MuayThai Super Fight 4.24 名古屋国際会議場(レポ):福田海斗、天心と戦ったラジャダムナン現王者・クマンドーイからダウン奪取&肘で切り裂き判定勝ち
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Suk Wanchai MuayThai Super Fight(スック・ワンチャイ・ムエタイ・スーパーファイト)
2022年4月24日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール
記事提供:MuayThai Super Fight
第10試合 メインイベント IMSA(国際ムエタイスポーツ協会)世界スーパーバンタム級初代王座決定戦 3分5R
×クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ/IMSA同級2位、ラジャダムナン&True4Uスーパーフライ級王者)
○カイト・ウォーワンチャイ[福田海斗](キング・ムエ/IMSA同級5位、元プロムエタイ協会フライ級王者、元True4Uスーパーフライ級&バンタム級王者、元WPMF世界フライ級王者)
判定0-3 (48-50/47-49/47-49)
※福田が王者に
メインイベントでは現ラジャダムナンスタジアム&True4U王者のクマンドーイとカイトが対戦し、カイトが1Rに右フックでダウンを奪取、その後も激しい撃ち合いを制し判定勝利。2019年大会(vsルンナライ戦)に続きまたしてもタイの2大スタジアムの現役王者を下しての殊勲の星を挙げ、IMSA世界王座を獲得した。
クマンドーイは今回2度目の来日。前回2020年大晦日に開催されたRIZIN.26で那須川天心と対戦、判定で敗れたとは言え体格差をモノともせず強烈なパンチとミドルキックで場内を沸かせた。その後、ペッティンディープロモーションへ移籍し、昨年10月には現True4Uスーパーバンタム級王者ディーゼルレックに2ポンドのハンディ(クマンドーイ121ポンド、ディーゼルレック123ポンド)を与えながら判定勝利、今年1月には121ポンド契約で元ラジャ王者プーンコンに圧勝。3月10日(木)には115ポンド(スーパーフライ級)まで落としてペットシラー・ウォーウラチャー(現王者)とのラジャダムナンスタジアム&「True4U」スーパーフライ級タイトルマッチを制し、現在115ポンド~122ポンドあたりでは正真正銘のトップとっても過言ではないだろう。
一方、カイトは今年3月、約2年ぶりにラジャダムナンスタジアムのリングに登場。スーパーバンタム級の上位選手であるファープラタンと対戦したが、久々のタイのリングということもあって精彩を欠き判定負け。
この両者の調子具合もあって、戦前の予想はクマンドーイを推す声が多かった。とはいえ、日本国内での試合ということもあり、タイでの試合前の賭け率は2-1とそれほど差がないものとなっていた。
両者ワイクルーの後、1Rのゴング。カイトはいきなり距離を潰してクマンドーイに接近、ジャブからローのコンビネーション。若干面食らったクマンドーイ、コーナーを背負って前蹴りで牽制。意表をついた二段蹴りも繰り出すがカイトは落ち着いてガード。なおもプレッシャーをかけるカイトに対しクマンドーイはスピードの乗った左ミドルをヒットさせる。しかし、右ストレートを打ちにいった瞬間、カイトの右フックがカウンターでヒット。転げるようにクマンドーイがダウン。すぐ起き上がったものの、ややぐらついている様子。再開後カイトはすぐコーナーに追い詰め両者撃ち合いに。場内は騒然となり、必死に前蹴りと左ミドルで凌ぐクマンドーイだが常にロープに詰められ防戦一方。ゴングに救われる形となったが、タイ側セコンドも大慌てでクマンドーイの介抱に。
この試合は世界王座戦ということでインターバルは2分間。十分に回復したクマンドーイは第2Rから怒涛の反撃を見せる。左フックでガード越しに爆音を轟かせ、ヒジを振るう。カイトもヒジで応戦し危険なヒジの攻防に。パンチの数はクマンドーイが上回っているもののカイトは下がることなくコツコツとローを返していく。
第3Rもクマンドーイの剛腕は衰えずカイトを襲う。下がってはいないものの、徐々にガードを固めるのみとなり印象の悪いカイト。クマンドーイは重いパンチからミドルのコンビネーション、そして左フックがついにクリーンヒット。グラつくカイトに追い討ちをかけ仕留めようとするもカイトは踏ん張りローを返す。後半、クマンドーイの足がローで流れるようになりややダメージがあるか。
