RIZIN 3.23 神戸ワールド記念ホール(レポ/前半戦):ブアカーオ、木村“フィリップ”ミノルの強打潜り抜け2R KO勝ち、安保瑠輝也との決着戦も承諾。柴田“MONKEY”有哉、膝十字で山本アーセンを秒殺
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RIZIN LANDMARK.9 in KOBE
2024年3月23日(土)兵庫・神戸ワールド記念ホール
レポート:井原芳徳 写真:(C)RIZIN FF (後半戦のレポは別記事に掲載しています)
中継 ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE(前売5,000円/当日5,500円/アーカイブ3,300円)、スカパー(5,000円)
ブアカーオ、木村“フィリップ”ミノルの強打潜り抜け2R KO
第3試合 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 74kg契約(ミドル級相当) 3分3R
○ブアカーオ・バンチャメーク(タイ/バンチャメークジム/K-1 WORLD MAX世界70kgトーナメント’04 ’06優勝、シュートボクシングS-cup 70kg ’10優勝、元WMC世界スーパーウェルター級王者)
×木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/Battle Box/元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元Krushウェルター級(67.5kg)王者)
2R 1’10” KO (右ストレート)
ブアカーオは41歳。ゼロ年代のK-1 WORLD MAXで魔裟斗のライバルとして活躍し、タイのムエタイ選手の外国での活躍の先駆者となる。旧K-1の経営破綻後はクンルンファイトやオールスターファイトといったアジア圏の大会を主戦場としつつ、弟子のスーパーボンをONEの王者にまで育て上げるなど、指導者としても評価を高めた。20年からコロナ禍に突入すると試合をしていなかったが、22年7月にベトナムで約3年ぶりに試合復帰。素手のボクシング「ベアナックルファイト」やラジャダムナンワールドシリーズでの三浦孝太や佐藤嘉洋氏とのエキシビションマッチでも話題を呼んだ。
昨年5月にRIZINに初参戦すると、安保瑠輝也と70kg契約で対戦し、左ミドルを主体にした蹴り技で安保を翻弄し、衰えぬ技術を印象付けたが、ドローに終わっていた。9月にはラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)で城戸康裕と肘無し・キャッチ制限ありのルールで対戦し、城戸を圧倒したものの、3Rの偶発的なバッティングで城戸が額をカットし、ノーコンテストに終わった。その試合はブアカーオの怪我が理由で70kg契約から73kg契約に変わっていた。ブアカーオはその2週間後、中国で試合し、その試合も1R終了時にノーコンテストで終わっている。最近では12月のRWSに出場しオランダの選手に判定勝ちしている。
木村は21年12月に和島大海に敗れた試合を最後に、ボクシングへの転向を理由にK-1を離れたが、22年12月末のアントニオ猪木氏追悼大会では矢地祐介とキック+MMAのミックスルールで対戦し、1R目のキックルールで矢地をわずか66秒でKOした。今年3月のKNOCK OUTでは72kg契約を1.75kgオーバーしたが、クンタップ・チャロンチャイに32秒でKO。6月のRIZIN札幌大会でもロクク・ダリを左フックで68秒KOした(73kg契約)。だがダリ陣営の希望で行われたドーピング検査の結果、陽性と判明し、9月に無効試合に裁定が変わり、禁止薬物使用中だったと木村が明かした矢地戦、クンタップ戦も各プロモーターが無効試合に裁定を変更した。大晦日大会での安保瑠輝也戦が11月11日に発表されたが、その前のドーピング検査でも陽性を判明し、発表半月後に試合中止が発表された。今回3月23日の神戸大会の5日前、RIZINの榊原信行CEOと木村が東京のRIZIN FF事務局にて記者会見を行い、木村のドーピング再検査が陰性だったと報告し、ブアカーオとの一戦を発表した。
