K-1 12.4 エディオンアリーナ大阪(レポ):和島大海、K-1ファイナルの木村“フィリップ”ミノルに終了間際のKO勝ち。軍司泰斗、椿原龍矢との延長戦制しフェザー級王者に
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K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~スーパー・ウェルター級&フェザー級ダブルタイトルマッチ~
2021年12月4日(土) エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)第1競技場
レポート:井原芳徳 試合写真:(C)K-1
和島大海、K-1ファイナルの木村“フィリップ”ミノルに終了間際のKO勝ち
第17試合 Martial Arts body Design Presents 木村“フィリップ”ミノル K-1 FINAL K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(70kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/PURGE TOKYO/王者、元Krushウェルター級王者)※初防衛戦
○和島大海(月心会チーム侍/挑戦者)
3R 2’50” KO (左ミドルキック)
※和島が王者に
木村はこの試合を最後にK-1を離れ、K-1 JAPAN GROUPもこの一戦を「木村“フィリップ”ミノル K-1 FINAL」と銘打って実施する。(10月28日に木村がK-1離脱を表明した会見の記事はこちら)
木村はKrushでの活躍を経て、2014年11月3日の旗揚げ大会から新生K-1に出場。スーパー・ライト級戦線でゲーオや野杁正明らとしのぎを削った。ウェルター級に階級を上げると、18年8月にKrushの王座を獲得した。その3か月後、68kg契約でジョーダン・ピケオーにKO負けしたが、続く19年3月の和島大海戦からは10連続KO勝ち。昨年3月のK-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王座決定トーナメントでは海斗、エダー・ロープス、和島をKOし優勝。試合は昨年12月のアビラル・ヒマラヤン・チーター以来1年ぶりとなる。3月の日本武道館大会は負傷欠場していた。現在28歳でキック戦績戦績46戦36勝(29KO)9敗1分。16年9月のRIZINで1度だけMMAに挑戦したが、チャールズ・“クレイジー・ホース”・ベネットにわずか7秒でKO負けしている。
対する和島は19戦15勝(13KO)4敗の26歳。敗れた相手はデビュー2戦目の中島弘貴、ジョーダン・ピケオー、木村(2試合)の3人のみ。昨年3月の王座決定トーナメントの準決勝では城戸康裕に判定勝ちし、決勝で木村にKO負けして以降は3連続KO勝ち中で、7月の福岡大会ではアビラルをKOしたことが評価され、初のK-1王座挑戦となる。
木村の入場時にはロックバンドのRIZE、The BONEZのボーカリスト・JESSE(ジェシー)さん、ラッパーのANARCHY(アナーキー)さんによるライブパフォーマンスが行われた。いつもの入場テーマの「Sandstorm」は使われない。先に入場した和島はリング上で10分弱待ち続けたが、そのうっ憤を晴らすかのような、序盤からの積極策が功を奏すことに。
1R、和島はサウスポーに構えて、開始すぐから左ミドル、ロー、右前蹴りを細かく出す。木村はオーソドックスで低い構えから右のパンチをボディ、顔面に放つが少し距離が遠い。和島は飛び込んでの右フックもヒット。終盤、距離が詰まると、木村は右フックを和島のガードの上からでもお構いなしに当て続けるが、和島は耐え、右の飛び膝でも襲い掛かる。記者採点はイーブン。和島は物怖じせず力負けせず戦っている印象。木村はあえて蹴りを封印したのかもしれないがパンチ一辺倒になってしまう。
