ONE Championship 9.24 シンガポール(レポ):内藤大樹、元ONEキック王者・ペッダムに判定2-1で勝利。パシオ、猿田洋祐を1Rで返り討ち
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中野トイカツ道場
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ONE Championship「ONE: REVOLUTION」
2021年9月24日(金) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真 (C) ONE Championship
内藤大樹、元ONEキック王者・ペッダムに判定2-1で勝利
第4試合 ムエタイ フライ級 3分3R
×ペッダム・ペッティンディーアカデミー(元ONEキック・フライ級王者)
○内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/ONEキック・フライ級4位、元シュートボクシング日本スーパーバンタム級王者)
判定1-2
内藤は4月にキック・フライ級4位のワン・ウェンフェンとキックルールで対戦し、ローキックを効かせ判定勝ち。キック・フライ級のランク入りを果たした。ペッダムは現在、ONEのランキングに入っていないものの、内藤が肘有り・オープンフィンガーグローブ着用のONEムエタイルールでも存在感を示す絶好のチャンスで、内藤はしっかり物にすることに。
1R、サウスポーのペッダムに対し、オーソドックスの内藤は左のカーフキックを蹴り続ける。ペッダムが左ミドルを増やすと、内藤は右インローを増やす。すると終盤、ペッダムが一気に距離を詰め、内藤が右インローで応じようとしたところで左ストレートを当ててダウンを奪う。記者採点は10-8でペッダム。
2R、蹴りの応酬が続き、中盤、ペッダムが左ストレートで詰めるが、内藤はかわしながら左フックをヒット。終盤には内藤が左の前蹴りで吹き飛ばし、最後にも左ストレートを当てて好印象を残す。記者採点は内藤。
3R、内藤は右ミドルを当てつつ、左カーフをしつこく当てていると、終盤、ようやくペッダムが少しバランスを崩すように。だがペッダムは耐え、左のミドルを随所で返し逃げ切る。記者採点は内藤。合計28-28でイーブン。ONEのルールの原文、立ち技の試合の判定基準がわからないが、その上でマスト判定を下すなら僅差でペッダム。ジャッジは割れ、1者が1Rにダウンを奪ったペッダムを支持したが、2者は2R以降のポイントを取った内藤を支持し、内藤の判定勝ちに。勝利を告げられた内藤も驚いていた。
インタビューで内藤は「ペッダムは元世界チャンピオンで、素晴らしい選手とわかていますけど、その選手に勝つためにずっとトレーニングを積んでいます。ダウンを取られましたが、2Rと3Rは自分が取ったので、あきらめない気持ちが出たと思います」とコメントした。
ストロー級王者・パシオ、猿田洋祐を1Rで返り討ち
第9試合 MMA ONEストロー級タイトルマッチ 5分5R
○ジョシュア・パシオ(王者)
×猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/1位、元王者、元修斗世界ストロー級王者)
1R 3’38” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※パシオが3度目の防衛
今回のONEはMMAライト級王者・クリスチャン・リー、キック・バンタム級王者・カピタン・ペッティンディーアカデミー、MMAストロー級王者・ジョシュア・パシオの3王者の防衛戦が主軸となり、日本勢では猿田洋祐がパシオの王座に挑戦した。
猿田は19年1月のONE 2戦目で当時の王者・パシオに判定2-1で勝利し王座を奪取した。だがその3か月後、パシオの地元フィリピンでのダイレクトリマッチで、4Rに猿田の右フックのカウンターでパシオが右ハイをクリーンヒットしTKO勝ちし、ベルトを奪還した。
