DEEP☆KICK 12.25 テクスピア大阪(レポ):-65kg 木村ケルベロス颯太、KO勝ちで初防衛「次はRISEのベルト、RISE頼むな」。-63kg KENTA、誕生日のHAYATO会長に初防衛のプレゼント。-57.5kg 宮崎就斗、高校生の新鋭を1Rで粉砕し2度目の防衛
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DEEP☆KICK 64
2022年12月25日(日)テクスピア大阪
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(写真・石本文子) ※中盤戦までの試合写真は追って追加します
王者はやはり「王」であった。
メインイベントでは3大タイトルマッチと題し-57.5kg・-63kg・-65kgの3階級におけるタイトルマッチが行われると、王者3名が存分に力を見せつけ3勝、内2つがKOと全員が防衛成功。
また他の試合でもKOが続出と東で行われたビッグイベントにも引けを取らない大盛り上がりを見せ、年内最後のDEEP☆KICK大会を豪勢に彩った。
-65kg王者・木村ケルベロス颯太、KO勝ちで初防衛「次はRISE 65kgのベルト、RISE頼むな」
第13試合 トリプルメインイベント3 DEEP☆KICK -65kgタイトルマッチ 3分3R
○木村ケルベロス颯太(心将塾/王者)※初防衛戦
×竹内皇貴(チームドラゴン/挑戦者)
2R 1’40” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
※木村が初防衛
大トリとなる最終試合はDEEP☆KICK-65kgタイトルマッチ、DEEP☆KICK-65kg挑戦者決定トーナメントを制し挑戦権を獲得した竹内にリング場で噛み付いた王者・木村、あわや乱闘騒ぎとなる寸前までヒートアップした両者がここに対面、その眼差しは入場からリングコールまで互いに一切視線を外さず睨み合っていた。
1R、静かにグローブを合わせた両者、互いにロー・ミドルで蹴り合う。そこからジャブを基軸にストレート・ボディ・アッパーと多彩にパンチを繰り出す木村、対する竹内は左ハイ・ローを繰り出していく。ラウンド後半、木村がコーナーに詰めパンチを連打、そこからのパンチでガード上からでも竹内が飛ばされるシーンも増えるが竹内も気持ちが強く前に歩み寄る。ダメージは両者感じさせないがヒット数ではやや木村が優勢か。
運命の2R、1Rに続きインローを中心に前に出て得意の膝に繋げたい竹内。対する木村はカーフキックを織り交ぜながらジャブ・ストレートをヒットさせていく。前に出たい竹内だが木村のジャブをかいくぐれない、そこへ木村がインローから足をスイッチさせての右フックを竹内にクリーンヒット、高度な技術を見せファーストダウンを奪う。すぐに立ち上がる竹内だがダメージが隠せない、木村は静かに歩を詰めると細かいパンチからロー・膝と多彩な攻撃を繰り出していき、最後はカウンターの右ストレートで竹内を再び地面に這わせた。竹内も立ち上がろうとするもレフェリーが続行不可能を判断、2R1分40秒、地獄の番犬が雄叫びと共に王者初防衛をTKO勝利で飾った。
試合後のマイクで木村は「血のクリスマスどうやった?次はRISEの65kgベルト狙ってるから呼んでください、いや呼べ。俺がいっちゃん強いから、RISE頼むな。じゃあ、また地獄で」と引退を発表したRISEスーパーライト級王者の山田洸誓(正道会館KCIEL)が返上し空位の-65kgベルトへの意欲を地獄の番犬キャラクター満載で語った。初防衛の勢いそのままにRISEにまで嚙みついた木村、来年RISEを暴れまわるかもしれない地獄の番犬に要注意だ。
-63kg王者・KENTA、誕生日のHAYATO会長に初防衛のプレゼント
第12試合 トリプルメインイベント2 DEEP☆KICK -63kgタイトルマッチ 3分3R
○KENTA (HAYATO GYM/王者)※初防衛戦
×足利也真登(Fight Club Rush/挑戦者)
判定3-0(30-29/30-28/30-29)
※KENTAが初防衛
2つ目のメインイベントはDEEP☆KICK-63kgタイトルマッチ、3月涙の王者戴冠を果たした王者・KENTAへと初代S-1ミドル級王者の看板をひっさげ挑戦者決定戦を勝ち上がってきた足利が挑む。
