ONE Championship 3.31 両国国技館:青木真也、フォラヤンを1R肩固めで下し王座奪還「明日もコツコツ生きていくんだよ」。アルバレスKO負け。V.V Mei一本勝ち。長谷川賢・若松佑弥・仙三・秋元皓貴は黒星
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ONE : A NEW ERA -新時代-
2019年3月31日(日) 両国国技館
レポート&写真:井原芳徳
- 3月の両国国技館大会の開会式
- ONE Championshipのチャトリ・シットヨートン会長兼CEO(19年3月の両国国技館大会にて)
ONE Championship初の日本大会。元UFC王者・デメトリアス・ジョンソンとエディ・アルバレスのONEデビュー戦が組まれ、青木真也やビビアーノ・フェルナンデスも登場するチャンピオンシップ4試合が並び、キック界からはヨードセングライ、ロッタン、アンディ・サワー、秋元皓貴ら実力者も参戦。ONEのチャトリ・シットヨートン会長兼CEO(右上写真)は父親がタイ人、母親が日本人。日本大会開催発表後の昨年4月のインタビューで「日本をPRIDEの全盛期を超える格闘技市場にするのが夢」と話していたが、その意気込み通りの豪華カードが並んだ。
ONEは昨年からAbemaTVでの中継を再開し、今大会も全試合を生中継する。AbemaTV以外にもテレビ東京系全国ネットでも当日夜22時54分~24時18分に放送された。ONEは昨年からAbemaTVでのリアリティショー「格闘代理戦争」で2シリーズに関わり、新空手・修斗・パンクラスとも提携し、日本での選手発掘にも力を入れている。アジア各地で月2~3大会開催されているONEだが、日本では10月13日と合わせ今年は2回開催し、来年は4回の開催を目指している。今回のONE史上最も豪華なカードは、今後の日本での定着に向けてのアピール効果も狙ったものと言えよう。
本戦
第15試合 メインイベント ONEライト級(77.1kg)チャンピオンシップ 5分5R
×エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン/王者)
○青木真也(イヴォルブMMA/挑戦者、元王者)
1R 2’34” 肩固め
※青木が新王者に
青木は11年のONE旗揚げから間もない12年にONEに初参戦。13年に朴光哲に勝利してONEライト級王者となり、14年にカマル・シャロルス、15年に安藤晃司を相手に防衛に成功した。だが16年11月にフォラヤンにTKO負けし王座陥落。17年11月には練習仲間でもあるベン・アスクレンの持つ、1階級上のウェルター級王座に挑戦して敗れた。18年に入ってからは本来のライト級で、5月のラスール・ヤカイエフ戦、7月のシャノン・ウィラチャイ戦、10月のイブ・タン戦と、3試合とも1Rで一本勝ちし、王座挑戦権を獲得した。
フォラヤンは青木戦の後、17年4月にイブ・タン相手に王座を防衛したが、10月にマーティン・ヌグエンにKO負けし王座陥落。18年は2連勝の後、空位となった王座を11月にアミール・カーンと争い、判定勝ちで王座奪還を果たした。
1R、サウスポーの青木に対し、フォラヤンが右のインロー、左フックを当てる。青木はひるまずじわじわ詰めると、青木の左ミドルとフォラヤンの右のインローが相打ちとなり、すぐ青木が両脇を差して組み付く。青木が金網に押し込みつつ、足をかけてテイクダウンに成功すると、ハーフガードからすぐさま肩固めを仕掛ける。そこから逆サイドへパスガードして絞め上げてフィニッシュした。
WHAT. A. FINALE! Japanese legend Shinya Aoki submits Eduard Folayang with a slick arm-triangle choke at 2:34 of Round 1 to reclaim the ONE Lightweight World Title! @a_ok_i #WeAreONE #ANewEra #Tokyo #MartialArts pic.twitter.com/TnF59STQUH