2R、和島は1Rの内容で手ごたえをつかんだか?左ミドル、インローを最初から矢継ぎ早にヒット。ローが効いたか?木村は一瞬サウスポーに切り替える場面も。和島は左ハイ、ストレート、奥足狙いのローもヒット。木村はなかなか入れない。すると終盤、和島が木村を両手で押さえつつ、左膝をボディに突き刺すと、木村は動きが止まる。最後、距離が詰まり、木村がパンチを連打するが、力が入りきらない。記者採点は和島。
3R、お互い疲れているが、和島が積極的に蹴りとパンチを出す。木村は疲れの色がより濃くなる。クリンチで休もうとするが、和島は押さえながら膝を当てる。中盤、木村の右フックが炸裂し、和島は一瞬止まるが、木村は疲れていて追撃ができない。木村はクリンチを繰り返し芹沢レフェリーから警告を受ける。ブロックする木村に対して、和島は左右の膝を積極的に当てる。すると残り30秒を切り、和島が左ミドルをヒット。木村は蹴り足をつかみながらも、前のめりでふらつき、和島に押し倒されマットに膝をつく。すぐ立たないでいると、レフェリーはダウンを宣告。木村は立ち上がるが目は虚ろで、レフェリーに促されてもファイティングポーズができず、和島のKO勝ちとなった。
積極ファイトで木村越えを果たした和島は「K-1の70kgの歴代チャンピオンは凄い強豪ですけど、3人に負けないようしっかり歴史を作っていきます。中村さん(=K-1プロデューサー)、強豪選手を呼んでください。僕も絶対、偉大なチャンピオンになってみせます」と宣言。続けて「月心会、今日は成績良くなかったですけど、チームで取れたベルトと思っています。一言だけ言わせてください。月心会サイコー」と、武尊の決めゼリフを借りつつアピールした。
敗れた木村はコメントを残さずリングを後にした。大会後のインタビューで木村は「自分の思った通りの動きもできなかったですし、封じ込められて完敗でした」「強かったですね。無茶苦茶」と試合を振り返った。まだ明かしていない今後の進路について聞かれると「まだ決まっていないです。もう1回プランを組み立てます。決まったらすぐ報告します」と話して明言せず。この敗戦が次の進路に影響があるかと聞かれると「より厳しくなったと思います。改めて気持ちを引き締めて、自分の意志を再確認したいと思います」と答えた。
軍司泰斗、椿原龍矢との延長戦制しフェザー級王者に
第16試合 K-1 WORLD GPフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×椿原龍矢(月心会チーム侍/王者、K-1甲子園2017 -55kg優勝)※初防衛戦
○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/挑戦者、元Krushバンタム級王者、K-1甲子園2016 -55kg優勝)
4R 判定1-2 (岡田10-9/豊永9-10/梅木9-10)
3R 判定1-1 (岡田30-29/豊永29-30/梅木30-30)
※軍司が王者に
椿原は昨年9月のK-1大阪大会で当時のK-1フェザー級王者・江川優生に判定勝ち。今年3月の再戦でも江川も勝利しベルトを巻いた。5月の横浜大会では玖村修平に勝利している。軍司とはアマチュア時代に1勝1敗、プロになってからも1勝1敗だ。軍司は昨年9月に玖村将史に判定負けしたが、以降は亀本勇翔、森坂陸、新美貴士相手に3連勝中だ。
1R、軍司がプレッシャーをかけるが、椿原は細かく左右に動き、右のカーフキックを随所で当てる。終盤には右フック、アッパー、左ジャブも絡め、手数で上回る。軍司は早くもカーフをもらった左のふくらはぎが腫れている。記者採点は椿原だが、軍司も大崩れはしていないため、まだイーブンでも不思議ではない。
2R、軍司はカーフを嫌って距離を詰め、ボディへの左右のフックを当てる。椿原はそれでも距離を取り、右カーフ、左ハイを当てるが、1Rほど当てさせてもらえない。椿原はパンチの連打から右ハイもヒット。終了間際、両者パンチの打ち合いで当てる。記者採点はイーブン。