試合がブアカーオがムエタイの基本に忠実な防御と攻撃の打ち分けで木村を仕留めることに。1R、木村は開始すぐから左ボディを強打し、フックにつなげ、左右のパンチを連打する。ブアカーオは少し苦しそうな様子を見せるが、ステップで距離を取りつつ、ブロックして耐える。するとブアカーオは前蹴りで突き放しつつ、右ローをコツコツ当て、少しずつ木村の勢いを削る。さらにブアカーオは木村を金網に詰め、左テンカオを連打して効かせると、木村の動きは早くも止まる。それでも木村は左フックを振うが、ブアカーオはしっかりブロックし、自分の右ローを当て、主導権を維持して終える。記者採点はブアカーオ。
2R、ブアカーオが序盤から木村を金網に詰め、左膝をボディに連打しつつ顔面に左膝を当てる。木村のダメージは大きく、ブアカーオは前蹴りで再び木村を金網に詰めてから、右ロー、左前蹴りで下に意識を向けさせると、ブロックの隙間からワンツーで右ストレートをクリーンヒットする。木村はダウンすると、金網を背に座ってぐったりしたまま動けず、レフェリーがストップした。
マイクを持ったブアカーオは「ハイ、オハヨウゴザイマス」と日本語で第一声を放ち、タイ語で「皆さんの記憶に残る試合ができたと思います。私はまだ強いです」とアピールした。するとケージサイドで見ていた安保がケージに入り、「木村、お前、薬使ってブアカーオに勝てないってどういうことや」と話し、観客を笑わせると、「ブアカーオ選手もう一回戦ってくれませんか。俺たちドローなんで決着つけましょう」と続け、ブアカーオも「OK、ハイ」と即答した。
ストラッサー起一、計量オーバーのイゴール・タナベに「ええかげんにせえコラ」。タナベは仕切り直し戦を希望
第8試合 MMA ウェルター級(76kg) 5分3R
―イゴール・タナベ(ブラジル/セラヴィー)
―ストラッサー起一(コブラ会/元HEAT MMAウェルター級王者)
中止 (タナベの計量3.25kgオーバー)
日系ブラジル人のタナベは23歳。7歳からブラジリアン柔術を始め、21年と22年にはJBJJF主催全日本大会で階級別と無差別級の両方で優勝。22年10月のHEATでMMAデビューし一本勝ちし、12月のINOKI BOM-BA-YE×巌流島ではメルヴィン・マヌーフに1Rヒールフックで勝利。昨年7月のRIZIN初戦では阿部大治に1Rヒールフックで、10月の名古屋大会ではANIMAL☆KOJIに1R三角絞めで勝利した。それまでミドル級だったが、大晦日大会ではウェルター級に階級を下げ、安西信昌に1R裸絞めで一本勝ちし、MMA 5連勝とした。
起一は42歳。21年11月のRIZIN TRIGGERでの2年ぶりの試合で川中孝浩に1R肩固めで一本勝ちしたが、22年3月の大阪大会では阿部大治に判定負けし、昨年4月の大阪大会でも中村K太郎に2R TKO負けし2連敗中だった。
前日計量をストラッサーは76.80kgでクリアしたが、タナベは3.25kgオーバーの80.25kgだった。主催者と両陣営が協議した結果、試合は中止となった。体重差とタナベの体調を考慮したものと思われる。