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年3月31日
金網を乗り越え大喜びした青木はベルトを肩にかけ「35歳になって、好きなことやって、家庭壊して、一人ぼっち格闘技やって、どうだお前ら、うらやましいだろ。俺はな、こうやってな、明日もな、コツコツ生きていくんだよ」「俺たちはファミリーだ」と満員の観衆にアピールした。
- 青木真也
大会後のインタビューで青木は「DREAMが無くなって、まだONEの人気が今みたいに無い時からチャトリに拾ってもらって、日本大会が決まってから1年盛り上げるためにだけやってきて、メインを飾れたので、ホッとしています」と話し、横にいたチャトリ氏は笑顔で青木の肩を叩き「本当にメインイベンターとして役割を果たしてくれました。世界中のファンにポジティブなメッセージを届けてくれました」と労った。今後について青木は「次は若い選手とやりたい」「クリスチャン・リー(アンジェラの弟)とやりたい」と話した。
- 19年3月のONE両国大会終了後の会見での青木真也とチャトリ代表(後方)
- 3月31日の両国大会後の会見での青木真也
第14試合 コーメインイベント ONE女子ストロー級(56.7kg)チャンピオンシップ 5分5R
○ション・ジンナン(中国/王者)
×アンジェラ・リー(シンガポール/挑戦者、アトム級王者)
5R 1’37” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※ジンナンが防衛
この一戦は11月9日にアンジェラの地元・シンガポール大会で予定されていたが、アンジェラの腰の負傷で延期となっていた。
1R、アンジェラが序盤からジンナンを金網に詰め、膝を当ててからテイクダウンを奪い、トップをキープする。中盤に立たれるが、その後もアンジェラが押し込み続ける。終盤、ジンナンがパンチを少し当てるように。
2R、お互い慎重なファイト。アンジェラが詰めようとするが、ジンナンが回り続ける。どちらもパンチと蹴りを当てるものの、決定的な攻撃は無い。
3R、アンジェラが押し込むと、両脇を差して序盤からテイクダウンを奪う。いったん立たれてもすぐ倒してサイドを奪い、アームロックを狙うが、ジンナンは立ってスタンドに戻す。するとジンナンがバックスピンキックのヒットをきっかけに、パンチの連打で前に出て攻め込むように。2度連打で追い詰める場面を作り好印象を残す。
4R、序盤からアンジェラがテイクダウンを奪うと、金網際でサイドを奪い、じっくりと有利な状態に移行し、バックを奪ってから、変形の三角絞めを仕掛ける。そのまま腕十字、アームロックも仕掛けるて追い詰めるが、形が不完全で極めきれない。
すると5R、アンジェラはパワーを使い切ったか?ジンナンが序盤から前に出てパンチを振るっていると、アンジェラは口が開き、弱弱しい目で後退を続ける。ジンナンはここぞとばかりに前に出続け、右の前蹴りをボディに効かせて動きを止めると、金網に詰めてパンチを連打し、アンジェラが背中を半分向けてうずくまり、レフェリーがストップした。
第13試合 コーメインイベント ONEミドル級(93.0kg)チャンピオンシップ 5分5R
○アウンラ・ンサン[オングラ・エヌサン](ミャンマー/王者、ライトヘビー級王者)
×長谷川賢(フリー/挑戦者)
2R 4’41” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
※ンサンが防衛