3R、軍司は距離を詰めつつ、左ミドル、前蹴りをヒット。だがお互いヒットが減り、均衡は崩れない。すると終盤、少し椿原が疲れて来たところで、軍司が左右のボディを当てつつ、右ストレートもヒットし、右ハイも当て差を示す。記者採点は軍司。合計29-29でイーブン。ジャッジは三者三様で延長へ。
4R、軍司が前に詰め、左前蹴り、右ボディをヒット。中盤、椿原も前に出て、左ハイをお返し。終盤、椿原は左アッパー、右ストレートを当て、差を示そうとするが、軍司も前に出てパンチや前蹴りを返し、一歩も引かない。非常に僅差だが、記者採点は前に出る時間の長かった軍司。ジャッジはやはり割れたが、2者が軍司を支持し、軍司の勝利となった。
接戦を制し初のK-1ベルトを巻いた軍司は「KOで勝って言いたいことがあったんですけど、延長判定で、もしかしたら(椿原と)6回目もあるかもしれないですけど、もっと強くなります。フェザー級には強い選手がいて、他団体からも来て、階級を上げ来る選手もいて、どんどん熱い階級になっています。K-1のチャンピオンなんで、強い選手とやって、もっとベルトの価値を上げ、K-1を引っ張っていきたいです」とアピールした。
林健太、ロー効かせ不可思に逆転判定勝ち
第15試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○林 健太(FLYSKY GYM/元K-1ライト級(62.5kg)王者、元Bigbangスーパーライト級王者)
×不可思(クロスポイント吉祥寺/元KNOCK OUT・WPMF日本・REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元RISE・Bigbangライト級王者)
判定3-0 (杉村29-28/岡田29-28/豊永30-28)
林は18年12月の大阪大会でのライト級世界最強決定トーナメントで下馬評を覆し優勝。その後、ライト級王者になるも、昨年12月の初防衛戦でゴンナパーに敗れ、スーパー・ライト級に階級を上げた。5月の横浜大会でヴィトー・トファネリに逆転KO勝ちしたが、9月の横浜大会では練習仲間でもある佐々木大蔵に判定負けしている。
不可思は3月にスーパー・ライト級王者の山崎秀晃に挑戦するも1R KO負け。7月の福岡大会で田村陽典に1R KO勝ちして以来の試合となる。
1R、不可思は序盤からプレッシャーをかけ、右ロー、ストレート、フック、膝、左ミドルを積極的に出す。林は随所で手数では劣るものの、右ロー、カーフをお返し。カウンターでパンチも当てる。記者採点はイーブン。
2Rも不可思が積極的に攻める展開が続く。中盤には右ストレートで林を2度のけ反らせる。林も右のカーフを時折当てるが、なかなか攻撃が増えない。記者採点は不可思。
だが3R、林が右のカーフを序盤から強打すると、ようやく効き目を発揮し、不可思はバランスを崩すように。林は足の止まった不可思に右フックを効かせると、右ストレート、アッパーの連打でダウンを奪う。林はパンチを何発も当て、不可思を2ダウン寸前まで追い詰める。記者採点は10-8で林。合計29-28で林。30-28は不可思に厳し過ぎる感もあるが、ジャッジ3者が林を支持し、林の判定勝ちとなった。
ゴンナパー、左ミドルで西京佑馬を圧倒
第14試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元K-1&Krushライト級王者、元WPMF世界スーパーライト級王者)
×西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・フェザー級(60kg)王者、K-1甲子園2016 -60kg優勝)
判定2-0 (杉村30-29/吉田30-30/梅木30-29)
ゴンナパーは昨年12月に林からライト級王座を奪取し、3月の武道館大会でも南雲大輝に勝利したが、7月の福岡大会での初防衛戦で朝久泰央に延長戦の末に判定で惜しくも敗れた。対する西京佑馬は西京春馬の弟。2連敗後、今年3月の篠原悠人戦からライト級に階級を上げて勝利し、7月の福岡でも竜樹に勝利し、早くもライト級トップ勢との対戦機会が巡って来たが、ゴンナパーの壁は厚かった。
