Krush 7.21 後楽園ホール:レオナ・ペタス、大岩龍矢に勝利し武尊が対戦承諾「やろうぜ」。中野滉太、瑠久を1Rで粉砕
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Krush.115
2020年7月21日(火)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休止していたKrushが、6月28日の新宿フェイス大会で、3カ月ぶりに再開し、7月11日には本拠地の後楽園ホールに戻って開催された。それから2週間足らずの間隔でKrushが再び後楽園大会を開催。だが11日の大会も今回の21日の大会も、コロナ予防対策として、客席の数は約3分の1に減らされた。主催者発表の観衆は520人。
第9試合 メインイベント Krushスーパー・フェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/王者)
×大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)
判定3-0 (岡田30-29/豊永30-29/梅木30-28)
※ペタスが2度目の防衛
レオナは昨年12月、山本直樹を破ってKrush王座を初防衛して以来、2度目の防衛戦。3月のK-1さいたまスーパーアリーナ大会では、K-1とRISEの元王者・村越優汰をKOしている。レオナはK-1王座奪取を次の目標に掲げており、K-1同級王者の武尊の盟友・大岩とのKrush王座防衛戦を、その足掛かりにしたいところ。対する大岩は昨年12月のK-1名古屋大会でスタウロス・エグザコスティディスに勝利。Krushで過去に2度王座に挑戦したが敗れている。
大岩のセコンドには武尊がつく。1R、大岩が圧力をかけ、長身のレオナが左ジャブを突いて距離を取って回る構図。お互いパンチを当て、レオナのヒット数が少し上回るが、大岩も返しており、まだ均衡状態は崩れない。記者採点は10-9でレオナにするか迷ったがイーブン。
2R、大岩は圧力を強め、右フックを当て、少しレオナの動きを止める。だがレオナはすぐ持ち直し、終盤には右のロー、カーフキック、テンカオを随所で当て、巻き返す。記者採点はイーブン。
3Rも大岩が圧をかける展開が続くが、これまでよりクリンチが増え、攻防が寸断される場面が多い。大岩が左右のフックの連打を決める場面もあるが、レオナは右ロー、テンカオ、左ジャブを随所で返す。記者採点はイーブン。記者採点は30-30。どのラウンドも決め手に欠いたようにも見えたが、ジャッジは3者ともレオナを1~2点差で支持し、レオナの判定勝ちとなった。
ベルトを巻いたレオナは「スッキリKO勝ちできなかったですけど、僕が一番ベルトが似合っていて、実力があると思います。K-1チャンピオン、武尊選手、いないんですかね?Krushで相手いないんで、武尊選手しか相手いないんで、次、やりませんか?」とアピール。すると一旦退場した武尊が、舞台裏を1周回ってレオナ側の赤コーナーに登場してリングに上がり、マイクを受け取ると「やろうぜ」とだけ答え、マイクをマットに投げ捨て退場した。マイクを拾ったレオナは「僕がK-1王者になるんで応援お願いします」と最後にアピール。記念撮影では亡き母の遺影を掲げ涙を流した。今回、レオナは大岩の圧力に手を焼いた感があるが、さらに強い圧力をかけてくる武尊との対戦に向け、どう準備するかが楽しみだ。
僕のなりのKrush王者への敬意
このリングにいた頃みたいに
感情を解放して戦うよ。
ぶっ倒す。 https://t.co/TuLtZUNGIy— 武尊 takeru (@takerusegawa) July 21, 2020
◆レオナ・ペタス
(試合を振り返って?)試合は全然ダメな感じでした。課題がいっぱいあって、やってきたことが全然出せなかった試合でした。(対戦相手の印象は?)全然噛み合わなかったなっていう感じでしたね。(試合後の対戦アピールに武尊選手が応えたことについては?)今日みたいな試合をしてしまうと、絶対に(武尊には)勝てないんで。もし武尊選手と試合が決まったら、それまでに成長して、絶対勝てるようにしたいなと思います。(今後の目標は?)もっともっと成長して、K-1のベルトも巻きたいと思うので、みなさん応援よろしくお願いいたします。(※編集部注:コロナ対策でマスコミはインタビュースペースに入れないため、公式発表のコメントを掲載しています)
