RIZIN 4.1 丸善インテックアリーナ大阪(レポ):神龍誠、北方大地を2Rで沈め「堀口選手、ドッドソン、殺してやるよ」。芦澤竜誠、皇治をテンカオで攻略。ケラモフ、堀江圭功を圧倒。萩原京平、アグオンに逆転勝ちし連敗脱出
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RIZIN.41
2023年4月1日(土)丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
レポート:井原芳徳 試合写真提供:(C) RIZIN FF
中継:ABEMA PPV ONLINE LIVE、RIZIN 100 Club、U-NEXT、スカパー
芦澤竜誠、皇治との元K-1勢対決はテンカオ駆使し判定勝ちし「ナマズ音頭」熱唱
第10試合 メインイベント キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 61kg契約(ライト級相当) 3分3R
×皇治(TEAM ONE/ISKA K-1ルール世界ライト級王者、元HEAT同級王者)
○芦澤竜誠(Battle Box/元INNOVATIONフェザー級王者)※DRAGON FISHから所属変更
判定1-2 (片岡29-30/柴田30-29/豊島29-30)
2023年のRIZINの開幕戦となる大阪大会のメインイベントは、皇治と芦澤竜誠による、元K-1ファイター同士のキックルールの試合となった。
皇治は昨年3月のRIZIN大阪大会で梅野源治と対戦し判定2-0で辛勝。5月のHEATでダウサコン・モータッサナイに判定勝ちし、キックの試合はそれ以来約1年ぶりとなる。以降3試合はボクシング形式のエキシビションマッチが続き、11月の中東のドバイのフロイド・メイウェザーのイベントではジャハン・イングラムと拳を交えた。
芦澤は12年12月にキックデビューし、16年にINNOVATIONフェザー級王者となると、その次の試合からK-1を主戦場に活躍。村越優汰、大岩龍矢、西京春馬には敗れたが、小澤海斗、島野浩太朗には勝利し、1度敗れた相手である卜部弘嵩には21年9月にリベンジした。昨年6月のTHE MATCHではRISEのYA-MANとのオープンフィンガーグローブマッチで話題を呼んだが1R KO負けに終わった。12月3日でK-1との契約が解除となると、大晦日のRIZINの会場に登場し、皇治との対戦を両者承諾。2月1日の会見で対戦が正式発表された。MMA転向を表明している芦澤がMMAルールでの対戦を希望するも皇治が拒否し、通常のRIZINキックルールで争われることがその半月後の会見で発表された。大晦日、この会見、その後の道頓堀でのイベント、公開練習でも両者舌戦を繰り返し、エイプリルフールの4月1日、皇治の地元・大阪で両者拳を交える。
1R、皇治がプレッシャーをかけ、芦澤は距離を取りつつ左右のミドル、左膝を当てる。皇治も右ロー、カーフを当てる場面があるが、細かく動く芦澤を捕まえきれず、攻撃数では劣る。とはいえ芦澤もまだ皇治をひるませるような攻撃にはつなげられない。記者採点は若干芦澤優勢だがイーブン。
2R、皇治は圧力を強め、前に出る。芦澤は突き放し、右のバックハンドブローを放つと、前腕部が命中する。中盤、皇治は芦澤の蹴り足をすくいつつ、右と左のボディを連続でヒットする。終盤も皇治が左ボディを随所で当てるが、芦澤は左右のボディ狙いのテンカオ(組まない膝蹴り)で迎撃し、ステップでかわし攻撃を上手く寸断する。記者採点は若干皇治優勢だがイーブン。ジャッジは三者三様となっている。
3R、皇治は変わらず前に詰めるが、芦澤は左右の膝での迎撃を続ける。中盤、芦澤が左のボディ狙いのテンカオを連打すると、芦澤はバランスを崩してしまう。終盤、芦澤の左膝蹴りをもらった皇治が右まぶたから出血する。皇治は血だるまになりながらもしつこく前に出るが、芦澤はかわしてテンカオ、パンチをコツコツ当て続け、手数差をつけて印象を残す。記者採点は芦澤。ジャッジは1者のみ芦澤につける。記者採点合計29-30で芦澤。ジャッジは割れたが、2者が記者同様に芦澤を支持し、芦澤の判定勝ちとなった。