1R、ゴンナパーがいつも通りサウスポーで圧を掛け、随所で左ミドルを強打。西京も右前蹴り、右フックを返すが、終盤にゴンナパーは左ストレート、ミドルを連打し、攻勢を印象付ける。まだ西京もひるまないためイーブン。
2R、ゴンナパーは西京の右腕、脇腹に左ミドルを着実にヒット。中盤には左ストレート、ローも連打する。西京はカウンターで右ストレートを返す場面もあるが、ゴンナパーの蹴り数は落ちない。記者採点はゴンナパー。
3R、ゴンナパーは途切れず左ミドルを当て、左ストレートも絡め主導権を維持する。このラウンドも西京は右ストレートを時折返すが、ゴンナパーは変わらず蹴り続ける。西京の右ストレートのヒットは2Rよりは増えているが、逆転にはほど遠い。記者採点はイーブン。合計30-29でゴンナパー。ジャッジは1者が意外にもイーブンとしたが、2者は順当にゴンナパーを支持し、ゴンナパーの判定勝ちとなった。
安保瑠輝也、1R KO勝ち。「野杁選手に1年以内に必ずリベンジします」
第13試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN/元K-1スーパー・ライト級(65kg)王者)
×海斗(ポゴナ・クラブジム)
1R 1’55” KO (3ダウン:右ストレート)
安保は9月の横浜大会の第2代ウェルター級王座決定トーナメントに出場し、決勝で野杁正明に左ミドルで3R KO負けして以来の試合。3試合してから2カ月半の間隔ながら、自ら大阪大会への出場を志願した。
海斗は3月の武道館大会で寧仁太・アリに3R KO負けして以来の試合。寧仁太は9月のトーナメント初戦で小嶋瑠久に勝利したが、準決勝で野杁に1R KO負けした。安保×海斗は今年1月のK-1で組まれていたが、コロナ禍の影響で3月に延期し、安保が怪我の療養のためを対戦を回避していた。
前日計量で海斗は1回目で69.00kg、2回目で67.45kgと、減量に苦しむ。1R、安保がサウスポーの海斗に、開始すぐから右インローをヒットし続け、右ストレートで下がらせると、前に詰めて右のストレートの連打でダウンを奪う。海人は左ミドル、ローをお返しするが、ローに安保は右ストレートを合わせ、コーナーに詰めての右フックで2ダウン目を奪う。最後は右のバックハンドブローからの右ストレートでマットに沈めた。
大方の予想通り完勝の安保は「9月の屈辱の敗戦から2カ月で復帰戦をし、1Rで勝ててホッとしています。上に野杁選手がチャンピオンでいますけど、上に立たれるのは嫌なので、俺がベルトを奪い取るので、1年以内に必ずリベンジします。楽しみにして下さい」とアピールした。
石井慧、RUIの膝で苦しむも判定勝ち。「ロードトゥ京太郎選手、すぐお願いします」
第12試合 スーパー・ヘビー級 3分3R(延長1R)
○石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ/2008年北京五輪柔道男子100kg超級金メダル、HEAT MMAヘビー級王者、元IGF同級王者)
×RUI(K-1ジム福岡チームbeginning)
判定3-0 (岡田30-29/三浦30-29/加納30-28)
MMA選手の石井は9月の横浜大会でK-1ルールに初挑戦し、愛鷹亮に延長判定勝ち。試合後のマイクで「12月5日、地元大阪で試合をやりたいです」とアピールしていた。RUIは19年2月に愛鷹に膝蹴りでKO勝ちしたことがある。
計量での体重は石井が110.65kg、RUIが89.90kgで、約20kgもの差がある。RUIにとっては2階級上の戦いだ。1R、両者サウスポーに構え、中盤に石井が距離を詰め、左フックを立て続けにヒット。体重が重い分、圧力で上回る。終盤には左ボディから左フックの連打も決める。記者採点は石井。
2R、石井は変わらず圧を掛け続けるが、RUIは左テンカオを効かせると、石井は後退。RUIが前に出て、膝、三日月等を当てて石井を苦しめる。だが石井も左ローを効かせ、左フックを当て挽回。終盤には石井が左フック、左ボディを当て挽回する。記者採点はイーブンだが、巻き返した石井につく可能性はある。
