ONE 2.17 ルンピニー(レポ):手塚裕之、4連続フィニッシュ勝利。猿田洋祐、2年ぶり復帰戦はランカーのマラチエフに判定負け。ハガティー、ピンチ乗り越えムエタイ王座初防衛
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ONE Fight Night 19: Haggerty vs. Lobo
2024年2月17日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
手塚裕之、1R一本勝ちで4連続フィニッシュ
第5試合 MMA ウェルター級 5分3R
○手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/元パンクラス・ウェルター級王者)
×アブラーオ・アモリム[Abraao Amorim](ブラジル)
1R 4’57” 腕ひしぎ十字固め
ONEの大会は日本では1月までABEMAで中継されていたが、2月からはU-NEXTでの中継に移行し、Fight NightシリーズでのU-NEXTでの放送は今回が初となる。最近のFriday Fightsシリーズ同様、今回のFight Nightにも、日本から2選手が参加した。
手塚は34歳。15年にパンクラスでプロデビューし、19年6月に高木健太に勝利しウェルター級暫定王者に(後に正規王者に)。19年10月からONEに上がり、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負け。だが以降は3連勝中で、21年10月にアギラン・ターニに2R TKO勝ち、22年1月にエドソン・マルケスに3R左フックでTKO勝ち、昨年10月にジン・テホに1R腕十字で一本勝ちしている。1月の日本大会での秋山成勲戦を熱望し、実現しなかったが、北米での中継が主眼のファイトナイトシリーズでの試合が前回に続き用意された。
当初、手塚はヴァミール・ダ・シウバ(ブラジル)と戦う予定だったが、大会直前にアブラーオ・アモリム(ブラジル)に変更となった。アモリムは37歳。MMA 13戦9勝(3KO/4一本)4敗。22年に2度ONEに上がり、パク・デソンに2R TKO勝ちしたが、アフメド・ムジタバに1R三角絞めで敗れている。
試合場はリング。1R、お互い見合う中で、パンチが交錯する場面の後、アモリムが左ハイを当てるが、手塚は蹴り足をつかんで倒して上になる。中盤以降、手塚はハーフで押さえ続け、パウンドや肘を時折当てる。アモリムはチェックマット所属の柔術家で、下で足を組んで防御を続けるが、パワーで勝る出塚を跳ね返すことができない。
終盤も手塚は変わらない攻めを続けると、終了間際に逆サイドに回って腕ひしぎ十字固めを極めてタップを奪った。手塚はこれで連勝を4に伸ばした。
BEAST MODE Hiroyuki Tetsuka armbars Abraao Amorim for his fourth straight finish!
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元ストロー級王者・猿田洋祐、2年ぶり復帰戦は5位のマラチエフに判定負け
第2試合 MMA ストロー級 5分3R
マンスール・マラチエフ[Mansur Malachiev](ロシア/5位)
猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/元ONE&修斗同級王者)
猿田は36歳、21年9月、ジョシュア・パシオのストロー級王座に挑戦し1R TKO負け。22年4月にグスタボ・バラートに判定負けした。その後、自身のジム「FIGHT BEAT WORKOUT」を出身地の埼玉県川口市にオープンし、今回は約2年ぶりの試合となる。練習は変わらずHEARTSでしている。
マラチエフはハビブ・ヌルマゴメドフと同じロシア・ダゲスタン出身。MMA 12戦11勝1敗の32歳。10戦全勝で昨年6月にONEに初参戦し、ジェレミー・ミアドに1Rダースチョークで一本勝ちしたが、10月の2戦目ではジョシュア・パシオに判定負けしている。現在ストロー級5位にランキング入りしている。
1R、猿田はがぶっての膝、首相撲からの膝を当てるが、マラチエフがテイクダウンを奪い、立っても猿田にしがみつき、組みではやや優位に進める。中盤過ぎからスタンドの展開が続き、両者見合う。終盤、猿田のタックルをマラチエフが切り、がぶっての膝をお返しする。猿田のセコンドの大沢ケンジ氏からは「ガードを上げろ」という指示が度々飛び、猿田もガードを上げているものの、マラチエフの伸びのあるパンチに猿田は十分反応できておらず、時折命中する。すると残り30秒、マラチエフのワンツーでの左フックが当たって猿田が下がると、マラチエフが再び左フックを当ててダウンを奪う。猿田はタックルで対処し、マラチエフはがぶってダースチョークを仕掛けるが、猿田は時間いっぱいまで防御する。