マイクを持った芦澤は「皆さんやりました。皇治軍団、悔しくて帰っちゃったのかな。あいつ(入場の)唄で『悪そうな金持ちだいたい友達』って言ってたけど、知らねえよバーカ。俺が勝ったら全て俺が正義だろ。MMA行くんで楽しみにしてください。もっと凄い戦いができると思います。あと皆さんお待ちかねのナマズ音頭、勝って唄いたいと思います」と話し、曲に乗せて「ナマ、ナマ、ナマズ」と唄い続けた。
試合後の皇治「本日をもって皇治は引退します」「エイプリルフールじゃないで」
なお、皇治は試合後のインタビューで「格闘技人生、幸せでした。大口叩いて負けるって意味は十分わかっています。エイプリルフールに引退するのも俺らしいなって思っています。本日をもって皇治は引退します」等と話し、質問を受けず退席した。去り際に「エイプリルフールじゃないですか?」と聞かれても「エイプリルフールじゃないです。ありがとうございました」と離して立ち去った。RIZINの榊原信行CEOはこの皇治の引退宣言について「試合が終わった直後で感情的になっている部分もあると思うので、クールダウンしたところで、今後ファンに向けて何を作り出せるか、真摯に向き合って話し合いたい」とコメントしている。
充実のフェザー級戦線、ケラモフが堀江圭功に圧勝し王座に近づく
第9試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○ウガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/オリオン・ファイトクラブ)
×堀江圭功(ALLIANCE/元パンクラス・フェザー級1位)
2R 3’21” 裸絞め
ケラモフは21年6月の東京ドーム大会で斎藤裕に判定負け。昨年4月には中島太一に一本勝ちし、7月のRIZIN埼玉大会で山本空良に判定勝ちして以来の試合。10月大会では中原由貴と対戦予定だったが、自身がヘルニアを発症し欠場していた。
堀江はパンクラスのフェザー級上位戦線で活躍した後、21年からRIZINに参戦。ZST王者の関鉄矢に右ストレートでTKO勝ちし、佐々木憂流迦、中田大貴に判定勝ちし3連勝している。21年11月の中田戦で右拳を骨折し、試合はそれ以来約1年半ぶりとなる。
An exciting end to round 1!
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1R、スタンドでのお見合いが続き、中盤、ケラモフが片足タックルを仕掛ける。倒せなかったが堀江をロープ際に詰めると、ケラモフは離してから左フックを当て、少し堀江をひるませる。堀江はケラモフを押し込んで休み、しばらくしてレフェリーがブレイクをかける。ケラモフはまたも片足タックルを仕掛け、背後からしがみつき押し込み、テイクダウンを狙い続ける。残り30秒に離れ、堀江が右ローを放つと、ケラモフは蹴り足をすくってから右フックをアゴに当てて倒し、パウンドラッシュで追い詰める。ここまでケラモフが優勢だ。
2R、ケラモフは右ロー、左ミドルを着実に当ててから、中盤に片足タックルを仕掛け、またもコーナーに押し込む。堀江は離れると、右ストレートをヒット。さらに右ストレートを当てるが、すぐケラモフはタックルを仕掛けて倒す。堀江が立とうとすると、すぐにケラモフは背後から乗っかり、裸絞めを極めタップを奪った。完勝の、ラモフはコーナーに登ると、腰にベルトを巻くジェスチャーをして、クレベル・コイケの持つフェザー級王座への挑戦を希望した。
ウェルター級ベテラン対決、中村K太郎がストラッサー起一を2R KO
第8試合 MMA ウェルター級(76kg) 5分3R
×ストラッサー起一(コブラ会/元HEAT MMAウェルター級王者)
○中村K太郎(K太郎道場/元DEEPウェルター級王者、SRCウェルター級GP 2010優勝)
2R 0’49” TKO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