第8試合 セミファイナル スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○中野滉太(POWER OF DREAM)
×瑠久(K-1 GYM横浜infinity)
1R 2’20” KO (左フック)
1R、両者パンチの間合いで、中野が中盤過ぎに左ボディを効かせると、瑠久の動きが止まり、中野はその隙を逃さずコーナーに詰めてのパンチラッシュで、右ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。瑠久は立ち上がるがフラついており、コーナーにもたれて立つのがやっとだが、豊永レフェリーは続行。中野が再びロープに詰めると、右フックのフェイントからの左フックをクリーンヒットし、瑠久をマットに沈めた。
中野は昨年12月のK-1名古屋大会の平山迅戦に続きKO勝ち。今回も圧巻の強さを見せつけた中野は「いい結果で終われたので、そろそろタイトルマッチかなと思っています」とアピールした。
◆中野滉太
(試合を振り返って?)練習したことと、会長の声がしっかり聞こえて、いい結果で勝てたのかなと思います。(対戦相手の印象は?)やっぱり強かったですね。でも、期間が空いたぶん、しっかり対策はしてきたので、そこがうまくハマッたなと思います。(すぐにでもタイトルにチャレンジしたい?)そうですね。自分もそれなりにトップ選手とやってると思ってるんで、そろそろタイトルマッチを組んでもらってもいいのかなと思います。(今後の目標は?)最初から言ってるとおり、今年は自分の年にしたいと思ってるので。しっかり一戦一戦を大事に、タイトルマッチが組まれればなと思います。これからも応援よろしくお願いします。
第7試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×里見柚己(K-1 GYM横浜infinity)
○瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)
判定0-3 (山崎28-30/太田28-30/豊永28-30)
1R、長身の瓦田がやや重心低めに構え、圧力をかけつつ、伸びのある右ストレートを当ててからのパンチラッシュで追い詰める場面を作り好印象を残す。
2R、サウスポーの里見に対し、瓦田が右ストレート、右ミドル、右ハイを随所で当て主導権。里見は口と鼻から出血し、攻撃がほとんど返せなくなる。
3Rもしばらく瓦田ペースだったが、次第に里見も左ミドル、左ストレートのヒットを増やし挽回。瓦田は終盤、雄たけびを上げながら手を振って挑発し、右フックを返して好印象を残し、里見の反撃を封じ判定勝ちした。
◆瓦田脩二
(試合を振り返って?)はじめの入りは自分のリズムで、うまい具合に入れたかなと思うんですけど、最後は先にギアを上げてきたのが里見選手で。あそこは自分のリズムで押し切って、倒し切るくらいの強さを見せないと、Krushのベルトまで心技体でいう心の部分が足りないかなと思いました。(対戦相手の印象は?)ずっと流れて流れてだったので、ムチャクチャ対策は立ててたので、その対策がうまくはまったかなというところはあります。
(7月に開催予定だったK-1福岡大会が現在調整中だが、大会への思いは?)地元福岡でK-1があるって聞いて本当にうれしくて、絶対に出場したいなって思ってます。そこで結果を残せたら、ゴンナパー選手への挑戦の近道になると思うので、福岡大会も視野に入れて試合していきたいですね。(今後の目標は?)何度も名前を出してるんですけど、ゴンナパー選手を倒して、Krushのベルトを獲ることが目標です。次、林健太選手と決まっていて、どっちが勝つかもわからないし、どうなるかわからないですけど、なんらかのかたちでゴンナパー選手に挑戦して、ゴンナパー選手からKrushのベルトを獲りたいですね。自分たちのジムの代表の梶原龍児さんが持っていたライト級のベルトを、命がけで獲りにいく覚悟はできているので、ぜひこれからも応援よろしくお願いいたします。
第6試合 第3代Krush女子アトム級(45kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×優(北斗会館押上道場)
○菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定0-3 (山崎28-30/豊永28-30/島村27-30)
高梨knuckle美穂の王座返上により空位になっているKrush女子アトム級王座を懸けた4選手参加のトーナメントが今大会から開幕した。
