KNOCK OUT 11.1 後楽園 大会後会見:小笠原瑛作「相手の罠にはまりました」、鈴木千裕「お兄ちゃんの一言がなかったら倒せませんでした」、山口元気P「来年は仕組みが変わる」
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11月1日(金)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT 2019 BREAKING DAWN』。大会後には、ファンを招いてのアフターパーティーが行われ、壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)、宮元啓介(橋本道場)、鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)の勝者3選手、メインイベントでサオエーク・シットシェフブンタム(タイ)にKO負けした小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)も出席。ぱんちゃん璃奈がMCを務め、山口元気プロデューサーも同席し、大会を総括した。アフターパーティーに参加しなかった日菜太(クロスポイント吉祥寺)からもコメントが到着。次回KNOCK OUTは2020年2月11日(火祝)東京・大田区総合体育館大会を開催。大会概要やトーナメント詳細、参戦選手等は随時発表となる。(記事提供:キックスロード)
山口元気プロデューサー
「オープニングファイトではアマチュアの女子2人、50kgの女子中学生・大塚愛莉さんと現役女子高生の山上都乃さんが勝ち、山上さんは46kgの選手なのでぱんちゃんと同階級になります。本人は今後プロでやっていきたいということなので、トライアウトの一環として来年2月に向けてうち(クロスポイント吉祥寺)の川島えりさとの一戦を組んでいこうかなと思います。そして、大塚さんは負けなしのホープなのでこれから育てていければ、と思います。彼女らと対戦し負けた2人、チエミさん、望月冴香さんもいい選手だったので、そこはちゃんと育てていきたいと思います。
オープニングマッチ第3試合の古村光選手はプロで十分にやっている選手で、、対戦相手の星野航大選手もデビュー戦でありながら光った試合でした。アマチュアREBELSでいい試合をしていたので彼を抜擢しました。
オープニングマッチ第4試合の花岡竜選手は噂に違わず、テクニックが凄すぎて相手の佐藤仁志選手は相手にならない状況でした。今後のフライ級では台風の目の存在になるのかなと思います。
第1試合の鈴木千裕選手は公約通り、2Rで倒しました。2月大会では64kgでのトーナメントを計画していく中で鈴木がキーポイントになるのかなと思います。これからメンバーは精査するのですが、14日の記者会見で大会概要を発表したいと思います。
第2試合の宮元啓介選手と小笠原裕選手の2人は相性が良く、試合では楽しそうに戦っていた印象を受けました。
第3試合の重森陽太選手と翔・センチャイムエタイ選手はKNOCK OUT史上に残る激闘になり、翔選手の覚悟が凄く見えた試合でした。一歩間違えれば、翔選手がKO勝ちの場面もありました。あそこで火が付いたと思います。重森選手は美しい蹴りで説得力がありましたよね。ああいう選手はなかなかいないので、KNOCK OUTにどんどん出て欲しいと思います。
第4試合のT-98とプライチュンポン・ソーシーソムポンの一戦は、プライチュンポンのうまさがありましたが、そこを崩す力がT-98には必要になります。ただ、プライチュンポンは逃げすぎなのでいい試合が生まれません。
第5試合の壱とHIROYUKIはいい試合で、将来を担う才能二人がいい試合をしました。その中でも壱の気の強さが非常に見えて良かったなと。壱は今後、(小笠原)瑛作に挑戦状を出し、スーパーバンタム級での試合を希望しているので、これから面白い展開になるんじゃないかと思います。
第6試合の日菜太に関しては、昼にお母さんが倒れて救急車で運ばれたことで精彩を欠いたかなと思います。ラーシーシンに関してはウィラサクレック会長が売り出したいタイ人なので頑張っていました。日菜太とは今後どこに照準を定めるかをちゃんと話し合って決めたいと思います。
第7試合のサオエークと瑛作の試合は、正直なところ1Rにフィジカル差がかなりあったので瑛作が勝ったと思いましたが、瑛作はガードの真ん中が空くのでそこをヒジで狙われました。今後はそこを気を付けないといけないなと。
スーパーバンタム級に関しては今後、8人のトーナメントを半年間かけて開催しようと思います。面白い出場選手が集まっているので、そこで今回57kg契約で試合をした宮元君は、階級を落としてもらえたらいいなと思います。来年は仕組みが変わるので、そこに向けていいきっかけの大会になったと思います。詳しくは14日の会見でお話したいと思います」
壱・センチャイジム
「1R目は僕が対策していたことをHIROYUKI選手はわかっていたかのように、僕がやりたかったこと全てを崩されてしまい、これはまずいなと。そしたら会長から『練習してきたことを忘れるな。ステップを変えろ!』と。3R目から練習でやっていないことをやったら、それがうまくはまり勝ちにつながりました。今回はいい勝ち方ができたと思います」
――1、2RはHIROYUKI選手が取ったラウンドでした。
「完全に取られたなと」
――HIROYUKI選手はヒジで斬ると言っていて、斬らせなかったのは?