地元大阪の起一は41歳。21年11月のRIZIN TRIGGERでの2年ぶりの試合で川中孝浩に1R肩固めで一本勝ちしたが、昨年3月の大阪大会では阿部大治に判定負けし、それから1年ぶりの試合となる。中村は38歳。15年から19年にUFCで8戦4勝4敗の成績を残し、19年9月からRIZINに戻りマルコス・ヨシオ・ソウザに1R TKO勝ちしたが、年末のベラトールとの対抗戦でロレンズ・ラーキンに判定負けし、それから3年4か月ぶりの試合となる。
1R、起一がオーソドックス、中村がサウスポーで構え、お互いスタンドで探り合う。中盤過ぎ、起一が前に出ると、中村は左フックで迎撃するが、お互い攻撃が乏しい状態が続く。残り40秒、中村がニータップで倒しにかかるが、起一は難なく防御し、中村がコーナーに押し込んで終える。
2R、中村が右ジャブを振ってから、左手を上に振ってニータップの形で組み付くが、起一が押し返しかけたところで中村は突き放す。中村は右ジャブをヒットする。起一が右フックを振うと、中村は少し下がって起一を誘ってから、起一が再び右フックを振ったタイミングで、中村が左フックをクロスカウンターこめかみにクリーンヒットする。ロープ際まで倒れた起一に、中村がパウンドをまとめたところでレフェリーがストップした。
マイクを持った中村は、30秒以上黙った後、「ありがとうございました」とだけ話してリングを降りた。
フライ級GP前哨戦?神龍誠、北方大地を2Rで沈め「堀口選手、ドッドソン、殺してやるよ」
第7試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
○神龍 誠(神龍ワールドジム/DEEP&CFFCフライ級王者)
×北方大地(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス・ストロー級2位・元王者)
2R 1’17” 肩固め
神龍は昨年5月のDEEPでフライ級暫定王者の藤田大和と王座統一戦を行い、3Rニンジャチョークで一本勝ち。7月の埼玉大会では所英男に判定勝ちした。UFC参戦を目指し、11月にはフロリダのCFFCに参戦すると、ディエゴ・パイヴァに勝利しCFFCフライ級王座を獲得。ニンジャチョーク(神龍の命名ではドラゴンデスロール)での一本勝ちは、CFFCおよび大会を配信したUFCファイトパスのサブミッション・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。現在9連勝中だ。
北方は昨年3月のRIZIN大阪大会で村元友太郎に判定勝ちし、RIZIN 2戦目で初勝利を果たした。だが7月、パンクラス・ストロー級王座防衛戦では山北渓人に5R判定負けを喫している。カード発表会見では「今回からフライ級で本格的に戦います」と話していたが、山北戦同様、新鋭に敗れることに。
1R、早速神龍が北方を圧倒する。神龍がサウスポーから左ストレートを放つと、北方は前に詰めてパンチを振うが、神龍は組んで投げを放つ。北方が潰しかけるが、神龍は耐えて上になって押さえ続ける。神龍はハーフガードの状態で肩固めのプレッシャーを掛け続け、パウンドを強振してからマウントポジションを奪う。終盤、神龍はハーフガードに戻り、右肘を連打する。北方は頭と額をカットし大量に出血する。神龍は押さえてパウンド、肘をコツコツ当て続ける。
2R、神龍が右ミドルを当ててからタックルで倒す。北方はギロチンで迎撃するが、神龍は難なく防御しハーフで押さえてまたも肘を落とす。神龍は右腕を枕にした状態から肩固めを極め、北方が落ちたところで福田レフェリーがストップした。
マイクを持った神龍は「俺がフライ級最強なんで、日本のフライ級で強い奴、ぶっ倒します。堀口(恭司)選手、ドッドソン、殺してやるよ」と、フライ級に転向した堀口と、大晦日のRIZNで所英男を1R KOした元UFCフライ級1位のジョン・ドッドソンを挑発した。
萩原京平、地元大阪で難敵アグオンに逆転勝ちし連敗3でストップ
第6試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×カイル・アグオン(グアム/SPIKE22)
○萩原京平(SMOKER GYM)
判定0-3 (福田=萩原/内田=萩原/橋本=萩原)