ンサンと長谷川は18年6月のミャンマー大会で対戦。空調の無い灼熱の会場の中で殴り合いの死闘を繰り広げ、地元出身のヒーロー・ンサンが5RにTKO勝ちした。チャトリ氏はこの試合を「ONE Championshipの7年間で歴史の中で私の一番好きな試合だった」と絶賛し、両選手にそれぞれ5万ドルずつのボーナスを支給した(帰国後の長谷川のインタビュー記事はこちら)。8月の東京でのONEの会見でも長谷川は今大会での再戦を希望し、それが通った形だが、厳しい結果となる。
- 長谷川賢
1R、サウスポーの長谷川に対し、オーソドックスでリーチの勝るンサンが重みのある右ミドルを当て続ける。早くも長谷川の脇腹が腫れてくると、ンサンの右ストレートも当たりだし、長谷川は時折バランスを崩してしまう。
2Rもンサンが右ミドル、右ストレートを当て続ける。長谷川は鼻血を出し、脇腹が紫色になり、苦しい展開に。終盤、長谷川はタックルを仕掛けるが、ンサンは右膝を合わせひるませる。長谷川はスタンドに戻されると、ガードが下がったところで、ンサンが右フックをクリーンヒット。長谷川が腰から崩れ落ち、ンサンが追い打ちのパウンドを当てたところでレフェリーストップ。ンサンの完勝に終わった。試合後、ブランドン・ヴェラがケージに入り、対戦を希望した。
第12試合 コーメインイベント ONEバンタム級(65.8kg)チャンピオンシップ 5分5R
×ケビン・ベリンゴン(フィリピン/王者)
○ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/挑戦者、元王者)
3R 反則
※フェルナンデスが王者に
両者は過去2度対戦し、16年1月の初対決ではビビアーノが1Rアームロックで一本勝ちしたが、昨年11月の王座統一戦での再戦では暫定王者のベリンゴンが判定1-2で勝利し、正王者となっている。ビビアーノはこれで11年9月から約7年続いた連勝が14でストップ。この試合の裁定には賛否両論で、ビビアーノにとってもDREAM時代に馴染み深い日本で3度目の対戦が組まれることになった。
1R、ベリンゴンが右ロー、バックスピンキックを当てていたが、中盤過ぎ、ビビアーノが右のオーバーハンドフックを当てて、ベリンゴンをひるませる。ビビアーノはパンチで追いかけた末にタックルで倒し、寝技で攻めようとするが、ベリンゴンは対処し、ビビアーノはハーフガードをキープする。終了間際にビビアーノがパウンドをまとめ、バックから裸絞めを狙うが時間切れになる。
2Rは一転、お互い慎重な展開。ベリンゴンはバックスピンキックを時折り当てるが、当たりは浅く、終盤、ビビアーノが倒して上になるが、パウンドを少し当てる程度に留まる。
3R、ビビアーノが序盤からタックルでテイクダウンを奪うが、下になったベリンゴンが右肘をビビアーノの後頭部に連打する反則を犯し、ビビアーノが痛みを訴え中断する。ベリンゴンにはいったんイエローカードが出されるが、その後、ドクターストップがかかったことで、レッドカードに切り替わり、ビビアーノの勝利となった。ビビアーノは不満を示しており、4度目の対戦が確実となった。
第11試合 ONEフライ級(61.2kg)GP一回戦(Aブロック) 5分3R
×若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A/パンクラス1位)
○デメトリアス・ジョンソン(米国/元UFC王者)
2R 2’40” フロントチョーク
- デメトリアス・ジョンソン
- 若松佑弥
ONEは10月にDJことデメトリアス・ジョンソンとエディ・アルバレスのUFC元王者2人との契約を発表。2人の階級であるフライ級とライト級で、各8選手が参加するトーナメント(GP)を今年1年かけて開催することになった。
UFCフライ級王座を11度防衛したDJのONE初戦の相手は、日本の新鋭・若松。9月のジャカルタ大会でONEデビューし、MMA 10勝1敗のフィリピンの新鋭・ダニー・キンガドの相手に抜擢され、判定負けに終わったものの、残り1分まで逆転の可能性を残す好勝負を繰り広げ、素質の高さを印象付けていた。チャトリCEOも大きな期待を寄せる選手だ。
