CFFC 11.10 フロリダ(レポ):神龍誠、マイアの弟子からニンジャチョークで一本「次はUFCしかないでしょ」。平田直樹は判定負け
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Cage Fury Fighting Championships「CFFC 114」
2022年11月10日(木/現地時間)米国フロリダ州タンパ:セミノール・ハードロックホテル&カジノ
レポート:井原芳徳
神龍誠、マイアの弟子からニンジャチョークで一本「次はUFCしかないでしょ、見とけよ」
コーメインイベント CFFCフライ級王座決定戦 5分5R
×ディエゴ・パイヴァ[Diego Paiva](ブラジル)
○神龍 誠(神龍ワールドジム/DEEPフライ級王者)
4R 0’28” ニンジャチョーク
※神龍が王者に
CFFCは2006年に旗揚げした、UFCへの登竜門的なMMA大会。現在UFCバンタム級王者・アルジャメイン・スターリングはUFCに上がる前、11~13年にCFFCの同級王座に君臨し、UFCライトヘビー級5位・アンソニー・スミスもCFFCのミドル級王者だった。
今回、日本から20代前半のホープ・神龍誠と平田直樹が参戦した。大会の模様は日本でもABEMAを通じて生中継された。
DEEPフライ級王者の神龍は5月のDEEPで暫定王者の藤田大和と王座統一戦を行い、3Rニンジャチョークで一本勝ち。試合後のマイクでは「次は世界と戦いたいです。UFCのオファー、お待ちしています」とアピールしていた。7月のRIZIN埼玉大会では所英男に判定勝ちしている。18年10月以降8連勝中だ。16年のプロデビューから16戦14勝(2一本)1敗1分で、今回初の海外での試合となる。現在22歳。
対するパイヴァはMMA 13戦9勝(7一本/1KO)4敗の29歳。UFCで活躍した柔術の強豪・デミアン・マイアの弟子で、ブラジルの大会に上がり続け、最近では昨年8月の試合で2R裸絞めで一本勝ちしている。神龍とは対照的にフィニッシュ率が高い選手だ。
神龍は日本での試合同様、メキシコのプロレスラー風のマスクをかぶって入場する。セコンドには上田貴央がつく。米国の中継画面では本名の「TAKAHASHI」と表示される。
1R、神龍はサウスポーで構え、右の関節蹴りで下がらせてから、右フックを放って組み付く。だがパイヴァはすぐに金網に押し返す。神龍はすくい投げで倒そうとするが、パイヴァはすぐ立って離れる。
中盤、パイヴァがまたも神龍を押し込み、片足タックルで倒しにかかると、右手で神龍の首を抱えて倒し、上から押さえる。だが神龍はパイヴァの首を抱えながらリバースし、上から押さえてパウンドを連打し攻勢に。するとパイヴァは足を登らせ、腕十字・三角絞めを狙うが、神龍は対処し、パウンドを連打しダメージを与える。
終盤、神龍がハーフの状態となるとパイヴァは潜って片足タックルを仕掛けて立ち上がる。だがバッティングがあったか?神龍は右まぶたから出血する。そのままパイヴァは押し込み、最後は倒して上になるが、その先には持ち込めない。記者採点は神龍。
2R、神龍が序盤から倒し、パイヴァのバック狙いの動きを潰して上で押さえる。一旦スタンドに戻ると、神龍の軽めのパンチでパイヴァはスリップし、またも神龍が上になる。中盤も神龍はトップキープし随所でパウンドを落とす。
終盤にもパイヴァが立つが、これも神龍は潰して上に。神龍は鉄槌を連打し、パイヴァがもがくと、得意のニンジャチョークを仕掛け、フィニッシュを狙うが、まだ余力のあるパイヴァは対処し、極めを許さない。記者採点は神龍。
3R、神龍はサウスポーから右ハイをヒット。パイヴァが組みに来ると神龍は潰し、上で押さえ、中盤にはマウントを奪う。トップに戻されるが神龍はパウンドと肘を随所で当てる。終盤も神龍がトップキープするが、寝技の強いパイヴァの防御は堅く、簡単にフィニッシュを許さない。
記者採点は神龍。パイヴァは右目が腫れており、4R開始前にはドクターチェックを受けるが続行する。とはいえパイヴァは消耗しており、4Rに突如フィニッシュが訪れる。
TAKAHASHI is the @CFFCMMA flyweight champ!
