ONE Championship 10.5 渋谷 TSUTAYA O-East(レポ):和田竜光、竹中大地との寝技勝負制す。秋山成勲、青木真也の対戦要求に「ストーカーを退治する時間はもうすぐ来る」
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ONE Championship「Road to ONE: 5th Sexyama Edition」
2021年10月5日(火)東京・渋谷 TSUTAYA O-East
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
和田竜光、竹中大地との寝技勝負制し「これが総合格闘技だから」
第6試合 メインイベント MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
○和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
×竹中大地(パラエストラ和泉/元修斗バンタム級環太平洋王者)
判定2-1
ONE Championshipの日本独自のシリーズとして開催されてきたRoad to ONE。5回目の今回はONEに参戦中の秋山成勲が、次世代ファイターに少しでも多く試合の機会をと発案し開催された。とはいえメインイベント以外は大会4日前にカード発表され、多くの選手にとって準備時間は多いとは言い難い大会となってしまった。
メインではONEの本戦にも上がる、ONEの現役世代と呼べる和田と竹中が対戦した。和田は19年のONEフライ級GPの準決勝で元UFC王者のデメトリアス・ジョンソンに判定負けするも、寝技で追い詰める場面を作り印象を残した。最近では昨年12月のヨッカイカー・フェアテックス戦で敗れたが、判定で物議を醸し、寝技で優勢だった和田が勝っていたのではという評価も多かった。
対する竹中は今年1月のイヴァニルド・デルフィノ戦でONEフライ級初戦を行い、デルフィノを寝技で追い詰め、3R裸絞めで一本勝ちした。
1R、和田はオーソドックス、竹中はサウスポーに構え、お互い蹴りを打ち合う展開から始まる。中盤、距離が縮まり、クリンチでお互いパンチと膝を当てる。終盤、和田が随所で右ミドルを当て、一瞬組んで倒すが、すぐスタンドに戻る。和田が少し優位になったが、まだはっきりした差はない。
2R、竹中は左に回りつつ、左インローのヒットを増やす。和田はタックルを仕掛けて押し込むと、金網を背中につけつつオンブになり、そのままグラウンドに引き込んでバックマウントで捕獲する。竹中は1分程もがき、向き直すことに成功するが、和田は下になっても両足の4の字ロックを外さず、竹中は上で密着したまま動けない。ここまで和田ペースだが、竹中も蹴りを当て、曲がりなりにも上になり続けたため、ONE基準では判断が分かれても不思議ではない。
3Rも和田が押し込むと、倒しつつバックを取るが、すぐに竹中は向き直して上に。和田は下から密着しつつ、手のひらを竹中の頭に連打する。正味の効き目は乏しそうで、膠着状態ではあるが、和田が攻めている雰囲気は出せており、逆に竹中は攻撃が出せない。結局のその構図のまま終了する。
記者採点は和田。ダメージ、有効打はお互い少なく、甲乙つけがたいが、主導権で和田が上回ると判断した。ジャッジは割れたが、和田が2票獲得し勝利した。竹中は上になる時間が長く、2Rにローを当てたことがジャッジ1者に評価されたと見られ、ONEの判定基準の解釈の難しさが日本の大会でも現れる形となった。ちなみに日本の多くの格闘技イベントではジャッジの名前が読み上げられるが、ONE本体の大会同様、残念ながらジャッジの名前は発表されなかった。
マイクを持った和田は「僕も竹中選手も世界トップの動きじゃなかったけど、気合入れて戦えました。馬鹿な格闘技ファンが『打撃もっとやれよ』と糞みたいなツイートしてるけど、これが総合格闘技だから。打撃ばっかり見たい人はボクシングとかK-1とかRISEとか素晴らしい格闘技を見て勉強してください」と話し、寝技の展開を評価しない一部のファンを批判した。なお、大会のMVP賞「Sexyama Bounus」は和田が獲得し、賞金30万円が授与された。
青木真也、アフリカを圧倒。秋山成勲、青木の対戦要求に「ストーカーを退治する時間はもうすぐ来る」
第5試合 コーメインイベント グラップリング(判定無し) ライト級(77.1kg) 10分1R
△青木真也(イヴォルブMMA/ONE MMAライト級2位・元王者)
△キャプテン☆アフリカ(総合格闘技道場コブラ会/修斗ライト級環太平洋王者、世界4位)
時間切れ
青木は今年1月のジェームズ・ナカシマと戦、4月のエドゥアルド・フォラヤンで一本勝ちし4連勝中。最近は秋山との対戦を再三希望するアピールを繰り広げているが、今大会でも秋山に拒否されてしまう。今回はグラップリングマッチだが、ONEのプラットフォームで世界配信される今大会で、12月のONE 10周年大会に向けて存在感を示す機会となる。
アフリカは04年の全日本柔道体重別選手権で3位に入賞。仕事の都合で格闘技を離れたが、32歳になった17年に修斗でプロMMAデビュー。昨年12月に修斗ライト級環太平洋王座を獲得した。柔術黒帯で、サンボやグラップリングの大会にも積極的に出場し、QUINTETにも本名の出花崇太郎で継続参戦している。リングネームは20代の時に仕事で中央アフリカのガボンに住み、アフリカに愛着を持ったことが由来。現在36歳。