アグオンは昨年4月の調布大会で芦田崇宏に判定勝ちし、7月の沖縄大会で山本空良に判定負けして以来の試合。
萩原は2連勝後、昨年は3月の大阪大会で弥益ドミネーター聡志に1R腕ひしぎ三角固めで、5月のRIZIN LANDMARKでもクレベル・コイケに1R裸絞めで、9月の埼玉大会で鈴木千裕に2R裸絞めで敗れ、3試合連続で一本負けしている。昨年夏はブラジルに渡って練習していたが、最近は近畿大学レスリング部にも出稽古し、減量方法も専門家から学び、今回はそれらの成果を発揮する。
1Rはアグオンが先手を取る。萩原がオーソドックスで構えて詰めると、サウスポーのアグオンが右回りで距離を取った後、足元にタックルを仕掛ける。アグオンが背後からしがみつき押し込み、テイクダウンを狙って振り回し続けると、中盤に背後に倒れながらグラウンドに引き込み、バックマウントで萩原を捕獲する。アグオンは裸絞めの形に入り、萩原はアゴを引いて必死に防御する。アグオンは腕十字狙いのプレッシャーもかけ主導権を維持する。
Hagiwara reverses and gets some of those wonderful grounded strikes!
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ところが2Rはじわじわ流れが変わることに。萩原はいきなりパンチで突っ込むが、アグオンはタックルで迎撃し、またも押し込みテイクダウンを狙う。だが1Rよりもアグオンのパワーが落ち、倒せずにいると、中盤、萩原が突き放す。萩原は右ミドル、右ボディをヒット。アグオンがうずくまり、萩原の地元大阪の観客は湧き上がる。アグオンはタックルで難を逃れ、すぐに倒し、1R同様にバックマウントを奪うことに成功するが、攻めあぐねる。すると終盤、萩原は背後のアグオンに右のパウンドを連打してから、向き直すとすぐに立ち上がる。萩原はタックルに来るアグオンを押さえて膝蹴りや踏みつけを頭に当て追い詰める。最後はアグオンがタックルで倒しバックを奪うが、すぐ時間切れになる。終了後、萩原のロープつかみに対し注意1が出される。
3R、アグオンは苦しみながらもタックルからの押し込みを繰り返し、時折倒すが、すぐ萩原は立ち続ける。アグオンは押し込んだまま膠着し、残り1分、豊永レフェリーがブレイクをかける。アグオンがまたもタックルを仕掛け、コーナー際で倒し萩原を中腰まで持ち込むが、その先には持ち込めず終了する。結果的に萩原が逃げ切る形となる。記者採点は萩原。ジャッジ3者もダメージをしっかり与えた萩原を支持し、萩原の判定勝ちとなった。
マイクを持った萩原は「あー、やっと勝てた。倒せんかったんは悔しいですけど、前より成長したとこは見せれたと思います。(客席の平本蓮を指差し)おいクソガキ、見とったか、ちゃんと。お前もちゃんと勝てよ、次。皆さん、3連敗したのに変わらず暖かい応援ありがとうございます。いやあ、今日は普段酒飲まんけどテキーラ飲もう」とアピール。ファンからの拍手を浴びた。
満を持してRIZIN初参戦の石司晃一、金太郎との接戦制す
第5試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×金太郎(パンクラス大阪稲垣組/元パンクラス・バンタム級3位)
○石司[いしづか]晃一(フリー/DEEPバンタム級暫定王者)
判定1-2 (内田=石司/橋本=金太郎/豊永=石司)
金太郎はパンクラスのバンタム級王座戦線で活躍し、ハファエル・シウバに王座を阻まれたが、20年からRIZINに上がり2勝4敗。21年のバンタム級日本GP準決勝で井上直樹に判定負け。大晦日のリザーブファイトでは元谷友貴に判定負け。昨年9月の埼玉大会では堀口恭司に2R肩固めで一本負けしたが、1Rに左ストレートでダウンを奪い、ファンを驚かせた。
石司はMMAキャリア約11年、36歳のベテラン。長年DEEP一筋で戦い続け、大塚隆史、上迫博仁、DJ.Taiki、白川陸斗らに王座奪取の道を阻止されてきたが、昨年11月にCOROに判定勝ちし、DEEPバンタム級暫定王者となっている(正規王者はUFC参戦中のビクター・ヘンリー)。現在5連勝中。カード発表会見では「DEEPのベルトを取るまで他の団体に上がらないとDEEPの佐伯繁代表に約束していましたが、日本一を目指しているので、ここで日本一になりたいです」と離していた。
