Krush 7.11 後楽園ホール:佐々木大蔵、近藤拳成に大差の判定勝ち。鈴木勇人・蓮實光・椿原龍矢が鮮烈KO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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Krush.114
2020年7月11日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休止していたKrushが、6月28日の新宿フェイス大会で、3カ月ぶりに再開。そして今回、ホーム会場の後楽園ホールに3カ月半ぶりに戻って来た。
後楽園ホールもこのKrushから観客を入れたイベントを再開する。ただしコロナ予防対策として、客席の数は約3分の1に減らされた(主催者発表で観衆は520人)。5Fの会場に上がるエレベーターは体の不自由な方、妊婦、高齢者、ベビーカー利用者限定とし、観客は入場時の検温、手指の消毒、マスク着用などが義務付けられた(参照:後楽園ホールの公式サイト)。長時間の滞在を防ぐため、Krushでは通常行われるプレリミナリーファイトも中止で、全9試合中第6試合まで同時入場で、休憩も挟まない短縮進行に。リングサイドのスタッフは飛沫を防ぐためフェイスガードも着用している。また、マスコミもリングサイドでの写真撮影はできず、バルコニーからの撮影となった。(選手の試合後のコメントも、インタビュースペースでの取材ができないため、公式提供のコメントを掲載しています。)
第9試合 メインイベント Krushスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者、元Krushライト級王者)
×近藤拳成(大成会館/挑戦者、K-1甲子園2016 -65kg優勝)
判定3-0 (西村30-26/豊永30-26/山根30-26)
※佐々木が初防衛
この一戦は元々、3月12日に発表され、5月9日の大阪・コミュニティプラザ平野大会で予定されていた。コロナの感染拡大の影響で大阪大会が延期となり、5月30日の後楽園大会にスライドされたが、緊急事態宣言の影響で再び延期。その後も6月28日に再々延期したが、また延び、当初の予定の2か月遅れの7月11日にようやく試合が行われた。
佐々木は2月24日のKrush.111での同級タイトルマッチで王者の鈴木勇人に判定勝ちし新王者になり、今回が初防衛戦。対する近藤拳成は兄・大成、弟・魁成との三兄弟で知られる20歳。プロ7戦3勝(2KO)3敗1分。昨年6月の1年ぶりの試合でFUMIYAにTKO勝ちし、続く8月のK-1大阪大会では大和哲也に判定負けしたが、11月のKrush大阪大会では高下由暉に2R KO勝ちした。
試合は佐々木が格の違いをまざまざと見せつけることに。1R、佐々木が左ミドルを当てつつ、右ストレートも絡めていると、中盤、右ストレートを当ててから、すぐに左の三日月蹴りを連続でクリーンヒットし、ダウンを奪う。
2Rも佐々木がタイミングをうまくズラしながら、左ミドルや左ハイを随所で当て、拳成は顔をしかめる。拳成もパンチを振るい、少し当てるが、流れはなかなか変えられない。
3Rも佐々木ペースは変わらず。左ジャブ、右フック、左ボディを随所で当て続け、左ミドル、左右の膝をまとめると、中盤、拳成は体がくの字に曲がり、かなり苦しそう。それでも耐えてパンチを振るうが、佐々木は打ち合いでもパンチを返し、主導権を譲らず終了。大差をつけ判定勝ちした。
ベルトを巻きマイクを持った佐々木は「自粛期間が続き、気を抜くことができないですけど、お集りいただいた皆様、ありがとうございます。やっぱり、お客さんが半分ということで、いつもと違うKrushの雰囲気だったと思いますけど、再出発のメインを飾らせていただき、光栄に思います。ベルトを巻いたということで、Krushと共に、僕も負けないよう成長していきます。興行を行うにあたり、僕だけではリングに立てません。近藤選手がいたから立てました。お客さんがいて、裏方で動く方がいて、試合ができると本当に思います。まだ人間として未熟ですが、一歩ずつ成長しますので、ついてきてください」と謙虚にアピールした。
◆佐々木大蔵
(試合を振り返って?)ひさびさの後楽園ホールでの有観客の試合、2月以来ですね。こうしてお客さんを入れて試合できることが、本当に気持ちよくて。僕が一番、気持ちよかったんじゃないかなと思うくらいです。これからお客さんも交えて、熱を届けられるような試合をしていくために、またがんばっていきたいと思います。
(対戦相手の印象は?)やっぱりセコンドの近藤大成さん、お兄ちゃんの声もすごく聞こえて。兄弟3人で戦ってるっていうものをリングの上で感じました。近藤拳成選手もその思いを持ってリングに上がって、対峙してるという部分で熱を感じましたね。
(ライト級時代の防衛戦と違ったものは?)タイトルマッチだからっていうのはなかったです。本当にこうして一戦一戦、試合ができることが楽しみで。今、僕は充実した格闘技ライフを日々すごしていて、一日一日、進化を求めて生きています。だからタイトルマッチ云々っていう気持ちはなかったですね。
(選手として円熟味を増しているが、今後の目標は?)そう言ってもらえるのはありがたいです。やっぱり『アイツの試合はハズレがない』とか、一人でも多くの方に満足を届けられるように、勝っていかなければプロとしての在りかたを務められないと思うので。見ている人に熱を届けられるように、僕はリングの上で戦う人間として、プロとして一歩一歩成長していくことが使命だと思っています。
(最後にファンのみなさんへのメッセージは?)やっぱりKrush再出発ということで、リング上でもお話しさせていただいたんですけれど、一戦一戦、進化を確実に見せて、どんどん戦績を重ねていきたいと思います。みなさんも『アイツに負けられない』という気持ちを持って、一緒に進化していきましょう。
◆近藤拳成
(試合を振り返って?)佐々木選手が強くて、まだまだ僕のほうが実力不足でした。もっともっと練習して強くなります。
(対戦相手の印象は?)強かったです。
(今後の目標は?)もっと強くなって、絶対にリベンジするんで、これからも応援よろしくお願いいたします。
第8試合 セミファイナル スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/元Krush王者)
×FUMIYA(ポゴナ・クラブジム)
1R 1’30” KO (左フック)