ケージに起一が登場すると「楽しみにしていた皆さん、すみませんでした。僕も本当に悔しいです。一つだけ言わせてください」と話した後、「イゴール、ええかげんにせえコラ」と恒例の決めセリフを放ち、場内をどよめかせた。さらに起一は「イゴール、お前、準備期間あったはずや。プロとして失格や。軽いリングやないねん。最高のRIZINの素晴らしいリング・ケージ、生半可なリング・ケージやない。俺もう42歳。死ぬ気で数カ月仕上げて来て、最高の状態でここに上がってる。本当は試合で勝って、42歳の魂、見せたかったよ。イゴール、お前も家族おる。守るもんたくさんある。俺も家族おんねん。死ぬ気でやってんねん。わかってくれよ。だけどイゴール聞け。完璧な人間なんておらん。失敗はある。俺もたくさん失敗してきて今がある。だから今回の失敗、次に活かしてくれ。俺はお前を許す。もしお前がウェルター級でやる気持ちがあるんやったら、お前の挑戦受けてやるよ」とイゴールに呼びかけた。さらに「榊原さん、俺のこの怒りどうしてくれるんですか。超RIZINでやらせてくれ。以上」と叫び、マイクをマットに叩きつけた。
すると榊原信行RIZIN CEOがケージに入り「イゴールも精一杯やったと思いますが、できなかったのはプロとして失格で、お前の怒る気持ちは凄くわかるんで、本当申し訳ない。彼が再戦するか、ウェルター級で続けるかわかりませんが、ストラッサーの試合は必ず組みますんで、また相談しながら、時間ください」と回答した。
なお、タナベは大会後、コメント動画をXにアップした。欠場を謝罪しつつ「(起一が)マイクで言っていたように、僕の挑戦を受けていただけるんでしたら、もう一度挑戦させてください。皆さん不安があると思うんですけど、この体重を作れることに自信があるので、僕のことを信頼してください」と話している。
柴田“MONKEY”有哉、膝十字で山本アーセンを秒殺
第7試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○柴田“MONKEY”有哉(Team KIZUNA)
×山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)
1R 1’45” 膝十字固め
柴田はRIZIN初参戦。DEEPで和田竜光、越智晴雄、神龍誠と王座を争ったがいずれも敗れている。約3年のブランクを経て22年4月のDEEPで復帰し渋谷カズキに、12月のDEEPで杉山廣平に、いずれも三角絞めで一本勝ちし、復帰後2連勝中だ。
山本美憂の長男・アーセンは20年8月大会で加藤ケンジに1R KO負けし、以降や怪我やメンタルの不調により約3年試合から遠ざかった。昨年5月の復帰戦では伊藤裕樹を組技主体で圧倒して判定勝ちし評価を一気に高めたが、9月の福田龍彌戦では福田のパンチで左まぶたを腫らしTKO負けしている。
試合は柴田が持ち前の極めの強さを発揮することに。1R、アーセンはサウスポーで構え、左テンカオを当ててから組み付いて、金網に押し込む。柴田は下から腰投げを狙うが、この動きをフェイントにしつつ、切り替えてアーセンの足元に潜り、サンボ技のビクトル式の膝十字を狙う。柴田はアンクルロックも狙いつつ足を延ばすと、膝十字が極まり、アーセンはタップした。
柴田は涙を流しながらマイクを持ち「PRIDEを目指ししてて、プロで2連敗した時に、道路に飛び込もうとした時があって、それでもあきらめやんとやってきて良かったです。ここでこういう勝ち方をしたのが僕の生きている価値なんで、皆さん僕をまたRIZINに連れて来てください」と話し、最後は息子をケージに上げて勝利を喜んだ。
金太郎、連敗を4でストップ
第6試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
○金太郎(パンクラス大阪稲垣組)
×ダイキ・ライトイヤー(修斗ジム神戸)
判定3-0 (石川=金太郎[D50-0 A30-0 G20-0]/松宮=金太郎[D50-0 A30-0 G20-0]/橋本=金太郎[D50-0 A30-0 G20-0])
※金太郎にアイポークの反則で減点-20