1R、互いに体を揺らしながらロー・ハイの蹴りからパンチに繋いでいく。足利が左右のフックを思い切りよく振りぬくと対するKENTAも威力あるストレートを返すなど1Rから近い距離での打ち合いが続き、足利はパンチ主体、KENTAはパンチと右ミドルをヒットさせていく。1Rは互角の印象か。
続く2R、ミドルに加えハイキックを織り交ぜるKENTAに足利は左右のフックとローを返していく。ラウンド中盤からは1R同様、近い距離での打ち合いが増えていくが互いに1度のヒットも許されない大砲のようなパンチを繰り出すもクリーンヒットは出ない。一進一退の打ち合いが続き2Rが終了、オープンジャッジでは2名が20-20、1名が20-19でKENTAを支持するもまったくの互角。勝負は運命の3Rに託される。
最終ラウンド、ここで倒すといわんばかりに更にパンチを振り回し前に前にと打ち出る足利、これにKENTAもがっつり応戦し打ち合いを仕掛けていく。中盤、スタミナ切れか足利の手が止まっていくもKENTAは止まらずパンチ・蹴りを繰り出していく。残り1分を切ると足利は最後のスタミナを振り絞りパンチを出すが逆にKENTAのハイキックがクリーンヒット、立て直して最後の意地を見せたい足利だったがスタミナはKENTAが優勢、結局足利は印象的な一発が出ないまま試合終了のゴングが鳴った。判定は3者共に3RのKENTAを支持し3-0でKENTAの判定勝利、初防衛を決めた。
3月の王者戴冠時は涙が止まらなかったKENTAも今回はキリッとした表情で再びベルトを巻いた。勝利者マイクでは「今日、僕の会長が誕生日なんです、いつも育ててもらってありがとうございます、誕生日おめでとうございます!」とHAYATO GYM会長への感謝とベルトという最高の誕生日プレゼントを贈った。試合後「(防衛戦で)自分だけKOできなくて恥ずかしい(笑)」と漏らすも次こそはという意思が見える、王者の風格が仕上がってきたKENTAに来年も注目してほしい。
-57.5kg王者・宮崎就斗、高校生の新鋭粉砕し2度目の防衛
第11試合 トリプルメインイベント1 DEEP☆KICK -57.5kgタイトルマッチ 3分3R
○宮崎就斗(TARGET)※2度目の防衛戦
×KING龍蔵(ROYAL KINGS/挑戦者)
1R 2’53” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※宮崎が2度目の防衛
3つのトリプルメインイベントの先陣を切るのはDEEP☆KICK-57.5kgタイトルマッチ、激闘のDEEP☆KICK-57.5kg挑戦者決定トーナメントを制した高校生ファイター・KING龍蔵が3月に続き2度目の防衛戦となる宮崎に挑んだ。試合前の煽り動画で龍蔵は「宮崎選手より先生(代表)に怒られるほうがよっぽど怖い」と放ち実際、リング上では高校生とは思えぬ落ち着きを見せていた。対する宮崎は2度目となる防衛戦とあって表情も柔らか、確かな自信を放っていた。
果たして1R、サウスポーに構える宮崎に対しローをついていく龍蔵。宮崎は前手のフェイントからミドル・三日月を繰り出していく。ミドルレンジでの蹴りの刺しあいが続くとラウンド後半、静かな雰囲気が一転する。徐々に圧をかけ宮崎が龍蔵をコーナーに詰めると左ハイからのストレートで宮崎がファーストダウンを獲得。 驚きが隠せない龍蔵、残り時間も僅かとまずはこのラウンドを凌ぎたい所だったが宮崎はチャンスを見逃さない、とどめと言わんばかりにグングン前に詰めていくと最後はパンチラッシュでダウンを奪いレフェリーストップ。3月の防衛に続き今回もTKO勝利で2度目の防衛を成功させた。
試合後のマイクで宮崎は「DEEP☆KICK王者として他団体で試合して結果が残せてないので、しっかり来年は強いってこと証明するので期待してください」と語ると奥さんと子供を呼んで家族3人で写真撮影、愛する家族の為、そして王者として来年の更なる飛躍を決意した。年内で2度防衛戦を行い、2度をTKO勝利で飾りDEEP☆KICKのリングでは確かな強さを証明は出来た、宮崎の言葉通り来年はDEEP☆KICK王者として他団体を暴れまわってくれることに期待したい。
鷹介、-55kg王者・翔磨への挑戦権獲得
第10試合 セミファイナル DEEP☆KICK -55kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
○鷹介(魁塾)
×力哉(BKジム)
判定3-0(30-28/30-27/30-28)