3R、RUIは左膝を当て、石井は左フック、左ローを当てる削り合いに。石井の手数がやや上だが、RUIも攻撃を返し耐える。記者採点はイーブン。合計30-29で石井。ジャッジ3者も石井を支持し、石井のK-1 2連勝となった。
石井は「また判定でした。すみません。でも次、誰ですか?中村プロデューサー、僕には時間がありません。ロードトゥ京太郎選手、すぐお願いします」とマイクアピールした。
レオナ・ペタス、階級アップ前哨戦は完勝
第11試合 サイクリー Presents 61.5kg契約 3分3R(延長1R)
○レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/元Krushスーパー・フェザー級王者)
×マキ・チャーチャイ(タイ/真樹ジムAICHI/WMOインターナショナル・スーパーライト級王者、元ISKAムエタイ世界同級王者 元ラジャダムナン認定スーパーバンタム級3位)
判定3-0 (岡田30-26/片岡30-26/島村30-26)
レオナは3月の武道館大会でスーパー・フェザー級王者・武尊に挑戦するも、2R KO負け。今回は62.5kgのライト級への階級アップをにらみ、これまでより1.5kg重い61.5kg契約で再始動する。
1R、サウスポーのチャーチャイに対し、レオナはガードを下げつつ、伸びのある左ボディをヒット。右ストレートから左フックのコンビネーションも決め、早速主導権を握る。チャーチャイも左ミドル、左ストレートを時折お返しするが、レオナは動じず。終盤、レオナが細かくパンチを当て続け、チャーチャイは手を広げ挑発すると、レオナは左ジャブからの右ストレートでダウンを奪う。
2R、チャーチャイは前に出て積極的に左のパンチを振るう。レオナはステップでかわし、自分のパンチを当てつつ、左右のテンカオを効かせると、左右のパンチの連打で下がらせる。チャーチャイはしぶとく前に出るがクリンチが増える。
3R、レオナは序盤からパンチ、膝を連打し倒しにかかる。それでもチャーチャイは前に出るが、レオナは度々パンチを当て圧倒。点差を広げ判定勝ちした。
大和哲也、連敗を3でストップ
第10試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○大和哲也(大和ジム/WMCインターコンチネンタル・ライト級王者、元WBCムエタイ世界&Lion Fight世界スーパーライト級王者、元WBCムエタイ日本&NJKFライト級王者、K-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメント2010優勝)
×大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)
3R 0’28” KO (左フック)
1R、両者オーソドックス主体にしつつ、度々スイッチし、大野が中央に立ち、やや積極的に蹴りを出す。哲也は左右のミドルを強打する場面もあるが、なかなか攻撃が出ない。だが終盤、サウスポーの大野が右の前蹴りで飛び込んだタイミングで、オーソドックスの哲也が左フックを合わせてダウンを奪う。記者採点は10-8で哲也。ベテランが巧さを印象付けるラウンドに。
2R、大野はダメージを引きずっていない様子で、五分の状態を維持。哲也は終盤、左ボディを立て続けにヒット。大野は負けじと前に詰めるが、右の飛び膝を放ったタイミングで左フックを当てて再びダウンを奪取。終了間際にも左フックでダウンを奪う。
3R、哲也は右ストレートでまたもダウンを奪取。最後は左フックで累計5度目のダウンを奪ったところで、梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った哲也は「世界のベルトを巻いて、3連敗してどん底で、離婚も経験し、人生何があるかわからないですよ。でも腹をくくって行動すれば絶対結果が出ます。あと6日で34歳になりますが、これからもまだ夢を見せます」とアピールした。退場時には「やったぞー、フー」と喜びを爆発させた。
玖村修平、才賀紀左衛門を67秒KO
