KNOCK OUT 11.1 後楽園ホール:日菜太、覚悟の一戦で勝利。小笠原瑛作、タイ現役ランカーのサオエークにKO負け
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
KNOCK OUT 2019 BREAKING DAWN
2019年11月1日(金) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第7試合 メインイベント 55.5kg契約(スーパーバンタム級相当) 3分5R
×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/WPMF世界スーパーバンタム級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級(55kg)王者/55.4kg)
○サオエーク・シットシェフブンタム[Saoek Sitchefboonthum](タイ/ラジャダムナン認定バンタム級5位、ルンピニー9位、元ラジャダムナン認定スーパーフライ級王者/55.05kg)
2R 2’31” KO (右ハイキック)
小笠原兄弟の弟・瑛作は8月大会のスーパーバンタム級王座決定トーナメントに出場し、一回戦でミケール・フェルナンデスに勝利するも、決勝で過去にKO負けした相手である江幡塁に判定負けし、王座奪取ならなかった。今回もタイの第一線で戦う強豪との試合が用意された。サオエークは先週の新日本キックで江幡睦相手にラジャダムナン認定バンタム級王座をドロー防衛したサオトーの双子の兄で22歳。戦績158戦121勝(20KO)32敗5分。前日会見で瑛作は「うちのタイ人トレーナーはサオトーよりサオエークの方が巧いと言っています。巧さの裏をかく試合をします」と話していたが、まさに瑛作の裏をかくような巧さをサオエークが見せつけることに。
1R、瑛作がサウスポーに構えて圧力をかけ続け、左ミドル主体で攻める。サオエークはムエタイ式で1Rは様子見で、回ってかわし、蹴りをある程度カットし続ける。記者採点もジャッジもイーブン。
2Rも瑛作が圧力をかけ続け、サオエークは回り続け、なかなか攻める素振りを見せなかったが、中盤、一気に動く。ロープを背にしながら、一瞬の隙を突き、左の肘を振り回して瑛作のアゴにクリーンヒットし、瑛作はダウンする。瑛作は立ち上がり、それでも前に出るが、サオエークが下がりながら今度は右ハイをクリーンヒット。瑛作は伸びて倒れたまま立ち上がれず、サオエークのKO勝ちとなった。
第6試合 セミメイン REBELSルール(肘無し) 70kg級(ノンタイトル戦) 3分5R
○日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS 70kg級王者/70.0kg)
×ラーシーシン・ウィラサクレック[Raseasing Weerasakreck](タイ/元WPMF世界ウェルター級王者/70.0kg)
判定2-0 (山根50-49/北尻49-49/少50-48)
日菜太は8月の大田大会でタイの強豪・ジョムトーンに判定負けして以来の試合。来年2月11日の大田区総合体育館大会大会でのジョムトーンの再戦を希望しており、今回は負けられない一戦となる。ラーシーシンは125戦78勝42敗5分の22歳。セコンドにはゲーオもつく。
1R、日菜太はいつも通りサウスポーに構え、左ミドル、ローを当てる。ラーシーシンは蹴り数では劣るものの、時折当てる右ミドルは重い。記者採点もジャッジもイーブン。
2R、ラーシーシンはサウスポーに切り替えるが、日菜太は動じず左の蹴りを当て続けていると、左ローが効き目を発揮。ラーシーシンはオーソドックスに戻し、右ミドルを返すが、日菜太は変わらず左の蹴りを当て続ける。記者採点もジャッジ3者も日菜太。
3Rも日菜太は左のロー、ミドル主体の攻めを崩さず。中盤にカウンターの右ストレートをもらって一瞬ひるむが、日菜太はぶれず、左の蹴りを当て続ける。記者採点イーブン。ジャッジは1名がラーシーシンにつける。
4Rも日菜太が左ロー、ミドルを当て続け主導権を維持。パンチをもらう危ない場面は無い。ラーシーシンはスイッチを繰り返し、ミドルを当てる場面もあるが、流れは変えられない上、クリンチが多く、和田レフェリーから注意される。記者採点は日菜太。
5Rも日菜太が蹴り主体で優位をキープ。ラーシーシンの両腿は真っ赤に腫れ、ほとんど攻撃を返すことができない。記者採点はイーブン。合計50-48で日菜太。ジャッジ2者が日菜太を支持し、日菜太の勝利となった。
マイクを持った日菜太は「今日、負けたら引退しようと思っていました。それぐらいの覚悟で試合して、スッキリしない勝ちだったと思うんですけど、精一杯できることを頑張って頑張って、また世界最強の選手とKNOCK OUTで戦えるようになりたいです」とアピール。さらに「今日、会場に来る前、お母さんが倒れて、救急車で運ばれたので、アフターパーティに参加できないんですけど、これからもよろしくお願いします」と明かし、観客を驚かせた。