セミファイナルではDEEP☆KICK-55kg現王者・翔磨 (多田ジム)への挑戦権を懸けたDEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント決勝、準決勝を共に勝ち進んできた鷹介と力哉が挑戦権を懸けてぶつかった。この両者は5年前にも対戦経験がありその際は鷹介の2RTKO勝利、力哉としてはリベンジ戦となる。
1R、横に周りながらローやジャブを繰り出す力哉に対し鷹介はリング中央に陣取り威力あるロー・ストレート・膝を繰り出していく。細かく力哉も動きつつパンチを繰り出すが鷹介の早い踏み込みのワンツーが数度ヒットするなどパンチには鷹介に分があるか。
2Rも横に周りロー・ジャブを放ちながらチャンスをうかがう力哉だが、鷹介のボディ・アッパー・ストレートなど威力抜群のパンチがヒットしていく。それでも愚直にチャンスを伺う力哉、ボディやローなど印象的なヒットを見せるがオープンジャッジは20-19が2名、20-18が1名で3名共に鷹介を支持。
3R、後がない力哉は開始からパンチをまとめていき左フックをヒットさせるが鷹介も止まらない、強烈な左フックに加えボディを返していく。互いに近い距離で打ち合うもヒット数はここでも鷹介が優勢、お得意のストレートをガンガン放っていく。力哉も逆転を狙い飛び膝やストレートを放つが鷹介を捉えれず試合終了。全ラウンドを通して攻勢を保った鷹介が3-0で判定勝利を飾り、タイトルマッチ挑戦権を獲得した。
試合後のマイクでは「気持ちよくKOしてタイトルマッチ行きたかったんですが、全然ダメな試合になっちゃいました。ですがタイトルマッチではしっかり倒してチャンピオンになります」と宣言。すると現王者の翔磨もリングイン、マイクにて「トーナメントの中で1番やりたかった相手、でも今の試合では俺には勝てないと思うので練習して勝てるよう頑張ってください」と挑発した。来年3月予定のタイトルマッチ、互いにパンチが魅力的な選手なだけに見ごたえ抜群の試合間違いなし。早くもタイトルマッチが待ち遠しくなる1戦が決まった。
DEEP☆KICK 2度目の「-LEGEND MATCH-」は階勇弥×fire仭士
第9試合 スペシャルエキシビション -LEGEND MATCH- 2分2R
―階 勇弥(Determination)
―fire仭士[ひろし](more kickboxing studio)
勝敗無し
2度目の開催となる現役を引退した選手が再びリング場で戦う「-LEGEND MATCH-」、今大会では現Determination代表の階勇弥と現more kickboxing studio代表のfire仭士が出場した。引退したといってもバリバリの両選手、仭士がロープを飛び越え入場すれば階は十八番のスパイダーダンスにて入場、体はまだまだ現役なところを見せつけた。
1R、エキシビジョンマッチではあるものの互いに鋭いパンチ・蹴りを交差させていくと2R、仭士が「もっとこい」とアピールしながら鋭いパンチを放つと対する階はバリエーション豊富な蹴り・パンチを様々に繰り出し、胴回し回転蹴りなども披露。正にパンチャーの仭士とテクニシャンの階といった試合が披露された。
2分2Rを最後まで止まらず打ち切った両者、エキシビジョン終了後、両者はマイクにて仭士は「我が子にリングで戦ってる姿を見せたことがなかったので、それを見せたいと思い出場しました。僕はこれで舞台に上がるのは最後にして、こんな素晴らしい舞台に教え子たちが出てスーパースターになれるように指導頑張っていきます。関西キック会を微力ながらも盛り上げていきます」、階は「仭士選手は僕がキックを始めるキッカケの人でアマチュア時代に2度負けて学びたいと思いキックを始めました。昨年8月から健心塾を離れ独立しました、このDEEP☆KICKのような素晴らしい舞台に立つ選手が出るように、これからも指導を頑張っていきたいと思います」とコメント。そしてその後、家族・会員たちと共に記念撮影を行い拍手の中退場していった両者。2度目となる今回も温かいムードの中で進められた-LEGEND MATCH-、次回以降も続いていくレジェンド選手たちの温かく熱い戦いを楽しみにしてほしい。
-51kg王座決定トーナメントは一樹とKING TSUBASAが決勝進出
第8試合 DEEP☆KICK -51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×タネ♡ヨシキ(直心会)
○一樹(Reborn kickboxing gym)