第9試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×才賀紀左衛門(PURGE TOKYO)
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)
1R 1’07” KO (右ストレート)
1R、序盤から修平が右ミドル、右ローを度々ヒット。才賀も左ボディを当てる場面もあるが、修平のスピードに対応しきれていない様子。修平は右のカーフ、ローを連打してから、カウンターの右フックをヒット。さらに右の飛び膝を当て、攻撃が多彩で途切れない。すると修平は右ローを当ててから、右ストレートをクリーンヒット。才賀は大の字でダウンし、修平がわずか67秒でKO勝ちした。
完勝の修平は「才賀選手、昔活躍していた選手ですけど、今のK-1ではすぐに活躍できないというのを見せられたと思うので、下から這い上がってくれたらなと思います」と強気にコメントした。
19歳・斗麗、来年の飛躍期待させる快勝
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○斗麗(WIZARDキックボクシングジム)
×森坂 陸(エスジム)
判定3-0 (豊永30-27/田中30-27/鶴和30-27)
1R、森坂は序盤から細かく動いて積極的に蹴りを出すが、斗麗はサウスポーからの左ミドル、膝を強打し、パワー差を印象付ける。森坂は左膝をもらった右まぶたを腫らす。
2R、斗麗は左の蹴りだけでなく、右のカーフキックも絡める。中盤にはミドルとローを連打し、森坂の連続の回転蹴りも難なくかわす。終盤にも左の三日月蹴りを強打し、左ハイでも脅かす。
3R、斗麗は度々スイッチしつつ、左右の蹴り、パンチを自在にヒット。中盤にはボディにストレート、前蹴りを集中する。10月で19歳になったばかりだが、攻撃の多彩さはベテランのようだ。結局最後まで斗麗が主導権を維持し終了、記者採点は3Rとも斗麗で30-27で斗麗。ジャッジ3者も同じ採点で、斗麗が勝利。来年の飛躍の期待できるファイトだった。
☆SAHO☆、K-1初戦は真優からダウン奪い勝利
第7試合 女子52.5kg契約 3分3R(延長1R)
○☆SAHO☆(闘神塾/S1日本女子バンタム級王者、WMC日本女子スーパーバンタム級王者、元ミネルヴァ・スーパーバンタム級王者)
×真優(月心会チーム侍)
判定3-0 (豊永30-27/田中30-27/鶴和30-27)
☆SAHO☆はK-1 JAPAN GROUP初参戦。16歳でプロデビューし、これまでキック・ムエタイで3本のベルトを獲得し、12戦11勝(1KO)1敗の好戦績を残している22歳。
1R、☆SAHO☆はフィジカルの強さを活かし、接近戦で時折フックを連打するが、真優もパンチを返し、ブロック、クリンチで対処する。試合を作っているのは☆SAHO☆だが、パンチの精度は荒く、まだ真優を苦しめるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2R、右ローの応酬の後、☆SAHO☆が右ストレートをヒット。だがその後の打ち合いで真優も右ストレートを返す。中盤、打ち合いで☆SAHO☆は腰の入った左ボディを強打。これで手応えを得たか?再び左ボディを強打すると、止まった真優をロープに詰めて押し込みながら、左膝をボディn連打してダウンする。その後も左ボディ、左膝で真優を追い詰める。10-8で☆SAHO☆につくラウンドに。
3R、打ち合いが繰り返され、☆SAHO☆が左ボディ、右アッパーも絡めて優勢。真優はクリンチが増え、岡田レフェリーから警告を受ける。記者採点は☆SAHO☆。合計30-27で☆SAHO☆。☆SAHO☆が判定勝ちし、K-1初陣を良い形で飾った。
黒田斗真、壬生狼一輝との接戦制し返り討ち
第6試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1バンタム級日本最強決定トーナメント2021優勝)
×壬生狼一輝(力道場静岡/Krushバンタム級王者)