なお、フライ級GP一回戦Aブロックの残り1試合、和田竜光 vs. イヴァニルド・デルフィノも今大会で予定されていたが、デルフィノの負傷欠場により延期となっている。
1R、DJがタックルを再三仕掛け、テイクダウンを重ねる展開。若松は完全に背中をつけず、スタンドに戻し続け、右アッパーなどのパンチを当てる。終盤、DJが倒して金網際でサイドを奪い、腕十字をうかがうが、若松は対処する。
2R、若松が右フックを当てるが、DJはタックルを仕掛けテイクダウンを奪う。DJは金網際で押さえつけ、途切れない動きでポジションを移動し、肩固め、裸絞め、腕十字の機会をうかがう。若松は防戦一方。DJはサイドキープした後、若松に動かせ、若松が中腰になると、DJが若松の頭と胸に軽く膝蹴りを連打。そこで若松の意識を打撃に向けさせた後、DJは立った状態でギロチンを仕掛けて絞り上げタップを奪取。DJが盤石の強さを見せつけた。
第10試合 ONEライト級GP一回戦 5分3R
×エディ・アルバレス(米国/元UFC王者)
○ティモフィ・ナシューヒン [Timofey Nastyukhin] (ロシア)
1R 4’05” TKO (レフェリーストップ:左フック)
- 3月の両国でのエディ・アルバレス vs. ティモフィ・ナシューヒン
DREAM、ベラトール、UFCで華々しい活躍を続けてきたアルバレス。初来日は06年のMARS両国国技館大会だった。それから約13年ぶりの両国は、アルバレスにとってもUFCを離れて第一歩となる大事な試合だ。ライト級GP一回戦の相手に用意されたナシューヒンはONE 5勝3敗の29歳。フォラヤン、安藤、カーンに勝った実績があり、ONEでの実績は十分だろう。
1R、スタンドの打撃戦が続き、圧力をかけようとするナシューヒンに対し、アルバレスは細かく左右に動いて的を絞らせない。アルバレスが右ローを放つと、ナシューヒンは蹴り足をすくって右フックを振るいながら倒す。当たっていないが場内をどよめかせる。すぐスタンドに戻るが、ナシューヒンが時折左フックを当てていると、威力を発揮。さらに圧力を強め、左フックをクリーンヒットすると、アルバレスはダウンし、ナシューヒンが追い打ちをかけようとしたところでレフェリーがストップ。ナシューヒンが番狂わせを起こした。
第9試合 キックボクシング(4オンスグローブ着用) 72kg契約 3分3R
×アンディ・サワー(オランダ)
○ヨードセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
2R 0’51” TKO (レフェリーストップ:左フックでダウン後)
ONEは昨年から立ち技部門「ONEスーパーシリーズ」をスタートし、世界中から強豪をかき集めてきたが、ヨードセングライとサワーもそのうちの2人。サワーにとって日本は第二の故郷ともいえる土地で、健在ぶりを示したいところ。両者は11年前の08年3月にサワーの母国オランダで対戦し、サワーが延長判定勝ちしている。
- アンディ・サワー
1R、ヨードセングライがサウスポーに構えて左ミドルを序盤から当て続け、接近戦で右フックを当ててダウンを奪う。サワーのダメージは小さく、その後は右ローを返すが、ヨードセングライの圧力は止まらず、終盤には詰めてパンチを連打する。サワーはある程度かわしているが印象が悪い。
2R、ヨードセングライが序盤からロー、パンチを当てていると、サワーはスリップを繰り返す。サワーは踏ん張りが効かず、バランスが悪い。するとヨードセングライが金網に詰め、左フックを当ててダウンを奪う。サワーは立ち上がってファイティングポーズを取るが、大成レフェリーはストップ。サワーは不満を示し、ストップは早いとは感じたが、このまま続いていたとしても挽回は難しかっただろう。
プレリミナリーファイト