金太郎は21年のRIZINバンタム級日本GP準決勝で井上直樹に判定負け。大晦日のリザーブファイトでは元谷友貴に判定負け。昨年9月の埼玉大会では堀口恭司に2R肩固めで一本負けしたが、1Rに左ストレートでダウンを奪い、ファンを驚かせた。昨年4月の大阪大会では石司晃一に判定1-2で惜敗し4連敗中だ。昨年秋の2か月間、堀口のいるフロリダのATTで練習を積んだ。会見では「この1年、しっかり格闘技に向き合ってきたので、次の試合で見せます」と意気込みを語っており、成長ぶりが見ものだ。
大会地元神戸のダイキは21年11月のRIZIN TRIGGER 1stでRIZINに初参戦し釜谷真を2R KO。その後は修斗で3戦し、後藤丈治と加藤ケンジに連敗したが、昨年9月に波平コングに一本勝ちしている。
1R、金太郎がサウスポーで構え、随所で左ミドルを当てつつ、中盤には左ストレートを当ててダイキからダウンを奪う。スタンドに戻ると、またも金太郎が左フックでダウンを奪う。金太郎は中央付近で上からハーフガードの状態で押さえる。最後、金太郎がパウンドを当てつつ、サイドを取って終える。ここまで金太郎が優勢だ。
2R、スタンドの打撃戦が続き、金太郎が左フック、ボディ、ミドルを当てる場面もあるが、1Rのようにダウンを奪うことはできない。ダイキも右の膝蹴りを当てるが、主導権を握るほどにはならない。
3R、金太郎は指を前に向ける行為が繰り返されたため、福田レフェリーからイエローカード(減点20%)を受ける。だが再開後、金太郎は左フックでまたもダウンを奪い、金網際でハーフで押さえる。金太郎は終盤、トップで押さえ続け、パウンドを落として終える。記者採点はダメージ50-0、アグレッシブネス30-0、ジェネラルシップ20-0、減点-20で合計80-0で金太郎。ジャッジ3者も金太郎を支持し、金太郎が判定勝ちした。
マイクを持った金太郎は「KOで復活したかったんですけど、堅くなってしまいすみません。またアメリカに行って強くなって帰ってきます。大阪は稲垣組が一番強いです」とアピールした。
貴賢神、MMA 4戦目で初勝利
第5試合 MMA ヘビー級(120kg) 5分3R
○貴賢神[たかけんしん](フリー/118.05kg)
×コーディー・ジェラベック[Cody Jerabek](米国/マッドハウスMMA/99.40kg)
1R 2’58” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
貴賢神は元力士で22年4月のRIZINでMMAデビューし、関根“シュレック”秀樹に2R TKO負け。11月の名古屋大会での2戦目ではカルリ・ギブレインに1R TKO負け。昨年10月の名古屋大会では荒東“怪獣キラー”英貴戦では1Rに荒東を追い詰めるも、攻め疲れし2Rに逆転TKO負けしている。
ジェラベックはRIZIN初参戦の32歳。4歳から伝統派空手を習い、17年にはラグビーワールドカップの米国代表に選ばれた。22年9月にLFAでMMAプロデビューし1戦1勝(1KO)。
1R、貴賢神が中盤に押し込み、片足タックルを仕掛けるが、ジェラベックは突き放すと右ハイを当てる。さらにジェラベックは前に出てパンチを振るうが、貴賢神は金網を背にして右のフックを返すとカウンターで命中し、ジェラベックは動きが止まる。ジェラベックは一呼吸置いてからタックルを仕掛けるが、力が入らない。貴賢神が突き放して金網際に詰めると、右ミドルを効かせつつ、パンチの連打で右ストレートを当てると、ジェラベックはフラつき、長瀬レフェリーがストップした。
マイクを持った貴賢神は「デビューから連敗し、ずっと支えてくれた皆さんにお礼申し上げます。今年はどんどん経験を積んで、最高のヘビー級ファイターになれるよう頑張ります」と話した。
久保優太、高橋遼伍との打撃戦制す
第4試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE/元K-1ウェルター級(67.5kg)王者)
×高橋遼伍(KRAZY BEE/元修斗環太平洋フェザー級王者)