2R 0’58” TKO (レフェリーストップ:カーフキック)
4年越しのリベンジ、3度目の正直をこのDEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメントという大舞台で成し遂げた。DEEP☆KICK-51kg初代王者の塚本望夢が返上したベルトを懸けたトーナメント、準決勝として対戦したのはタネ♡ヨシキと一樹。この2名は2018年「BORDER-KICKBOXING」と今年1月「DEEP☆KICK ZERO 02」で2度対戦経験があり、その際の勝敗は2試合ともタネが勝利している。
3度目の決戦となるは王座決定トーナメント、サンタのコスプレをしたタネダンサーズを引き連れ毎度おなじみ派手に登場したタネは1Rから軽快に飛ばしていき左右に周りながらローを繰り出す。対する一樹はプレッシャーをかけながら細かいパンチと左右のミドルを繰り出していく。ラウンド中盤は打ち合いになるとさすがは軽量級、高速のパンチが交差する。後半は互いにカーフキックを軸にパンチを繰り出す、1Rは接戦ながらも一樹が先手を取っていたイメージ。
続く2R、開始とともに走り出しパンチのラッシュを繰り出すタネ、一樹は多少動揺するもすぐさま落ち着き対応。そして転機は一瞬で訪れた。近い距離での最中、一樹のカーフキックがタネにジャストミート、足がくの字に曲がるとここぞとばかりに一樹はカーフキックを連打、タネも打ち返すもカーフの連打に耐え切れずダウン。なんとか立ち上がるも足を引きずるタネを見てセコンドがタオルを投入、3度目の正直・4年越しのリベンジ・そしてDEEP☆KICKの地でも2年越しとなる勝利を一樹がTKOでもぎ取り、勝利後はセコンドと長く抱き合い勝利の実感に酔いしれた。
第7試合 DEEP☆KICK -51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○KING TSUBASA(ROYAL KINGS)
×JIN CHOKE-DEE(楠誠会館)
1R 2’20” TKO (レフェリーストップ:左フック)
正に「一瞬の出来事」で勝敗は決した。DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝第1試合として組まれたのは、前回DEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメントにも出場し、今大会では歌手の「KUNIMITSU」に歌ってもらいながら入場と派手にリングインしたKING TSUBASAと11月にジャパンカップバンタム級チャンピオンとなりDEEP☆KICKの地で2本目のベルトを狙う高校生チャンピオン・JIN CHOKE-DEEが激突した。
果たして1R、互いにミドルレンジから蹴り合う。JINがミドルやパンチを繰り出すとTSUBASAは距離を外しカーフキックを当てていく。互いに遠い距離で見合う中TSUBASAは前手を上下に揺らしたりクルクル回したりと老獪にリズムを作っていく。JINは中に入りたいがタイミングが掴めない、そしてその一瞬は訪れた。TSUBASAがじわじわ前に出るとJINの左フックに合わせフックツーのカウンターがさく裂、強烈に撃ち抜かれたJINはリングに沈みレフェリーは即座にストップを宣言。1R2分20秒、今大会一強烈なTKOによりTSUBASAが決勝進出を決めた。
強烈TKO勝利にTSUBASAも大興奮、カメラに向かい「見たか!俺がベルト獲るからな!」と声高らかに宣言。試合後愛する子供2人に囲まれ笑顔で写真を撮ったTSUBASA、あと1つを勝ち抜き子供たちにかっこいいパパのベルト姿を見せることが出来るのか。
なお、続く次の試合でのトーナメント準決勝で勝利した一樹は、マイクを持つと、「連敗続いてたのでトーナメントに懸ける思いは強かったのでホッとしてます、次は決勝なのでここでしっかり勝ってベルト巻きます」と久方ぶりの勝利を噛み締めながら次戦への抱負を口にした。
その後、先に決勝進出を決めたKING TSUBASAもリングイン、マイクにて「僕は本気でこのトーナメントに懸けてて、他の選手たちとも覚悟が違うと思ってます。一樹選手は一緒に練習してた仲間ですが、試合なので思い切って勝って僕がベルト巻きます。」とコメント。
3月に行われる予定のDEEP☆KICK-51kg第2代王者を決めるトーナメント決勝、王者に懸ける思いを爆発させ3月にベルトを巻いているのは果たしてどちらだ?!