第8試合 ONEフライ級(61.2kg)GP一回戦(Bブロック) 5分3R
×仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)※FREEDOM@OZから所属変更
○ダニー・キンガド(フィリピン)
判定0-3
アンドリュー・レオーネの欠場により、大会2週間前に仙三の代役出場が急きょ決まった。仙三は昨年2月の若松とのパンクラス・フライ級タイトルマッチで5Rの死闘の末にTKO勝ちして以来の試合となる。右拳の負傷のため療養し、1月にはFREEDOM@OZからパラエストラ松戸に移籍し、2月末から本格的な練習を再開していた。
- 仙三
1R、キンガドが圧力をかけてミドル、ローを当て、タックルで倒すと、素早い動きでバックを奪い、仙三を脅かす。仙三は立ち上がるが、すぐグラウンドに戻される。それでも立つと、キンガドに左フックを一発当て、一瞬ひるませて場内を沸かせるが、すぐ倒され下になる。
2Rはスタンド勝負が続き、キンガドは腰の入った右ロー、仙三は独特のフェイントからの左フックを当てる。仙三は少し踏ん張りが弱くなり、キンガドに数度タックルから倒されるが、すぐスタンドに戻す
3R、前に出てパンチを狙う仙三に対し、キンガドが回ってかわしながら右ローを着実に当て続ける。中盤、金網際でのもみ合いで、仙三がバックを奪いかけるが、キンガドが脱出する。終盤、キンガドがバック肘を当てて、背中を向けた後、仙三が背後からオンブになり裸絞めを狙うが、入りかけたところで終了のゴングが鳴る。記者採点はローキックとテイクダウンで着実に印象を残したキンガド。ジャッジ3者も同じで、仙三はあと一歩及ばなかったものの、急なオファーにも十分な仕事を果たす試合内容だった。
第7試合 ONEフライ級(61.2kg)GP一回戦(Bブロック) 5分3R
○カイラット・アクメトフ(カザフスタン/元ONE王者)
×リース・マクラーレン(オーストラリア)
判定3-0
1R、スタンドの打撃戦で、五分の展開が続くが、終盤、アクメトフが左フックでダウンさせ最後はトップキープする。2R、アクメトフがパンチを当てると、マクラーレンは鼻血を出して苦しそう。マクラーレンはタックルを切られ続ける。3Rもアクメトフが圧力をかけ続けて主導権を維持し完勝した。
第6試合 ムエタイ(肘有り・4オンスグローブ着用) フライ級(61.2kg) 3分3R
○ロッタン・ジットムアンノン(タイ/元ルンピニー認定スーパーフェザー級1位、元ラジャダムナン同級1位)
×ハキム・ハメッシュ(アルジェリア)
判定2-1
RISEで那須川天心とも接戦を繰り広げ、ONEの東南アジア各地の大会でも人気のロッタンが登場。ハメッシュは15年7月のK-1で武尊に判定負けしている選手。昨年8月のONEでは小笠原裕典に1R KO勝ちしている。
1R、序盤は慎重だったロッタンだが、ボディへのパンチをきっかけに、左ミドルのヒットを増やし優位に試合を進める。
2Rはロッタンが距離を詰め、ハメッシュのボディにパンチ、ミドル、膝を集中。ハメッシュもパンチを返すが手数が少なく、時折押されてスリップして印象を悪くする。
3R、ハメッシュも手数を上げてくるが、ロッタンはかわし、圧力をかけ続ける。ヒットは減るが、随所で着実にパンチと膝を当てる。
記者採点はロッタン。ジャッジは割れたが、順当にロッタンが勝利した。
第5試合 キックボクシング(4オンスグローブ着用) フライ級(61.2kg) 3分3R
×秋元皓貴(イヴォルブMMA/元WBCムエタイ日本フェザー級王者)
○ヨセフ・ラシリ[Joseph Lasiri](イタリア)
判定0-3