1R、菅原は右の前蹴りやロー、優はパンチ主体で蹴りも織り交ぜるファイトで、まだはっきりした差はない。2Rも同様の構図だが、菅原のローをもらった優の左腿が赤く腫れるように。優は終盤、右フックをヒットするが、その先まで攻め込めない。2Rあたりからバッティングが増え、3R、お互いやや攻めあぐねたまま終了。記者採点は30-30。ジャッジは3者とも差をつけ菅原を支持した。
第5試合 第3代Krush女子アトム級(45kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○MOE(若獅子会館)
×チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)
判定3-0 (岡田30-29/山崎30-29/豊永30-28)
1R、お互い慎重なファイトでなかなか攻撃が出なかったが、2Rに入ると、MOEの左ボディがやや効き目を発揮し、コーナーに詰めてのパンチの連打や、左ミドルのヒットが目立つように。リーはほとんど攻撃を返せない。3Rは次第にリーも右ロー、ミドル、ストレートのヒットを増やして巻き返すものの、決定打に欠き、MOEの判定勝ちとなった。記者採点は2RのみMOEにつけ30-29でMOE。
◆菅原美優
(試合を振り返って?)練習したことはできたんですけど、もっとできたなっていう。スッキリしない試合になってしまったなという感じです。(対戦相手の印象は?)最初のイメージどおり、パンチの強い選手だなという感じです。(決勝で対戦するMOE選手の印象は?)蹴りもパンチも全部が強いかなという感じですね。(あとひとつ勝てばチャンピオンだが?)このまま微妙な試合をして勝っても、Krushのチャンピオンにふさわしくないので。次の試合までに私がチャンピオンだって言えるようなところまで、しっかり仕上げて臨みたいと思います。押忍。
◆MOE
(試合を振り返って?)思ってた戦いよりも、チャン・リー選手はやりにくくて、強かったです。(決勝の相手となる菅原美優選手の印象は?)前の試合より、ほんまにメチャ強くなっとって。パンチも蹴りも巧くなってたなと思いました。(あとひとつ勝てばチャンピオンだが?)ベルトを必ず獲って、いままで負けた選手にもリベンジしたいんで。必ずチャンピオンベルトを獲りたいと思います。
第4試合 54kg契約 3分3R(延長1R)
○晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード)
4R 判定3-0 (山崎10-8/島村10-8/豊永10-8)
3R 判定1-1 (山崎28-29/島村29-28/豊永28-28)
1R、長身でサウスポーの黒田が、晃貴の圧力をかわしながら、左ミドルを主体に、パンチ、ロー、ハイを随所で当て主導権。
2R中盤には左ミドルを効かせてから、晃貴をコーナーに詰めてパンチラッシュで追い詰める。終盤、晃貴もパンチを返し巻き返すと、黒田はクリンチが増える。
3Rも黒田は組み付きが多く、芹沢レフェリーから減点1を宣告される。晃貴が主導権を維持するが、黒田のクリンチに攻撃を寸断され攻めきれず。
本戦の判定は三者三様となり延長へ。黒田は相変わらずクリンチを繰り返し、自らスリップする場面も多い。晃貴は手を焼いたが前に出続け攻勢を維持し判定勝ちした。
第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○松本涼雅(team ALL-WIN)
判定0-3 (29-30/29-30/28-29)
第2試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○斎藤祐斗(JK TRIBE)
判定0-3 (27-29/27-29/27-29)
※2R左ハイキックで三輪に1ダウン
第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×池田幸司(ReBORN経堂)
○橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-3 (岡田28-30/山崎28-29/三浦28-30)
※当初の採点は判定0-3 (岡田27-30/山崎27-29/三浦27-30)だったが、2Rの橋本の右フックでの池田のダウンが、橋本に足をすくわれてバランスを崩した可能性が高いと判断され、ダウンは取り消しとなり、採点が変更された。(詳細記事)