ONE 4.22 シンガポール(レポ):猿田洋祐、新鋭バラートにダウン奪われ判定負け。川原波輝、ダニエル・ウィリアムスの打撃に苦しみ判定負け。三浦彩佳、無念の負傷TKO負け。今成正和、組技戦で強豪ムスメシに一本負け
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ONE Championship「ONE 156: Eersel vs. Sadikovic」
2022年4月22日(金) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
猿田洋祐、新鋭バラートにダウン奪われ判定負けし2連敗
第9試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
×猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/3位、元王者)
○グスタボ・バラート
判定0-3
猿田は昨年9月、ジョシュア・パシオのストロー級王座に挑戦し1R TKO負けして以来の試合。バラートはキューバ時代にレスリングで12年のロンドン五輪に出場。ONEでは和田竜光ら相手に3連敗後、昨年7月に澤田龍人に判定勝ちしているが、反則を連発する内容だった。猿田とバラートは2月大会で対戦予定だったが、猿田が新型コロナウイルスの陽性反応が出たため試合中止となっていた。
1R、猿田が圧力をかけるが、サウスポーのバラートは時折踏み込んで左フックを放ち猿田を脅かす。猿田は攻撃が少なく、バラートの左右のフックや左ミドル・ハイをもらい印象が悪い。終盤には左フックをもらってスリップダウンしてしまう場面も。
2Rも同様の構図が続き、バラートがパンチを当てつつ、猿田を金網に押し込む場面も目立つように。終盤、猿田が右ストレートを当てるが、バラートはすぐに持ち直す。
3R、猿田が右フックを放ったタイミングで、バラートがカウンターの左フックを合わせて、猿田をダウンさせる。猿田はすぐ立ったが印象が悪い。中盤、差し合いの展開でバラートの膝蹴りがローブローとなり一時中断。バラートは前回の澤田戦でも度重なるローブローでイエローカードをもらっており、今回も反則を犯してしまう。終盤、猿田はパンチのヒットを増やし巻き返すが、バラートも随所でパンチを返し、完全には主導権を譲ることなく終了。記者採点はバラート。ジャッジ3者も2度のダウン相当のパンチヒットを決めたバラートを支持した。
川原波輝、RISE・K-1にも上がったダニエル・ウィリアムスの打撃に苦しみ判定負け
第10試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
×川原波輝(チーム・アルファメール)
○ダニエル・ウィリアムス
判定0-3
川原はDEEPストロー級戦線で活躍後、昨年1月にONEに初参戦したが、リト・アディワンに2R KO負けした。ウィリアムスはRISEでDyki(=宮城大樹。YA-MANの師匠)と、K-1で瀧谷渉太と戦い敗れた過去のあるキックボクサー。18年にMMAデビューし3勝1敗の後、2月にONEに初参戦し、ムエタイ出身のデェダムロンに2R KO勝ちしている。
1R、ウィリアムスはキックボクシング式の高めの構えでプレッシャーをかけ、川原が開始15秒、胴タックル一発でテイクダウンに成功する。川原は素早くバックを狙うが、まだ体力の十分あるウィリアムスは振り落としてスタンドに戻す。ウィリアムスはプレッシャーをかけ続け、右ローを効かせ、右の軸足払いで倒す場面も。中盤、またも川原がタックルで倒し、マウントを奪ってバックマウントへ。パウンドを当てつつ執拗に裸絞めを狙うが、ウィリアムスは防御する。
2R、ウィリアムスはプレッシャーをかけ、右ローを効かせつつ、中盤に右ストレートで川原をダウンさせる。その後もウィリアムスは右テンカオ、ミドルを的確にヒット。川原も時折パンチを返すが、ウィリアムスは圧力をかけ続ける。川原は時折組んで倒そうとするが、ローをもらった左足の踏ん張りが弱まっており、力が入りきらない。最後はウィリアムスが右ボディ、フックで川原を追い詰める。
3R、ウィリアムスは変らず右ローをヒット。川原は金網際で組み付いてオンブになり、グラウンドに引きずり込み、バックキープして逆転にじわじわと近づく。中盤、ウィリアムスは脱出するも、川原はしつこく組み付き、再び倒してバックへ。しかしこれもウィリアムスは防御し脱出。ウィリアムスも疲れており、川原がパンチを当てて追い詰め、最後はタックルで倒して上になるが、すぐに時間切れに。ウィリアムスが逃げ切る。記者採点はウィリアムス。ジャッジ3者も同様で、川原はONE 2連敗となってしまった。
この日のMMAストロー級勢ではジャレッド・ブルックス、ダニエル・ウィリアムス、グスタボ・バラートが完勝。ストロー級の層がより厚くなっていることを実感する一日だった。