そして勝負の第4R、早々に仕掛けたのはカイト。クマンドーイがパンチを打つ前にプッシュしてローキック。ロープに詰まったところへ左の縦ヒジ一閃。これでクマンドーイはカットし流血。ピンチを悟ったクマンドーイはここから鬼の形相で左右フックを強打、これにカイトも呼応しフックの相打ちで場内は最高のボルテージへ。カイトが左フックを当てたところでレフェリーが試合を中断し、クマンドーイの傷のドクターチェックへ。幸い、すぐに再開したもののクマンドーイの劣勢は明らかだ。カイトは前進を止めることなくパンチを打ち続け組んでもクマンドーイのアゴを上げさせる。しかし、クマンドーイのミドルの威力はここでも落ちずカイトもクリーンヒットを許してしまう。
最終ラウンド、ポイント的にはややカイトが優勢か、クマンドーイも必死で強打を振るうがカイトは下がることなく距離を潰しクマンドーイに連打を許さず、後半はムエタイの定石通り前蹴りで距離を取りポイントアウトし、試合終了。ジャッジの採点は48-50/47-49/47-49で、3-0でカイトが現役王者をまたしても下すという快挙を成し遂げた。
この試合はタイの有名ムエタイ情報サイト「ムエデット789」で生中継されていたため、直後からタイのムエタイファンや関係者から驚きを持って受け止められ、現地で大きな話題となった。IMSA世界スーパーバンタム級王者となったカイト、同協会ランキング委員会委員長のスパサック氏は今後のカイトの予定について「現在、ラジャダムナンスタジアムのスーパーバンタム級王者ペットセンセーブはギャットペット系列のため、交渉次第ではあるが王座戦の話をする」と話し、史上初の快挙に向け動き出したと言えるだろう。今後の動きに注目が集まる。
4/24(日)「Suk Wanchai MuayThai Super Fight」試合レポート
日タイ国際戦
IMSA世界Sバンタム級王座決定戦
3分5R
クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ)
判定3-0
○カイト・ウォーワンチャイ
(キング・ムエ/ @muaythaikaito )レポートはこちら→ https://t.co/AYYNbPweIf pic.twitter.com/zgcnUExQsG
— Suk Wanchai MuayThai Super Fight (@MuayThaiSF) April 26, 2022
第9試合 セミファイナル 58kg契約 3分5R
○ジャオスアヤイ・ソーデッチャパン(タイ/タイ7チャンネル(BBTV)フェザー級6位、K-1フェザー級王座決定トーナメント2019準優勝)
×TAKERU(GET OVER/WBCムエタイ日本フェザー級7位、DBS&RKA同級王者)※大脇武 改め
4R KO (右ハイキック)
ジャオスアヤイ vs. TAKERUはジャオスアヤイがムエタイテクニックを駆使し粘るTAKERUを圧倒。ハイキックでTAKERUを4R KOに下し、トップ選手の実力を見せつけた。
ジャオスアヤイは今回で3度目の来日。2019年11月の第3代K-1フェザー級王座決定トーナメントでK-1初登場。一回戦では必殺の飛びヒザ蹴りで安保璃紅をKOし、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘の末に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。2回目の来日となった2020年3月「K’FESTA.3」では、小澤海斗からもTKO勝利を収める。その後はタイでも活躍を続け、現在は7チャンネルスタジアム(BBTV)のフェザー級6位にランクインしており、常にメインで登場するトップ選手だ。
ジャオスアヤイの代名詞となっている飛びヒザ蹴り(カウロイ)はタイでも有名、2021年には芸術的な技を使う選手が選出される、同スタジアムの「シンラパメーマイムエタイ賞」を受賞しその後も飛びヒザでのKO勝利を連発し、実力と華やかさを併せ持つ。
対するTAKERUは地元名古屋市出身の22歳。2021年1月のREBELSでメジャー初登場、小笠原裕典と対戦しダウンを奪う快勝で一躍その名を知らしめ、同年3月のKNOCK OUTでは龍聖と対戦し、肩を脱臼しながらもフルに戦い抜き、龍聖の連続KO記録をストップさせた根性とテクニックを併せ持った新鋭。復帰戦となった今年3月20日のジャパンキックの試合では皆川裕哉から勝利をあげトップ戦線に返り咲いた新進気鋭の若獅子。