-53kg挑戦者決定トーナメントはKING剛と上村雄音が決勝進出
第6試合 DEEP☆KICK -53kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×KAZUNORI(T-KIX GYM)
○KING剛(ROYAL KINGS)
2R 0’52” TKO (レフェリーストップ:ストレート)
DEEP☆KICK-53kg第4代王者の長谷川海翔(誠剛館)へと挑戦権を懸けたトーナメント、DEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝が今大会より開催、共に今年3月より行われたDEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメントにて王者・長谷川に苦渋を飲まされたKAZUNORIとKING剛が激突した。
身長差は7cmとKAZUNORIがリーチには分があるか、1R開始早々からプレッシャーをかけるKAZUNORIにKING剛はガードを固めながらローを放つ。ややKING剛が後手に下がる展開と思われた瞬間、KING剛がカウンターでのオーバーハンドフックをKAZUNORIにクリーンヒット。ダウンこそしないもののKAZUNORIの足はふらつき一転、終始KING剛がプレッシャーをかけながらパンチを放っていく。その後もKING剛の体制を沈めながらのオーバーハンドフックがKAZUNORIは対処できない、ラウンド終盤には2度のダウンを奪われ1R終了。
続く2R、ダメージの残るKAZUNORIに対しKING剛は丁寧にロー・ボディと丁寧に下を意識づけると最後はカウンターのストレートで三度目のダウン奪取、レフェリーがKAZUNORIの試合続行不可能を判断し2R52秒TKOにてKING剛が決勝への切符を奪取した。
第5試合 DEEP☆KICK -53kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○上村雄音(BKジム)
×山川敏弘(Maynish KICKBOXING)
判定3-0(30-27/30-27/30-27)
挑戦者決定トーナメント準決勝第1戦、先に決勝への切符を懸けた戦いを繰り広げたのは上村 vs 山川、23歳の上村に対し山川は32歳と年齢差は9、若さと勢いのある上村と経験と重みのある山川といったところか。
1R、サウスポーに構える上村は開始からボディ、フックとパンチを中心にドンドンと攻め入る。山川も対応しながら打ち返しを狙うが独特な上村のリズムに苦戦しパンチ・蹴りをことごとくもらってしまう。
2Rも軽快に飛ばす上村に対し山川はロー・ミドルでの蹴りを放つ。しかしラウンド中盤からは1Rに似た展開となり圧をかける山川だが上村のパンチに対処できない、上村は対照的にドンドンと勢いづいていき膝にパンチ、ハイキックと更にヒットを重ねていく。オープンジャッジは3者共に20-18で上村を支持。
最終ラウンド、後がない山川は開始から圧をかけて打ち合いに向かっていく。しかし上村はヒラヒラと後ろに距離を取ると冷静にパンチ・蹴りを当てていく。山川もなんとか一矢報いたい所だったが結果上村を捉えることが出来ず試合終了。判定は3者共に30-27のフルマークにて上村が完勝、一足先に挑戦者決定トーナメント決勝にコマを進めた。今回がDEEP☆KICK初参戦となるもしっかりと実力を証明した上村、勢いそのままに王者挑戦への歩を進めることが出来るのか。
なお、続く試合で剛が勝利後、試合後のマイクでは「来年ROYAL KINGSから陸斗がプロデビューします、あいつは無敗のまま王者になれるやつなので良い試合組んだって下さい!」とトーナメントを勝ち進んだ自分の事ではなくジム後輩選手の宣伝を行った。
