K-1 3.28 日本武道館:武尊、那須川天心の見守る中カーフキックも駆使しレオナ・ペタスを2R右フックKO「天心選手と最高の舞台で最高の試合を僕はやりたい」
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K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~K’FESTA.4 Day.2~
2021年3月28日(日) 日本武道館
レポート:井原芳徳 写真:久保与志
本戦
第19試合 K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者、元スーパー・バンタム級&フェザー級王者)
×レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/挑戦者、Krush王者)
2R 1’04” KO (右フック)
※武尊が2度目の防衛
K-1スーパー・フェザー級王者・武尊が満を持して、Krush同級王者のレオナ・ペタスを相手に2度目の防衛戦を行った。
武尊は18年3月のK’FESTA.1のK-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、K-1史上初の3階級制覇を達成。昨年3月のK’FESTA.3でペッダム・ペットギャットペットにKO勝ちして以来1年ぶりの試合となる。12年9月から34連勝中だ。
レオナは17年12月以降9連勝中で、近年は小宮山工介、村越優汰もKO。昨年7月のKrushで大岩龍矢に判定勝ちし、Krush王座2度目の防衛に成功すると、大岩のセコンドについていた武尊に宣戦布告し、武尊も「やろうぜ」と対戦を承諾した。
その1か月後の8月末、11月3日のK-1福岡大会で武尊のベルトを懸けての対戦が発表されたが、武尊の左拳の骨折で延期に。1月24日の代々木大会に改めて試合が組まれたが、新型コロナウイルス緊急事態宣言の影響で大会自体が3月28日に延期し、会場の武道館に変更。発表から7カ月を経てようやく両者が拳を交える。
試合前には、リングサイド席に那須川天心が着席。昨年の大晦日のRIZINでは武尊が天心の試合を観戦に訪れたが、今回は逆パターンだ。天心は同日夜のRISE後楽園ホール大会で後輩の梅井泰成のセコンドに着いた後、武道館に移動した。昔はよく平本蓮の応援で観客としてK-1、Krushの会場に来ていたが、RISEとK-1の関係悪化と天心自身の人気アップで足が遠ざかることに。昨年大晦日でようやく雪解けが始まり、公式なK-1への来場は今回が初となる。なお、試合後は武尊と接触せず、ノーコメントで会場を後にしている。
1R、両者、ローの応酬からスタート。レオナは左インロー主体で攻め、武尊は最初から右のカーフキックを当て、レオナも事前に予想してかカットする。武尊は度々蹴り足をすくうが、芹沢レフェリーはしっかり注意していない様子だ。
武尊はサウスポーに一瞬切り替えてから、右フックを振るうが、レオナは下がって距離を取る。その後、レオナが右フックを当てると、武尊は笑顔を浮かべる。さらにレオナは左ジャブ、右テンカオ、左ストレートを連続でヒット。武尊は少しバランスを崩す。武尊がまた笑うと、レオナは詰め、パンチを連続で振るうが、打ち合いで武尊も当て返し、場内はヒートアップする。だが、武尊の左の前蹴りがローブローとなり一時中断する。
30秒ほどで再開後、武尊も左のインローを増やす。レオナは近距離から右の飛び膝を放つが、武尊はかわし、武尊も左右のフックを振るうが、レオナもかわす。その後も武尊は執拗にインローを当て続け、右のカーフキックのヒットも増やす。レオナは意地を張ってか?ほとんどカットせず、逆に自分のローは減ってしまい、少し飲まれている感がある。
すると残り10秒を切ってから、レオナは左ジャブストレートを当てるが、武尊は耐えると、前に出てパンチが交錯。レオナの左フックのカウンターで、武尊が左フックをクリーンヒットし、残り2秒でレオナはダウンする。レオナは虚ろな表情で、なかなか立ち上がれず、立った瞬間は少しフラついたが、10カウントギリギリでポーズを取り、すぐさま終了のゴングが鳴る。記者採点は10-8で武尊。