1R、石司がオーソドックスで構えじりじり詰め、サウスポーの金太郎が右回りで距離を取り続ける。お互い慎重だが、中盤、金太郎の左ボディが炸裂し、時折左ローも当てる。終盤には金太郎が左フックとミドルもヒット。石司も時折右ミドルを当てるが、その先の攻撃につなげられない。ここまでわずかに金太郎優勢だ。
2R、変わらず石司がプレッシャーをかける構図が続く。どちらも打撃勝負を続け、組む気配は無い。お互い攻撃が少なく、中盤、福田レフェリーがアクションを促す。その中で金太郎が随所で左ミドルを強打する。終盤、石司が圧力を強め、少し右の蹴りを増やすが、印象の強い攻撃には繋げられない。ここまでわずかに金太郎優勢だ。
3Rもお互い慎重なスタンド勝負が続く。中盤、金太郎が左ハイを放ったタイミングで、石司は前に出て組み付いてロープに押し込むと、背後から抱えて倒し、バックマウントを奪うことに成功する。石司は裸絞めを狙うが金太郎は防御を続ける。金太郎のアゴ下に石司の腕が入る場面はあるが、喉元には至らず、10秒ほどで外れる。最後は金太郎が向き合って上になって終える。石司はキャッチには至らず、パウンドでダメージを与えることができず終わる。
記者採点は僅差だが金太郎。石司の最後の裸絞めの評価の軽重の難しい内容のため、ジャッジは案の定割れたが、2者が石司を支持し、石司の判定勝ちとなった。ジャッジは橋本貴氏のみ金太郎のアグレッシブネス、ジェネラルシップを評価していたが、他の2者はアグレッシブネスは同点で、ジェネラルシップで石司を支持していた。
裁定が告げられると、金太郎は納得した様子でうなずいてリングを降りた。慎重なファイトとなってしまったため、仮に2票以上獲得していたとしても金太郎は悔しい表情だっただろう。
石司は表彰の後に一旦リングを降りたが、スタッフに呼び止められリングに戻りマイクを持つと「今日はDEEPのチャンピオンとして消化不良の試合をしてしまったんですけど、精進してトップまで勝ち上がれるように頑張りますんで、次もよろしくお願いします」とアピールした。
Road to UFCライト級ベスト4・キム・ギョンピョ、宇佐美正パトリックを1R裸絞め葬
第4試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×宇佐美正パトリック(Battle Box/修斗ライト級世界10位)
○キム・ギョンピョ[Kim kyung Pyo](韓国/レッドホースMMA/元HEATライト級王者)
1R 3’33” 裸絞め
宇佐美は大阪出身。幼少期から極真空手を習い、ボクシングでは高校6冠を達成。LDHの格闘家発掘オーディションを経て21年に修斗でMMAデビューし、昨年4月のLDH主催POUND STORMでは大尊伸光に判定負け。6月のRoad to UFCにエントリーしていたが、ライト級への減量中に脱水症状を起こし欠場した。LDHを離れ、10月のRIZIN福岡大会での再起戦では佐々木信治に3R TKO勝ち。大晦日には“ブラックパンサー”ベイノアをわずか45秒、左フックでKOしている。
ギョンピョはRIZIN初参戦の31歳。17年のGLADIATORでレッツ豪太に判定勝ちし、18年の修斗でキャプテン☆アフリカに1R TKO勝ちし、19年にHEATでトム・サントスに1R TKO勝ちしHEATライト級王者に。宇佐美も出た昨年のRoad to UFCに上がり、一回戦で中国の選手に1R TKO勝ちし、準決勝でインドの選手に判定1-2で惜敗し、約4年ぶりに日本の大会に出場する。
試合はグラップリングスキルの差が如実に出る内容に。1R序盤、宇佐美の右ローのタイミングで、ギョンピョが蹴り足をつかんでタックルを仕掛けて倒し、ハーフガードで押さえる。ギョンピョが腰を上げると、宇佐美は三角絞めを狙い意外にも寝技勝負を仕掛けるが、ギョンピョは難なく防御し、時折パウンドを的確に当てる。すると中盤、パウンドを嫌った宇佐美が背中を向けてしまい、ギョンピョは背後から押さえる。ギョンピョはパウンドを当ててから、バックマウントを奪うと、左手で宇佐美の右手をしばらくつかんでから、離した左手を素早く宇佐美の喉元にねじ込み、裸絞めを極める。宇佐美はタップし、ギョンピョが一本勝ちした。