「もう意地ですね。顔だけは守ろうと思っていたのですが、唇だけは斬ってしまいました。顔部分だけ傷が付かなければ全然問題ないです」
――HIROYUKI選手と対戦してどうでした?
「シンプルに想像以上に強かったです。HIROYUKI選手は29戦目でサウスポーとの対戦が初ということだったので、左ミドルがばんばん当たるのかと思ったらあたらないですし、ミドルを蹴ったら必ずインローを返してきました。これは完全に左ミドル対策はできているなと。そこで会長が3R目から右足とヒザ蹴りを使え!と言われて前蹴りを出したらインローがだんだんとなくなり、そこからHIROYUKI選手のリズムは崩れたなと。会長がセコンドに付いてなかったらあのまま3、4Rも取られていたのかなと」
――試合中には笑っていましたよね?
「あれは強がりが半分、楽しいという気持ちがあったからです。ラウンドを取られると焦りがあるので、効いてないよという強がりもありますし、後半もになると試合が楽しくなりました。HIROYUKI選手も一緒に盛り上げようとやっている感が掴めたので試合が楽しかったです」
――今後は同階級のどの選手を意識しますか?
「バンタム級では、3階級制覇している岩浪悠弥君。バンタム級、スーパーバンタム級は層が厚いのですが、今はスーパーバンタム級が凄く盛り上がっているので僕も入り込みたいなと。僕が小笠原瑛作さんとやりたいことは変わらないですし、僕の挑戦を受けてほしいですね」
――顔が傷つくと僕の女性ファンが泣くそうですが、今日はどうでした?
「みんな笑顔で帰ってくれたので良かったです。幸せそうでした」
――小笠原選手を倒したサオエークについては興味ありますか?
「タイミングの取り方が絶妙で日本人にはないテクニックでした。いずれは挑戦したいですね。僕は今後、いつでもスーパーバンタム級でやっていける自信があありますのでよろしくお願いします」
鈴木千裕
「今日は応援ありがとうございました。おかげ様で勝つことができました。やはりタイトルマッチを組んでいただきたいです。練習を頑張るので応援よろしくお願いします。あと、KNOCK OUTのカードをそろそろ作ってほしいのでそこもよろしくお願いします(KNOCK OUT製作の選手カードは今後特典として付く可能性がるとのこと)」
――2Rに公約通り勝つことができた感想をお願いします。
「前回と同様、有言実行すると言ったので、今回も作戦通りいけたので結果には満足しています。でも、次の相手は未定ですが、どんどん僕のことが攻略されていて耀織選手は自分のストレートにローキックを合わせて来たんです。これからどんどん対策されるので、慢心しないようにケガを治してすぐに練習して次を迎えたいと思います」
――ファンはパンチよりもキックを磨いて欲しいと思うのですが、いかがですか?
「パンチ主体でいきたいのですが、蹴りを散らしてパンチを当てるのが理想の形。パンチだけに頼らずに蹴りもバランスよく練習して、KOのポイントはやはり最後にパンチで倒すことなので磨いていきます」
――実際に体感した耀織選手の蹴り技はどうでした?