2R、武尊は右のカーフキックを連続でヒット、レオナは左すねが赤くなり、少し踏ん張りが弱っている印象だ。すると武尊は圧力を強めるが、レオナの右ストレートが炸裂。武尊がひるんで後退すると、レオナが追いかけ、お互いのパンチが交錯。レオナの左フックで武尊の腰が一瞬落ち、試合はわからなくなる。レオナはさらに左ストレートを当てるが、武尊が踏ん張りすぐに右フックを返すと、レオナは押される形に近かったが、前のめりで倒れ、レフェリーはダウンを宣告する。レオナはすぐ立つが、レフェリーが間に入らなかったため、武尊はパンチの連打で追撃してしまう。
それでもレオナは続行の意志を示すが、武尊は左フックをヒット。レオナはクリンチで耐えようとするが、武尊に押されスリップする。レオナは脳と足のダメージの蓄積で踏ん張りが効かない。最後は武尊が右フックを強振してクリーンヒットし、またもダウンを奪取。武尊も自らがパンチの勢いでバランスを崩すほどの強打で、レオナが前のめりでダウンすると、レフェリーが手を振ってストップ。武尊が壮絶なKO勝ちで大一番を制すと、いつも通りコーナーポスト最上段からバック宙。その後はレオナ勝利を予想した魔裟斗氏が解説席にいるのを見つけると、「見たか」と叫んで満面の笑みを浮かべた。そして武尊は座ったままのレオナに歩み寄り、何かを話しかけ、勝ち名乗りを受けると、金の紙テープのシャワーを浴びた。
旧体制時代のK-1も含めてもK-1の歴史に残るような名勝負を制し、ベルトを巻いた武尊は「コロナで1年間、試合できませんでしたが、今日はみんなに力を与えられたかと思います。今日はK’FESTAウィークの最後なんで、KOじゃなきゃいけないと思ったんで。レオナ選手とはアマチュアで2試合しているんですけど、その頃から強くて、今日もパンチ強くて、本当にいい選手だったんで、最高の場所でレオナ君と戦えてうれしかったです。やっぱ、K-1はKOじゃないと。判定も色々言われていますけど、結局は倒したほうが勝ちなんで、それを体現できたらという気持ちで今日はKOしました。K-1だけじゃなく、スポーツ全部ですけど、人にパワーを与える力があると思うんで、受け取ってもらえたらうれしいです」と話した。
続けて武尊は「そして今日、会場にスペシャルゲストが来てくれているんで。那須川天心選手、ご来場ありがとございます。K-1へようこそ」と話すと場内は拍手に包まれる。さらに武尊は「天心選手も世界中の強豪を倒し、世界最強を証明している日本人の一人だと思うんで、天心選手と最高の舞台で最高の試合を僕はやりたいと思っているんで。本当に長い間、お待たせしましたけど、この試合は格闘技界にとってもスポーツ界にとっても日本にとっても、めちゃくちゃパワーになる試合になると思うんで、絶対やろうと思っているんで、ぜひ天心選手、よろしくお願いします」と天心に呼びかけた。
最後、武尊は「長くなりましたけど、今日はK-1に来てくださってありがとうございます。これからもK-1、武尊、格闘技界全体を応援してもらって、盛り上げてもらえたららうれいしです。格闘技最高!」と叫び、8時間40分の興行を締めくくった。
◆武尊
今回は色んなものを背負って挑んだ試合で、過去最高レベルでプレッシャーを感じました。僕が倒される可能性もあった試合ですけど、思いっきり気持ちをぶつけ合う試合ができて、試合中は久しぶりに楽しかったですね。僕が一番やりたい試合は気持ちをぶつけ合う試合で、あそこまで行くと「倒されていいや」ぐらいの気持ちでした。レオナ選手はストレート系の(パンチが得意な)選手なので(カウンターに警戒して)僕は絶対に右(フック)を振らない作戦だったんですけど、途中でそれを超えて、この人と打ち合いたいという気持ちになったんで、殺されてもいい覚悟で殺しに行った結果が、あれなのかなと思います。
(レオナのジャブについて)拳が硬かったですね。脳に来るというか。魔裟斗さんの事前の予想通りでした。
(その魔裟斗さんは戦前、レオナ有利と予想していたが?)ありがたかったですね。凄いプレッシャーで寝れないし、精神的に追い詰められていた時だったんで、「武尊、このままじゃ負けるんじゃないの」と言ってくれたようで、気持ちが楽になりました。佐藤(嘉洋)さんも同じようなことを言ってくれて。勝って当たり前と言われるより、勝ったら凄いと言われる試合の方が気持ちが上がるので、救われましたね。僕へのやさしさというか、「武尊、気を引き締めろよ」というエールなんだろうなと受け取っていました。