4R 判定3-0 (岡田10-9/三浦10-9/吉田10-9)
3R 判定0-0 (岡田30-30/三浦30-30/吉田30-30)
1R、黒田はサウスポーに構え、5月のトーナメント決勝で壬生狼を31秒でKOした左ストレートを再三振るう。壬生路は少しもらうがかわしてポイントをズラしたり、ブロックもし、対処できている様子だ。だが壬生狼も圧はかけるが攻めあぐね、右ロー、ミドルを当てるが攻撃はまだ少ない。
2R、壬生狼は前に出続けるが、黒田は時計回りでかわし続け、壬生狼に攻めさせず。しかし黒田も回ること主体で、パンチをなかなか当てられない。
3R、これまでよりパンチが交錯する場面が増えるも、なかなか均衡は崩れないまま終了する。記者採点は30-30。ジャッジ3者も同じで延長へ。
4R、変わらず壬生狼がプレッシャーをかけ、黒田は回る構図。黒田は随所で左テンカオ、インローを当てるが、壬生狼の勢いは止まらない。とはいえ壬生狼は攻撃をなかなか当てられないまま終わる。記者採点は黒田。ジャッジ3者も黒田で黒田の勝利となった。黒田は返り討ちを果たすも、勝利を告げられた直後は首を傾げ、内容には不満な様子で、壬生狼も黒田と遜色のない力量を示す試合だった。
第5試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
×弘輝(team ALL-WIN)
4R 判定3-0 (吉田10-9/岡田10-9/三浦10-9)
3R 判定1-1 (吉田29-30/岡田30-30/三浦30-28)
1R、両者サウスポーに構え、弘輝が圧力をかけ、大沢が回って距離を取る構図。大沢は途中からオーソドックスに切り替える。両者とも攻めあぐねる展開が続く。
2R、大沢は序盤から右ボディ、右ローを当て、先手を取る。だが弘輝は圧を強め、右ストレートで下がらせ、顔面とボディにパンチを連打する場面を数度作る。大沢は連打をある程度ブロックできているが、弘輝が積極性を印象付けるには十分だ。
3Rも弘輝が度々大沢を詰め、パンチ、膝を当て攻勢。大沢はパワーで押され度々スリップして印象が悪い。記者採点は2Rと3Rが弘輝で合計28-30で弘輝。ジャッジは意外にも割れ、弘輝のアグレッシブさと手数が評価されず延長へ。
4Rも弘輝が前に出続ける展開。だがさすがにヒットが減り、大沢も随所で左ボディ、右フックを当て、試合をわからなくする。それでも弘輝は圧をかけ続けるが、最後は大沢も前に出て左フックを当てて、弘輝を少しフラつかせる。記者採点は大沢。ジャッジ3者も大沢を支持し大沢の勝利となったが、今年春以降の「倒しに行く姿勢」を重視するK-1の採点基準に沿えば、本戦で弘輝勝利が妥当ではと感じた。
第4試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×工藤勇樹(エスジム/KROSS×OVERヘビー級王者、元蹴拳ライトヘビー級王者)
○谷川聖哉(K-1 GYM AGAMI-ONO KREST)
2R 2’11” KO (右ハイキック)
工藤は負傷欠場のK-Jeeの代役出場。1R、お互い慎重な立ち上がりだったが、中盤、工藤が前蹴りから詰めて来たタイミングで、谷川が右フックを当ててダウンを奪う。終盤には右ローでスリップさせ、手数でも上回る。
2R、谷川が右ストレート、左ジャブ、左ボディを的確に当て、主導権をキープする。すると終盤、右フックを空振りしてからの左フックで工藤をひるませると、続けて右ハイをクリーンヒット。ダウンした工藤は立ち上がろうとしたがフラつき、レフェリーがストップした。谷川は「K-Jee選手、怪我治して、来年ぜひ試合してください」とアピールした。
第3試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(延長1R)
○高梨knuckle美穂(Y’ZD GYM/元Krush女子アトム級(45kg)王者)
×美伶(WARRIOR OSAKA)
4R 判定3-0 (杉村10-9/伊藤10-9/梅木10-9)
