KNOCK OUT 3.12 後楽園ホール(レポ):ぱんちゃん璃奈、喜多村美紀に判定勝ちし2階級制覇。小笠原瑛作、大田拓真を左ミドルで圧倒。日菜太、復帰戦でKO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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KNOCK OUT 2022 vol.2
2022年3月12日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
ぱんちゃん璃奈、喜多村美紀から右フックでダウン奪い判定勝ちし2階級制覇
第8試合 インイベント 初代KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級(47.5kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/元KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
×喜多村美紀(テツジム/ミネルヴァ・ライトフライ級(48.9kg)3位)
判定3-0 (和田30-26/山根30-26/北尻30-26)
※ぱんちゃんが王者に
ぱんちゃんは9月にRIZINに初参戦し、百花に判定勝ちしプロデビュー以来の連勝を12に伸ばして以来の半年ぶりの試合で、女子アトム級に続く2階級制覇を狙う。ぱんちゃんは7月のKNOCK OUTでsasoriに判定勝ちしたが、喜多村は2月のNKBでsasoriと引き分けている。過去に喜多村は壽美、寺山日葵、小林愛三、MISAKIに敗れ、戦績は24戦10勝10敗4分だが、経験ではぱんちゃんよりも上。21年はKNOCK OUTに2度上がり、梅尾メイと50.8kgで戦い判定勝ちし、ERIKOとはライトフライ級(49kg)で対戦し判定負けしており、47.5kgのミニマム級ではパワーを活かしたい。なお、この一戦は1月大会で組まれていたが、ぱんちゃんが新型コロナウイルスに感染し、今大会に延期となった。
1R、両者距離取って細かくフェイントをかけ合い、ぱんちゃんが積極的にパンチと蹴りを放つが、喜多村はよく見えており、クリーンヒットはまだほとんどもらわない。記者採点はぱんちゃんがやや優勢だがイーブン。
2R、序盤にぱんちゃんが近距離で右の顔面狙いの前蹴りをヒット。その後もお互いヒットは減ってしまうが、次第に距離が縮まると、終盤、ぱんちゃんがカウンターの右フックをクリーンヒットしダウンを奪う。その後の打ち合いでお互い右フックを当て、白熱した展開に。記者採点は10-8でぱんちゃん。
3R、後の無い喜多村は必死に前に出るが、ぱんちゃんは随所で的確に右フックをヒット。終盤にはお互い声を上げて激しく打ち合い、場内を沸かせ終了する。記者採点はぱんちゃん。合計30-27でぱんちゃん。ジャッジ3者とも30-26とつけ、ぱんちゃんが判定勝ちし、ミニマム級王座も獲得し、2階級制覇を達成した。
ベルトを巻いたぱんちゃんは「倒せなかったですけど、ダウンを取って効かせることができたのでギリ前進です。倒せる選手になります。KNOCK OUTの看板選手として、もっとKNOCK OUTを引っ張れるよう、もっと皆さんよろしくお願いします」とアピールした。
小笠原瑛作、フェザー級に手応え?大田拓真を左ミドルで圧倒
第7試合 セミファイナル RED 57kg契約 3分3R(延長1R)
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王者、WPMF世界同級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
×大田拓真(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者、元S1日本55kg級王者)
判定3-0 (秋谷30-28/山根30-28/北尻30-28)
小笠原兄弟の弟・瑛作は、昨年11月大会で壱・センチャイジムを返り討ちにし、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座の初防衛をして以来の試合。今回はフェザー級より少し軽い57kg契約での試合だ。
大田は22歳。K-1に上がっている一航の兄。過去にはムエタイで馬渡亮太、宮﨑勇樹に判定勝ちし、RISEでは工藤政英に判定負けしている。昨年7月のKNOCK OUTで小笠原と戦う予定だったが、拓真が新型コロナウイルスの影響で欠場していた。試合は9月のNJKFで波賀宙也に判定勝ちして以来。2月12日のNJKFでの国崇戦を予定していたが、大田がコロナの影響で欠場していた。
