、ONEで戦った和田竜光もAbemaTVの放送席から見守る中ゴングが鳴る。
1R、キンガドは片腕を巻いて倒そうとするが、DJは耐えて押し込み、突き放す。中盤、DJが左フックのフェイントからの片足タックルでテイクダウンに成功し、金網際でハーフガードで押さえる。キンガドが立とうとすると、DJは若松戦のように首を抱えギロチンを狙う。キンガドは金網を背に立って突き放すが、DJがすぐ右フックを当てて、組み付いて倒し、サイドをキープする。DJはキンガドの左腕にアームロックを極め、外すとすぐマウントへ移行する。達人DJの途切れない攻めに場内が沸く。
2R、キンガドがパンチを振り回すと、DJはかわしながらタックルを仕掛け、30秒足らずでトップをキープする。DJは上から密着して隙を突いてパスガードするが、中盤、キンガドはスタンドに戻す。キンガドは右のカーフキックを当てると、DJは構えをサウスポーに一瞬変えるが、すぐ戻し、パンチの連打で詰めてからタックルでまたも倒す。キンガドは下からアームロックを狙い、腕十字に移行するが、DJは対処し、サイドをキープする。DJが上からコントロールし、腕十字も狙い、がぶりの状態から頭に膝を当てる等して攻め続ける。
3RもDJが1分足らずでタックルでテイクダウンに成功する。DJは細かくパウンドや膝を入れながら、コントロールし、サイド、ハーフと行き来する。DJは中盤、腕十字を狙うが、その隙にキンガドが脱出し、タックルで倒して上になる。キンガドは起死回生を目指し足関を狙うが、DJは難なく外して、スタンドに戻す。キンガドは押し込み、腕を巻いて一回転して倒すが、DJが上に。DJがグラウンドでコントロールを続けながら終える。
記者採点もジャッジも文句無しでDJで、DJが下馬評通りフライ級GPを制覇し、100万米国ドル(約1億円)の賞金を獲得した。
第9試合 コー・メインイベント ムエタイ 女子アトム級(52.2kg) 3分3R
○ジャネット・トッド(米国)
×エカテリーナ・ヴァンダリーバ[Ekaterina Vandaryeva](ベラルーシ)
2R 2’29” KO (右ハイキック)
第8試合 コー・メインイベント ONE MMA ライト級(77.1kg)GP 決勝 5分3R
○クリスチャン・リー(シンガポール/ONE王者)
×ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)
判定3-0
※リーが優勝
元UFC王者・エディ・アルバレスの欠場で、GPにエントリーしていなかったONE王者・クリスチャンが緊急出場した決勝戦。
1R、アサラナリエフが中央で構え、スピードのある左ストレートで脅かす。クリスチャンが組みに行くが、アサラナリエフは潰して、中央でハーフガードに。立ち上がり際、アサラナリエフが膝をヒット。アサラナリエフが圧力をかけ、左フック、右アッパーで脅かす。
中盤、クリスチャンが胴タックルから抱えて上になることに成功する。クリスチャンは上からパウンドを当てるが、アサラナリエフは下から腕十字を仕掛ける。クリスチャンは振りほどいて外すが、アサラナリエフは立つと追いかけ、すぐ右フックをヒット。クリスチャンがひるみ、アサラナリエフは金網に押し込む。
だが過去ONE 8戦中7試合が1R決着のアサラナリエフは、早くも疲れが見え始める。するとクリスチャンは押し返して、残り1分にマウントを奪うと、パウンドと肘の連打で反撃する。
2Rも疲れの残るアサラナリエフに、クリスチャンがタックルを仕掛けて倒す。アサラナリエフはスタンドに戻し、右フックを返すが、クリスチャンはすぐ持ち直し、右アッパー、右ミドルを当てる。緊急出場のクリスチャンも疲れが見え始め、一進一退の消耗戦に。中盤、クリスチャンが金網際でトップをキープし、またもマウントへ。肩固めを狙うが、アサラナリエフが脱出する。スタンド勝負に戻るが、アサラナリエフはまたもタックルで倒し上になり、マウントに移って終了する。
3R、両者とも疲れが露骨に見えているが、積極的なのはクリスチャン。タックルを繰り返すが、アサラナリエフは耐える。中盤、3度目のタックルでようやくクリスチャンが上になり、またもマウントを奪う。バックマウントに移行し、そのまま終了。両者とも試合が終わると酸欠状態に。記者採点もジャッジも順当にクリスチャンの勝利とした。