その後、猿田は19年10月の両国大会でパンクラス王者の北方大地にTKO勝ちし、昨年10月のRoad to ONE渋谷大会で猿田同様元修斗&ONE王者の内藤のび太に判定勝ちし2連勝。ランキング1位の座を守り、ベルト奪還の機会がようやく巡って来た。パシオも19年11月にレネ・カタラン、20年1月にアレックス・シウバ相手にベルトの防衛に成功し2連勝中だ。しかし両者ともコロナ禍の影響で、上記の試合からブランクがあり、この間の成長や試合勘が気になるところだったが、パシオが研ぎ澄まされた打撃で猿田を短時間で料理することに。
1R、猿田がプレッシャーをかけ、時折右ローをカーフ気味に放つが、パシオはその都度、左手で猿田の蹴り足をすくってから、右フックを振るって脅かし、中にはスリップさせる一撃も。お互い慎重だが、中盤から少しパンチが交錯するように。するとパシオは右のカーフキック、左ミドルを立て続けにヒット。猿田は変わらず右のローを放つが、パシオはこれまで通り蹴り足をすくってから、今度は右フックをクリーンヒットしダウンを奪う。猿田は立ち上がるが、背中を向けて逃げたところで、パシオは再び左フックを当てて再びダウンさせる。最後は金網に詰めてパンチの連打で倒してから、パウンドラッシュで猿田を仕留めた。
クリスチャン・リー、ライト級王座陥落
第11試合 メインイベント MMA ONEライト級タイトルマッチ 5分5R
×クリスチャン・リー(王者)※3度目の防衛
○オク・レユン(3位)
判定0-3
※オクが新王者に
1R、リーがタックルからのテイクダウンを繰り返し、終盤にはオクを詰めてパンチと蹴りを散らし、打撃でも優位に。
2R、リーのパンチをオクがかわす場面が目立ち始め、リーは早くも少し疲れが見えてくる。中盤からオクがパンチを当て、プレッシャーをかけ返す。終盤、リーが押し込んでからオンブになり、裸絞めを極める。オクはピンチに陥るが、ギリギリで防御し脱出する。
3R、オクがプレッシャーをかけ、右ストレートをヒット。リーはひるんで苦しむが、逆に右フックでオクをダウンさせて上になる。しかしオクは脱出。慎重にチャンスを伺いつつ、終盤には右ボディを効かせリーを下がらせる。一進一退のスリリングな展開に。ここまでの内容でジャッジするなら裸絞めで追い詰めダウンも奪ったリーだが、手数多く攻めているオクにもまだ勝機はある。
4R、お互いまだ2Rあることを意識してか、序盤は慎重に見合う展開に。中盤から少しずつお互いパンチを増やすと、終盤はオクが右ハイ等も絡め手数を上げるが、リーはステップやブロックで防御し危ない場面は作らない。
5R、後の無いオクは前に出て右ローを当てる。だがリーも右ローを返すと、少しオクは足を引きずる。リーはサウスポーにも切り替え左ミドルを当てる場面も。カカト落としで威嚇もし、積極的な攻めでオクの反撃を封じる。オクはこれまでも見せていた右の飛び膝を出すが、リーはブロック。終盤には右フックを当てて、オクをひるませ、またもフィニッシュに近づく。最後もオクの右テンカオをブロックして終了する。
記者採点は2・3・5Rにチャンスを作ったリー。だがジャッジは3者ともトータルのヒット数で上回ったオクを支持。オクも舌を出して苦笑いし驚いた様子だった。
その他の結果
第10試合 コー・メインイベント ONE キックボクシング バンタム級タイトルマッチ 3分5R
○カピタン・ペッティンディーアカデミー(王者)
×メディ・ザトゥー(挑戦者)
判定3-0
※カピタンが初防衛
第8試合 MMA フェザー級 5分3R
×マーティン・ニューイェン(1位)
○キム・ジェウォン(5位)
1R 3’15” KO (右フック)
第7試合 MMA ヘビー級 5分3R
×アミル・アリアックバリ
○アナトリー・マリキン
1R 2’57” KO (左フック)
第6試合 MMA 女子アトム級 5分3R
○ビクトリア・リー
×ビクトリア・ソウザ
2R 3’58” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第5試合 MMA ストロー級 5分3R
○リト・アディワン
×ハシガトゥ
判定3-0
第3試合 MMA ヘビー級 5分3R
○マーカス・アルメイダ
×アンダーソン・シウバ
1R 2’55” ノースサウスチョーク
第2試合 キックボクシング バンタム級 3分3R
○ペッタノン・ペットファーガス(5位)
×ジャン・チェンロン(4位)
判定3-0
第1試合 MMA フェザー級 5分3R
○ジェームズ・ヤン
×ロエル・ロサウロ
2R 2’00” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)