1R、小笠原がサウスポー、大田がオーソドックスに構え、蹴り主体の攻防。小笠原が左ローを散らしつつ、左ミドル主体で積極的に攻める。終盤に大田も蹴り返しで左右のミドルを増やすが、トータルの蹴り数の差はまだ大きい感がある。記者採点はイーブン。
2Rも小笠原の左ミドル主体の蹴り数が目立つ展開。大田も右ミドル、インロー、左右のフックなどを返すが、単発止まりで流れは変わらない。小笠原は時折崩しも絡め好印象を作る。記者採点は小笠原。
3R、小笠原は変わらず左ミドルを強打し続ける。フェザー級に階級を上げても力負けせず、大きな炸裂音がすると、場内はどよめく。大田の右の脇腹、腕は色んな箇所が赤くなっている。大田も右のインローを返すが、小笠原は連打はもらわず主導権を維持し終了する。記者採点は小笠原。合計30-28で小笠原。ジャッジ3者も同じ採点で、小笠原の判定勝ちとなった。
マイクを持った小笠原は「KNOCK OUTにもいい選手がたくさんいるので、K-1、RISE、RIZINに並ぶ大会に持っていきたいです。僕たちについてきてください。6月(26日)の代々木体育館も見に来てください」とアピールした。
日菜太、1年ぶり復帰戦でKO勝ち。世界再挑戦表明
第6試合 BLACK 72kg契約 3分3R(延長1R)
○日菜太(クロスポイント吉祥寺/元REBELS-BLACKスーパーウェルター級(70kg)王者、元RISEミドル級(70kg)王者)
×サッシス[Saksith] (カンボジア)
2R 1’43” KO (左ボディストレート)
日菜太は昨年2月のREBELSファイナルで海人に判定負けし、REBELS-BLACKスーパーウェルター級王座から陥落して以来1年ぶりの試合。プロデビュー17年目、現在35歳で、2月のカード発表会見では「2022年がラストイヤーと思っています。もう一回だけ凄い強い奴らの舞台と悔いなく戦って、ボロボロにされたい」と話していた。サッシスは昨年7月のKNOCK OUTで中島弘貴と対戦し、右フックで少しひるませる場面を作ったが、その直後の中島のパンチラッシュでKO負けしている。
1R、サウスポーの日菜太が、左ミドル、ロー、ストレート、ボディストレートなどを度々当てて圧倒。レベルの差を見せつける。
2Rも左ミドル、ハイで追い詰めた後、左ボディストレートを当てると、サッシスはダウン。そのまま立ち上がれず、日菜太のKO勝ちとなった。
日菜太は「アンディ・サワーが最後にONEで(マラット・)グレゴリアンとやったように、強い若い勢いのある選手にもう一回だけ挑戦したいです。僕の最後のストーリーを応援してもらえたらうれしいです。ONEの世界トップクラスの外人とやるには今日の試合ではまだまだなので作り直します。次、6月の代々木に出るんで応援してください」とアピールした。
なお、この試合前には、3月6日のRIZIN LANDMARKで平本蓮に判定勝ちしたばかりの鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者)がリングインし勝利報告。「KNOCK OUTではKO勝ちを続けてきたんですけど、この間は判定勝ちだったので、今後MMAでもKOできるよう頑張ります。KNOCK OUTがなきゃ今の自分はいません。KNOCK OUTを盛り上げつつ、MMAにも挑戦するので、応援お願いします」とアピールした。
栗秋祥梧&クボ マサヤが豪快KO勝ち
第5試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元大和フェザー級王者)
×角田泰盛(CRAZY WOLF GYM/元CMA KAISERスーパーフェザー級王者)
2R 1’20” KO (右フック)
栗秋は9月に九州プロキックで銀次にKO負けして以来の試合。1R、蹴り主体の攻防で、角田が左ハイを当てつつ、右のカーフを度々当て、蹴り数で勝る。慎重な栗秋だったが、終盤、セコンドの山口元気会長の指示通り、右ミドルを増やして挽回する。
2Rも栗秋は右ミドルを当てた後、右フックで詰めて来た角田に対し、右の飛び膝をカウンターで当ててダウンを奪う。栗秋は飛び膝でロープ際に詰めると、パンチの打ち合いの中で角田の右フックのカウンターで右フックをクリーンヒット。角田が腰から崩れ落ちると、レフェリーがすぐにストップした。