(カーフキックの感触は?)2、3発で嫌がったのもわかったし、向こうも(カーフが)得意な選手なので。流行りに乗りたくないですけど、周りも成長し、進化しないと生き残っていけないので、使えるようにするまで頑張りましたね。
(プレッシャーから解放され、公の場で屈託なく笑ったのは久々?)そうですね。プライベートでも笑うことが無かったので。表情筋が柔らかくなりました。追い込み期間が終わっても(首と肩に手をやり)ここらへんがずっと痛くて、ストレスで悲鳴をあげていたんだなって、今、終わって感じました。世界が明るく見えます(笑)。
(天心選手が今回見に来て、気合が入った?)気合入りましたね。来ることも聞いていたんで、天心選手に負けない試合、天心選手に火をつける試合ができたらいいなと思いました。
(どの段階で天心選手のことは頭から消えた?)この試合で負けたらやりたいこともやれない、今までの苦しさも全部パーになるので、試合だけに集中して、試合前も(客席の天心を)見ないようにしていたし、終わるまでは考えていないですね。この試合で終わってもいいぐらいの覚悟でやっていました。この試合でK-1の中で最強を証明しないと、その試合をやる権利もないので、この試合だけの集中していました。
(最後は「K-1最高」という決めゼリフではなく「格闘技最高」という言葉を選んだ理由は?)最高なのはK-1だけじゃなく、格闘技の中にK-1も含まれていて、他の団体にもいい選手がいて、格闘技は凄いパワーを持っているスポーツで、どの団体でも最高なのに変わりはないので、「K-1最高」も含まれている意味での「格闘技最高」です。
(レオナの拳に対して打ち勝てた理由は?)覚悟の違いかなって。レオナ選手は打たせず打つスタイルで、それが理想ですけど、僕の戦う時の信条として、自分も死ぬ覚悟がないと相手も殺せないと思っていて。打ち合いの距離って自分も危なくて、打ち合いが強いと言われるのも覚悟の差なのかなと思っています。
(試合中に笑顔が出たのもこれまでで一番早かったのでは?)そうですね。レオナ選手の気持ちを見れたんで。仲良くなる友達って会ってすぐフィーリングでわかりますけど、そういう感じでした。友達じゃないけど思いっきり殴り合いたいと思える人でした。久々に楽しく戦えましたね。キツかったですけど。
(念願の試合は次行きたい?)早くやりたいですし、自分が一番強い時にやりたいですけど、まだ何も決まっていないので、これから実現に向けて頑張ります。
(怪我は?)ちょっとあるかなって。試合終わるとだいたいどこか怪我するので、しっかり治します。
◆レオナ・ペタス
失神したんで何も覚えていないですね。1R、たぶんインローを蹴っていたんですよ。インローを嫌がっていると(セコンドの声で)聞いていて。1Rにダウンして、それが結構ヤバくて、インターバル中にコーナーに戻っても全然回復していない感じだったかな。
(試合が決まって長期間を振り返って)準備はしっかりできたんで、結果は負けてしまったんですけど、自分自身、嘘もなく、しっかりやったんで、恥じることは無いのかなと思います。
(結果が出た率直な気持ちは?)滅茶苦茶悔しいです。(1年前に亡くなった)かあちゃんのためにベルトを取るって思っていたんで、めっちゃ悔しいですね。
(打ち合いは計画に入っていた?)打ち合ったんですかね?気持ちが出たんじゃないかと思いますね。全然覚えていないですけど(苦笑)。
(ローを蹴ってアウトボクシングに徹する作戦だった?)普段トレーニングしていることを出そうって感じだったと思います。
(武尊にリベンジしたい?)かあちゃんにK-1のベルトを巻かせる約束をしたんで、やりかえしたいなと思います。
(かつてない注目を浴び、プレッシャーに潰されそうになったことは?)2回も延期になって、心が折れそうになったんですけど、でも、今日こういう風に試合ができたんで、良かったかなと思います。
第18試合 K-1 WORLD GPクルーザー級(90kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/王者、元Krush王者)※初防衛戦
○シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM/挑戦者・前王者)