試合は実績で上回る青木が、終始主導権を維持する内容に。両者組み付き、アフリカが引き込んで青木が上になってのスタート。青木は金網に押し付けたりしながら執拗にパスガードを狙い、2分足らずで足を超えると、両足で相手の両足を挟む形でのマウントポジションになる。青木は少しずつ登って上半身に体をズラそうとするが、アフリカは頭の方向に体を動かして防御を続ける。しかし青木はじわじわ登り、7分過ぎにはアフリカの股付近に乗る形に。だが青木がその先に登ろうとしたところで、アフリカがブリッジで脱出する。
しかしすぐに青木は倒し、序盤のような構図に戻す。青木はハーフで押さえ、足関を仕掛ける。アフリカが防御すると、青木は固執せず再び上で押さえる。最後は青木が立って猪木アリ状態となり、アフリカが一瞬立ち、再び寝転んで終了。青木が優位に進めたが、判定もポイントも無いルールによりドローとなった。
マイクを持った青木は「9月6日、(12月のONE 10周年大会での秋山戦の)オファーが届きましたが、なんでお前、オファー断ったんだよ?なんとか言えよ、この虚構野郎」と中継席の秋山を挑発した。秋山は「私が筋肉を断裂し(医者の)先生と相談しました。断るのは億劫で、格闘家としてリング立つのが格闘家としてのあり方ですが、苦渋の判断でした。周りに迷惑をかけたことは十分にわかっております」と回答した。続けて青木は「(12月大会まで)2カ月あるだろ。格闘技を盛り上げるとか綺麗ごとばっかり言って、ONEと一緒だよ。覚悟あるんならやってみろよ」と再度挑発すると、秋山は「まあ待ってろよ」と答え、青木は「お前にそんな時間ねえんだよ」と46歳の秋山に言い返した。
青木が退場すると、中継席の秋山は「断ったのは事実で申し訳ないですが、人に対しててめえとか言うのは、人としても格闘家としても良くないですね。私からすれば青木選手は年下ですが敬語を使っています。そういう言葉を使うと格闘家は野蛮と言われます」と苦言を呈しつつも「彼には10年使くやろうと言われています。相当好きなんでしょう。変なストーカーがつきまとうので、ストーカーを退治する時間はもうすぐ来るんじゃないですか」と話し、早期の対戦に意欲を示した。
修斗のベテラン・小野島恒太、ヤマケンJr.・山本空良が完勝
第4試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
○小野島恒太(Combat Workout Diamonds/修斗バンタム級世界10位)
×山本聖悟(チーム・クラウド)※フリーから所属変更
判定3-0
小野島は長年修斗に上がる38歳のベテラン。山本は父が日本人、母が韓国人。7月のDEEPでDEEPフライ級暫定王者の藤田大和にカーフキックを効かされTKO負けした後、秋山成勲のチーム入りし、秋山と同じ「Time To Say Good Bye」をBGMに入場する。ONEからも「リトルSexyama」の愛称が付けられるが、持ち味を出せないファイトに。
1R、お互いスイッチを繰り返す中で、小野島が右のカーフキックを効かせてから、前に詰めて右の大振りのフックを当てて山本をダウンさせる。小野島はそのまま上に。スタンドに戻り、終盤にも小野島が右の大振りのフックをヒットしてひるませる。
2Rも小野島がプレッシャーをかけ、随所で右フックを当て、押し込んでからや倒してからの展開でも主導権を維持する。3Rも同様のパターンで、小野島が主導権を維持し完勝した。
第3試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
○山本空良[そら](POWER OF DREAM/Fighting NEXUS&PFCフェザー級王者)
×野尻定由(赤崎道場A-SPIRIT/修斗バンタム級世界9位)
判定3-0
山本は99年のUFC日本大会のトーナメント優勝者・山本喧一氏の次男。4月にNEXUSのベルトを獲得した。
1R、山本はスタンドの展開で左ハイをヒット。差し合いの攻防から、野尻が足を掛けて倒すが、少し離れると、山本は体を右に1回転させてから、三角絞めを極める。野尻は脱出したが、山本はすぐに上に。その後もコントロールを続ける。終盤、野尻が立って倒し上になるが、山本は下からのパウンドを打ちつつ、執拗に三角を狙う。
2R、山本は序盤から右ハイ、右ストレートを連続で当てて野尻をひるませる。その後は組みの展開が続き、山本が下から三角や肘で攻めたり、バックを取る等、随所で印象を残す。
3R、山本が三角やアームロックを狙い、野尻も腕十字を狙い、寝技勝負がしばらく続く。中盤、野尻が右ストレートを当ててから、組み付いて倒して上に。終盤も寝技が続き、最後はパンチが交錯し終了する。
記者採点は山本。1Rに三角絞めで追い詰め、その後も大半の時間の主導権を握ったことを評価した。ジャッジも3者とも山本を支持し、山本の判定勝ちとなった。
第2試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
○須藤拓真(X-TREME EBINA)
×南風原吉良斗[はえばら きらと](THEパラエストラ沖縄)
2R 1’06” 膝十字固め
1R、須藤が下から腕十字を狙うが、須藤は脱出する。須藤は下からの攻め主体のファイトを続け、2Rに膝十字固めを極めてタップを奪った。須藤はこれでプロ4戦4勝。
第1試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○河名マスト(ロータス世田谷)
×新関猛起(ALLIANCE)
3R 3’35” 裸絞め
河名はレスリング2017年U-23世界選手権優勝の実績のある26歳。7月のNEXUSでのデビュー戦では3R TKO負けし、今回が2戦目だ。新関はデビュー戦。1R、河名が終盤にバックを取り裸絞めを狙うが極められず。2R以降も河名がグラウンドで攻め続け、3Rに裸絞めを極めてタップを奪った。