試合前のタイ現地での賭け率は5-4でジャオスアヤイがリード。しかし、5-4という賭け率はイーブンに近いものであるため、やはり日本での試合ということと、ジャオスアヤイの減量が厳しいということもあって、TAKERU側にも賭けが流れていたということであろう。
序盤、ジャオスアヤイは余裕たっぷりに右前蹴りでサウスポーのTAKERUを吹っ飛ばし、かかと落としを見せる。TAKERUは付き合わず落ち着いて左ボディフック。そしてタイミングよく左ローも当てていく。ジャオスアヤイは右・左と構えを変えながらかく乱するもTAKERUは構えを崩さず伸びるジャブを当てていく。その距離を嫌って前蹴りとともにプレッシャーをかけていくとTAKERUは巧みに距離を外し、ジャオスアヤイに良い距離を取らせない。こうした展開に「来い!」と手招きするジャオスアヤイだが、TAKERUは冷静に距離を保つ。そして前に出てくるジャオスアヤイに対し鋭いジャブや左のロングフックをヒットさせ、試合巧者ぶりを見せつける。
中盤からジャオスアヤイもパンチをまとめ出し、コーナーに詰まったTAKERU。そして首相撲の展開ではがっちりとロックしヒザを突き立て、距離が開けば得意の飛びヒザ蹴りも繰り出しジャオスアヤイが優位に立つ。徐々に消耗が目立つTAKERUだが入り際にバックブローも繰り出し意地を見せるものの、左ヒジを被弾しドクターチェック。
第4R、後がなくなったTAKERUはフェイントをかけ右アッパーから左ストレートのコンビネーション、そしてもう一度右アッパーから左ストレート打つがジャオスアヤイにステップバックかわされ、体が流れたところに右ハイキック。ばったり倒れたTAKERUを見てレフェリーが即座に試合を止め、ジャオスアヤイのTKO勝ちとなった。
試合後のインタビューでジャオスアヤイは「今日の試合は減量がキツく、KOできると思っていなかったから嬉しい。タケルはまだまだムエ・ルアム(ムエタイ用語で立ち方が緩くスキが多い選手)だが、足が速く気持ちも強い。タイにも来て欲しいね。」と感想を述べた。
第8試合 バンタム級 3分5R
○タナデー・ウォーワンチャイ(タイ/元ラジャダムナン&ルンピニー認定フライ級1位)
×國本真義(MEIBUKAI/元WMCインターコンチネンタル・バンタム級王者)
判定2-1 (49-47/48-49/49-48)
第7試合 ウェルター級 3分5R
×タムナンラック・FELLOWムエタイジム(タイ)※ジョー・FELLOWジム 改め
○滝口幸成(キング・ムエ/WMCインターコンチネンタル・ウェルター級王者)
4R KO (右ストレート)
第6試合 72kg契約 3分3R(延長1R)
×緑川 創(RIKIX/RISEミドル級(70kg)4位、元WKBA世界スーパーウェルター級王者、元新日本ウェルター級王者)
○小原俊之(キング・ムエ)
2R TKO (ドクターストップ:肘打ちによるカット)
第5試合 女子51kg契約 3分3R
×アイーダ・ルークサイコンディン[Aida Looksaikongdin](タイ)
○IMARI(LEGENDジム/ミネルヴァ・スーパーフライ級2位)
判定1-2 (29-28/28-29/29-30)
第4試合 71kg契約 3分3R
×プーパンレック・ジョウジム(タイ/JOEGYM/WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者)
○康輝(キング・ムエ)
判定1-2 (29-28/28-29/28-30)
第3試合 52kg契約 3分3R
×老沼隆斗(STRUGGLE/元REBELS-REDスーパーフライ級王者)
○山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第2試合 オープニングファイト バンタム級 3分3R
×中島隆徳(GET OVER)
○恒星(LEGENDジム)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第1試合 オープニングファイト 53kg契約 3分3R
○隼斗[はやと](西田キックボクシングジム)
×野嶋琉生[るい](BLITZ)
判定2-0 (29-28/29-29/29-28)