2R 1’46” KO (右バックハンドブロー)
※カリミアンが王者に
クルーザー級王者のK-Jeeと前王者のシナ・カリミアンが、11月の福岡から5カ月間隔でのリターンマッチにして3度目の激突。両者は過去1勝1敗だ。カリミアンのセコンドには旧K-1で活躍したニコラス・ペタス氏がつく。
1R、カリミアンが左ミドルを序盤から連打するが、K-Jeeは距離を詰めると、ボディから顔面につなぐパンチの連打で、右フックをクリーンヒットして、1分足らずでダウンを奪う。さらにK-Jeeは右フックでダウンを奪取。前回と同じような展開で、連勝はが目前となる。K-Jeeはパンチを当て続け、カリミアンは防戦一方になるが、豊永レフェリーは続行する。K-Jeeはラッシュを続けるが攻め疲れてしまい、一発一発の威力が落ち、仕留めきれないまま1Rを終える。
2R、K-Jeeは圧をかけるが、攻撃が減り、カリミアンは随所で左ミドルをお返しする。カリミアンはつかんで膝蹴りを出す反則を2度犯し、レフェリーから警告を受ける。だが再開後、カリミアンが右ローを当てると、K-Jeeはローを嫌がったか?前に出たところで、カリミアンが右のバックハンドブローをクリーンヒット。K-Jeeはダウンする、K-Jeeは立ち上がるが、足に力が入らず、レフェリーがKOを宣告。カリミアンが劇的な逆転KO勝ちで王座を奪還した。
カリミアンはベルトを巻くと涙を流し、ジムの同僚やニコラス氏に感謝の言葉を述べ、「次は誰だ?俺がこの階級の王者だ」と勝ち誇った。
第17試合 ヘビー級 3分3R(延長1R)
○京太郎(フリー/元K-1ヘビー級(100kg)王者、元ボクシングWBOアジア太平洋・OPBF東洋太平洋・日本ヘビー級王者)※藤本京太郎 改め。角海老宝石ボクシングジムから所属変更
×実方宏介(真樹ジムAICHI/Bigbangヘビー級王者)
2R 0’29” KO (右フック)
プロボクシングで活躍した京太郎がK-1復帰戦。1R開始すぐ、京太郎は試合前のコメントと違い、早速ローキックをヒット。京太郎は右ボディを当てるが、実方も右ロー、カーフキックを返す。京太郎は序盤こそ蹴りをもらったが、距離を修正し、右ミドルを返す。K-1ルールにスタイルを戻せている印象だ。記者採点はイーブン。
1Rはまだお互い慎重な印象だったが、2R、京太郎は開始すぐに仕掛ける。前に出ると、右フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。実方はダメージが大きく、京太郎が右ボディを当ててから、再び右フックをクリーンヒット。実方はうつぶせでダウンし、京太郎のKO勝ちとなった。
第16試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangヘビー級王者)
○ANIMAL☆KOJI(LEGION TOP TEAM)
判定0-3 (27-28/26-28/27-28)
愛鷹は網膜剥離の手術を経て、昨年3月にカリミアンにKO負けして以来1年ぶり復帰戦。
1R、愛鷹が序盤からパンチの連打でスタンディングダウンを奪う。だが中盤、ANIMALが左ストレートでダウンを奪い返し五分に持ち込む。その後もパンチ主体だが、ややお互い警戒して慎重になったか。記者採点は8-8。
2R、ANIMALがパンチの連打で愛鷹を下がらせるが、愛鷹も右フックを強振し、場内をどよめかせる。終盤、愛鷹は右フックをヒットするが、ANIMALはひるまず、右ローを返す。記者採点はイーブンとしたが、序盤の攻勢でANIMALに付いても不思議ではない。
3R、パンチ主体の攻防だが、お互い動きが読めて来たか、なかなかクリーンヒットにはつながらない。最後のパンチの打ち合いで少しANIMALがひるむが、すぐ持ち直す。記者採点はイーブン。合計28-28でイーブン。ジャッジは3者とも2RにANIMALにつけた模様で、ANIMALが判定勝ちし、昨年11月のRUI戦に続きK-1 JAPAN GROUP 2連勝とした。マイクを持ったANIMALは「中村プロデューサー、タイトルマッチお願いします」とアピールした。
第15試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○城戸康裕(谷山ジム/元Krush王者、K-1第2代同級王座決定トーナメント2017準優勝)