栗秋は「ここに来るまであきらめかけた自分がいるけど、もう一度だけ本気で頑張ってみようと思って、先輩、会長、家族、スポンサー、会場に来ている人たちがいるからここにいると思います。もっと盛り上がっていくんで、これからも一緒に盛り上がってください」とアピールした。
第4試合 BLACK スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○クボ マサヤ(PHOENIX)
×Apollo中山(GOD SIDE GYM)
2R 2’27” KO (パンチと膝の連打)
1R、両者サウスポーに構え、重心の低い中山にクボが左のローを効かせ、左ハイキックを当ててダウンを奪う。
2Rもクボが左ローを効かせて圧倒し、左ローでダウンを奪うと、最後はパンチと膝の連打で半ば押し倒す形だが中山を追い詰めたところで秋谷レフェリーがストップした。
マイクを持ったクボは「6月、KNOCK OUT、代々木でやるんで、僕も参加してKNOCK OUTを盛り上げたいです」とアピールした。
46歳・50戦目の松﨑公則、引退戦は判定負け
第3試合 RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
×松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
○阿部晴翔[はるか](チーム・タイガーホーク/WMC日本フライ級3位)
判定0-3 (少29-30/秋谷28-30/北尻28-30)
46歳のベテラン松﨑は今回の50試合目で引退。1月大会の試合を予定していたが、同門のぱんちゃんがコロナに感染し、濃厚接触者とされたため欠場していた。
1R、松﨑がサウスポー、阿部がオーソドックスで構え、蹴り主体の攻防。阿部の右ミドル、ハイがやや目立つが、まだ差は小さい。
2R、阿部は動きを細かくし、右ストレート、ミドル、左ハイなどのヒットを増やし攻勢に。松崎は左ハイを当てる場面はあったが、攻撃をもらい続けてしまう。
3R、松﨑は声を上げながら必死に前に出るが、阿部の攻撃をもらい続け、反撃に持ち込めず終了。阿部の判定勝ちとなった。試合後、松崎はリングアナウンサーを務めた宮田充プロデューサーから今回が現役最終試合と紹介されると、頭を下げてリングを降り、場内は大きな拍手で包まれた。松﨑の最終戦績は50戦20勝(11KO)26敗4分。
第2試合 RED 61kg契約 3分3R(延長1R)
○力也(ウィラサクレック・フェアテックス湖北)
×カミシロ(PHOENIX)
判定3-0 (30-28/30-29/30-29)
新鋭・乙津陸がプロ3連勝。4月大会も出場志願
第1試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
○乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
×隼斗(西田キックボクシングジム)
3R 2’50” KO (左膝蹴り)
乙津はKNOCK OUTアマチュア大会で経験を積み、昨年10月にプロデビューし2連勝の高校2年生。1月大会ではナカムランチャイ・ケンタをわずか39秒でKOしインパクトを残した。 隼斗は3月2日に18歳になる高校3年生で2戦1勝1敗。
1R、開始すぐのパンチの打ち合いで被弾してすこしひるんだ乙津だが、中盤に右のカーフキックを効かせると、パンチ、膝、ローなどの攻撃を増やし挽回する。
2R、乙津が右アッパーをさく裂させつつ、首相撲で再三捕まえ、右の膝を度々当てて隼斗を圧倒する。隼斗は首相撲に対応できていない。
3R、乙津は右ボディを強打しつつ、首相撲からの膝蹴りで隼斗を追い詰め、コーナーに詰めての左膝蹴りで2度のスタンディングダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
マイクを持った乙津は「内容がまだまだだったので、もっと強くなって帰ってきます。宮田さん、4月、またお願いします」と、3大会連続出場を志願した。
プレリミナリーファイト第2試合 BLACK ウェルター級(67.5kg) 3分3R
○YUYA(クロスポイント吉祥寺)
×小林丈晃(練成塾)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
プレリミナリーファイト第1試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R
○井ノ本航希(LAILAPS東京北星ジム)
×明夢(新興ムエタイジム)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)