続いて先に決勝進出を決めた上村がリングに上がると「今回は判定のしょうもない試合でしたが、次はド派手なKOでタイトルマッチに行くので、これからも上村雄音をお願いします」とKO宣言、この試合の先にある長谷川への挑戦権獲得をするのはどちらか、来年3月予定の決勝にも期待したい。
裏メイン?-57.5kgランカー対決は濱田祐生が制す
第4試合 57.5kg契約 3分3R
×麻太郎(健心塾)
○濱田祐生(山口道場)
判定0-3(28-30/29-30/28-30)
第4試合ではあるものの試合への期待値は高く、人によっては裏メインカードとも称したDEEP☆KICK-57.5kg5位の麻太郎と同級3位の濱田の1戦、このカードは6月に挑戦者決定トーナメント準決勝で開催予定だったが麻太郎の怪我により中止、半年後の今回ようやく対面が実現した。
1Rから互いにロー・カーフを蹴り合うとミドルレンジで静かに見合う。麻太郎の鋭い左ハイが放たれると濱田は細かいパンチからローに繋ぐ。ラウンド終盤には濱田のハイ・ストレートが麻太郎を捉える。やや濱田優勢かと思われる1Rとなる。
続く2R、ジャブ・ロー・カーフを着々とヒットさせる濱田に対し麻太郎は威力あるハイキックやパンチをふるう。互いに明らかなダメージは見られないもののヒット数は濱田が優勢の印象を持ち2R終了時のオープンジャッジでは3者共に20-19で濱田を支持。
3R、ここを取らないと危うい麻太郎は近い距離でパンチ・膝を放っていく。対する濱田もガードを固めつつもしっかり打ち返していく。しかし麻太郎はラウンド中盤にやや失速、焦りもあってかパンチが大降りになっていくと、対する濱田は冷静、ロー・パンチを振りながらじわじわと圧をかけていく。それでもさすがはトップランカー通しの1戦、ラウンド終盤には近い距離の打ち合いを魅せ観客を最後まで沸かした。
判定は3者共に濱田を支持し、見事濱田の判定勝利。半年前は叶わなかった勝負をしっかりモノにするとリング上ではタイトルマッチ参戦を直訴。再びベルトを懸けた戦いへの意欲を示した。
大会序盤戦では大石健作、石田迅、駿希が勝利
第3試合 63kg契約 3分3R
○大石健作(TEAM TEPPEN)
×奥山雅仁(OISHI GYM)
判定3-0(30-29/30-28/30-29)
千葉の名門・TEPPEN GYM所属の大石 vs 名古屋の名門・OISHI GYM所属の奥山の1戦が大阪のDEEP☆KICKにて行われた。共にDEEP☆KICK-63kgトップランカー、両者の重い雰囲気に試合前から静かな緊張感が漂った。
1R、サウスポーの大石とオーソドックスの奥山は互いにロー・ハイを放ちながら距離を取り合う。徐々にパンチが増えていくと互いにヒットも増えていき1Rは互角の印象。
続く2R、徐々に激しさが増していく両者だが1Rから大石が1度・奥山が2度ローブローを被弾し度々タイムがストップしてしまう。それでも勢いは衰えない両者、2R終了時点でのオープンジャッジは2名が20-20、1名が20-19で大石を支持するもほぼイーブンの内容。
互いにとって運命の3R、ゴングから絶え間なくパンチ・蹴りで打ち合う両者。中でも近い距離での膝を狙っていく奥山と、左ミドルに鋭いパンチと打ち分ける大石となるとそれはラウンド終了まで続き、最後の最後まで一進一退の優れた攻防を互いに魅せた。
判定は3者共に3Rの大石優勢を支持、トップランカー2名によるランキング戦は大石が判定勝利しDEEP☆KICKの地では久方ぶりの勝利の美酒を浴びた。
第2試合 65kg契約 3分3R
×竹市一樹 (二刃会)
○石田 迅(LEGEND GYM)
1R 1’46” TKO (レフェリーストップ:パンチ)
先日、ジャパンカップのベルトを巻き自身初タイトルを獲得した竹市だったが今回は武市の日ではなかった。-65kg契約にて石田と対戦、互いに入れ墨だらけの体は見るものを圧倒した。