×松下大紀(BELIEVE MAN)※K-1ジム川口TEAM SIRIUSから所属変更
2R 2’47” KO (3ダウン:右フック)
1R、城戸はいつも通り蹴り主体で組み立てようとするが、松下が圧を掛け続け、終盤、右ストレートを効かせてからの左フックでダウンを奪う。城戸はピンチに陥るが、なんとかラウンド一杯まで耐える。
すると2R、城戸がサウスポーからの左ミドルを当て続けてから、パンチの打ち合いで左ストレートを当ててダウンを奪い返す。松下はなんとか持ち直して前に出るが、ダメージは溜まっていた模様。終盤、城戸はカウンターの右フックでダウンを重ね、最後はパンチの連打で3ダウン目を奪い、見事逆転KO勝ちした。
第14試合 ライト級(62.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/K-1 WORLD GP王者、元Krush王者、元WPMF世界スーパーライト級王者)
×南雲大輝(八光流柔術総本部)※金子大輝 改め。K-1ジム大宮から所属変更
2R 1’31” KO (左ストレート)
1R、両者サウスポーに構え、ゴンナパーは左右のミドル、右フックを的確に当てる。だが南雲はじわじわ圧をかけると、カウンターの右フックでゴンナパーをふらつかせ、場内はどよめく。中盤以降も南雲が右ジャブ、左ストレートをヒット。ゴンナパーも蹴りを当て続けるが、悪印象をぬぐう攻撃に持ち込めない。記者採点は南雲。
2R、ゴンナパーは蹴りを減らし、圧を強めパンチ主体に切り替えると、これが功を奏す。ゴンナパーは右フック、左ストレートを効かせ攻勢に。さらに右ボディを効かせてからの左ストレートでダウンを奪う。南雲は立ち上がるも力が入らず、梅木レフェリーがストップ。ゴンナパーがピンチを乗り越え王者としての威厳を保った。
第13試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(65kg)王者、元Krushウェルター級王者)
×プライチュンポン・ソーシーソムポン[Phlaychumphon Sor. Srisomphong](タイ/GTジム)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
プライチュンポンは19年11月にKNOCK OUTでT-98と対戦し、組んでの膝と肘を駆使し5R判定勝ちした在日タイ人で、K-1ルール初挑戦。
1R、野杁が圧を掛け、サウスポーのプライチュンポンがまあって距離を取る構図。中盤、野杁がコーナーに詰めて右ストレートを何度か当てるが、プライチュンポンも左のテンカオを上手く返す。終盤、野杁が左ボディを強打する。記者採点は野杁。
すると2R、野杁がコーナーに詰めると、プライチュンポンが左インローを当てた後、野杁が右ストレートでダウンを奪う。だがプライチュンポンは回復し、左ミドル、前蹴りをお返し。野杁は詰めるが、なかなか仕留められず、終了時には少し不満げな表情を浮かべる。記者採点は10-8で野杁。
3Rもプライチュンポンは左ミドルを随所でヒット。野杁は左ボディを強打する場面もあるが、その先になかなか持ち込めない。プライチュンポンはクリンチが多く警告が出される。野杁は右ストレート等のパンチをあて続けるが、プライチュンポンは耐えて終了。記者採点は野杁。合計30-26で野杁。野杁が大差の判定勝ちを果たしたが、今回もKOできなかったせいか、悔しそうな表情を浮かべた。
第12試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
×ダウサコン・モータッサナイ[Dawsakhon Motassanai](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元WPMF世界スーパーバンタム級王者、元ラジャダムナン認定スーパーフライ級3位)
2R 1’56” KO (パンチ連打)
国内のREBELS等でムエタイルールの試合を続けてきたダウサコンがK-1 JAPAN GROUP初参戦。1R、玖村兄弟の弟・将史が積極的にパンチを当て主導権。ダウサコンが右ミドルを当てても、すぐ右フックを返す。将史も右ミドル、右ハイといった蹴りを当て、終盤は左ジャブ、左ボディでも印象を残す。