[ #CFFC114 | LIVE NOW | on #UFCFIGHTPASS ] pic.twitter.com/AuujdV8FVl
— UFC FIGHT PASS (@UFCFightPass) November 11, 2022
4R、パイヴァがタックルを仕掛けて金網に押し込んできたが、神龍は右手でパイヴァの首を抱え、引き込みながらニンジャチョークを仕掛ける。回って逃げようとするパイヴァに対応して、回り続けて神龍は極め続けると、上四方から押さえて絞め上げたところでパイヴァがタップ。神龍が見事一本勝ちし、DEEPとCFFCの2冠を達成した。
勝利者インタビューで神龍は、今後について聞かれ「次はUFCしかないでしょ、見とけよ」とアピールした。UFC側から実力の高さは認められるつつも、一本勝ちの少なさを懸念され続けていたが、今回の勝利はUFC参戦に向けて大きなアピールとなりそうだ。
平田直樹、米国で再始動も判定負けし2連敗
バンタム級 5分3R
×平田直樹(トライフォース柔術アカデミー)※K-Clannから所属変更
○ハンター・スターナー[Hunter Starner](米国)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
平田は24歳。妹の樹と同様に柔道をベースとし、20年にMMAデビューし3連勝したが、昨年6月のDEEPで神田コウヤに判定負けし初黒星を喫した。10月の山本歩夢戦は怪我により欠場しており、試合は神田戦以来1年半ぶり。今年春からの「ABEMA格闘チャンネル 海外武者修行プロジェクト」でニューヨークに渡り、樹と共に練習を続けてきた。階級もフェザー級からバンタム級に下げての初戦となる。今回の相手・スターナーはMMAアマ7戦7勝、プロ1戦1勝の26歳。
1R、スターナーがサウスポーからの左ストレートを当ててから、金網に詰めて、がぶってからギロチンを狙う。だがすっぽ抜けると、平田はスターナーを金網に押し込む。
中盤、離れると、平田はタックルを仕掛けるが、スターナーは切って、金網に押し込んで倒す。だが平田は倒れ際にギロチンを仕掛ける。スターナーは体を振って引き抜くが、すぐに平田は動いて、バックマウントを取る。平田は背後からパウンドを連打してスターナーを追い詰める。
終盤、平田はマウントに移り、パウンドを時折落とすが、強打の連打にはつながらない。パウンドをまとめればレフェリーストップに持ち込めそうだが、平田はなぜかそうしない。終了間際に肩固めを狙うが、ダメージの小さいスターナーは防御して終える。記者採点は平田。10-8で平田につく可能性もある。
2R、ダメージが小さい様子のスターナーはプレッシャーをかけ、平田の片足タックルを難なく切る。平田は右ミドルを随所で当てるが、当たりは軽い。
中盤、組みの展開となり、平田は小手投げを仕掛けるがスターナーは耐える。平田はタックルも切られ続け、スターナーはがぶってから突き放す。平田は階級を落としたせいもあってか、やや疲れ気味で、スターナーはまだまだ元気な様子だ。
終盤も平田のタックルをスターナーが切り、離れればスターナーがプレッシャーをかけパンチと蹴りを当てる。最後はスターナーが切った状態から平田の背後に回ってパウンドを当て、金網に押し込んで、いい形で終える。記者採点はスターナー。
3R、スターナーは開始すぐから左ミドル、ストレートを連打し、苦し紛れの平田のタックルを潰して上からパウンドを落とす。すぐスタンドに戻すと、左ストレートをまたもヒット。スターナーが主導権を握る。
中盤、スターナーは変わらず圧力をかけ、随所で左フック、ミドルをヒット。平田も右ミドルを返すが、軽い当たりが続き、印象は今一つ良くない。
終盤、スターナーは押し込んでから倒し、金網に押さえつけ続け、時折パウンドを落とす。最後は平田が立ってスターナーを押し込むが、その先に持ち込めず終了する。
3Rの記者採点はスターナー。合計28-29でスターナー。ジャッジ3者も同じ採点で、スターナーの判定勝ちとなった。平田は1R終盤のパウンドでの仕留めどころを逸したことで逆転を許し、試合運びだけでなくスタンドの打撃・スタミナでも課題が見える試合内容となってしまった。とはいえ1年半ぶりの試合のため、試合勘が鈍っていた可能性もある。慣れない米国で階級を1つ下げて減量した影響も考えられる。今後も連敗にめげず試合経験を重ねる中で学んでいくことが大事だろう。