ONE 3.25 シンガポール(レポ):ハム・ソヒ、平田樹をボディ狙いの打撃で苦しめ完勝。パンクラス・ストロー級王者 山北渓人、元ONE王者アレックス・シウバとの寝技勝負制す
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ONE Championship「ONE Fight Night 8: Superlek vs. Williams」
2023年3月25日(土)シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
ハム・ソヒ、平田樹をボディ狙いの打撃で苦しめ文句無しの判定勝ち
第8試合 MMA 女子アトム級 5分3R
○ハム・ソヒ(韓国/2位、元ROAD FC&DEEP JEWELS同級王者、元RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)王者)
×平田 樹(フリー)
判定3-0
ソヒは昨年3月のONE Xでのデニス・ザンボアンガとの再戦で判定勝ちして以来1年ぶりの試合。平田は昨年8月のリン・ホーチン戦で判定勝ちして以来の試合。だがその試合でアトム級リミットを4ポンド(1.81kg)オーバーしていた。さらに昨年11月のソヒ戦でも計量で0.5ポンド(220g)オーバーしてしまう。平田はONEで3度目の計量オーバーとなることから、ソヒは「誰でも1度は失敗するものだと思います。ですが2度、3度と何度も繰り返すなら大問題です」「彼女はプロとしての基本がなっていません」等と厳しく非難し、対戦を拒否していた。それから5か月、改めて同じ体重設定で両者の試合が行われる。前日計量を平田は無事クリアし、直後にソヒと笑顔で抱擁していた。
試合はキャリアで大きく上回るソヒが格の違いをまざまざと見せつける内容に。1Rからソヒが先手をしっかり取る。ソヒがサウスポーで構え、オーソドックスの平田にじわじわプレッシャーをかける。ソヒは軽く左ミドル、左ストレートを当て、平田のタックルも軽々とかわし続ける。平田は下がり続け、お見合い長く、ハーブ・ディーン・レフェリーは双方に攻撃を度々促す。終盤、平田がタックルでソヒの足首をつかむところまで行ったが、ソヒは切って押さえながらパウンドを当て、立ち際にも平田の顔面に膝を当てる。最後の平田のタックルもソヒは簡単に切る。ここまでソヒが優勢だ。
Ham Seo Hee SWARMS Itsuki Hirata in Round 2!
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2R、ソヒが差を広げるラウンドに。ソヒが変わらず圧をかけて左ストレート、左ボディフックを時折当て主導権を維持する。平田は手を振って挑発する場面もあったが、少しずつ焦りの表情に。中盤、平田のタックルをソヒが潰して上になる。平田はリバースするが、すぐにソヒは立つ。平田はそのまま片足タックルで金網にソヒを押し込んでから、倒して上から押さえるが、ソヒは背中をつけず立ち上がり、平田のチャンスを潰す。終盤、平田が真っすぐ入るタックルをソヒは切り、離れ際にまたも膝をヒットする。ソヒは容赦なく左ボディフック、ミドルを当て、平田を追い詰める。減量に苦しんだ平田を意識してか、ソヒはボディに攻撃を集中する。終了のベルの後、平田は肩を落として自軍に戻る。
3R、ソヒが平田の反撃を封じるラウンドに。ソヒが圧をかけ、平田が回っていると、ディーン・レフェリーは消極的だとして、30秒ほどで減点相当のイエローカードを出す。やや早い感は否めないが、これまでの消極性も累積しての判断だろうか。ソヒが左ミドルを当てると、平田はタックルを仕掛け、またも倒してソヒの片足をつかんで押さえるが、ソヒは座って金網を背にした状態を維持し、その先の攻めを許さない。終盤になってもその状態は変わらず、ソヒは体をズラして鉄槌を時折当て、しっかり印象を作る。終了間際、平田が背中をつけさせる場面もあったが、すぐにソヒが立って終了する。
記者採点はソヒ。ジャッジ3者も順当にソヒを支持し、ソヒの判定勝ちとなった。裁定発表後、平田も完敗を認めるように笑顔でソヒと握手した。
パンクラス・ストロー級王者 山北渓人、ONEデビュー戦で元ONE王者アレックス・シウバとの寝技勝負制す
第4試合 MMA ストロー級 5分3R
×アレックス・シウバ(ブラジル/元ONEストロー級王者)
○山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We/パンクラス・ストロー級王者)
判定0-3
アマゾンプライムを通じて北米にも放送されている「ONE Fight Night(ONE on Prime Video)」シリーズ。昨年夏からスタートし、従来のナンバーシリーズは休止し、今年から始まったタイのルンピニースタジアムでのFriday Fightsシリーズがサブシリーズならば、Fight NightシリーズがONEのメインのシリーズとなりつつある。Friday Fightsはリング、Fight Nightはケージと、試合場も異なる。山北のONEデビュー戦はFight Nightのメインカードの冒頭に置かれた。
山北は三重出身、1996年8月4日生まれの26歳。レスリングでは専修大学時代の2017年に国体で準優勝し全日本選手権にも出場。MMA転向後はアマチュアで10連勝し、20年2月にプロデビューし同年のネオブラット・トーナメント・ストロー級で優勝。21年2月のRoad to ONE渋谷大会では修斗のランカーの安芸柊斗に2R TKO勝ち。上位ランカーを次々撃破すると、昨年7月にはRIZINにも出場している北方大地に判定勝ちし、パンクラス・ストロー級王者となり、プロデビュー以来の連勝を7とした。
アレックスはONE草創期の12年からONEに上がり、昨年10月で40歳になったベテラン。内藤のび太とは1勝2敗、鈴木隼人、猿田洋祐、箕輪ひろばにも勝利し、日本勢の好敵手としても知られる。昨年は1勝2敗で、昨年10月のグスタボ・バラート戦で判定負けした。現在はランキング圏外だが、ONEは5位までしかランキングが無いため、もし10位まであればランキングに入る実力者であることには間違いない。柔術仕込みの寝技が強みで、山北のグラップリングスキルを示すには絶好の相手となった。
山北はまだMMAキャリアも浅いこともあってか、8か月ぶりの試合でより進化した姿を見せつつ、ベテランのアレックス相手に試合巧者ぶりも発揮することに。1R、お互いローを打ち合った後、山北が右フックを振りつつ、タックルでテイクダウンを奪う、だがアレックスは背中をつけず、下からリバースを狙いつつ、三角絞めを狙う。アレックスはオモプラッタに切り替えてリバースを狙い、しばらく山北も抵抗したが、アレックスが上に。だが山北はこれもすぐ返し上を取り戻し、序盤から目まぐるしい展開となる。
中盤過ぎに差し掛かり、山北は右の鉄槌を連打してから、立ち上がってがぶりの状態から頭に膝を連打する。だがアレックスは足にしがみつきタックルで返して上になる。終盤、アレックスはサイドを取り、上四方に回って膝を当てる。最後はアレックスがマウント、バックと動いて優位で終える。ここまでハイレベルな一進一退で、甲乙つけがたい状態だ。
Keito Yamakita lands some MASSIVE shots on Alex Silva en route to a unanimous decision victory!