判定2-1 (松宮=久保[D0-0 A0-0 G20-0]/石川=高橋[D0-0 A0-30 G20-0]/豊永=久保[D0-0 A30-0 G20-0])
久保は20年3月のジョーダン・ピケオー戦での勝利を最後に、K-1を離れ、ボクシング転向を目指していたが、MMAに転向し、21年9月のRIZINでMMAデビューし太田忍に判定負け。22年11月に奥田啓介を下し、昨年6月の札幌大会で木下カラテに判定勝ちし、大晦日大会では安保瑠輝也に1R裸絞めで一本勝ちし3連勝中だ。
高橋はRIZIN初参戦の35歳。11年にプロMMAデビューし、16年11月に平川智也にKO勝ちし修斗環太平洋フェザー級王座を獲得。17年10月に青井人に判定勝ちし初防衛した。膝の手術のため18年4月に王座を返上。19年5月の復帰後、1試合だけ修斗で試合をしたが、6試合ONEで戦い、ONEでは2勝4敗。22年3月のアミール・カーン戦、10月のオ・ホテク戦と、得意のカーフキックを効かせたが、不可解な裁定で判定1-2で敗れる試合が続いた。昨年12月のパンクラスでの約1年ぶりの試合では、キム・サンウォンの右ストレートで右まぶたを腫らしTKO負けした。当初の負傷判定ドローから、サンウォン陣営の異議申し立てにより裁定が変わっていた。
1R、高橋はサウスポーの久保に対し、右のインローカーフを当て続けて効かせると、詰めて右と左のフックにつなげる。見合う時間が続くが、その中で高橋は引き続き右カーフを当て、久保も左の三日月蹴りを当てる。残り1分を切り、高橋はタックルを仕掛けて倒し、金網際でハーフで押さえ、パウンドを当て、印象を作って終える。
流れが変わったのが2R。久保が左三日月、高橋が右カーフ、左ローを当てる場面があるが、お互い攻撃は少ない状態が続く。終盤、久保は圧を強め、右フック、左ミドルとヒットを増やし、防御されるが左ハイを放つ。終了間際には久保が左テンカオを当て好印象を作る。
3R、挽回を狙う高橋は右フックを当てつつ組みに行くが、久保は突き放し続ける。久保は左ミドル、首相撲からの膝蹴りもヒットし印象を作る。終盤も久保が首相撲からの肘・膝、左ミドルを当てる。残り30秒、高橋はタックルから組み付くが、久保は倒れず終える。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス30-0、ジェネラルシップ20-0、合計50-0で久保。ジャッジは割れたが2者が久保を支持し、久保が判定勝ちした。
憂也KO勝ち「木村選手とブアカーオ選手の勝者とやりたい」
第2試合 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 70kg契約(スーパーウェルター級相当) 3分3R
○憂也(魁塾/RISEミドル級(70kg)4位、元DEEP☆KICK -65kg王者)
×蛇鬼将矢[じゃき まさや](テツジム/元NKBウェルター級王者)
2R 2’25” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
地元大阪勢同士のキックの試合も組まれた。憂也はRISEを主戦場としつつ、RIZINにもキックルールで3度上がり3戦全勝で、22年3月の大阪大会では洋輔YAMATOにKO勝ちしている。昨年3月のRISEでモトヤスックに敗れたが、昨年7月・12月とRISEで2連勝中だ。
蛇鬼は22年3月の大阪大会でこうたにKO勝ちして以来となるRIZIN参戦。その後はRISEで1敗1分。昨年11月のBreakingdownではBreakingdownの常連選手の川島悠汰をKOしている。
試合は実績で上回る憂也の完勝に。1R、憂也がプレッシャーをかけ、右ロー、カーフ、テンカオ、左ボディ、フック等を的確に当て続けて主導権を握る。蛇鬼もパンチを返していたが流れは変わらず、終了間際に憂也が右フックでダウンを奪う。