第7試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
○若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)【→事前インタビュー記事】
×キム・デファン(韓国)
判定3-0
若松はONE参戦後、ダニー・キンガド、DJと強豪相手に連敗したが、8月2日のマニラ大会で元王者のジェヘ・ユスタキオを1R KOしインパクトを残し、日本に凱旋する。
1R、若松がガードを低くしながら圧力をかけ、時折パンチを当てるが、手数は少なく、お見合いが続く。デファンも右フックをカウンターで当てる。3分半過ぎ、レフェリーが両者に攻めを促す。デファンはタックルから右フックを当てるが、終盤はお見合い状態に戻る。若松は1Rに右拳を痛めたという。
2Rもお見合いが続くと、再びレフェリーが両者に注意する。若松は左ジャブを随所で当てるものの、お互い慎重な攻めが続く。終盤、若松がパンチを当てるが、デファンが組み付く。最後はデファンが倒して上になってパウンドを落とし、背後に回り、好印象で終える。
3R、デファンの右フックのタイミングで若松がタックルを仕掛け、一瞬倒すが、すぐスタンドに戻る。中盤にも同じように倒すが、すぐスタンドに。すると若松は口を開いて疲れが見え始め、デファンが圧をかける時間が長くなる。3分半頃、デファンがタックルでテイクダウンに成功し、マウントを奪う。デファンはパウンドと肘を連打し、バックマウントを奪う。残り30秒、デファンが裸絞めを狙うと、若松が前方に落とし、スタンドに戻すが、反撃できずに終える。
記者採点は2Rと3Rにフィニッシュに近づいたデファン。ジャッジ3者は細かい当たりを含めたパンチの数で若松を支持したが、若松も意外な様子で笑顔は無かった。若松は「KOできなかったですけど勝てて良かったです」「1Rで多分右手が折れてて、左でなんとか(展開を)作って、何がなんでも勝とうと思っていました」と話した。
第6試合 ムエタイ(オープンフィンガーグローブ着用) ストロー級(56.7kg) 3分3R
○サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
×ダレン・ローランド[Darren Roland](オランダ)
2R 1’20” KO (左フック)
1R、サムエーがサウスポーに構え、長身のローランドに左ストレートを当ててひるませる。サムエーは少しずつ左ロー、ミドルを当てるようになり、金網に詰めるが、終盤、ローランドの右ストレートでサムエーが一瞬膝をついてしまう。
2R、サムエーが左ミドルのヒットを増やしギアを上げる。対抗してローランドが左右のパンチを振り回して前に出て来るが、サムエーはかわして左のショートフックをヒット。ローランドはダウンしたまま立ち上がれず、サムエーのKO勝ちとなった。
第5試合 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
○岡見勇信(EXFIGHT)【→事前インタビュー記事】
×アギラン・ターニ(マレーシア)
判定2-1
岡見はONE参戦後2連敗、UFCのラストファイト含め3連敗中。ターニは6月の上海で秋山成勲に判定勝ちした選手だ。
1R、岡見はサウスポーに構え、右ジャブを突いて距離を作ろうとするが、ターニは物怖じせず、右フック、右ハイを放つ。岡見はブロックしているが、少し反応が遅い。1分半、岡見が両脇を差し、テイクダウンに成功するが、30秒ほどでターニはスタンドに戻す。中盤、ターニの右テンカオをもらいながらも、岡見がタックルで倒す。しばらくターニが下から首を抱えていたが、外した直後、岡見はサイドに動いてバックに回り込む。そしてじっくり隙を伺うと、裸絞めを極める。フィニッシュに近づくが、ターニは防御してスタンドに戻し、右ミドルを連打する。