2R、マラチエフは序盤から組み付き、一回転してバックを取る。中盤、スタンドに戻り、マラチエフがまたもパンチを当ててから、またも倒して上から押さえる。猿田は防戦が続くが、下から足を効かせてマラチエフを一旦突き放すと、再び押さえにかかったマラチエフの首を抱え、ギロチンチョークを仕掛けながらリバースする。マラチエフは苦しそうな表情を見せたが、すぐに極めは弱まる。猿田もギロチンに固執せず解除し、がぶりの体勢になるが、マラチエフは立ち、ロープ際での押し合いになる。残り40秒、膠着ブレイクがかかり、マラチエフが左ジャブを突いて距離を取って終える。
3R、マラチエフは疲れの色を隠せないが、タックルで倒し、立たれてもすぐコーナーに押し込む。猿田も押し返すが、膠着しブレイクがかかる。すると中盤過ぎ、猿田がタックルで倒し、立っても背後からマラチエフをロープに押し込む。猿田は倒すが、すり抜けたマラチエフは猿田の背後に回り込み、逆にバックからコントロールし猿田のチャンスを潰す。残り30秒、膠着ブレイクで離れ、最後はマラチエフのタックルを切って猿田がギロチンを仕掛けるが、極めには至らず終了する。
記者採点はマラチエフ。両者ともONEの判定基準の最上位の「ニアノックアウト/ニアサブミッション」に該当する場面はあったが、より相手を追い詰めたのは1Rにダウンを奪ったマラチエフで、以下のダメージ、ジェネラルシップ、テイクダウン、アグレッションの指標でも少しずつマラチエフが上回っている印象だった。ジャッジ3者も同様で、マラチエフが判定勝ちし、猿田は復帰戦を白星で飾ることができなかった。とはいえ今後引き続き王座戦線に留まりそうなマラチエフ相手に、猿田は最後まで競り合い、ランカー相当の強さを今もキープしていることを示せたのではないだろうか。
ハガティー、ピンチ乗り越え3R KO勝ちしムエタイ王座初防衛
第9試合 メインイベント ONEムエタイ・バンタム級チャンピオンシップ 3分5R
○ジョナサン・ハガティー(英国/王者、同級キック王者)
×フェリペ・ロボ(ブラジル/3位)
3R 0’45” TKO (右フック)
※ハガティーが初防衛
ムエタイの聖地・ルンピニースタジアムで行われる、北米向けコンテンツの「ONE Fight Night」のメインイベントは、タイ人以外によるムエタイの試合に。ハガティーが序盤のピンチを乗り越え、見事逆転勝ちする。
Felipe Lobo has “The General” ON THE ROPES in Round 1!
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1R、離れた間合いでお互い慎重な攻防が続き、終盤に差し掛かりハガティーが右のカーフキックのヒットを増やす。するとロボは左足が流れ、距離を潰そうとばかりに前進してパンチを振うと、左ボディが炸裂し、ハガティーをコーナーに詰めてパンチを連打し追い詰める。ハガティーはブロックして耐え、バック肘で応戦するが、ロボは再び前進して右と左ボディを効かせ、右アッパーと右フックの連打でダウンを奪う。ハガティーのブロックの隙間を、ロボのOFGが的確に刺している印象だ。
Jonathan Haggerty is NEVER out of a fight!
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— ONE Championship (@ONEChampionship) February 17, 2024
2R、ロボが序盤にラッシュを仕掛けるが、インターバルで少し回復した様子のハガティーは耐えると、今度は逆に前に出てパンチを肘を振るい、ロボをひるませ、場内は大歓声に包まれる。ハガティーはラッシュを止めず、中盤過ぎに左フックでダウンを奪う。ハガティーは引き続き連打するが、少し疲れが見えると、ロボも連打でお返しする、スリリングな展開に。最後は一進一退で殴り合う死闘となる。
AND STILL Jonathan Haggerty rallies back to retain the ONE Bantamweight Muay Thai World Title!
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— ONE Championship (@ONEChampionship) February 17, 2024
すると3R、ハガティーが距離を取って左インローを当ててから、ロボが詰めて来たタイミングで渾身の右フックを合わせダウンを奪う。ロボはなんとか立ち上がったものの、足元がフラついており、オリヴィエ・コスト・レフェリーがストップした。
第8試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○セーマペッチ・フェアテックス(4位)
×モハメド・ユネス・ラバー
1R 1’33” TKO (3ダウン:左ストレート)
第7試合 MMA ストロー級 5分3R
×ダニエル・ウィリアムス
○リト・アディワン
判定0-3
第6試合 ムエタイ ライト級 3分3R
×リアム・ノーラン
○ナウゼット・トルヒーリョ
判定0-3
第4試合 ムエタイ フェザー級 3分3R
○ルーク・リッシ(5位)
×エディ・アバソロ
判定2-1
第2試合 ムエタイ ストロー級 3分3R
×ナット・ジャルーンサック
○マルティナ・キエルチェンスカ
2R 1’24” TKO
第1試合 ムエタイ ストロー級 3分3R
○トンプーン・PK・センチャイ
×ティムール・チュイコフ
1R 1’37” TKO