第5試合 54kg契約 3分5R
○壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/LPNJ(ルンピニー日本)バンタム級王者/54.0kg)
×HIROYUKI(藤本ジム/新日本バンタム級王者/54.0kg)
判定3-0 (北尻49-48/和田49-48/山根49-47)
1R、壱(いっせい)はサウスポーに、HIROYUKIはオーソドックスに構え、蹴り主体の攻防。壱の左ミドルがしばらく当たっていたが、次第にHIROYUKIの右インロー、ミドルのヒットが増え、HIROYUKIのローで少し壱がふらつく。記者採点はイーブン。ジャッジ1名はHIROYUKIにつける。
2Rも蹴り主体の展開で、壱も左ミドルを当てるが、HIROYUKIの右ロー、ミドルが目立ち、バックスピンキック、右ハイも当てる。記者採点はHIROYUKI。ジャッジ2名もHIROYUKIにつける。
3R、壱は前に詰め、組んで左膝を当てたり、左右のボディ、左テンカオを当てる場面が目立つように。崩しも織り交ぜ、流れを引き寄せる。HIROYUKIはボディに攻撃をもらうと苦しそうな表情を浮かべる。記者採点は壱。ジャッジ3名も壱につける。
4Rも壱が崩しを繰り返し、膝、右ボディもヒット。HIROYUKIも崩しをお返しするが、有効打は乏しく、奇襲の胴廻し回転蹴りも当たりは浅い。記者採点は壱。
5Rも壱がステップ、クリンチで翻弄しつつ、膝を随所で当て、崩しも決め、HIROYUKIの反撃を封じる。記者採点はイーブン。合計49-48で壱。ジャッジ3者も壱のムエタイ式の攻めを評価し、壱の勝利となった。
壱は「KNOCK OUTに参戦した時から、やりたいことがあると言っていて、そのうちの一つが小笠原瑛作さんと試合することです。2月、大田区で僕と戦ってくれませんか。返事待ってます」とアピールした。
第4試合 70kg契約(スーパーウェルター級相当) 3分5R
×T-98(クロスポイント吉祥寺/WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者、元ラジャダムナン・INNOVATION・REBELS-MUAYTHAI同級王者、元WPMF世界ミドル級王者/69.85kg)
○プライチュムポーン・ソーシーソムポン[Phlaychumphon Sor.Srisomphong](タイ/GTジム/69.2kg)
判定0-3 (少48-50/山根48-50/秋谷47-50)
プライチュムポーンはタイの3R制で戦うMAX MUAYTHAIを主戦場とする28歳で戦績95戦60勝(20KO)25敗10分。1R、T-98が圧力をかけ続けるが、プライチュムポーンはコーナーを背にしつつ、左ミドルを時折強打し、左の肘もクリーンヒット。T-98は攻めにくそうだ。ジャッジ1者はプライチュムポーンにつける。記者採点イーブン。
2RもプライチュムポーンがT-98の圧力をかわしつつ、左の前蹴りのフェイントからの左肘を当て、組んで膝を連打し、主導権を維持する。記者採点はプライチュムポーン。ジャッジ3名ともプライチュムポーン。
3R、プライチュムポーンが左ミドルを随所でヒットし、詰めて来たT-98がパンチを振るえば組み、膝を当てて、時折崩しも決めて主導権を維持する。記者採点プライチュムポーン。ジャッジ2名もプライチュムポーンにつける。
4Rもプライチュムポーンが回って距離を取り、組んで膝を当て続ける。T-98が随所でパンチを連打し会場を沸かせるが、プライチュムポーンはクリンチで耐える。記者採点はイーブン。。
5RもプライチュムポーンのクリンチにT-98が手を焼き続け終了。記者採点はイーブン。合計48-50でプライチュムポーン。ジャッジ3者もプライチュムポーンを支持し、T-98は判定負けした。
第3試合 61.5kg契約(ライト級相当) 3分5R
○重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者、元新日本フェザー&バンタム級王者/61.25kg)
×翔・センチャイジム(センチャイムエタイジム/INNOVATIONライト級王者、元WMC日本・MuayThaiOpen・蹴拳ムエタイ・NJKF王者/61.50kg)
4R 2’38” TKO (コーナーストップ:左フックで2ダウン後)
37歳・64戦のキャリアのある翔は12月1日のムエタイオープンの大谷翔司戦を最後に引退することが決まっており、今回がその1試合前の試合だ。
1R、サウスポーの翔に重森が圧力をかけ続け、終盤に右ミドルを強打するが、お互い慎重。記者採点イーブン。ジャッジ1名が重森につける。