Kyung Pyo Kim gets the tapout in the 1st round!
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フライ級戦線でメイマン・マメドフが中村優作を23秒KO
第3試合 MMA フライ級(57kg) 5分3R
×中村優作(TEAM FAUST/元WSOF-GCフライ級王者)
○メイマン・マメドフ(アゼルバイジャン/オリンパスクラブ)
1R 0’23” TKO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
中村も大阪出身。19年末から神龍誠、竿本樹生、伊藤裕樹相手に3連敗を喫したが、昨年11月に征矢貴に判定勝ちし、連敗脱出して以来の試合。マメドフは昨年10月に手塚基伸に1R TKO負けして以来2度目のRIZIN登場となる。
1R、しばらく見合った後、中村が両手を下げた状態から右フックを放つ。するとマメドフはかわしつつ右フックを空振りさせてから、すぐさま返しの左フックを放つと、これが中村のアゴにカウンターでクリーンヒット。中村は真後ろに倒れ、マメドフがパウンドをまとめたところでレフェリーストップした。
WOW‼️
Mehman Mamedov closes the show with one of the fastest KOs in RIZIN history – just under 20 seconds!
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地元勢主体のキック4試合。木村“ケルベロス”颯太らKO勝ち
第2試合 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 61kg契約(ライト級相当) 3分3R
○駿(Reborn Kickboxing Gym)
×元氣[もとき](楠誠会館)
1R 1’37” KO (右フック)
第1試合 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 66.5kg契約(ウェルター級相当) 3分3R
×進撃の祐基(亀岡キックボクシングジム/DEEP☆KICK -70kg 1位)
○木村“ケルベロス”颯太(心将塾/元DEEP☆KICK -65kg王者)
3R 1’32” TKO (レフェリーストップ:右ボディストレートでダウン後)
1R終盤、サウスポーの進撃が詰めてきたタイミングで、木村が右ストレートを当ててダウンを奪う。2Rも木村が着実に攻撃を当て、終盤にコーナーに詰めると、左ジャブを効かせてからの右フックでまたもダウンを奪う。3Rも主導権を維持すると、中盤に右ボディストレートでダウンを奪い、進撃は立てず、木村のKO勝ちとなった。マイクを持った木村は「RIZINキックボクシング、色々言われていますけど、また俺、呼んでください」とアピールした。
オープニングファイト2 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 57.5kg契約(フェザー級相当) 3分3R
○麻太郎[あさたろう](優心塾)
×櫻井 芯[しん](team Fist)
判定3-0 (豊島30-28/柴田30-28/片岡30-27)
※1R右ストレートで櫻井に1ダウン
オープニングファイト1 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 57.5kg契約(フェザー級相当) 3分3R
×三輪憂斗(真正会大前道場)
○赤平大治(VERTEX)
1R 2’47” TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)