「動画を見た通り、回転系の技が多かったのですが、一回受けた時に軽いなと感じました。やはり飛ぶ分、体重を乗せられないので。基礎的な打撃が一番強いので、それができてからの大技。自分はイケると思いました」
――試合後、お兄さんの宙樹選手からダメだしはありました?
「試合後は『よくやった、次も頑張ろう』と言ってくれたのですが、2Rはじめに『千裕! 2Rで倒すんじゃないのかよ!』と言われたことで一気にエンジンがかかったので、お兄ちゃんの一言がなかったら倒せませんでした」
――ご自身の階級でトーナメント開催される予定ですが、どういう選手に出てきてほしいですか。
「僕のチャンピオンロードを邪魔する人がいれば誰でもいいので、絶対にダイヤモンドパンチでぶっ倒します」
宮元啓介
「今回、自分の中で色んな思いが詰まった試合でしたが、緊張もいつもより凄くて始めは動きが硬くて大丈夫かな?と思いました。最後はローを効かせられて、自分の思う通りに試合を組み立てられて良かったと思います」
――対戦した小笠原裕典選手の印象はどうでした?
「お子さんも産まれてそこの覚悟が伝わってきて呑まれそうでした。前回よりも確実に強くなっていて、首相撲がうまくなっていて対策ができずに怯んだ部分もありました」
――金髪にしたのは?
「試合に関係なく、ただのイメチェンです(笑)。20歳ぐらいにして以来です」
――今後のKNOCK OUTでどういう姿を見せたいですか?
「勝てたことは良かったのですが、倒せなかったので次は倒せるように頑張ります」
――弟の瑛作選手には以前負けてますが、兄弟の違いはどう感じてますか?
「戦い方が違って、瑛作選手の方がスピードがあります」
――今後、スーパーバンタム級で試合をして欲しいと山口プロデューサーからリクエストがありました。
「今回57kg契約の理由が、僕は前回イノベーションでフェザー級のベルトを獲ったからなんです。自分の適性は55kgなので問題ないです」
――メインに出場したサオエークとの対戦に興味はありますか?
「凄く強いですが、もし組まれればやるだけなのでやれるならやりたいです」
小笠原瑛作
――ダメージは?
「顎が痛いぐらいです」
――今回は復活を懸けた試合でした。
「発言権がないので何とも言えません。すぐにでも試合がしたい。こういう結果に終わってしまい、今後は組まれた試合を落とさないことですね」
――壱・センチャイ選手が対戦をアピールしていたことをどう思いますか?
「今まで下の階級なので意識してなかった選手ですが、挑戦をうけます。僕は今回負けて発言権はありません必ず戻ってきます。応援よろしくお願いします」
――ご自身のコンディションはどうでした?
「1R終わってイケると感じたのでそこで押し切ろうとしたところを狙われました。イケると思わせた自分の気持ちの強さを狙われたので相手の罠にはまりました」
――サオエークは自分のことを研究していると感じた部分はありました?
「ヒジ、ローキックをカットしてくると思ったので、ボディを散らそうと思って練習してきました。1Rは圧力も感じず、ボディも結構入りました。3、4Rまでもっと攻撃を散らしても良かったのかなと思いますね。この負けを無駄にしないで次につなげたいと思います。本当にいい経験になりました。このキャリアになっても、正直なところこのレベルのタイ人と戦ったことがなかったので、タイ人のうまさを感じました」
日菜太
効いてたと思うけど、途中で倒せなかったのは課題ですね。あれがタイ人の強さ。ラーシーシンは第2のゲーオと呼ばれてるみたいで、きょうは止めなきゃいけないと思った。他の日本人は勝てないですよ。来年2月にまたジョムトーンとやりたい。きょう進退を懸けて闘いましたけど、シッティッチャイとか強い選手とやってから引退したい。母は実家に迎えに行ったら倒れてて、救急車で病院に向かいました。きょうの試合は観られなかったけど、勝ったので。お母さんにまた試合を観てもらえるのは良かったです。
KNOCK OUT 11.1 後楽園ホール:日菜太、覚悟の一戦で勝利。小笠原瑛作、タイ現役ランカーのサオエークにKO負け