試合は1R、サウスポーの武市に対してじりじり前に圧をかける石田、ゆっくりとした流れの中で武市の左ストレートがヒットすると石田に火が付く。すぐさま強烈な右アッパーからの左フックでファーストダウンを奪うと、続けざまに距離を詰めストレートからパンチをまとめていき2度目のダウン、レフェリーが試合続行不可能を判断し試合終了。前回DEEP☆KICK出場時は1R53秒で無念のTKO負けを喫するも、今回は逆に1R1分46秒でのTKO勝利を石田が奪取、勝つも負けるも派手な男は試合後涙を流しながら感情を爆発させた。DEEP☆KICKランカーの武市を倒したことでランキング入りも内定、-65kgランキングを暴れまわる台風の目となれるか。
第1試合 53kg契約 3分3R
○駿希(BKジム)
×虎太朗(キックボクシングジム3K)
2R 0’36” TKO (レフェリーストップ:右フック)
互いにプロデビュー戦となる駿希と虎太朗の1戦。1R、開始からゆったりと構えながらローを放つ虎太朗に対し駿希は早いパンチを武器に攻勢に出る。駿希のストレートが数度ヒットすると虎太朗もペースアップ、ストレートや膝などをヒットさせる。第1試合、そしてデビュー戦同士と思えないハイスピードな試合が続いていく中、互いにローブローを被弾しタイムがストップする。
続く2R、勝負は一瞬で決着がついた。カーフやパンチをふる虎太朗に対し駿希は1R以上に思い切りの良いパンチを振りぬいていくと、虎太朗の前蹴りを捌いたあと駿希が強烈な右フックでテンプルを撃ち抜きダウン奪取。虎太朗は立とうとするもダメージは深刻、レフェリーが試合を止め2R36秒、駿希が強烈なデビュー戦TKO勝利を飾った。
オープニングイベント NEXT☆LEVEL提供試合
OP第4試合 66kg契約 1分30秒2R
×伊藤陽二(真門伊藤道場)
○田原 繁(02 GYM)
判定0-3(19-20/18-20/19-20)
まさかの息子である千飛にアカペラで歌わせながら入場してきた実父でありジム代表の伊藤陽二。風変わりな雰囲気で試合が始まるも伊藤の時間はここまでだった。田原の攻勢に後手に回ってしまう伊藤、時折印象的なパンチを打ち返し会場を沸かすも総合的には田原が終始攻め続けたイメージ。試合終了まで流れは変わらず結果、3-0で田原が判定勝利を奪い取った。
OP第3試合 65kg契約 1分2R
×久保倖人(健心塾)
○仲村詠太(Reversal gym osaka)
判定0-3(19-20/18-20/19-20)
左右に動くきながらミドルやストレートをヒットさせていく仲村。久保も返していくが1Rは仲村が印象的に。続く2R、挽回を図りローからの出入りを狙う久保だが巻き返すには至らず、終始細かく動きながらパンチ・蹴りをヒットさせた仲村が判定勝利を飾った。
OP第2試合 40kg契約 1分30秒2R
○伊藤乃衣(真門伊藤道場)
×中當湖雛 (楠誠会館)
判定3-0(20-19/20-19/20-19)
今大会唯一の女子対決となった伊藤と中當の1戦。サウスポーの伊藤が細かくパンチを繰り出し、中當はリーチを活かし蹴り主体に。実力は拮抗していたがヒット数は伊藤が印象的、判定は3-0で伊藤が判定勝利を飾り、RISEを主戦場に活躍するAKARI(TARGET)と共に勝利記念撮影を行った。
OP第1試合 50kg契約 1分2R
△下川敦士(02 GYM)
△森井心和(more kickboxing studio)
判定1-1(20-19/19-19/19-20)
アマチュアキックボクサーたちによるOPファイト4戦の第1試合、下川 vs 森井の試合は1Rから近い距離でパンチと蹴りを互いにヒットさせていく。2Rになって失速するもそれでも両者は止まらない。判定は1-1のスプリットドローとなるも、気持ちのいい試合を観客に魅せた。