2R、将史は序盤から右ストレートを効かせ、右の連打でダウンを奪う。それでもダウサコンは必死に前に出るが、最後は左と右のストレートの連打でマットに沈めた。
将史は「K-1の55もあるんですけど、(57.5kgの)フェザー級も取りに行くんで楽しみにして下さい」とアピールした。
第11試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×篠原悠人(DURGA/元Krushスーパー・ライト級(65kg)王者)
○西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・フェザー級(60kg)王者)
判定1-2 (30-29/29-30/29-30)
1R、お互い距離を取り、蹴り主体の攻防。篠原が左フック、佑馬が右のカーフを効かせるが、お互いまだ慎重で、差は乏しい。
2R、篠原が詰めてパンチを振るうが、佑馬は左フックをカウンターで当てる。だがその後はお互い慎重な攻防に戻る。終盤、パンチの交錯する場面がようやく増えるが、まだ均衡は崩れない。おそらくバッティングで佑馬が額を切る。ここまで記者採点はイーブン。
3R、また慎重な展開に戻る中で、佑馬が少し右ロー、右フック、右テンカオのヒットを増やし、やや優位で終了。佑馬が取ったか。記者採点は29-30で佑馬。ジャッジは割れ、2者が佑馬を支持し勝利したが、本戦19試合もある中で埋もれる内容となってしまった。
第10試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○横山朋哉(リーブルロア)
×佑典(月心会チーム侍)
1R 0’29” KO (左フック)
横山はTETSUと対戦予定だったが、TETSUが負傷欠場し、大会11日前にTETSUと同門の佑典の出場が発表された。1R、横山が開始間もなく、右ローを当ててから、飛び込んで勢いよく左フックをクリーンヒット。ダウンした佑典はなんとか立ち上がるがフラつき、横山のKO勝ちとなった。
マイクを受け取った横山は「佑典選手がいたので試合ができました。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、「僕、こんなもんじゃないんで。タイトルマッチに絡みたいです」とアピールした。
第9試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーバンタム級王者)
3R 2’36” TKO (コーナーストップ:パンチ連打)
1R、金子が序盤から積極的に右ローを当てつつ、右フックを当ててダウンを奪う。鬼山のダメージは小さい様子で、圧をかけるが、金子が上手く距離を取りながら左ミドル、右テンカオ、左ジャブ、左インローを的確に叩き込む。記者採点は金子。
2R、金子は左ミドル、右ロー、左ジャブ、左ボディ等を的確に当て、主導権を維持。鬼山はパンチの空振りが続く。
3R、金子は左のフックの3連打も絡め、自在に攻め続ける。終盤、鬼山のパンチの空振りが続いた後、金子が右ストレートでひるませ、パンチの連打でスタンディングダウンを奪う。最後は金子がパンチをまとめたところで、鬼山のKREST陣営がタオルを投入したし、金子のTKO勝ちとなった。
金子は「今、スーパー・バンタムの王座が空位なんで、獲らせてください」とアピール。ボクシングに転向した武居由樹が返上したベルト奪取に意欲を示した。
第8試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○島野浩太朗(菅原道場/元Krush王者)
×三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定3-0 (30-28/30-27/30-27)
1R、島野が積極的にフック系の左右のパンチを連打し主導権。三輪はある程度ブロックできているが印象が悪い。
2R、三輪は前に出続け、右のカーフを時折当てる。島野が下がりながらもパンチを当て続け好印象だ。
3R、島野は変わらずパンチを当てつつ、押し込んで膝を当てる場面も。終盤、ようやく三輪が右のカーフで少しぐらつかせるが、最後も島野が詰めて連打をまとめ、反撃を封じ完勝した。
第7試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