2R、憂也はカウンターの右ストレートを効かせると、左フックでまたもダウンを奪う。憂也は左右のパンチを当て続け、最後は右ストレートでマットに沈めた。
マイクを持った憂也は「木村ミノル選手の復帰戦をアピールしようと思ったんですけど、ブアカーオ戦が決まってしまったんで、次やる木村選手とブアカーオ選手の勝者とやりたいです」とアピールした。
第1試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○中村優作(TEAM FAUST/元WSOF-GCフライ級王者)
×アルマン・アシモフ[Arman Ashimov](カザフスタン/Mustafa Ozturik)
判定3-0 (橋本=中村[D0-0 A0-0 G20-0]/松宮=中村[D0-0 A0-0 G20-0]/石川=中村[D0-0 A0-30 G20-0])
※中村は56.95kgで計量クリア。アシモフは2.40kgオーバー。試合開始予定の14時の1時間30分前の12時30分に当日計量を実施し、アシモフの計量結果が61kg以下のため試合実施。中村が勝った場合のみ公式記録とし、中村が負けるか引き分けた場合はノーコンテスト。アシモフは減点-50
中村は22年11月に征矢貴に判定勝ちしたが、昨年4月の地元大阪大会ではメイマン・マメドフにわずか23秒でTKO負け。10月の名古屋でのヒロヤ戦で判定勝ちして以来の試合となる。
アシモフはRIZIN初参戦、MMA 16戦12勝(7KO/1一本)3敗1分の32歳。21年10月の地元カザフスタンのNaiza FCで勝利して以来約2年ぶりとなるMMAの試合だが、22年12月にはボクシングの試合も経験し引き分けている。
アシモフが前日計量で大幅にオーバーし、当日の試合直前の計量はクリアし、試合が実施された。ケージで向き合った両者の体格差はさほど無い様子だ。
1R、アシモフがプレッシャーをかけ、中村がガードを下げて距離を取り、お互い慎重に出方をうかがう。中盤、中村が押し込みが、膠着すると、豊永レフェリーはブレイクをかける。再開後もアシモフがプレッシャーをかけ、お互いパンチや蹴りを出すが、まだ攻撃は少ない。
2R、アシモフが圧を強めると、中村は金網に近い場所まで詰められる時間が長くなる。アシモフの右フックを中村はかわしているが、自分の攻撃が出せず、印象が悪い。またも中村が押し込むが、膠着すると豊永レフェリーはブレイクをかける。その後もアシモフが前に出る展開が続く。
3R、アシモフが前に出続け、右の後ろ上段廻し蹴りを放つと、中村は腕でブロックし、アシモフが倒れる。中村は猪木アリ状態の後、上になってハーフで押さえる。アシモフは寝技はまだ苦手な様子で、中村がパスガードすると、ニーオンザベリーでマウントを狙いつつパウンドを当てる。終盤、アシモフが脱出しスタンドに戻すが、目立つ攻防は無く終わる。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス30-0、ジェネラルシップ0-20で合計30-20で中村。ジャッジは減点が無ければ1者がアシモフを支持する形で割れていたが、減点があるため、中村の勝利となった。
オープニングファイト第3試合 キック 53kg契約(バンタム級相当) 3分3R
×野田 蒼[あおい](月心会チーム侍/K-1甲子園2020 -55kg優勝)
○上村雄音(BKジム/DEEP☆KICK -53kg 3位)
2R 1’35” KO (パンチ連打)
オープニングファイト第2試合 キック 57.5kg契約(フェザー級相当) 3分3R
○松山 瞬(TEAM TEPPEN)
×櫻井 芯(team FIST)
3R 1’55” KO (右フック)
オープニングファイト第1試合 キック 56.5kg契約(フェザー級相当) 3分3R
○赤平大治(VERTEX)
×吉岡雄希(テツジム関西)
判定3-0 (29-28/29-28/30-28)