秋元は現在26歳。小学2年生から空手を始め、2010年のK-1甲子園で準優勝し、K-1甲子園では山口裕人、小川翔、江幡睦に勝利。プロでもピンサヤーム、森井洋介、駿太を下し、12年にはMA日本とWBCムエタイ日本のフェザー級王座を獲得。だが13年4月のスラチャイ・シースリヤンヨーティン戦でプロ19戦19勝としたのを最後に、キックを引退。空手に戻り、17年5月のJFKO主催第4回全日本フルコンタクト空手選手権では軽量級優勝を果たした。昨年10月、ONEのチャトリ・シットヨートン会長兼CEOが経営するシンガポールのジム「イヴォルブMMA」に加入。1月25日のONEマニラ大会でキック復帰戦を行い、1Rにジョシュ・トナーから右ストレートでダウンを奪われたが、3Rに右ミドル、右ハイでダウンを奪い、逆転判定勝ちしていた。
1R、序盤からラシリが圧力をかけてパンチを当て、中盤過ぎに右フックを当ててダウンを奪う。その後もラシリがパンチと飛び膝のラッシュを続け、秋元は右まぶたを腫らして苦しむ。
2R、秋元は先手必勝とばかりに序盤から手数を上げ、右ストレート、左ボディ、左右のミドルなどを積極的に当て主導権を奪い返す。ラシリは時折攻撃を返すが、鼻血を出し、一転苦しい展開になる。
3R、ラシリもインターバルを挟むと回復し、手数を上げてくる。秋元も応戦し、お互い一歩も引かぬ展開。秋元が右ミドルを効かせ、やや手数多く攻めるが、ラシリも下がりながら細かくパンチを返し続ける。
記者採点は1Rにダウンを奪ったラシリ。ジャッジは3者がラシリを支持し、ラシリの勝利。秋元はキックルール21戦目で初黒星となったが、2Rから巻き返しも光る試合だった。
第4試合 アトム級(52.2kg) 5分3R
○V.V Mei[山口芽生](RIKI GYM/和術慧舟會GODS/HybridFighter/Team Teppen/元王者)
×クセニヤ・ラチコヴァ[Kseniya Lachkova](ロシア)
3R 3’18” 腕ひしぎ十字固め
VALKYRIE、DEEP JEWELS、そしてONEでタイトルを獲得してきたMeiも日本大会に登場。昨年5月にアンジェラ・リーとの接戦で敗れてONEの王座から陥落し、12月の試合で勝利しており、コツコツと勝利を重ねて王座奪還につなげたいところだろう。
- V.V Mei
両国国技館大会を意識し、Meiは入場時、四股を踏むパフォーマンスを展開する。1R、長身のラチコヴァが伸びのあるパンチをヒット。Meiは度々押し込んでテイクダウンを狙うが、逆に押され返され、2度テイクダウンを許してしまう。
2R、Meiがテイクダウンを奪い上になるが、ラチコヴァは下から腕十字で脅かす。終盤はMeiがトップキープし時折鉄槌を当て、好印象を残す。
3R、Meiが右フックを当ててからタックルで倒し、下からのラチコヴァのサブミッションをしのいでサイドを奪う。横から膝を当て、いったんハーフに戻ってパウンドを落としてからマウントへ。さらにパウンドを当て、ラチコヴァが苦しそうな表情を浮かべると、すかさず腕十字を極めてタップアウト。場内は大歓声に包まれた。
Meiは「ラチコヴァ選手、打撃が強くてなかなか組みに行けなかったんですけど、皆さんの山口という声が耳に刺さりました。絶対にフィニッシュしないといけないと思い、最後まで全力で行けました」とインタビューで話した。
- ゲイリー・トノン
第3試合 フェザー級(70.3kg) 5分3R
×アンソニー・アンゲレン[Anthony Engelen](オランダ)
○ゲイリー・トノン(米国)
1R 4’12” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
2試合 ムエタイ(肘有り・4オンスグローブ着用) バンタム級(65.8kg) 3分3R
○パニコス・ユサフ[Panicos Yusuf](キプロス)
×モハメド・ビン・マフムード(マレーシア)
判定3-0
第1試合 ライト級(77.1kg) 5分3R
○ユン・チャンミン(韓国/AbemaTV「格闘代理戦争2ndシーズン」優勝)
×バラ・シェッティ[Bala Shetty](インド)
1R 4’16” 裸絞め