×小鉄(K-1ジム琉球チーム琉神)
○アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場/HEATキック・ミドル級(70kg)王者)
1R 2’21” KO (左膝蹴り)
12月の両国大会での木村“フィリップ”ミノル戦でインパクトを残したアビラルがK-1 2戦目。1R、アビラルは右のカーフキック主体の攻め。中盤過ぎには小鉄がふらつくようになり、アビラルが終盤、右ストレートでダウンを奪う。さらにパンチの連打から左膝を顔面に当てて2ダウン目を奪ったところでレフェリーがストップした。
来日5年目のアビラルは日本語で「木村戦の時は肋骨が折れていて練習できませんでした。ノーダメージで試合をすればこんな感じでKOショーを見せられるんで。木村選手と再戦したいです。K-1のベルトだけできるだけ早く欲しいですね」とアピールした。
第6試合 73kg契約 3分3R(延長1R)
○MIKE JOE(フィリピン/BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/Bigbangスーパーウェルター級王者)
×EITO(Respect All Fear None)※HALEO TOP TEAMから所属変更
2R 0’45” KO (パンチ連打)
EITOは欠場した木村“フィリップ”ミノルの代役出場。1R終盤、JOEが右ストレートを効かせると、パンチを連打し、左ストレートでダウンを奪取。その後もパンチの連打でダウンを重ねる。ダメージ的にはここでストップでも不思議ではないぐらいだ。そして2R、JOEが右ストレートを効かせてからパンチの連打で累計3度目のダウンを奪ったところで、豊永レフェリーがストップした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)
×鷹大(ウィラサクレック・フェアテックス西川口/元WMC世界スーパーバンタム級王者、WPMF日本スーパーバンタム級&フェザー級王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
1Rから玖村兄弟の兄・修平が右ロー、パンチの連打、右ハイ、右テンカオなど、多様な攻撃を当て続け主導権を維持。2Rも変わらず、鷹大はほとんど攻撃が返せない。3Rも修平ペース。終盤はパンチ連打でアグレッシブさを印象付け、点差を広げ判定勝ちした。
第4試合 女子ミニマム級(48kg) 3分3R(延長1R)
○高梨knuckle美穂(Y’ZD GYM/元Krush女子アトム級(45kg)王者)
×MARI(ナックルズGYM/元ミネルヴァ・ピン級(45.36kg)王者)
4R 判定2-1 (水谷10-9/太田9-10/豊永10-9)
3R 判定1-1 (水谷30-29/太田29-30/豊永29-29)
高梨knuckleとナックルズGYMのMARIの戦いは、その名の通りパンチでお互い一歩も引かない好勝負に。
1R、高梨が圧を掛け、MARIが左手のガードを時折下げながら回って距離を取る構図。MARIは左ロー、左ジャブを的確に当てる。高梨も中盤過ぎから右ミドル、右フックをお返し。だがMARIもバックハンドブローを当て返す。記者採点はイーブン。
2R、高梨が圧力を強め、随所で右ミドル、ローを強打。右ストレート、左フックも絡める。MARIも随所でパンチを返しているため、大差は無いが、やや高梨ペースが。記者採点はまだイーブンだが高梨についても不思議ではない。
3R、圧を掛けるのは高梨だが、パンチが交錯するとMARIも正確に右フックを当てる。高梨も右ストレート、左ジャブを正確に当て一歩も引かない。終盤、MARIが左右のフックを立て続けに当てて好印象を残す。しかしその後、高梨も右ストレート、左ミドルをお返しし、アグレッシブに攻めて挽回する。記者採点はイーブンだがMARIについても不思議ではない。合計30-30でイーブン。ジャッジは三者三様で延長へ。
延長Rもお互いパンチ主体の攻防。高梨が左ボディを強打するが、MARIもバックハンドブローで印象を残す。変わらずパンチが交錯するが、お互い明確な攻撃は出せず終了する。記者採点は高梨。延長Rの内容で判断はつかなかったが、ルールに沿い、本戦で僅差で優位な印象だった高梨につけた。ジャッジは割れ、高梨は2票獲得し勝利を告げられるも、内容に不満げで悔しそうな表情。MARIも敗れはしたが勝っていたという声も多く、K-1ルールに合った戦いぶりで、K-1初参戦で好印象を残した。