2Rも岡見が序盤から組み、40秒ほどで倒し、すぐバックマウントを奪う。岡見は執拗に裸絞めを狙い続ける。残り1分に極まりかかるが、ターニはスタンドに戻す。残り30秒、再び岡見が倒して上になった状態で終える。
3R、少し疲れてきた岡見に、ターニが右フックを当てる。岡見がタックルを仕掛けるが、ターニが潰して上になり、今度はお返しとばかりバックマウントを奪い裸絞めを狙う側に。3分半過ぎ、岡見は体をひねるが、ターニはトップをキープする。岡見は立ちかけるが、ターニが押し込み、膝を当て、再びバックを取り、そのまま終了する。
記者採点は1Rの裸絞めのニアフィニッシュで岡見。打撃戦と終盤3Rに優位だったターニに票を入れたジャッジもおり、判定は割れたが、岡見が2票を獲得し、辛うじて勝利をものにした。
ようやく連敗脱出の岡見は安堵の表情を浮かべ、「勝者のコールを受けて幸せです。ありがとうございました。1Rのチョークはいい入りでしたけど、彼の動きも良かったので防がれると思いました」と勝利者インタビューで話した。
第4試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
○平田 樹(K-Clann)【→事前インタビュー記事】
×リカ・イシゲ(タイ)
2R 4’41” 腕ひしぎ十字固め
平田はONE 2戦目。イシゲはタイ在住で日本とタイのハーフの人気選手。コスプレ入場が恒例で、今回はセーラームーンのコスプレで登場する。
1R、右の蹴りの相打ちになった後、平田が組み付き、突き放してすぐ右フックを当ててイシゲをダウンさせる。平田はパウンドラッシュで攻め、イシゲは耐えて下からしがみついて防御する。イシゲは下から腕十字を仕掛け反撃するが、平田は外して上四方へ回り込み、アームロックを狙う。さらに平田は顔面に膝を入れてから鉄槌を連打し、マウントを取ったり、首を抱えたりしてコントロールを続ける。残り1分、イシゲがリバーサルに成功したが、最後は平田が上になって終える。
2R、平田は前に出て右フック、右ボディを当ててから、組み付いて中央付近で倒す。平田がアームロックを狙うが、イシゲは外す。一旦スタンドに戻り、平田が右フックを当ててから再び倒して上に。金網際でチャンスをうかがい、終盤、アームロックを狙いつつ一回転すると、両足でイシゲの首をはさむ「洗濯ばさみ」の状態から腕を極めタップを奪った。
勝利者インタビューで平田は「1年前は想像していなかった状態です。本当は打撃でKOしたかったんですけど、また寝技になっちゃいました。すみません」と話した。
第3試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
×仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)【→事前インタビュー記事】
○リト・アディワン[Lito Adiwang](フィリピン)
1R 1’57” TKO (レフェリーストップ:右腕の負傷)
仙三は3月のダニー・キンガドとの激闘に続く両国登場。アディワンはONEのトライアウト「ウォリアーシリーズ」で勝ち上がって来たチーム・ラカイの選手で本戦初登場だ。
1R、仙三が右フックから組み付こうとするが、アディワンが腰投げで豪快に倒して上になり、袈裟固めで押さえながら右腕を極める。仙三は外して立ったが、仙三の右肘が外れており、すぐさま鶴和レフェリーがストップ。仙三の不屈の闘志も光ったが、アディワンが初の本戦で大きなインパクトを残した。
第2試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
×プー・トー(ミャンマー)
○ユン・チャンミン(韓国)
1R 3’17” 裸絞め
第1試合 MMA 68kg契約 5分3R
×スノト(インドネシア)
○クォン・ウォンイル(韓国)
1R 1’43” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ONE Championship 10.13 両国国技館(2部):青木真也、ビビアーノ、ロッタン、ペトロシアン、V.V Meiが勝利。修斗×パンクラスは2勝2敗