ONE Championship 3.11 シンガポール（レポ）：ジョン・リネカー、ビビアーノに逆転KO勝ちしバンタム級王座奪取。タン・リー、56秒でトノン粉砕しフェザー級王座初防衛

ONE Championship「ONE: LIGHTS OUT」
2022年3月11日（金）シンガポール・インドアスタジアム

レポート：井原芳徳　写真：(C)ONE Championship

第10試合　メインイベント　ONE MMAフェザー級タイトルマッチ　5分5R
○タン・リー（王者）
×ゲイリー・トノン（1位）
1R 0’56” KO
※リーが初防衛

　典型的なストライカー対グラップラーの構図。トノンはサウスポーで構え、右ジャブを振りつつ左ハイを放ち、自ら積極的に攻撃を出す。そしてオーソドックスに切り替え、右ミドルを放つと、リーに蹴り足をつかまれるが、そのまま倒れてグラウンドに引き込むことに成功する。トノンはリーの左足をつかみ、両足で挟んで早くも極めの態勢へ。リーがパウンドを落としても、ギリギリでかわし、しつこく足に絡みついていたが、リーが右のパウンドをトノンのアゴに連打すると、トノンの意識が飛び、すぐさまレフェリーがストップ。わずか56秒の試合ながら両者の持ち味が濃縮されたファイトだった。

第9試合　コー・メインイベント　ONE MMAバンタム級タイトルマッチ　5分5R
×ビビアーノ・フェルナンデス（王者）
○ジョン・リネカー（1位）
2R 3’40” KO
※リネカーが王者に

　この試合は12月5日のONE 10周年記念イベント「ONE X」で組まれていたが、大会延期により、2月11日の通常の大会にスライドした。だがリネカーが新型コロナウイルス陽性と診断され、直前に延期となり、今大会でようやく行われた。フェルナンデスは18～19年にケビン・ベリンゴンとベルトを3度懸けて対戦し2連勝。今回約2年半ぶりの試合だ。現在41歳。元UFCトップ選手のリネカーは、19年10月にONEに初参戦してから3連勝、2連続KO勝ちしており、今回もその勢いが反映される試合に。

　1R、プレッシャーをかけるリネカーに、フェルナンデスが片足タックルを仕掛け、1分足らずでテイクダウンに成功する。フェルナンデスは金網にリネカーを押さえつけるが、リネカーは防御し、中盤には立ってスタンドに戻す。リネカーは右のカーフキックをヒット。フェルナンデスが組もうとすれば、右ボディ、左フックを当てて、着実にダメージを与える。ところがリネカーの左フックのカウンターで、フェルナンデスの左フックが2度続けてクリーンヒットし、リネカーがダウンする。フェルナンデスが押さえに行くと、リネカーは意識朦朧としながらもタックルで対応し、柔術家のフェルナンデスは引き込んで下になる。フェルナンデスは下から右肘を当てるが、リネカーも少しずつ回復し、荒いながらもパウンドを落とし、フェルナンデスのその先の攻めを封じる。

　2R、持ち直したリネカーが右のカーフキックを着実に当て、ボディにもパンチを集中する。だがフェルナンデスも右ストレート、右フックを当て返すと、片足タックルで倒して上になる。しかしリネカーは防御を続け、またもスタンドに戻すと、パンチの打ち合いでヒットを増やし、じわじわ攻勢に。フェルナンデスは次第にさがるようになり、最後はリネカーが右フックのフェイントからの左フックをクリーンヒット。フェルナンデスが金網際に倒れ目が飛ぶと、すぐさまレフェリーがストップした。

第8試合　MMA　フェザー級　5分3R
○マーティン・ニューイェン
×キリル・ゴロベッツ
3R 2’18” TKO

第7試合　キックボクシング　123.8kg契約　3分3R
×イスマエル・ロント
○イラジ・アジズプール
2R 2’01” KO
※ロントの計量オーバーでキャッチウェイトに変更

第6試合　MMA　ストロー級　5分3R
×アレックス・シウバ
○エイドリアン・マティス
2R 0’05” TKO

第5試合　キックボクシング　ストロー級　3分3R
×ジョシュ・トナー
○ジャン・ペイメン
2R 2’11” TKO

第4試合　MMA　フライ級　5分3R
○エコ・ロニ・サプトラ
×チャン・ロタナ
1R 1’34” 裸絞め

第3試合　ムエタイ　ストロー級　3分3R
○イマン・バーロウ
×ダニエラ・ロペス
1R 1’3″ TKO

第2試合　ムエタイ　79.55kg契約　3分3R
○リアム・ノーラン
×キム・キョン・ロック
1R 1’02” TKO
※キムの計量オーバーでキャッチウェイトに変更

第1試合　キックボクシング　ストロー級　3分3R
○リン・ホーチン
×ミラグロス・ロペス
判定3-0