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2R、パンチが交錯すると、山北の右と左のフックが立て続けに当たり、アレックスは少しひるんで後退する。山北は倒してグラウンドに持ち込み、金網際でハーフガードで押さえる。山北はセコンドの近くのため、指示が聞こえやすく、スクランブルの状態でも主導権を維持し、がぶりから膝を当て、バック狙う。だがアレックスはまだ元気で、返して上に。終盤、アレックスはハーフで押さえるが、またも山北は返し、右のパウンドを連打する。もがくアレックスを押さえ、肩固めも狙い、主導権を維持して終える。
3R、山北は右ハイのタイミングでややバランスを崩すが、詰めてきたアレックスを潰し、山北は上になる。だがバックを取ろうとすると失敗し、アレックスがハーフで押さえる。アレックスは肩固めを狙いながらパスガードするとそのままバックマウントを取り、足4の字ロックでガッチリと山北を捕獲する。山北はセコンドの山崎剛氏の声を聞きつつ立ち上がり、振り落として脱出に成功。見事アレックスの逆転のチャンスを潰す。終盤、山北は右フックを当ててからタックルを仕掛け、金網際でアレックスを上から押さえる。最後はアレックスが脱出しかけるが、山北は動きを切らさずタックルを仕掛けて終了する。
記者採点は山北。2Rからパンチとグラウンドワークで主導権を維持し、3Rのアレックスのチャンスも潰したのを評価した。ジャッジ3者も順当に山北を支持し、山北がONE初戦で元王者を撃破すると共に、プロデビュー以来の連勝を8に伸ばした。
バックステージでのABEMAからのインタビューで山北は「打撃を初めて効かせられて自信になりました。スタミナは自信があったんですけど、シウバ選手も気持ちが強くて、こっちもちょっと疲れました。勝ったのはうれしいですけど、フィニッシュを狙えたんじゃないかという反省もあるので、次はフィニッシュしたいです。誰でもいいんでランカーと戦って、何戦かしてジャレッド(・ブルックス)とタイトルマッチやりたいです」とコメントした。
スーパーレック、負傷欠場のロッタンの代役・ウィリアムスを3R KO
第10試合 メインイベント ONEキックボクシング・フライ級チャンピオンシップ 3分5R
○スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](王者)
×ダニエル・ウィリアムス(ムエタイ・ストロー級5位、MMAストロー級5位)
3R 1’55” KO (右ストレート)
※スーパーレックが防衛
第9試合 コーメインイベント ONEムエタイ女子アトム級王座統一戦 3分5R
○アリシア・ヘレン・ロドリゲス(王者)
×ジャネット・トッド(暫定王者)
判定3-0
※ロドリゲスが王座統一および防衛
第7試合 MMA フェザー級 5分3R
×オ・ホテク
○アクバル・アブドゥラエフ
1R 0’44” TKO (レフェリーストップ:右アッパー→グラウンドパンチ)
第6試合 キックボクシング ストロー級 3分3R
○ジャン・ペイメン
×トレプチ・ドガク
判定3-0
第5試合 ムエタイ 128ポンド契約 3分3R
○アスランベック・ジクレーブ(ムエタイ・ストロー級2位)
×ルイ・ボテーリョ
判定2-1
第3試合 ムエタイ 158.5ポンド契約 3分3R
×ニコラス・ラーセン(ムエタイ・フェザー級5位)
○エディ・アバソロ
2R 2’14” KO (右ストレート)
※アバソロがフェザー級(155ポンド/70.3kg)のリミットを計量3.5ポンド(1.56kg)オーバーでファイトマネーの25%をラーセンに譲渡
第2試合 ムエタイ 女子ストロー級 3分3R
×エカテリーナ・ヴァンダリーバ
○イマン・バーロウ
判定0-3
第1試合 グラップリング ストロー級 10分1R
×ビアンカ・バシリオ
○タンミ・ムスメシ
判定0-3