2R、翔が圧をかけ始め、重森が回りながら右ミドルを当てていたが、翔が中盤、左フックをクリーンヒットし、重森をひるませる。記者採点は翔。ジャッジ2名が翔、1名が重森につける。
3Rも同じ構図の中で、翔が左ストレートを効かせ、左肘も絡めたラッシュでダウンを奪う。さらに左肘で2ダウン目を奪い、重森を追い詰めるが、終了間際の打ち合いで、重森が右フックでダウンを奪い返し、試合をわからなくする。ジャッジも記者採点も9-10で翔。
4Rも翔が前に出るが、重森は回りながらも右ストレート、右ハイを当て、翔をひるませ、パンチと肘とハイのラッシュでダウンを奪う。翔はダメージが大きく、最後は重森がパンチ、ハイを当て、左フックで2ダウン目を奪ったところで、翔陣営からタオルが投入された。
重森は「WKBA王者として他団体の王者に負けるわけにはいかないので必死に頑張りました。KNOCK OUTは今、3Rとか肘無しとかが混合していますけど、5R肘有りは重森陽太に任せてください」とアピールした。
第2試合 57kg契約(フェザー級相当) 3分5R
○宮元啓介(橋本道場/INNOVATIONフェザー級王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者/56.85kg)
×小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者/57.00kg)
判定3-0 (少49-48/秋谷49-48/北尻49-48)
昨年2月に引き分けた両者の再戦。1Rはお互いあまり攻めず、2Rから裕典が首相撲からの膝のヒットを増やし、宮元が右ローのヒットを増やす。ここまでイーブン。
3R、宮元が少しずつ右ロー、左ミドルのヒットを増やし、パンチも当たり出す。裕典も終盤の打ち合いでパンチと肘を返して巻き返す。ジャッジ1名が宮元、2名が裕典につけ、判定が割れる。記者採点はイーブン。
4Rはお互い肘、パンチを当て合い、一歩も譲らぬ展開。記者採点イーブン。
すると5R、宮元が序盤から積極的にパンチを振るい、終盤には右フックの連打でひるませ、バックスピンキック等も当てて圧倒する。記者採点は宮元で合計49-48で宮元。最終ラウンドが決め手となり、宮元が再戦を制した。
第1試合 REBELSルール(肘無し) 64kg契約 3分3R
×耀織[よしき](Y’s glow/62.95kg)
○鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/パンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)優勝/63.90kg)
2R 1’39” KO (左膝蹴り→右ストレート)
鈴木兄弟の弟・千裕は10月4日のKNOCK OUTでのキック3戦目で、INNOVATIONスーパーライト級王者の橋本悟をわずか45秒でKO。KNOCK OUTとREBELSの大会が年内に11月1日にしか無いことから、今大会への出場を希望し、6月のREBELSで与座優貴と判定1-2の接戦を演じた耀織が相手となった。
1R、鈴木が耀織の右ローに合わせて右フックを当てて効かせ、終盤に右フックでひるませ攻勢。2R、兄の宙樹から「2Rで倒すんだろ」と声が飛ぶと、圧力を強め、右フックの連打でダウンを奪う。耀織はダメージが大きく、鈴木が側頭部への左膝蹴りと右ストレートの連打で2ダウン目を奪ったところで秋谷レフェリーがKOを宣告。公約通り2R以内にKOした鈴木は「有言実行だ」と絶叫した。
オープニングマッチ4 52.16kg契約(スーパーフライ級相当) 3分3R
×佐藤仁志(新宿スポーツジム/52.15kg)
○花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級7位/51.80kg)
判定0-3 (25-30/25-30/24-30)
オープニングマッチ3 53.5kg契約(バンタム級相当) 3分3R
○古村 光(FURUMURA-GYM/53.35kg)
×星野航大(TORNADO/53.45kg)
2R 終了時 TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる頭部のカット)
オープニングマッチ2 REBELSルール(肘無し) 女子50kg契約 2分2R
○山上都乃(ウィラサクレック・フェアテックス湖北)
×チエミ(HIDE GYM)
判定3-0 (20-19/20-19/20-19)
オープニングマッチ1 REBELSルール(肘無し) 女子50kg契約 2分2R
○大塚愛莉(上州松井ジム)
×望月冴香(G-1 TEAM TAKAGI)
判定2-0 (20-19/19-19/20-19)