3R 判定1-0 (杉村30-29/伊藤30-30/梅木30-30)
1R、高梨がプレッシャーをかけ続け、右ストレート、左ジャブ、右ローを当てる。美伶は序盤こそ右のカーフキックを当てたもの、以降はなかなか攻撃が出せなくなる。
2Rも大差はないものの、高梨が圧をかけ、随所でパンチ、ロー、ミドルを当て続ける構図。美伶もヒットは少ないが右ストレートの後に押し倒したり、終盤に左ジャブをまとめる等して、印象の残る攻めをする。
3R、美伶はこれまでもスイッチしていたが、3Rはスイッチもしつつ、サウスポー主体に。お互いパンチのヒットを増やし、片方が当てればもう片方が当て返す構図となる。
記者採点は30-30。ジャッジは1者が高梨を支持したが2者がイーブンで延長へ。4R、美伶もパンチを返しているが、圧を掛けている高梨のパンチのヒット数が次第に上回るように。終盤には右フックで美伶を少しフラつかせて好印象を残す。記者採点もジャッジ3者も高梨で高梨の判定勝ちとなったが、美伶も実力の高さを印象付ける試合だった。
第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○篠原悠人(DURGA/元Krushスーパー・ライト級(65kg)王者、K-1甲子園2015 -65kg優勝)
×石田勝希(RKS顕修塾/MA日本&RKSスーパーライト級王者、K-1甲子園2009 -62kg 3位)
判定3-0 (伊藤30-29/豊永30-28/杉村30-27)
1R、篠原は圧力をかけ左フック、右ロー、石田は左ミドルを時折当てるが、お互い慎重だ。
2Rもなかなか均衡が崩れなかったが、篠原が細かくパンチ当て続けていると、終盤に左ジャブを連打してから、左アッパーにつなげて好印象を残す。
3R、石田はパンチ、蹴りの手数を上げ、若干優位となるが、篠原も細かくパンチを返し、はっきりした差はつけさせず終了する。記者採点は2Rのみ篠原につけ30-29で篠原。ジャッジ3者も篠原を支持したが、1~3点差とバラついた。勝った篠原だが、あまり攻め込めなかったせいもあってか笑顔は無かった。
第1試合 73kg契約 3分3R(延長1R)
○神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
×EITO(Respect All Fear None)
1R 1’37” KO (3ダウン:右ストレート)
1R、開始すぐからパンチで打ち合う展開となり、30秒ほどで神保が右フックでダウンを奪う。その後も左ストレートを効かせ、パンチの連打で2ダウン目を奪う。最後は右ストレートでEITOを棒立ちにさせたところでレフェリーがストップした。抜擢を受けたEITOだが神保との実力差は歴然としていた。
プレリミナリーファイト第4試合 51kg契約 3分3R
×山脇飛翼(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1甲子園2019 -55kg優勝)
○大夢(WIZARDキックボクシングジム)
判定0-3 (28-30/28-30/29-30)
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○古宮 晴(昇龍會/K-1甲子園2021 -65kg優勝)
×セルヒオ・ハノ(ボリビア/ブラジリアン・タイ)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○石田龍大(POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg優勝)※拳心會館から所属変更
×小松貴哉(K-1ジム五反田チームキングス)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
プレリミナリーファイト第1試合 ライト級 3分3R
×梨緒弥[りおや](若獅子会館MATSUBARA/K-1カレッジ2019 -65kg優勝)
○三宅祐弥(team ALL-WIN)
2R 0’36” KO