第13試合 MMA 58.05kg契約 5分3R
×ボカン・マスンヤネ(ストロー級1位)
○ジャレッド・ブルックス(ストロー級2位)
1R 4’39” 裸絞め
※マスンヤネがストロー級 (56.7kg)リミットをオーバーし契約体重戦に変更。マスンヤネのファイトマネーの20%をブルックスに譲渡
1R、レスリングベースの両者の四つ組みの展開となるが、そこから元UFCのブルックスがオンブになり、金網際で執拗に裸絞めを狙う。青木真也×秋山成勲のような構図となるが、終盤、ブルックスは裸絞めをガッチリと極め、そのまま倒れ込みマスンヤネを絞め落とし一本勝ちした。ブルックスは昨年11月のONE参戦後、アディワン、箕輪、マスンヤネ相手に3連勝。試合後のインタビューでは改めて王者・パシオへの挑戦を熱望した。
三浦彩佳、無念の右肩負傷TKO負け
第5試合 MMA 女子ストロー級(56.7kg) 5分3R
×三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA/4位)
○ダヤン・カルドソ
2R 0’56” TKO (レフェリーストップ:右肩の負傷)
1R、最初からカルドソの右ストレートをヒット。三浦はひるむも、すぐさま組み付き、首投げで倒し、得意の袈裟固めからのアームロックを狙う。だがカルドソは対処し立ち上がる。三浦は再び倒し、袈裟固めの体勢を作ろうとするが、カルドソも両足を三浦の片足に絡めて完全な体勢を作らせない。
2R、三浦はパンチをもらう前に圧を強め、タックルでのテイクダウンを狙い続ける。ところがその最中に三浦は右肩を脱臼した模様。しばらくカルドソを金網に押し込んでから、カルドソに突き放されると、三浦は右手をダランとさせた状態で金網を背にする。カルドソが詰めてパンチを連打し、三浦が右肩を左手でかばったところで、すぐさまレフェリーがストップした。三浦は半ばアクシデント絡みながらも2連敗となってしまった。
今成正和、組技戦で米国強豪ムスメシに一本負け
第2試合 グラップリング 143ポンド(64.9kg)契約 12分1R
×今成正和(今成柔術)
○マイキー・ムスメシ
4’09” 裸絞め
ムスメシは米国人ながらIBJJFブラジリアン柔術世界選手権(ムンジアル)4連覇の実績のある強豪グラップラー。開始すぐからムスメシが寝転び、今成も呼応して上になり、両者足の取り合いに。今成がムスメシの左足をつかんでアキレス腱固めを狙い、ムスメシも同じ技を狙い返すと、今成は膝十字を狙う足関合戦に。だがムスメシは脱出するとマウントを奪取。46歳の今成は足関の攻防で体力を消耗したか?息が荒くなる。
するとムスメシはハーフに戻りつつ、肩固めのプレッシャーをかけながら、逆サイドを狙う動きをしながらバックマウントを奪取。ムスメシは足4の字で捕獲すると、足を登らせてさらに今成の右腕まで4の字の内側に挟みこみ、最後は裸絞めを極めてタップを奪った。
立ち技戦線はアーセル防衛、17歳サンデルがONE史上最年少王者に
第15試合 メインイベント ONEキック・ライト級(77.1kg)タイトルマッチ 3分5R
○レギン・アーセル(王者)
×アドリアン・サディコビッチ(挑戦者)
判定3-0
※アーセルが4度目の防衛
第14試合 コーメインイベント ONEムエタイ女子ストロー級(56.7kg)王座決定戦 3分5R
○スミラ・サンデル
×ジャッキー・ブンタン
判定3-0
※サンデルが王者に
第12試合 ムエタイ バンタム級(65.8kg)
○リアム・ハリソン
×ムアンタイ・PKセンチャイ
1R 2’19” TKO
第11試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
×チェン・ルイ
○ソン・ミンジョン
2R 4’26” 裸絞め
第8試合 キックボクシング ライトヘビー級(102.1kg)
○アンドレイ・ストイカ
×ヤニス・ストフォリディス
判定3-0
第7試合 ムエタイ 女子アトム級(52.2kg)
○アニッサ・メクセン
×マリー・ルーメット
判定3-0
第6試合 MMA フライ級(5分3R) 5分3R
○ウィンドソン・ラモス
×ウ・ソンフン
判定3-0
第4試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
○アブラーオ・アモリム
×パク・デソン
2R 1’20” TKO
第3試合 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
×アギラン・ターニ
○ジン・テホ
1R 2’23” アームロック
第1試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○キアヌ・スッバ
×ジェームス・ヤン
判定3-0