第3試合 女子46kg契約 3分3R(延長1R)
○MIO(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元シュートボクシング日本女子ミニマム級(48kg)王者)
×山田真子(KINGS/元J-GIRLSアトム級王者、元プロボクシングWBO女子世界ミニフライ級王者)
判定3-0 (30-26/30-26/30-25)
MIOはSB時代からの48kgより2kg下げての試合。K-1初戦で高梨に敗れてから、女子選手の多いTRY HARD GYMでの出稽古を増やした。
1R、山田が序盤から積極的に仕掛けるが、30秒過ぎ、MIOが山田の右ローに合わせ、右ストレートを合わせダウンを奪う。その後もタイミングよく右ストレートを当て続ける。
2R、取り返したい山田はじわじわ前に出るが、変わらずMIOは的確に右フックを当てる。さらに右のストレートを振ってから左ミドルもヒット。終盤、山田が左のダブルからの右フックで詰めて来ると、MIOが下がりながら右フックを合わせてダウンを奪う。
3R、山田は前に出て、中盤には左右のストレートをヒット。だがその先は続かず、MIOが終盤にも右ストレートをクリーンヒットし、好印象を残し終了。点差を広げ、MIOが完勝した。山田はボクシング7試合含め、キック11戦目で初黒星を喫した。MIOがこの試合を機に、1kg下の45kgのアトム級に進めば、Krush同級王者の菅原美優にとって大きな脅威となるだろう。
第2試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
×海斗(ポゴナ・クラブジム)
○寧仁太[アニンタ]・アリ(ガーナ/K-1ジム総本部チームペガサス)
3R 2’30” KO (右ストレート)
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×弘輝(team ALL-WIN)
○龍華(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/K-1甲子園2019・2020 -65kg優勝)
1R 2’22” KO (パンチ連打)
プレリミナリーファイト
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×倉崎昌史(GET OVER)
○髙橋直輝(若獅子会館)
2R 1’37” KO (右ストレート)
第4試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2018 -60kg優勝)
×児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定3-0 (29-26/29-26/29-26)
※1R右フックで児玉に1ダウン、2R左フックで児玉に1ダウン
第3試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
○稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン)
×清水卓馬(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)
不戦勝 (清水の計量失格)
第2試合 女子ミニマム級(48kg) 2分3R
×ケイト・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
○美伶(WARRIOR OSAKA)※TEAM ONEから所属変更
判定0-3 (26-30/25-30/25-30)
※2R右ストレートでケイトに1ダウン、3R右ストレートでケイトに1ダウン
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
×羽鳥 仁(TEAM BARD)※ポンムエタイジムから所属変更
○鈴木孝司(K-1ジム五反田チームキングス)
1R 1’19” KO (右ストレート)