鈴木は2月に佐々木大蔵に敗れKrushスーパー・ライト級王座から陥落してから初の試合。以前の試合ではFUMIYAがKO勝ちしている。
1R、鈴木がサウスポーに構え、左ミドルを連打すると、FUMIYAが強引に右フックを連打して前に詰めるが、鈴木が左フックをクリーンヒットしダウンを奪う。ダメージの残るFUMIYAも必死に前に出てパンチを振るうが、鈴木は落ち着いてかわし、アゴへの左テンカオと左ショートフックを連打して2ダウン目を奪うと、FUMIYAは立ち上がれずレフェリーがストップした。
勝った鈴木は「FUMIYA選手とは1勝1敗なので、次はベルトをかけてやりましょう。K-1のベルトを取りに行きます」とアピールした。
◆鈴木勇人
(試合を振り返って?)FUMIYA選手はガンガン来ると思ったんで、そのときに冷静に対応しようと思っていました。打ち合うというよりは、ディフェンスのためのカウンターを取ったんですけど、それがいい具合に当たったのかなと思ってますね。
(対戦相手の印象は?)FUMIYA選手のガンガンくるファイトスタイルは研究していたので、本当に想定内です。まあでも、早期決着はあまり考えていませんでした。1Rは危険な部分を出さないようにいこうと思ってたんですけど、思ったよりもパンチが見えたんで、ここで取れるなと思っていきました。
(今後の目標は?)K-1のベルトを獲りにいきます。自分は絶対にトップを取ります。
第7試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
○蓮實 光(パラエストラ栃木)
2R 2’16” KO (右アッパー)
1R、圧力をかける蓮實に対し、大沢が回ってかわしつつ、時折パンチをまとめ、やや好印象。だがまだはっきりした差はついていない。だが2R、蓮實がガードの隙間を縫うように、右フックを当ててダウンを奪う。大沢は立ち上がるがダメージが大きく、蓮實が左フック、右アッパーで立て続けにダウンを奪いKO勝ちした。大沢は担架で運ばれた。蓮實は「次はタイトルマッチ、よろしく」とアピールした。
◆蓮實光
(試合を振り返って?)結果的にKOで勝てたのは、非常にうれしいです。とくに実力ある選手に勝てたことが、自分の中でも大きい結果ですごいうれしいです。
(対戦相手の印象は?)間合いとか上手くて、いきなり1Rで鼻血が出る部分もありました。的確に当てる上手さを試合をしていて感じました。
(今後の目標は?)今自分はずっとKOで勝っていて、今回は名前のある大沢選手にKOで勝てたので、ぜひタイトルマッチを組んでいただけたらと思います。ベルト目指してがんばります。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×桝本翔也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○椿原龍矢(月心会チーム侍/K-1甲子園2017 -55kg優勝)
3R 2’0″ KO (左ハイキック)
1R、椿原が桝本の圧力を細かい左右の動きでかわしながら、ロー、ミドルを当てるが、まだ桝本もひるまない。2R、椿原は同じようにステップしつつ、左ジャブのヒットを増やすと、終了間際に右フックを連続で当て、しっかり好印象を残す。すると3R、同じように椿原がステップでかわし続けた後、左テンカオを効かせた後、サウスポーにスイッチして右ジャブを当ててから左ハイをクリーンヒット。桝本は起き上がれず、担架で運ばれた。椿原は「今回57.5kgに上げて初めての試合、ベルトを目指したいと思います」とアピールした。
なお、この試合後、木村“フィリップ”ミノルがリングに上がり、Krushウェルター級王座返上を表明。「人生で初めて獲った思い出のベルトを返上することになりました。次の世代がこのベルト目指し、素晴らしい戦いを繰り広げて欲しいです。僕はK-1をもっと大きくして、みんなが見たいK-1を体現していきます」と話した。木村は3月のK-1でのスーパー・ウェルター級王座決定トーナメントで優勝しK-1王者となっている。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○TETSU(月心会チーム侍)
×提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2018 -60kg優勝)
判定3-0 (30-29/29-28/29-28)
1R、提髪が終盤、右フックのヒットを増やすと、TETSUは鼻血を出すように。だが2R、TETSUが中盤からバックスピンキックを当てると挽回し、終盤にはバックハンドブロー、右フックで提髪を追い詰める。3RもTETSUが右ロー、左ミドル、右フックを手数多く当て続け、主導権を維持し判定勝ちした。
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×蒼士(昇龍會)
○鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※希山泰樹 改め
2R 1’26” KO (右フック)
1R、蒼士が左右のロー主体に、上の蹴りやパンチも駆使し、やや優位に試合を運ぶ。2Rもしばらくそのペースだったが、鬼山は耐え、パンチを返し続けているとじわじわ挽回。圧をかけ返すと、左フックをクリーンヒットしてからのパンチラッシュでダウンを奪う。鬼山はさらに右フックの連打で2ダウン目を奪ったところで、蒼士が立とうとしたがフラつき、レフェリーがKOを宣告。鬼山が改名の甲斐もあってか?見事KO勝ちした。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×新美貴士(名古屋JKファクトリー)
○岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-3 (29-30/28-30/28-30)
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○森坂 陸(エスジム)
×勝輝(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)
判定3-0 (30-28/29-28/29-28)
※3R左ボディフックで勝輝に1ダウン
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○秀樹(レンジャージム)
×知良(RBアカデミー)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)